« 「米国」は「中国」をけしかけ、「北朝鮮」へ決定的な恫喝を一発させろ! | トップページ | 「週刊ベトナムニュース」についてのお断りとお詫び! »

2007/01/06

「人材開国」を「労働開国」と同様、国を挙げて真剣に議論すべき時期だ!

日本経済新聞社は、やはり本邦の経済を論じることに主眼をおくだけあって、「経済合理主義」の面から、問題提起する場合とくに秀逸である。

今日も、社説で提議された内容について考えたい。

Jpnationalflag_47日本」への興味が徐々にしかも確実に増加している事実は間違いがない。
それも近隣周辺のアジア諸国だけに止まらず、ヨーロッパでもアジアの一角を占める「日本」への興味は増加傾向にある。
米国」には "目の上の瘤" の「イラン」でも「日本」の人気は依然として高いままだ。
この事実を、本邦政府は真剣に考えなければならない。また、その事実を公開した方がよい。多くの国で「アジアの一角を占める不思議の国 "日本"」への興味は絶えないのだ。

これは、今日までの努力の成果だと胸を張って考えるべきだ。今後もそうかというテーマになると、いささか心許ないけれど。今は、事実、世界の若者が「日本」へ熱い視線を注いでいる。「日本」を目指したいと考えている若者が増えている。

しかしながら、本邦の入国査証発給条件は極めて厳しい。「それはそれでよい」。その結果、国内での文化や慣習の摩擦により生じる安全を担保しているわけだから、いきなり入国条件や定住条件を下げることは不要と考える。
日本人の多くの人は、「米国」は「こうだ!」と言われると、直ぐに従おうとする傾向が強いけれど、「米国」は「米国」であり「日本」は「日本」である。
何よりも、「米国」に滞在した経験がおありなら、直ぐに分かることだが「米国」の滞在条件は「日本」以上に厳しい条件が付されている。
入国(滞在)査証」にも様々なグレードを準備し、様々な条件を課している。
例えば、交通違反を犯し、適正に対処しなければ「査証」の延長を拒否される場合(ことは日常茶飯事)もある。「日本」ではどうだろうか?
すべて「米国」が万能と考えるサルまね思考はいかがなモノかと指摘したい。

しかし、「日本」は、入国(査証発給)条件も細かいが、何よりも余りにも「書類主義」で困惑させられる。
一番のポイントが、日経が社説で掲げる「日本語能力試験」である。社説の紹介によれば、主催団体の「日本国際教育支援協会」(文部科学省の外郭団体でほぼ[元]文科省の官僚や下位役人で占める)が、いろいろ御託を並べているけれど、実際に「想像力」を欠いているし、日本の官僚の常で、何よりも他人事である。自分は「業務命令」を受けたから担当しているだけで、ハッキリ言って「どうでもよい」のだ。だから真剣に対応しない。組織団体としての名称だけは立派だけれど、ポストと資金を廻し合うだけの組織に過ぎない。組織を維持するために仕方なく課せられた事業を維持しているに過ぎないのだ。

一例を挙げる。留学生に課される「日本留学能力検定試験(通常、留学生が[日本留学統一試験]と呼ぶ)」の試験は6月か7月に、日本を始め世界のいくつかの都市で一斉に実施される。主催者は同じ協会のはずだ。
この得点(スコア)が本人の手元に届くのは、何と11月の上旬である。11月の中旬や下旬には、主要な私立大学では「留学生入試」が始まる。これに間に合わせるには「日本」国内に滞在していることが条件になる。実際には、留学生試験の成績次第で入国の可否も左右される。査証申請と査証発給には時間がかかる。短時間で航空券はどうするのか?
海外で成績を受け取り、どのように11月下旬の「留学生入学試験」に間に合わせることができるのか?
基本的に海外在住の留学生(希望者)」は、既に各国で(意図的に)振るいにかけられた学生であり、この「留学生統一試験」を受験する留学生を収容する前提として「国立大学」を想定しているわけである。
これが、「日本」の文部科学行政の一端である。

仮に間もなく始まる「大学入学センター試験」のスコアの算定に4ヶ月も5ヶ月もかかれば、社会問題になるだろう。最大でも100万人の「センター入試」は最長でも2週間ほどで算定している。世界の各地域で「日本」への留学試験を実施したからといって、なぜ、そこまでの時間をかけなければスコアを示せないのか。一体全体、各国で何十万人の受験者がいるのか、所詮は、もとは「AIEJ」だとか「日本国際教育支援協会」などと、立派な名称を語ってみても真剣にやる気がなど持っていないのだ。
日経は社説で蘊蓄を垂れ流しても、実態に迫るという点では観念的に過ぎないから迫力に欠ける。
実は、いわゆる「留学生統一試験」でもこのような事情を抱えている。

従って、「書類主義」の「日本」へ留学を試みる海外の学生は大変だ。まずは、年に一回しか開催されない「日本語能力試験」に挑戦するわけだが、一回ダメだったら、また一年待たなければならない。社説が示すように英語もフランス語もドイツ語も年に数回チャンスを設けている。この点が「高く、厚く、大きな壁」となっている。

そして、多くの教育機関は、年に一回の入学制度だから、一般的には運良く「日本」への留学を果たすのに、人生の多感で大切な時期の4年近い年月を要するのだ。こんな国はないだろうと思う。

確かに、学校で教える側に立つ者として意見を言えば、年に2回入学者があると、カリキュラムの編成と教員および教室の手当で著しく均衡を欠く。つまり膨大な手間と労力をかけて得る入学金や授業料は引き合わないのが現実だ。
まして発展途上国からの留学生となれば、入学金や授業料の免除あるいは減免措置を求めてくる。加えて奨学金の手当など、無茶苦茶な労力を年の途中で負わされる。
教育機関の側に携わる者としては、「正直なところ、勘弁して貰いたい」のだが、これを制度面で改善しない限り、「日本」は冷たい国だということになるだろう。

日経が社説で掲げた議論の中で、農産物の生産という食糧自給に直結するテーマを、経済合理性だけで乱暴に壟断している点は気にかかる。農業生産はいずれの国でもセンシティブ」な案件である。食糧による安全保障というテーマを、エネルギーの供給を含め、「日本」の政治は正面から争点として論じたことはない
従って、実際に国民が本音でどう考えているか、真剣な議論が交わされたことがないわけで、それを日経がリードしようという心意気は良しとしても、従事者が少ないからという主張は組み立て自体に無理がある。それなら、新聞5紙に従事している人数はどれだけだという議論と同じで意味をなさないと思量する。

今後、「日本」は「世界」と、どう向き合うのかを体系的に提議された点を大いに評価したい。基本的に主張が大きく変わらない側が、実態に即して否定的な展開をするのは心苦しいが、日経が社説で力説するほど、「日本」国内は成熟した情況にはない。

従って、国を挙げた「議論」が必要で、合意できる着地点を正々堂々公開の場で探るべきと考えている。

引用開始→ 社説 開放なくして成長なし(5) 「来る者は拒まず」の戦略を早く(1/6) (日経NET)

外国人の日本語学習熱が急速に高まっている。昨年12月初め、国内と海外で実施した日本語能力試験には、2年前に比べ約18万人多い約53万人が応募した。語学試験の受験者数としてはTOEIC(英語)、TOEFL(同)に次ぎ世界で3番目、言語別ではフランス語を抜いて2番目になったようだ。

大切にしたい新・親日派

中国を中心にアジア地域の受験者が多い。日系企業で働く人は日本語ができれば昇進や昇給の機会も増えるから当然だ。「欧米でも、日本の現代文化に興味を持つ若い人の受験が増えている」(試験の共催者の1つ日本国際教育支援協会)とか。

ところが受験者の間には不満がある。試験が年1回しかないことだ。英語の試験は8―10回、ドイツ語やフランス語は2―4回ある。「年2回に増やしたいが、問題作りに時間がかかり今年は無理」(同)

経済や若者文化の面から日本に関心を持つ人々、いわば新・親日派が世界的に広がっている。その期待に応えられない例はほかにも多い。

マンガやアニメ、ファッションなどを学ぶため日本を訪れたいという外国の若者が増えている。しかし例えば、漫画家に弟子入りして収入を得ながら学ぼうとする人に期間の長いビザ(入国査証)は出ない。「研修」という在留資格があり、研修後に技能実習生として工場などでは働けるが、この制度はマンガやアニメを対象にしていないからだ。

日韓首脳会談が実現し、中断している日韓の経済連携交渉に再開の可能性が出てきた。フェリーで簡単に日本に来られる韓国のトラック運送業者は日本の業者との相互乗り入れを希望していた。日本の業者らの反対でこの案は葬られ「トレーラー方式」を検討することになった。荷台に後輪がついただけのトレーラー車台に荷を積んで九州の港で下ろし、運転台のついたトラックの前の部分と連結して日本の業者が引き継ぐという折衷案だ。韓国の業者はもちろん日本国内では集配できない。

人やモノが世界中を行き来して付加価値や文化を生む時代。それに背を向けていたら成長はできない。政府も遅まきながら「アジア・ゲートウェイ(出入り口)構想」を打ち出し開放の具体策を検討し始めた。

残念ながら、出入り口はすでに日本の外にできてしまった。アジアで旅客数が最も多い空港は香港空港で成田空港は3番目。コンテナ取扱量でアジア最大はシンガポール港で日本最大の東京港は7番目だ。使い勝手が悪く料金が高い空港や港湾はアジアの出入り口にはなれない。

それでも、出遅れたとはいえ対外開放のシナリオを描き実行するのは必要である。ゲートウェイ構想は物流改革、人材受け入れ、アジアの活力の取り込み、日本の魅力向上など7項目に取り組むという。また政府はアジア諸国を中心に経済連携協定の交渉を急ぐ構えだ。

来る者は拒まず、味方やファンを増やし外国との交流を活発にするなかから経済的メリットを得ていく。その発想はグローバル化のなかで一段と重要になる。だがそれを実行するには国内の様々な改革が欠かせない。そこが難しいところだ。

オーストラリアとの経済連携協定の交渉開始が決まった後、農産物の輸入増加を嫌う農家が抗議デモを実施した。経済連携交渉で常にカベとなるのが看護師など人材の受け入れとともに農業である。特にコメ、麦、砂糖、肉、乳製品は5大政治品目と呼ばれ聖域視される。この5品目の生産に携わる人は約270万人(兼業農家を含む)で就業人口の4.3%にすぎないのにである。

魅力高める国内改革を

食料自給率をなるべく維持するのは大切だが、それは農業の担い手の確保、農地拡大による生産性向上などを通じて実現すべきであり、輸入の制限に頼るのは弊害が大きい。むしろ多くの国との経済連携協定のなかで凶作のときの食料供給を約束してもらえば、安心ともいえる。

人材の受け入れでは、異文化の人々と共生できる社会をつくりながら秩序ある受け入れ方法を考えていかなければならない。そのためには教育を含め課題は山ほどある。

外資を呼び込むには、地域ごとの優遇策に加え、法人税制や会社法制などで日本に来やすくしておくことが求められる。安全保障を理由に、いたずらに対日投資への制約を強めるとしたら問題が多い。港湾や空港の使い勝手の改善を含め、外国人、外国企業からみた日本の魅力を高める戦略こそ重要である。

外国との経済交流を重視する安倍内閣は、小泉前内閣にも増して国内の改革を求められることになる。(おわり)
(C) 2007 Nikkei Inc. / Nikkei Digital Media, Inc. All rights reserved. ←引用終わり

|

« 「米国」は「中国」をけしかけ、「北朝鮮」へ決定的な恫喝を一発させろ! | トップページ | 「週刊ベトナムニュース」についてのお断りとお詫び! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「人材開国」を「労働開国」と同様、国を挙げて真剣に議論すべき時期だ!:

« 「米国」は「中国」をけしかけ、「北朝鮮」へ決定的な恫喝を一発させろ! | トップページ | 「週刊ベトナムニュース」についてのお断りとお詫び! »