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2007/01/20

ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第98号

ウィークリー・ベトナム・ニュース  
■ 平成19年1月20日 土曜日 第98号
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■ こんにちは!!

Vnnationalflag_71いつもお世話になっておりますベトナムから、ニャットアインです。

今日もここ一週間のベトナムの主なニュースをご笑覧下さい。

翻訳は直訳とせず、日本語に馴染む意訳としておりますので、ご注意下さい(笑)また、訳者の独断と偏見を交えた辛口寸評を入れてみました。内容が片寄り、言葉が多少過ぎる箇所も多々あろうかと存じますが、これもベトナムを愛するゆえの諫言とお許し下さい。

誤字・脱字はご愛敬ってことでお願いします<(_ _)>

尚、記事の転送は営利目的以外なら原則自由ですが、自己責任において行い、その中で被った被害・損害に対し筆者は責任を負えませんのでご了解下さい。

ベトナム・ニュース その98 今週のヘッドライン

* 1月15日(月) ピアノを習わそうか 我が娘に
* 1月16日(火) 都市移住者対策を改善せよ!
* 1月17日(水) 輸入自動車関税引下げ開始
* 1月18日(木) 鳥インフルエンザ新ガイドライン
* 1月19日 (金)  都市のお手伝いさん♪
* 1月20日 (土)  近代化とベトナム人女性の変化

1月15日(月) ピアノを習わそうか 我が娘に
* ベトナムでもこの頃では、子供にピアノを習わせることが人気となっている。しかし、ピアノのお稽古は非常にお金が掛かるのも事実。ハノイのピアノ販売店で、お稽古用ピアノのお値段は少なく見積もっても約US1000$、高いのになれば一気にUS3500$を超えてしまう。
ベトナムの中流家庭にとって、子供にピアノを習わせるのは容易なことではない。何といっても平均的な中流の月収はUS130$に過ぎないのだから。それに子供にピアノを買い与えることと、習わせることはまた別ものだと私の父は、次のようにはいう。

「お前が7つのときに私はヤマハのオルガンを買い与えた。そして一生懸命、お前にオルガンを習わせようとしたのに、お前は無視してばかりいた。レッスンはサボっては私を怒らせたものだ。15年後になり、お前は私にピアノを習いたいと申し出てきた時は、お前がね~と不思議に思ったけど、結局、新しいのを一台買わされる羽目になってしまった。」私は今もハノイ音楽学院の指導者Pham Thanh Vanさんのところでレッスンを付けてもらっているが、彼は私に、いくつになっても芸術に情熱を燃やすことさえ出来れば、年齢に関係なくピアノが巧く弾けるようになると励ましてくれる。

実際、音楽院の学生で今年26歳になるNguyen Bach Linhさんは、普通の大学を卒業した4年前にピアノを習い始めたばかりだと興味深い話をしてくれた。ある日、私はピアノショップに立ち寄って、そこのオーナーのHoang Cungさんから、最近 多くの父兄がその子供らにピアノを習うことを奨めるようになってきたと聞かされた。事実、彼女のお店でもピアノの販売量が2006年以来増えており、一月当たり凡そ20台ものそれを捌くというのだ。

私が7つか8つの頃は、楽器なんて他の子供たち同様興味も無かった。それよりかくれんぼやけんけんぱを友達としているほうが余程楽しかったくらい。ピアノの先生の指導を受けながらじっと椅子に座り続けるなんて、我慢大会でもあるまいし、それでピアノの練習が大嫌いだった。だから子供心に練習のある日は、病気になりたくなったほどだ。しかし、大きくなりこの考え方が変わった。というのも、私自身音楽好きであることに目覚め、何よりもそれを極めたいと願ったことにある。悲しいときやストレスが溜まったときに音楽を聴けばそれで私の心は癒されるのだ。

ピアノが弾けることは私の人生に大きなインパクトを与えてきた。
もちろん、音楽の才能が高いとか新進気鋭のピアニストだなんて考えたことも無いけど、しかし、ピアノには私の情熱と愛情が一杯詰まっているのだけは間違いない。音楽は友人や家族とのコミュニケーションを手助けしてくれるのみならず、気分をリラックスさせる力があり、限界や年齢も関係ないのだ。外国の雑誌の中で、音楽は脳を活発化させるとともに想像力を養う源であると書かれてあった。それに、世界中で妊婦への胎教も盛んになってきているという。私は、自分が学んできたことを幸せに思うと同時に誇りに思います。父に新しいピアノを私に投資させようかと思いながら、笑顔で家路を急いだ。

(辛口寸評)
筆者が仲良くさせて貰っている元ホーチミン駐在員のおじさんのことを話したい。一応 世間ではエリートサラリーマンと呼ばれる会社員で、人を惹きつけて話さない巧みな話術と、取っつきやすい温かみのある性格は周囲の人々を魅了して憚らない。見るからに毛並みも良さそうで、筆者のようなのとはまさに月とスッポンはたまた下駄に焼味噌のように対照的であり、普通はこのような取り合わせは考えられないものだが、気があってお陰様で楽しくお付き合いさせて貰っている。

のう書きが長くなったが、さてこれからが本題。実はこのおじさん、昨年、サイゴンに久しぶりに出張でやってきたので会うことになった。飲んだ店にはグランドピアノが一台で~~んと置いてある。落ち着いた雰囲気の店は、美しく快活そうな姐御肌の女主人が切り盛りしていて、時折交わす彼女との会話も、愉しい酒の肴だ。おじさんと旧交を語らいつつ酒も進んだところで、このおじさん酔いも進んだせいか「ピアノを弾きます!」と言い出した。その声に周囲はやんややんやの大喝采!そしておじさんは徐にピアノに向かった。以前、おじさんから彼の御父上が作曲家であり、ピアノを嗜むことは聞いていたが、実際、彼が弾くのを聴くのは初体験である。一瞬、あたりがし~んとして、僕の喉はごくりとなる。そして、おじさんはピアノを奏で始めた。

曲が終わった瞬間、ギャラリーは皆、息を忘れたかのようになり、みな総立ちで「うまい!!かっこええわ~!!ひゅ~ひゅ~」の嵐が駆け巡った。確かに巧い、、、、弾いたその曲が、たとえ阪神タイガースの応援歌「六甲おろし」であったとしても、、、。

1月16日(火) 都市移住者対策を改善せよ!
* 「嘗てないほどの勢いでベトナム人の移動が始まっている。特に地方の若者を中心とした人々が都市に仕事を求めて続々とやって来る。」と、都市の経済と住民サービスの拡充を為政者に呼びかけている国連人口基金は指摘している。我が国初の国内間移動実態調査は、2004年にハノイとホーチミン市を含む11の自治体と合同で統計局により作成されたものだ。今週、月曜日ハノイに於いて開催された2004年人民移動調査の会合で、統計局のNguyen Van Tien副局長は、この調査結果はベトナム人民の移動実態と傾向を為政者に判り易く示す指針となるばかりか、彼ら移動民の基本的権利を確立する将来の政策作りへ有効に反映されることだろうと語った。

2004年までの過去5年の間に15~59才で居住地区から他の自治体に移動した者を移動者と定義付けた2004年実態調査報告書には、我が国がどの様な困難が想定されるのか詳しく網羅されている。
報告書に拠ると、45%の移動者は先ず住宅問題を抱えて下り、次が就職問題、そして、水道や電気などのインフラ不足などが未解決のままと答えている。しかし、数々の問題も年代別にやや異なってくる。
若者たちの場合、住居問題以前に就職問題が先に来る反面、壮年層は住居・水道・電気、或いは健康や社会福祉政策に気をもんでいるというのだ。

ベトナム国連人口基金代表Ian Howie氏は他の国と比較してベトナムの地方から年への移動者のボリュームはとても大きいものだと指摘した上で、毎年地方から140万人の若者が労働力市場に参加し、都市の産業と都市の人口を支える重要な担い手となっていると述べた。

ベトナム移住者生活実態調査を含む3つの関連書籍の出版が統計局からなされた。国家社会研究所に在籍する二人の博士の研究によって出版された“国内移動者とその後の生活”は、移動者の教育・婚姻・就職・出産に与える影響を集め分析したものである。別の一冊の国立経済大学で編集された“移動と健康”では、移動者の厚生政策の向上と医療システムの開発・水道の需要及び衛生への喚起・住居などの支援を呼び掛ける内容となっている。特に移動者の健康面ではHIV/AIDSなどの性的感染症などのリスクが高いとされている。

ロンドン海外開発研究所の研究者たちにより書かれた3つめの書籍“ベトナム移動者の生活の質”では、短期移動者の重要な生計戦略をテーマに、彼ら短期移動者のための住居施設・水道・衛生・就職・健康に必要なものについてよりよい政策策定を呼び掛けている。また、住民登録システムの規制緩和と移動者の基本的な公共サービスの受給が、移動者の生活の質を向上させるための大きなステップになるだろうと結んでいる。

(辛口寸評)
筆者の工場従業員の約7割が地方出身者で占めている。多くは北部・中部出身者で会社で用意した工場敷地内の社員寮で生活している。当初、我が工場をホーチミン市から、Binh Duong省に移転したばかりの頃は、工場従業員は古参を除きそのほとんどが地元の人間だった。また、その方が自宅通いが増えコスト的にも安くなるものと信じていたのだ。ところが、2~3年と雇用して行くうちに地元の人間を雇うことは寧ろ、高くつくことに気づき始めたのである。

地元の従業員の働く意欲或いは姿勢を地方出身者と比較すると、随分劣る。先ず、働くということに関し、自宅通いの連中は真剣さに欠けるのだ。家族が身近に存在することが、彼らの意識の中で強く巣くっているようで、向上心が生まれにくいことに起因するのだろう。また、地元の地の利を背景に、他社との待遇を常に比較し、会社に対する要求が高い割に忠誠心はかけらもない。しかも、要求は実態を反映しないものばかりで、「バカも休み休み言い給え」という低次元のレベルのものばかりなのだ。(例えば、外資系優良企業と同じ待遇にしろだとか)加えて、仲間どおし結託して来るので余計に持て余してしまうのだ。

この様な流れを数年間見せ付けられた後、現在は結果的に地方出身者の雇用割合が増える一方で地元組は減少の一途を辿っている。一時は弊社だけの特有の問題かと考えていたのだが、後年、様々な企業が近くに進出して来ると、やはり同じような問題を皆抱えている事が判った。確かに地方出身者を雇用する場合、身元に於いて完全に調べきれない部分があるので、万が一の対応に不安を残すものの、それでも仕事に対する姿勢は背水の陣を引いて田舎を後にしてきている分だけ概ねローカルの従業員より上であると、筆者は自己の中で結論付けているのである。

1月17日(水) 輸入自動車関税引下げ開始
* 我が国に輸入される新車に対する課税率が現行の90%から80%まで削減されることになる。この新たな課税率は本年1月11日から施行されたと財務省。課税率はベトナムのWTO加盟のコミットメントのひとつとして行われるもので、同省に因ると新たな80%の課税率は8人乗り亦はそれ以下の乗用車、10人乗り以上のバン、4輪駆動車と1800~4000ccの乗用車に適応される。また、雪上車両やゴルフカートにも似たような課税が適用されるとの事。

財務省は、1.5~2.5リッターの新たなエンジンの差し替え分についても課税率を5、10、20%程度、引き下げる方向で調整中の一方で、4リッター車への課税率は2割ほど引き上げるという。中古車輸入業者の多くは今回の課税率の見直しの影響が心配で、現在、サプライヤーとの新規契約を一時棚上げし、輸入の制限に入っている。

先週、土曜日、ホーチミン港にTradoco社により輸入された8台の高級乗用車が陸揚げされたが、これらの荷口は最後の現行課税率に則って通関が進められるものだ。北部地域大手輸入中古車販売会社のVinh Hoang社曰く、次の入荷は新課税率の適用で海外の取引先が余分な経費の支払いを同意するか否かに左右されるとした。

(辛口寸評)
記事第二章の冒頭に“新たなエンジンの差し替え分”と書いたが、完成車での取引が一般的な日本にあって、エンジンだけを輸出するなんて想像の他の話でしかないが、ベトナムではエンジンを載せ変えるなんて事は、ざらにあるので、それを指したものだろう。取りあえず補足しておく。しかし、新車に対する課税率の引き下げに、何故中古車販売店が関係してくるのかは、筆者もよくわからない。単純に翻訳するとこうなってしまったのは、お愛嬌ってことでお許しを、、、、
(笑)

1月18日(木) 鳥インフルエンザ新ガイドライン
* 厚生省は、H5N1或いは鳥インフルエンザの人への感染の新しい処置法を発表し、従来2005年11月以降使用してきたガイドラインと差し替えることにした。新しい書地方は2006年にWHOが纏めたもので、H5N1の治療法及び医療対話の方法を網羅し、国内外の医療専門家による専門的なアドバイスが豊富に添えられている。厚生省医療処置課に因れば、以前のガイドラインと比較すると診断と処置にいくらかの修正が加えられており、新たに鳥インフルエンザの処置が可能な3つの軍病院と1つのホーチミン市内の病院が書き加えられているという。

子供患者の死亡率削減と影響を縮小する新しい治療法は、人工呼吸器・薬物使用についての特定の指示を備え、呼吸と器官悪化への対処についての方法についての歩補足する記述が内包されたている。この処置法は直ぐにベトナム全土の病院や地両院で利用されるだろう。厚生省は、昨年末に家禽類の感染はあったものの新たな鳥インフルエンザの人感染は2005年11月14日以来、今のところベトナムでは発見されていないという。これまでに鳥インフルエンザはCa Mau・Bac Lieu・Hau Giang省を含むメコンデルタの15の区域と34箇所の村落で見つかっており、これらの地域では現在家禽に対する予防接種を徹底し行っている。

ベトナム北部地域への鳥インフルエンザの広がりは現段階で見せていないものの、北部の多くの自治体では家禽への感染に備え、最大限の警戒態勢を敷いている。農林僻地開発省動物健康課の職員は、旧正月を前にして北部地域への鳥インフルエンザ再発のリスクに関し、注意するよう呼び掛けている。

(辛口寸評)
このところ鳥インフルエンザに関する記事を多く取り上げるようにしている。これは、風評が噂を呼び憶測が広がり、それらが事実を目隠ししてしまうことを避けたいという筆者の思いからだ。もちろんベトナムニュースで告知できる範囲など知れたものであるが、少なくともここの読者の皆さんは、大小、活躍の場はそれぞれ異なりながらも、ベトナムに対し関係を持つ人々が多い。故に、せめてそのような人々に鳥インフルエンザの現在の状況を伝えることにより、的確な判断をして頂けることを期待するものである。サイゴンの朝夕は肌寒ささえ感じるようになってきた。これからが2~3ヶ月間が鳥インフルエンザを一番警戒しなくてはいけない重要な時期である。兎に角、人から人への感染が今、伸び盛りのベトナムで絶対に出してはいけない。

1月19日(金) 都市のお手伝いさん
* 一週間の出張を終え自宅に帰宅したLe Thanh Maiさん(29)は、彼女の二人の子供が酔っ払った水平のような話し方をしているのに遭遇し恥ずかしさの余り大きなショックを受けたという。なぜこのような可笑しな話し方をしているのか不思議で仕方が無かったが、その理由は直ぐに判った。それは最近、雇用したお手伝いさん(オシン)から伝わったものだったのだ。お手伝いさんの総称をベトナムではオシンと呼んでいる。これは1990年代に放映された日本の連続テレビ小説「おしん」から借用したものだ。

「私と主人は毎日仕事で忙しく、オシンを雇い家事を手伝って貰わなければなりませんでした。当然、私が家を留守にする時は子供達の世話を彼女にお願いしているのです。」とMaiさん。オシンのNhanさんは田舎から出て来た中年のおばさんで、Maiさんが居ない時でも真面目に一生懸命働き家事をこなしている。しかし、Nhanさんも殊 Maiさんの子供達の教育となるとうまく行かない。これに対しMaiさんは、自分自身に罪があり、子供のことでオシンに頼り過ぎては行け無いのだと反省しきりだ。

ベトナムでは中流家庭の間でお手伝いさんを雇う傾向が近年増大してきた。職業安定所や友人・知人からの口コミでお手伝いさんを探すことも容易になった。お手伝いさんの募集に集まるのは一般的に農閑期の出稼ぎで田舎から出て来た女性たちだ。Maiさん一家にとって、オシンの存在は日常生活に欠かせない。特に急速な発展が目覚しい都市生活者のほとんどは二親とも仕事に出る為、子育ての役割を担う人手が無いのだ。しかし、だからと言って、子供の世話を全てオシンに任せて好いのかと云うとここには別の話が存在する。

生粋のハノイっ子であることを誇りに持つPham Manh Thangさん(34)とその妻は、3歳になる一人息子が両親と同じ言葉を話さず、その代わり息子の話し言葉がお手伝いさんの出身地、中部Thanh Hoa省訛りのものとなり、Thanhさんは頭を抱えてしまった。建築家のVu Minh QuangさんもThangさんと同じような体験談を持っている。彼の娘が、家族の執事の言葉を話すようになり、それを取り除くのに膨大な時間を要したというのだ。

根本的にこれらの問題が、オシンにあるのでは無く、その雇用主である人々がお手伝いさんを抜きに生活サイクルを立てられなくなった環境そのものにあると云えよう。家庭内でオシンのお国言葉を子供たちが身につけてしまう事は防ぎようが無いのである。今年60歳になるNguyen Chau Loanさんは、親たちのすべき事としてお手伝いさんに対し子供たちとの対応をどうしたら良いのかきちんと指針を示さなければならないという。オシンたちは、都市に住む家事の手助けの必要な世帯に仕事を求めてやって来るだけであり、この件で非難される立場にはまったくないと言い、お手伝いさんに責任転嫁するのではなく親の責任として子供たちに注意を注ぎ続ける事が肝要なのだとLoanさん。

親戚のお手伝いさんを注意深く選定するLoanさんは彼女の3人の孫たちがオシンたちの世話になってとても幸せだ。「私は我が家のお手伝いさんたちが子供達の宿題を見てくれたり、故郷の伝統的な良い習慣を孫たちに教えていたのを見たことがありますし、彼女たちは両親が知らないような事まで子供たちに指導してくれているのです。」とLoanさんはいう。今では家の孫たちは自分たち自ら宿題を片付けたり、料理をしたり、お手伝いさんの国の習慣なども理解している。更に重要なのは子供たちがオシンたちと過ごす中から、都会の生活では触れることの出来ない、物に対する感謝の気持ちや他人を思い遣る気持ちが芽生えて来たことです。」とLoanさんは断言した。

時としてお手伝いさんは雇用主の親御さんがどの様に子育てをしてよいのか解らず苦しめられる事もあるという。Dao Thi Thomさん(19)は、5歳児の一人息子を持つ夫婦の家で、乳母として雇われている。「私はこの子が大好きです。何といっても生まれた時からずっと一緒にお世話してきましたから、、、。だけど、彼も大きくなるに従い周囲の環境に気づき始め、家族の中での私の立場を明確に知るようになってきました。今では、彼は私の事を低く見たり軽蔑するようになりました。」とThomさんは悲しい胸の内を聞かせてくれた。

件の少年は自身の行いの持つ意味について全てを理解している訳ではなく、単に彼の両親のオシンに対する接し方を真似しているに過ぎないのだと、Thomさんは語る。彼は不機嫌な時、Thomさんに向って失礼な事をいうのだが、それに対しThomさんは彼が全てに関し彼女を頼るしか無いのに気づいたのだという。洗濯から料理・お買い物・犬の散歩に至るまでお手伝いさんの存在を抜きに考えられない現代都市部での生活だが、オシンの生活は楽では無いのだ。しかし、雇用主の親御は自分達の子供の教育については当然の責任がついてまわる訳だ。少なくともオシンをどの様に扱うかを子供たちにきちんと見せ指導することが大切だろう。

(辛口寸評)
我が家にもお手伝いさんがいる。自営業なので僕も女房も仕事に時間を追われる為、お手伝いさん抜きの生活は考えられない。これまでに我が家で勤めてくれたお手伝いさんは、創業からの10年間で5人を数える。今 我が家で働いてくれているのは、リンちゃん 19歳。
クメール系の少数民族の娘さんで、ホーチミン市へは2年前にメコンデルタの田舎から出てきて、我が家が二番目の勤め先だ。一番目のところは、一年間、住み込みで働き、給料も悪く無かったのだが、雇い主一家がどうも猜疑心が強く、何かというと彼女に疑いの目が向けられ、居心地が悪くなり、たまたま彼女の同郷の友達が我が家の一軒隣にやはりオシンとして働きに来ていて、彼女の紹介で我が家にリンちゃんが来ることになった。

溌剌として未だあどけなさを残すリンちゃんだが、毎朝5時に起床し、夜10時過ぎまで真面目に働いてくれる。もちろんこの間、やる事さえ終わっていたら自由に休憩して貰って良い事にしてある。我が家にも今年9歳になる一人娘がいる。最近は身につける物に気にするような年頃になってきた。ある朝の事、娘がリンちゃんに講釈をたれている。
リンちゃんにヘヤースタイルの本を見せ、その中のように頭をセットして欲しいと頼んだのだが、生憎、リンちゃんは上手く出来なかった。それに対し、文句を抜かしていたのだ。朝からカミナリを落としたくは無かったが、娘の我儘とリンちゃんに対する横柄さに、少し大声で彼女を叱った。

ビクンとして、背筋を伸ばした娘に僕が伝えた言葉は、リンちゃんは僕やお母さんを助ける為に働いて貰っている事。それは取りも直さず、娘がリンちゃんにあれこれ要求する立場に無いことのみならず、当たり前にしてリンちゃんに指図するような真似は絶対しない事だ。家の娘に限らず人間は弱い生き物なので、少し生活環境が好転するだけで、人に対する感謝の気持ちを忘れ、調子に乗り勘違いし始めるようになるものだ。娘を叱った言葉は、実のところ自分自身を律する為の言葉でもあったのだ。

1月20日(土) 近代化とベトナム人女性の変化
* ベトナム経済の発展と共に、ベトナム人女性が家庭内に於いて亭主と肩を並べるほどの重要な一家の大黒柱の役割を担う様になってきた。これは従来の伝統的な家族的価値観に大きな変化が現れたといえる。

Vo Thi Minh Huyenさんが結婚したのは30代前半、彼女自身、晩婚と思っていた。しかし、その時点で彼女は新妻が夢見る全ての所有物(歌手としての名声・自宅など)を手にしていたのだ。「まるで私の生活は極楽みたい!世界で一番幸せな女性は私!!」と思えるほどHuyenさんの生活は充実したものだった。しかし、幸福な時間は数年前の彼女の離婚と共に費えてしまったのだ。旦那と一緒の購入した自宅の所有権の取り合いで見苦しく戦わなければならなかった。Huyenさんが体験したケースはベトナム国中で毎年起こっている数千件のひとつに過ぎない。

ここへ来てベトナム人女性が経済的パワーを持ち始めた事によりベトナムの家族に大きな変化が生まれていると研究者は指摘するのだ。今後、我が国では離婚が増加し、家庭の意思決定権が男性から女性に移行して行くだろうと予測する。家族性別研究所の調査によれば、1960年代に一世帯辺りの家族構成員数は平均6.4人だったが、今日では4.5人に減少している。「この流れは更に進むと考えられる。しかし、逆に家族間の関係は以前に比べより複雑で脆くなり始めているのだ。」とハノイ経済大学人口社会問題研究所のNguyen Dinh Cu博士は、最近、開催されたベトナムの家族をテーマとした会合で、Cu博士は少子化と核家族化について発表した。

別の研究者グループの家族性別研究所も同様の研究結果を発表した。北部各省で行ったアンケートに拠ると、回答者の55%の世帯では家族構成員数が5人以下で、ハノイ市では実に77%がそうなって来ているというのだ。亦、別の設問の回答では僻地や山間部より都市部の方が核家族化が進んでいる事が浮き彫りとなった。女性の職場進出は、この傾向に影響を与えただけでなく、政治の変化も後押ししている。3年前まで、ベトナムでは二人っ子政策を続けてきたが、緩和された。それにも拘わらず、最近の夫婦は一人乃至二人までに出産の数を抑えている。

亦、三世代組み合わせの大家族形態も、ここ2~30年で流れ星のように減少している。1977年の統計によれば、全国の5割の世帯が祖父母・父母・子供たちと三世代が一緒に暮らしていた。それが2002年の統計では、僅か18.2%になり、二世代家族が全体の70%を占めるようになったのだ。最近のカップルが如何に結婚後、親からの独立を模索する割合が多くなっているのかを改めて認識させられる数字だであり、豊富な物質の陰で親子関係が希薄化が見て取れる。

年々、ベトナムの離婚件数が増加傾向を見せている。裁判所の資料から集めた統計によれば、その件数は劇的に増加しており、新婚さんの25~30%が結婚生活に破綻をきたしているという。これらの要因を探ったCu博士の説明では、価値観の相違や未熟な出来ちゃった婚・家庭内暴力・女性の経済的独立などが根底に潜んでいるという。
「今日の働く女性の収入はとても良くなり、旦那の収入に昔ほど生活を依存する事も無くなりました。結果的に離婚発生世帯の多くは収入が平均以上の裕福な家庭が主になっているのです。」とCu博士は述べた。

女性の経済的自立が変化を促した。ハノイ市家族性別研究所が取り纏めたアンケート結果によれば、妻の収入が家計の5割を占めるまでになり、この傾向は地方より僅かながら都市部の方が高いという。
これも保守的な家長主義崩壊の一要因に繋がっているのだ。今日の妻たちは家庭内でのあらゆる主導権を握り始め家の新築はもちろんの事、家具や家電品の選定までも彼女等の役割になりつつある。もっとも、子供の教育については両親が相談して決めるという結果もあるが、このままゆけば将来的にはどうなるのか見通しは立たない。

30~50年前までは見合い結婚が主流だったが、今では恋愛結婚が主流となっている。ハノイでは90.5%の夫婦が恋愛結婚をしている。
ひとつの方向として、現在 ベトナムは広い意味で男女格差、狭義では夫婦格差の是正と均一化が始まっていると云えるのだろう。

(辛口寸評)
海外に仕事の駐在員や留学などで比較的長期に暮らした経験のある日本人なら、現地の人から「日本女性のお嫁さんが一番優しくて旦那に尽くすのでベストだ!」なんて一度や二度は聞かされたことがあるだろう。その度ごとに言われた方としては苦虫を潰し、心の中で「明治時代の話か?!」と言い返してやりたくもなる。既に皆さんもご承知の通り、一般的な日本人女性は自らが主張し、積極的に社会活動に参加している現在、時代錯誤も甚だしい。しかし、つらつら思うに筆者も一男性として誤解を恐れずに言わせて貰えば、向こう気が強く、あれこれ弁が立ち自己主張ばかりする可愛い気の無い女性よりも、貞淑且つ思い遣りがあり、一歩控えて亭主を立て良く気働きする人の方が好ましいと思っている。

女性に対しそんな信仰を持っていた為、筆者がベトナムへ来たばかりの時は、こちらの女性が全て古いタイプの所謂“亭主に尽くす”理想像に見えたものだった。尤も、現実、そのような女性と所帯を持ってみると、確かに自分が思い描いていた通りの女性像近いように結婚一ヶ月目までは思えた。しかし、三ヶ月後には日本人女性より芯の強さを持つことを知り、子供が産まれてからはそれにいよいよ拍車がかかり、今では完全な籠の鳥となり、蛇に睨まれたカエル状態を余儀なくされている。まあ、それでも筆者が嫁の愛情の内に包まれている限りに於いては一先ず食い殺される事は無いだけ幸せなのかも知れない。しかし、残念なことに(個人的だが)理想的ベトナム人女性の生息数も年々歳々現象の一途を辿りつつあるようだ。

以上

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