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2006/04/07

それぞれの国での民主主義「直接行動」の結果!

Frnationalflag フランスの若者雇用についての法律は、ドピルパン首相の敗北が濃厚なようです。シラク大統領の体制も、いよいよレームダック状態に陥るのでしょうが、そうなると、昨年秋の暴動の鎮圧で名を馳せたサルジコ内務大臣の立場が相対的に強くなり、より「強権的な政治手法をとるのではないか」と懸念されているようです。

Frdemo20060404apx この度の法律も「昨年秋に生じた、移民層の若者を始めとする職に就けず、社会に対する不満を持つ、若者の常態的な失業」の解消を意図したと説明されています。しかし、それは若い世代からより強い反発を受け、なおかつ、ほとんどの労働組合組織から糾弾を受けることになりました。

若者の雇用(市場)を増やすために、雇用した若者を2年以内なら「理由を示さず、いつでも解雇できる」という無茶苦茶な法律である点が問題視されました。雇用促進させつつ解雇促進を推奨するわけで、基本的な問題の解決には無縁でほど遠い内容です。

若年層の失業問題では、日本も同様の事情を抱えています。ニートという問題も含め、若年世代の就業の面で就業できる人と就業できない人が徐々に明確な形を顕しつつあります。これは、労働力の移動(受け入れ)という国際的な関係性から生じている要素もあり、一概に雇用関係法で解決できるほど軽い問題ではなく、実は(国際)社会全体を包む深刻な問題なのです。本質的には各国が教育の仕組みを根底から変えない限り解決できないと考えます。

引用開始→ 仏若者雇用策、労組が与党に17日までの全面撤回要求 [讀賣]
【パリ=島崎雅夫】フランス政府の若者雇用促進策「初期雇用契約」(CPE)に学生や労組が反発している問題で、保守与党・民衆運動連合(UMP)議員団は5日、主要労組幹部を招き、打開策について初の協議を開始した。

労組側はこれに先立ち、17日までに同契約の全面撤回を受諾するよう迫る方針で一致、修正での解決を基本とする与党側との間で、協議は難航必至の情勢だ。

一方、同問題で窮地に立つドビルパン首相は5日、国民議会(下院)での質疑で今後の交渉の行方を聞かれ、「政府代表として数日内に必要な結論を出す」と述べた。首相側近は否定するが、一部では辞任を示唆したと受けとめられている。

初協議は、UMPのアコワイエ国民議会議員団長、ドロアン上院議員団長らが、労働総同盟(CGT)、仏民主主義労働総同盟(CFDT)など12労組の幹部を個別に招く形で行われた。

これまで主要労組は同契約の全面撤回を求めることでは一致していたが、初めて期限を切って撤回を迫った。

企業が26歳未満の若者を雇用した場合、試用期間の2年間、理由の説明なく解雇できる同契約をめぐっては、シラク大統領が、〈1〉試用期間を2年から1年に短縮〈2〉解雇理由の提示――の2点で修正するよう指示している。与党は当面、この修正点を軸に協議する方針だ。(2006年4月6日1時33分  読売新聞)Copyright © The Yomiuri Shimbun.

仏野党と労組・学生、「新雇用政策17日までに廃止」 [日経]
【パリ=奥村茂三郎】仏野党、社会党と12の労働組合・学生団体は5日、キリスト教の復活祭の休日である17日までに、全国でのデモの原因となっている新しい若者向け雇用策「初期雇用契約(CPE)」を撤回するよう議会で求める方針で一致した。仏与党、国民運動連合(UMP)は労組などとの協議を始めた。

フランス労働総同盟(CGT)や学生全国組織(UNEF)など労組・学生側は4日のデモで310万人(警察発表102万8000人)と1968年5月革命以来の大量動員に成功し、勢いづいている。

労組・学生の12団体は5日、連名で共同声明を発表。10日までに政府・与党がCPEを撤回しない場合、11日に大規模デモを実施すると予告し、議会で17日までにCPEの廃止を投票するよう求めている。

社会党のオランド第一書記も5日「CPEの廃止法案を17日までに可決させることは可能だ」と呼応した。

仏与党、UMPは5日午後のフランス民主労働同盟(CFDT)を皮切りに12の労組・学生団体と相次いで会談する予定。 (23:13)
(C) 2006 Nihon Keizai Shimbun, Inc. All rights reserved.

仏全土で再び大規模スト  [日経]
【パリ=安藤淳】フランスの主要労組と学生組織は新雇用法に反対する2度目の大規模ストライキとデモを4日、全土で展開した。同法が定めた、企業が若者を雇用後2年間は理由を通知せずに解雇できる「初期雇用契約(CPE)」の撤回を要求。政府はCPEを事実上凍結し法改正に着手したが、労組や学生団体は廃止を求め政府・議会への圧力を強めている。

仏国鉄はTGV(新幹線)が4本に1本程度運休。パリ近郊の通勤電車は約半数が運休した。学校の教員も2割前後がストに参加。自動車メーカーなどの工場労働者らも一時操業を中断した。

AFP通信によるとデモは4日夕までにパリで70万人(労組推定)、それ以外で計50万人(労組推定で130万人)が参加。3月28日の前回を上回る勢いだ。パリのデモの起点となったレピュブリーク(共和国)広場には子供から若者、熟年まで幅広い年齢層が集結した。暴徒による破壊行為を防ぐため、パリ市内だけで4000人の警察官らが配置された。  (01:03) (C) 2006 Nihon Keizai Shimbun, Inc. All rights reserved. 
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フランスでは、自らの政治的意思を組織的に示すことが有効であることを示した。だれもが自らの権利が侵害されるときには立ち上がり、自らの権利を護る行動に出るのは、やはり近代民主主義の原点とされる「フランス大革命」以来の伝統か。

Thainfl 一方、タイでも、タクシン首相一族による「株取引の不正」を糾弾し続けた野党勢力は、タクシン首相による国会(下院)の解散と選挙という動きにも、徹底した選挙ボイコットで対抗し、強権を振りかざすタクシン首相は勝利宣言したものの辞任表明へ追い込まれた。野党勢力は、再選挙も拒否する姿勢を示している。

引用開始→ タイ3野党、再選挙拒否 首相退陣表明後も混乱 [朝日]
2006年04月05日22時35分
下院総選挙をボイコットしたタイの主要3野党は5日、当選者が決まらなかった39議席の再選挙についても不参加を決めた。野党側はタクシン首相の退陣表明は歓迎しているが、「今回の選挙自体を認めていない」と主張している。次期国会は異常事態下で行われた総選挙の結果、与党が議席を独占することが決定的。その活動の正当性が問われるのは必至で、首相の退陣表明後も政治的混乱は続いている。

総選挙では、小選挙区(400議席)のうち、39選挙区で反首相派が呼びかけた「白票」投票で与党候補が法定得票割れに追い込まれるなどし、当選者が出なかった。その他の選挙区では、少数政党が勝った1選挙区を除いて、すべてで与党のタイ愛国党の候補が当選する見込みだ。

当選者の出なかった39選挙区では23日に再選挙が設定され、選管は野党にも参加を呼びかけていた。

再選挙の該当選挙区はほとんどが野党の地盤のため、再び当選者が出ずに国会が開けない可能性がある。また、再選挙で当選者がすべて決まっても、野党不在の国会の正当性への疑問が出ることは避けられない。

与党側は打開策として野党の参加を得て再び総選挙を実施するとの道筋を描いているが、野党側は「とりあえず再選挙の結果を見守る」(民主党幹部)とするだけだ。

野党はこれまで総選挙参加の条件を「中立的な政府で憲法改正など政治改革を実現すること」などとしてきた。しかし、与党が議席を独占する次期国会ではタクシン首相の側近が後継首相に指名されるのは必至で、野党側の対応は不透明だ。

国会で後任が指名されるまでその座にとどまることになるタクシン首相は5日、チッチャイ副首相を首相代行に指名し、「休養」を宣言した。  ←引用終わり

何事にも平穏を重視するタイの政治が、余りにも見え見えの首相一族による巨額の不正に業を煮やした結果、タイでは初めて、国軍の手ではなく民衆の手で、時の絶大な政治権力を追い落としたわけである。タイでも民主主義が成熟したことを示した。

しかし、報じられるところでは、タクシンは首相を辞任してもこの度手に入れた国会(下院)での膨大な議席を有する与党の代表は降りないという。当選した国会(下院)議員を徹底した私兵(子分)として使いたい意向のようだ。この当たりの発想が、中国人(華人)社会に根強い旧弊な思考といえる。タイの野党勢力は、この旧弊な手法との闘いを組織しない限り本当の意味における勝利を手にすることはできない。

Phnationalflag タイでの一連の動きを注視してきたフィリピンは、アロヨ大統領に「タクシン首相に倣い、自発的に辞任」することを求めたと報じられるが、アロヨの周囲を固める勢力に一蹴されたという。これもまたフィリピンを象徴する興味深いテーマである。

引用開始→ 「アロヨ氏はタクシン氏にならえ」 比でも退陣要求  [朝日]
2006年04月05日23時16分
タイのタクシン首相の退陣表明を受け、同じ時期に政治危機に直面したフィリピンでは5日、アロヨ大統領に辞任を求める声が反対派から上がった。しかし、フィリピンでは政権側がいったん反対勢力を抑え込んだ形だけに、大統領側近は「タイとは状況が違う」と余裕をみせる。アロヨ氏は5日が59回目の誕生日。故郷パンパンガ州で一日を満喫した。

反アロヨ派の市民団体は5日、「タクシン氏にならってアロヨ氏は即時辞任するべきだ」との声明を出した。「2人に違いがあるとしたら、アロヨ氏の方が、より権力に執着している」

これに対し、大統領の政治顧問、クラウディオ氏はタクシン首相の退陣表明について「タイ独自の状況だ。わが国の安定と発展はアロヨ大統領のもとで続く」と述べた。また、フィリピンの野党勢力に対しては「代わりの指導者も政策も示せない。人々は政争に飽き飽きしている」と批判した。

アロヨ大統領は昨年来、大統領選の不正疑惑などで退陣要求を突きつけられている。2月にはクーデター計画が発覚し危機的な状況に陥ったが、非常事態宣言など強硬策で反アロヨ派を抑え込んだ。ただ、不正疑惑は棚上げされたままで、政情が不安定な状況は続いている。 ←引用終わり

それぞれの国における政治意思の表現とその結果が示されている。非常に興味深いこの1ヶ月ほどだった。まだ、最終的な決着を見ていないので、注目し続けたいと考えるが。

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