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2005/12/25

ベトナムからの週刊ニュース42号

 ウィークリー・ベトナム・ニュース
■ 平成17年12月24日 土曜日 第42号
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■ こんにちは!!
いつもお世話になっておりますベトナム ニャットアインです。
今日もここ一週間のベトナムの主なニュースをご笑覧下さい。

翻訳は直訳とせず、日本語に馴染む意訳としておりますので、ご注意下さい(笑)また、訳者の独断と偏見を交えた辛口寸評を入れてみました。内容が片寄り、言葉が多少過ぎる箇所も多々あろうかと存じますが、これもベトナムを愛するゆえの諫言とお許し下さい。

誤字・脱字はご愛敬ってことでお願いします<(_ _)>

尚、記事の転送は営利目的以外なら原則自由ですが、自己責任において行い その中で被った被害・損害に対し筆者は責任を負えませんのでご了解下さい。

ベトナム・ニュース その42 今週のヘッドライン

* 12月19日(月) にいちゃんはサンタクロース!
* 12月20日(火) 帰省列車切符の売り出し
* 12月21日(水) 危険な素潜り漁に賭ける
* 12月22日(木) 有能な会計士を増やそう!
* 12月23日(金) 国内ソフト業界へ仕事をまわそう?!
* 12月24日(土) 中国手前味噌的人権思想

12月19日(月) にいちゃんはサンタクロース!

* クリスマスが近づくにつれホーチミン市内は、歓びを迎える為の飾り付けで彩られ明るさを増してくる。温かい雰囲気は通りのあちこちホテルやショッピング街を包み込んで行く。中でも、Nguyen Hue通り、Dong Khoi通り、Hai Ba Trung通りやKy Dong通りは、眩いばかりのイルミネーションに飾られたクリスマスツリーが競うように光り輝いている。

144 Hai Ba Trung通りで玩具店を営むXuan Trangさんに因ると、今月初めから人々は争うようにして家に飾るためのクリスマスツリーやオーナメントを買い求めるようになったという。買い物客のNguyen Lan Anhさんに今年のクリスマスシーズンについて尋ねたところ、これまでと異なりベトナム産のクリスマスアイテムが売り場に並ぶようになり、中でもサンタの着ぐるみや歌うサンタ人形の品揃えが豊富になったという。「家はクリスチャンじゃあないけど、家族みんなクリスマスを楽しみにしているわ。主人と私でクリスマスツリーを我が家に美しく飾り付けたら、子供たちを連れてクリスマスの歳事に出掛けるの」とAnhさん。

市中心部のノートルダム大聖堂付近やNguyen Hue通り、Dong Khoi通り、Hai Ba Trung通り、それにVo Thi Sau通りの玩具店ではバラエティーに飛んだクリスマスギフトやクリスマスカードが販売されている。その中のお店のひとつ オーナーのThanh Haさんに因ると、今年のクリスマスカードのできばえに注目しているという。カードには漆やビーズそれにドライフラワーなどの飾りがあしらわれているのだ。Kinh Do、Duc Phat、Hy Lam Mon、Givralなどのベーカリーショップの店先にはクリスマスの飾り付けが施され、ショーケースにはシーズンを迎えるための特製クリスマスケーキが所狭しと並べられている。

Parkson Saigonturist Plazaデパート社長 Tham Tuck Choyさんのお店では、クリスマスにミニクラシック・コンサート、子供のど自慢大会、メイクアップ教室などの歳事をクリスマスアクティビティーとして企画しているという。同デパートでは、12月1日から23日まで、チャリティーボックスを設置し、集まった善意の寄付は全てホーチミン市Nhat Hong福祉施設に住む恵まれない子供たちに贈られるとの事。ニューワールドホテルのPRマネージャーNguyen Anh Tuanさんはクリスマス慈善活動として12月2日から24日まで、15 May小学校に贈るチャリティーおもちゃ運動を組織しているとの事。

また、クリスマスには市バレー団とオーケストラ楽団が“謳おうノエル!今日 明日へ”と題したコンサートをミュージックホールでホーチミン市国際コーラスグループ・ABCインターナショナルスクール・Thang Long職業訓練学校と共催で開かれる他、“ジョーク好きの人々へ”と題したコメディーショーが有名なコメディアン Thanh BachやXuan Huongを招いて12月24日に青年文化会館で催されるとの事。

(辛口寸評)
年々、華やかさを増すホーチミン市のクリスマス風景。クリスチャンならずともこの時期は心が清らかになるような気分に浸れるから不思議だ。このところ鳥インフルエンザの影響で少なからず街の活気が衰えていただけに、今年のクリスマスはそれをはね返す様な勢いで、例年以上にイベントで目白押しになるようだ。

クリスマスイブには、サンタクロースも街の至る処にプレゼントを担いで出没する。あるものはシクロを漕ぎ、客席一杯の贈り物を携え、またあるものは、バイクに跨りやってくる。これはクリスマスサービスのひとつで、予めこのサービスを申し込んでおくと、サンタがギフトを我が家まで宅配してくれるもので、ここ5年ほど前から始まったものだ。便利で子供たちも喜ぶとあって、人気は上々 だが、暑いせいかたまにひげをつけ忘れてやってくる場合もあり、随分 若いサンタに戸惑うこと度々だが、まあお愛嬌。

この時期 サイゴンの熱いクリスマスに訪れてみることを是非、お奨したい。

12月20日(火) 帰省列車切符の売り出し

* 数千人にも及ぶ人々が旧正月に故郷へ帰省する為の列車チケット予約を求めサイゴン駅に心配そうに列を作っている。旧正月期間のチケットの発売は12月8日に開始され、それと共に人の数は今も増え続けている。この時を待ち受け、バイタクドライバー・宝くじ売り・靴磨き屋はダフ屋に早変わりし、列に並んで切符を買い求めることが嫌いな客に高値で捌いている。

ホーチミン市当局はダフ屋の取締りを強化しているのだが、取締りを潜り抜け今年も大勢が駅に立ち並んでいる。彼らは切符を10~25万ドンで通常価格よりも高額なプレミア付きで売りつけている。また、あるダフ屋等は予約客を煽り、キップ早めに彼から買わないと直ぐに値が上がるとそそのかし、公式に存在しない路線区間の切符まで売りつける詐欺まがいの商いをするものもいるという。

初回切符の売り出し分は12月8日から11日の間の分で、Dong Ha経由、ハノイ行だった。一昨日発売が終了した2回目はDieu Tri経由、フエ行きだった。3回目の売り出し分は、15日から17日でNha Trang経由、Muong Mang行きだ。切符購入の需要が高いため、サイゴン駅では例年より早く12月11日夕方からフエ行きの売り出したという。Nguyen Ngoc Thanhさんは第一希望の初回発売分が購入できなかったので。早朝5時に駅の窓口へ並びフエ行きの切符を代わりに購入することに決めたという。フエ出身のPhan Hong Minhさんも早朝早く起き、はるばるBinh Thanh区から自転車に乗って駅に駆けつけた。

列に並んだ人々は整理券を貰いその番号が呼ばれるのを待つ。呼び出されたら、身分証明書を提示して切符を購入するのだ。Nguyen Thu Lyさんは体調が悪いにも拘わらず、並んだ順番を保持する為に一晩中待ち続けた。他の人たちも家族や親戚と協力し、交代で列の順番を待っている。整理券を受領後、多くの人々は並んだその場で夜を明かし翌朝の切符購入に臨んだ。Nguyen Thi Diem Thoaさんはさくねん朝8時に並んで希望する切符が買えなかった為、今年は泊まり込みで買うのよと息巻いていた。

(辛口寸評)
旧正月テトは毎年旧暦で行われるため、その年によって一月下旬であったり2月上旬であったりするが、今年は1月29日が旧暦元旦に当たる。例年、切符の発売は1ヶ月前に行われるが、今年は鉄道利用の帰省需要が高まりを見せた為、2週間ほど早く発売開始がされたようだ。

何と言っても、テトはベトナム人にとって一年で最も重要な家族のイベントであり、纏まった休みが取れる時期でもあるので、国内の移動が激しくなる。大多数が利用する輸送機関は鉄道とバスなのだが、この時期だけは普通の窓口販売でも価格が多少値上げされて販売されるので、輸送事業者がダフ屋の前にダフ行為?!をしているので、利用者にすれば踏んだり蹴ったりである。尤も、輸送事業者の場合 プレミアをつけてもせいぜい通常運賃の倍止まりだが、、、それでも止めて欲しいものである。

筆者の工場ワーカーの半数は中北部出身者で占められている為、この時期が来ると、切符の手配の為に仕事を休む連中がぼつぼつ出てき始める。当初は、厳しく咎めていたが、それを続けるとテト明け後に工場に出てこなくなってしまい、折角 仕事始めなのに作業が進まない様な事態になったので、最近は切符手配のローテションを組み順に休ませるようにしている。因みに弊社の正月休みは1月25日から2月8日までの15日間 多分多くのローカル企業のテト休暇はこのくらいの期間となるだろう。なぜそういいきれるかというと、1月25日は暦が先勝、2月8日は大安、ベトナム人はイベントに験を担ぐ為、2週間ほどの休みなら休み始めと終わりはこの辺しか吉日が無いからなのだ。

12月21日(水) 危険な素潜り漁に賭ける

* ベトナムの漁師たちは夜間に沖合へ出て危険を顧みず漁を行っている。非常な危険が伴うことは彼らも理解しているが、中部Quang Ngai省漁師町Ghenh Ca村の200世帯が危険な夜間素潜りで魚やエビを捕り生計を立てているのだ。彼らは高性能な漁船で遙か沖合まで出て漁を行い、一隻当たり一度の漁で100mドンから200mドン(US6250~12500$)の水揚げがある。キロ当たりの魚介類取引価格は95000ドンから320000ドン(US5.93~20$)になる。

今年80歳を迎えた漁師Bui Huu Utさんは素潜り歴50年に誇りを持ち、彼は毎回、石を抱えて海に飛び込む。この技術で深さ6~12メートルに潜ることが出来、一度の潜水で海中に3~10分留まり漁をするといった極めてシンプルな両方を用いるのだ。最近、地元漁師たちは、ウェットスーツや酸素ボンベを担ぎ最新装備で漁を行う者も多くなったという。また、船に小型発電機を搭載し海面に光を当て集まって来た魚を捕獲する様になり漁獲高が伸びて来ているとUiさんはいう。
最新装備を身につけた漁師は水深40~60メートルまで潜り、海中に一時間ほど留まって漁を行う。

Ghenh Ca村には40艘の漁船と400人に及ぶ夜間素潜りの経験豊かな漁師がそれに乗り込み、毎年漁業シーズンになると少なくとも2週間のスパンで一艘辺り10回ほど出漁する。年間総漁獲量から村が得る利益は40bドン~50bドンに達し、漁師一人当たりの一回の出漁で手にする収入は600万ドンから1000万ドンにもなる為、一般的な漁業従事者よりも割のいい仕事なのだ。村の漁師の一人 Le Van Thienさんは1107人が住むこの村の暮らしは向上し今では腹を空かした者など一人もいないという。

多くの漁師は夜間素潜り漁が危険であることを熟知しており、実際、漁の最中は最新装備に身を包んでいても常に死に神との戦いの連続だという。An Ngai村の元漁師 Trinh Van Quyさん 34歳は夜間素潜り漁の際 事故に遭い身体障害者となってしまった。事故は潜水4分後に発生し、突然 彼の胸の辺りがきつく閉められた感じに襲われ、直ぐさま船に戻ったが、それ以来 話すことが出来なくなってしまったのだ。Quyさんの様なケースは他からも村の報告が上がっている。このような潜水病に襲われた際は、事故に遭った者は病院へ行く前、再度、海へ潜り数分間留まるといった民間療法がある。
多くのケースはQuyさんほどの大事には至らず、先の民間療法での治療が可能だ。が、村の非公式な統計では既に13人の漁師が素潜りで命を落としているという。

漁師たちは素潜り漁のリスクは承知しているもの、一日辺り20万ドンから30万ドンを稼ぐことが出来るこの仕事は魅力的で、村の子供たちは漁師になることを憧れフリータイムには彼らも海に潜りエビなどを採取しているという。

(辛口寸評)
一日辺りの収入が20万~30万ドン(US12.5~18.5$)という実入りは、この国では破格な額といえるだろう。ほぼ、外資系企業の専門職経理課長の月給に相当する。ハイリスク・ハイリターンの典型的な職種だ。魚介類がこのような利益を生み出す背景は、やはり獲れた海産物のほとんどが日本向けの輸出の増加にあることは言うまでもない。

筆者はここで買い付けをする企業が間接的にベトナム漁労者を生命の危機に陥れていると言うものではない。彼らも利益を得るため魂を切り売りして幸せに暮らすために必要な生活の糧としているわけだから。ただ、漁業のみならずあらゆる危険な職種に従事する人々の苦労の上に立ち、先進国の住民たちは生かされていることを忘れずに居たいものだ。

それには先ず、食前に感謝を込めて「いただきます」食後には「ごちそうさまでした」と手を合わせることが肝要だ。なんだか青臭い話になったが、何事にも感謝する気持ちを常に持ち続けようと云うことだ。

12月22日(木) 有能な会計士を増やそう?!

* ベトナムには高度な技能持つ多くの会計士を抱えた150前後の公認会計士事務所及び税理士事務所が2010年までに必要となると財務省はいう。先週 開かれた国際公認会計士連盟の会合の席で、同連盟代表のAllen Blewitt氏はベトナムがWTOに加盟するのに必要な会計分野での人材が圧倒的に不足していると指摘した。その上で、今こそベトナムは新しい会計システムや会計規格を導入且つ実行し国際規格に乗っ取った地元の専門家を育成してゆかねばならないと言った。

国際公認会計士連盟は今後とも地元の専門家に質の高い資格を提供する機会を与えつつベトナムの会計システムや会計士育成に寄与してゆくつもりでいるとBlewitt氏は語る。同連盟は会計システムの骨子、規格化の重要性、掟などを大学やその他の教育機関に浸透させてゆく為の協力を推進してゆくと同氏は続けた。国際公認会計士連盟とベトナム公認会計士連盟は今月末に相互協力覚え書きに調印する予定で、それにより人材開発・確保の起爆剤と期待されている。

「ベトナムでの税理士並びに会計士市場に於ける専門家育成の骨子作り」と銘打った会合の席上 財務省会計政策課Bui Van Mai課長はここ数年で国内の会計士事務所の数が飛躍的に増えたと指摘した。1991年には2社しか存在しなかったが今日では90社まで拡大し、1180名の専門家を抱えるまでに至り、業界売上は500bドン(US31.4m$)に成長し、国内には国際規格を取得した会計士130名を要するまでになっていると述べた。またMai課長は現在ASEAN諸国との域内共通の会計規格提携について交渉中であることを発表した。

(辛口寸評)
筆者の会社はいわゆる現地ローカル企業で、全てがローカルルールに則り処理されてゆく。もちろんこの中に経理業務も含まれているのだが、税務署と経理のやりとりを見ているとまるで狸と狐の化かし合いそのものである。極端な話をするなら、はじめから双方の間で経理のストーリーが組み立てられて行くといっても好いだろう。根本的に企業は税金を隠すものが前提としてあり、税務署は如何に賄賂を巻き上げるかに血道を上げる。そのため、両者が歩み寄って妥当な納税額を決めるわけだ。

ベトナムがこの分野に於いて如何にちゃらんぽらんかを説明するためにちょっと例を挙げてみたい。例えば、企業は会社運営に辺りオフィスやその他の土地・建物を借りることは好くあるのだが、大家と交わす賃貸契約は二重契約が一般的で、ひとつは大家と店子で交わす正式なもの、これには実際の家賃が記載される。別のは対税務署用としてアンダーヴァリューで作成されるわけで、これが企業のコストとして経理台帳に掲載される。実質価と簿価との開きは約5倍 酷いところになると10倍の開きさえある。日本でこれなら端から経理業務自体が滞ってしまうだろう。そんなことが日常業務のあらゆる場面で発生するのを想像して見て欲しい。ベトナム企業が節税・脱税に走る理由は朧気ながらご理解いただけるだろう。

会社の経理スタッフが任される実務は二重帳簿の記載である。ひとつは正式な裏帳簿もの、もうひとつは公式に税務署に届け出るものだ。当然 所轄の税務署職員は裏帳簿の存在は判っているが、彼らも個人的な実入りを捻出するチャンスなので、公式な帳簿を元に難癖つけた追徴課税が始まる。尤も、追徴課税される前に、賄賂を支払うことでお目こぼしが行われるという案配。全くの悪循環に陥っているといえよう。税金の出し惜しみをするものではないが、そうなってしまう現在の慣習及びシステムを画期的に入れ替えなければ、この国の未来はないだろう。

12月23日(金) 国内ソフト業界へ仕事をまわそう?!

* ホーチミン市にベースを置くソフトウェア関連企業は2010年末までに総売上をUS400~450m$までに目標値を設定すべきであると、ホーチミン市ソフトウェア開発シンクタンクのNguyen Trong所長は訴える。
同所長はまた市各行政当局はソフトウェア関連業務化の為により多くの投資を行うべきで、我が国には少なくとも1000人以上のプログラマースタッフを抱えるソフトウェア会社が5社あり、500人以上のそれは10社あり、100名以上は100社 そして500社の零細ソフト企業があることを忘れてはならず、今回の目標値はその企業数から弾き出し極めて実現可能なものだと語る。

アウトソーシングを専門に扱い700名のプログラマーを擁するTMAソフトウェア社と500名以上のそれを抱えるFPT社 ベトナムソフトウェア業界の牽引企業と考えられており、それら牽引企業の存在はとても重要であるという。インドを例に捉えてみると、同国内に4800社のソフトウェア企業があるものの上位20社だけで全体売上の70%を稼ぎ出しているとTrong所長はいう。その上、牽引的役割を果たす企業の積極的な合併を促しながら、市各行政当局は中小零細ソフトウェア企業へソフトウェア開発の仕事に効果的に参加させ技術の底上げに寄与すべきであると訴えた。

ホーチミン市逓信課は最近、2006年から2010年に掛けて、二つのUS3m$規模のソフトウェア開発実行プログラムを提案した。はじめのプランは課が長期視野に立った監督グループをつくることによって、プログラムの実施を監督すること。ふたつめはひとつの大きな管理委員会を準備することという。ベトナムソフトウェア企業代表たちはベトナムソフトウェア業界には未だ世界市場で競争して行く力がないことを認識しており、今でも僅かなローカル企業が日本やアメリカから受注を得ているに過ぎないという。ホーチミン市に登録された200社のソフトウェア系企業のうちソフトウェアを開発提供可能なそれは120社ほどしかないのが実情である。

(辛口寸評)
ホーチミン市の意気込みは十分判るし その趣旨も賛成できるが、ベトナム独自のプログラミング技術だけでは大きな仕事を貰っても、消化しきれず開発したところでシステムが複雑であればあるほど不具合も勃発するというのが、ベトナムの技術レベルで単独では成り立たないのが現状で、どうしても開発には外資系のソフトウェア企業や海外からの技術協力なしではまともなソフトは作れない。

実際、以前もニュースで取り上げた様に、通関業務システム化をベトナム政府が音頭をとり導入し運用を数ヶ月前に開始した。当初、このシステム開発には富士通や東芝なども関わっていたが、どういうわけか途中から圧力が掛かり排除されベトナム企業に業務を託されたのだった。理由を推測してみれば、外国企業に任せると完璧な物を作ってしまいかねず、役人上層部の利権が損なわれることを嫌ったか、或いは仕事を出した先からのリベート提供が絡んでいたか もしかすると簡単に金がなかっただけなのか まあどれも当たらずとも遠からじだろう。

何とかベトナム企業連合によって通関システム導入は図られた物の運用開始直後は入力件数も少なかったせいか順調に機能していたものの、ここへ来てトラブルの続出に見舞われている。ベトナムとしてはこのシステム導入に威信を賭けていた筈だったが脆くも費えてしまったのは一重に単独での技術力不足 加えて、発注主の出鱈目な意向が開発に反映されてしまったことに拠るものだと診る。旗を振るのも結構だが、先ずは謙虚に外国からの技術移転に力を入れ、外資系ソフトウェア企業が積極的にベトナムへ投資出来る環境を構築するのが先決ではなかろうか。

12月24日(土) 中国手前味噌的人権思想

* 最も偉大で巨大な発展途上国 中国で新たな人権に対する考え方がこのほど纏まり、先鋭化し台頭する兆しが見え始めた。1970年後半から政治改革をを20年に渡り推進してきた中国は一方で人権の考え方についても研究を重ねてきた。現在 中国では他国からも人権思想を部分的に取り入れ今回の考え方に到達したという。曰く、人権は人々に拠って与えられる物であり、神様から与えられる物ではない。
人権自体 国の社会や歴史により生み出される産物に過ぎず、社会の構成員である国民に国家が与える物であるという。

西側の人権思想の考え方の根幹は、人は生まれながらに公平且つ平等であることを基本としており、中国もこの考え方に同調する物の、クラス社会ではお題目に過ぎないと切り捨てる。実際、不平等は生まれる前から既に存在しており、例えば裕福な母親の子宮で育つ胎児は貧乏な母親のそれよりも栄養価の高い物を吸収出来るのをとってもそうだろう。人々の中での平等は社会の発展と共にその価値観も発達して行くもので、政治的権利のみならず経済や社会参加権の全てが結合し生み出されるのだという。人権は始めに生存競争に打ち勝ち更に発展させ、それぞれが切磋琢磨して磨かれて行くものである。このことは特に発展途上国に於いて真実性を帯びるのだ。

飢えた人がパンか投票権の何れかを採らなくてはならない場面に遭遇したとしよう。もちろん投票権も大切だが、彼が投票権を行使する為にはパンを得なければならない。加えて、人権には個人の人権の他にも集団によって尊重されるべき人権があり、言い換えるなら個人の興味は総体的な興味の実現を通して支えられるのである。故に中国は相対的な人権に対し重要性に重きを置き且つ、その範囲内に於いて個人の人権も尊重してゆくのだ。この部分が西側が唱える人権と異なるが、しかし、彼らのそれは総体的な人権についてはなおざりにしてきたと云えるのである。

一方で、人権は人類にとって普遍的で、その基本的理念は全ての国々で実践されるべきものでなくてはならない。しかし他方、人権は特定の枠組みの中で規格化されるようなものではなく、それぞれの国の経済や社会システムの事情及び実情、文化・宗教的価値感・伝統的慣習により異なってくるものだ。これを鑑みれば、人権とは普遍概念とそれら事項が一体となって国政に反映されるといえよう。従って、国により異なった考え方の人権は当然の帰結として派生されるわけである。例えば、人口増加に悩む国では家族計画プログラムは大多数の人々の興味事項として支持される。これは総体的な人権に沿ったものだといえよう。反対に人口密度が極端に低い国では出産を積極的に推奨するが、それ自体、その国の人権を反映したものであるわけだ。

ある特定の国家は人権を一方通行の見方でのみ声を荒げるが、同時に人権の特定の性質については無関心であり、世界中には統一的人権モデルしか存在しないかの様に叫び主体的な導入を提唱し続けている。これは西側の人権を普遍的なものとして他国に対する押しつけに過ぎないのだ。人権には二つの要素が含まれるもので、それは権利と義務だ。別の言い方に喩えれば、人権とは人々の総体と義務なのである。全ての個人は彼らの権利が守られ、他を尊重しなければならない。
その一方で彼らは社会やその構成員たる人民に対し、与えられた義務を遂行しなければならぬのだ。この世に、義務の伴わぬ人権など存在せず、またその逆も然りである。

人権は国家の主権により保護されるものである以上、主権国家とは即ち最も尊い総体的人権であるといえよう。人権は、主権国家が達成しようとする究極のゴールであり、主権国家は人権を保障する総体なのであるのだ。苦く屈辱的な過去の歴史を持つ中国は外国勢力に因り虐げられてきた。主権は蔑ろにされ中国人民の人権は踏みにじられて来た。従って中国人民は主権が確立されそれに沿って築かれる人権の大切さを良く心得ているのだ。要約すれば、主権国家抜きにして人権などは語れないものなのである。人権に対する考え方の理解について論争が存在することは尤もで、それは各国の異なる国情が錯綜するために世界が多元的な性質であることを映し出している事に起因している。
そこで全ての国々は相互理解を促進させ、双方共通する点を見つけ出し評価し合って違いを乗り越える努力をすべきなのだ。これを達成するには必要な要素は平等の原則と相互に敬う精神に則り対話と協力に因って成し遂げられなければならない。

(辛口寸評)
どういう理由かは定かでないが、ベトナムの新聞に中国の人権について取り上げられていたので、興味を持って訳してみた。長年、アメリカに人権カードを突きつけられてきた中国。これを体系的に肯定し他国に説得力を持つ中国独自の人権思想を構築した様である。いわんとすることは解らないではないが、詰まるところこの趣旨のポイントは、中国人民個人の興味「人権」の総体が主体国家の中国である以上、国家そのものが人権を体現している。そして人権は主権国家の様々な実情が加味されるべきでそれに因って決定づけられると言いたいようだ。

確かに、理屈に合う部分も見られるが、これを拡大解釈すれば個の集合体を国家が代弁し、大多数の個が望めば他国に対する侵略でも何でも出来てしまい、根本的にそこには団体主義しか残らない。理屈を延々とこねまわしやっと辿り着いたら元の黙阿弥 やっぱり僕らは共産国家ですと言っているだけだ。中国に100歩譲って、彼の国の言う人権思想を受け入れるとしよう。そうであれば、その思想は漢民族の範囲内のみに留めるべきで、チベットやウイグル自治区などに当てはめるべきではないだろう。明らかな中共の武力に因る侵略行為であり、西側は寧ろその点を重視し問題視しているのだから。

まあ一応 中国が西側に対し人権問題に気を遣い、このような言い訳がましい思想を後付で作ろうとする姿勢は多少評価はするものの、そういう気があるのなら日本に対しても靖国問題でガタガタ抜かすのは止めて貰いたいものだ。これを中国では古くから天に唾棄する行為という。           以上

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