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2007/01/15

「東アジア首脳会議」で「中国」が見せた「日本」を圧倒する姿勢!

世界は、中国とどう向き合うか、とりわけアジアでは中国とどう取り組むか?!

今回、フィリピン、セブでの「ASEAN首脳会議」でも、これに引き続き開催された「ASEAN10」+「日・中・韓」首脳会議はもちろん、さらに続いた「東アジア首脳会議(ASEAN10+日・中・韓+インド[+オーストラリア]」の裏面の主題は、専ら参加各国は「中国」とどう向き合い、どう取り組むかに追われ絞られた印象が強い。

言うまでもなく「中国」は、自らこそが、アジアの盟主であると狙いを定め、「日・韓」は周辺国の一つとして捉え、経済面で市場を一体化してしまえばよいとする論理を前面に振りかざした動きを始めた。日本は防戦一方というイメージに終始してしまったのではないか。

中国」は「ASEAN10」に対し、EPA(経済連携協定)ならぬFTA(自由貿易協定)の締結を提議し、何よりも「中国」と「ASEAN10」を市場統合しようという姿勢を鮮明に示した。

日本は、「中国」のこの動きに対し、「ASEAN10」+「日・中・韓」+「インド・オーストラリア・ニュージーランド」を加えた16ヵ国のFTA(自由貿易協定)を提案し、巨大市場をエサにする「中国」の思惑へ対抗する姿勢を示した。

ASEAN10」の各国は、一部の国を除き「中国」がこの地域で「中国」が主軸になることを毛嫌いしている。「中国」の横暴にしてやられることを懸念する思考が強いこともあり、基本的には「日本」の提案に乗りたいわけだが、その実、「日本・シンガポール・オーストラリア・ニュージーランド」の組み合わせなら、一人当たりの経済力で大きな違和感もないため、共同市場の形成はさほど困難ではないといえる。しかし、実際の局面を考えると、日本とオーストラリアのEPA(経済連携協定)交渉は、農産物の自由化について暗礁に乗り上げてしまっている。

従って、背後に抱える「政治体制・社会制度・文化・宗教・言語と文字」が根本的に異なる広大な地域の市場や経済の統合は、日本がいくら提案したところで、「原則賛成・各論反対」の議論に陥り「画に描いた餅」に過ぎないと見られている。

この意味で、今回、日本が提議した「16ヵ国の市場統合」案は、失望とまでは言わないまでも、極めて長い時間をかけた道程になると捉えられてしまったようだ。

そうなると、「中国」が提案した「ASEA10」+「日・中・韓」の「13ヵ国の市場統合」の方が分かりやすく実現性が高いと捉えられてしまっている。

13ヵ国案」と「16ヵ国案」は、一見同じように見えるが、事の本質は根本的に異なるのだ。広大な「中国」は、南部では「ASEAN10」各国と極端な経済格差は見られないため、市場統合のメリットを大いに享受できる。東側と北側では、急激な経済成長の結果「日・韓」との競争力も強まったことを受け、この地域でも沿海部は市場統合のメリットを享受できる。

市場全体が一体化する地域では、巨大市場を持つ側があらゆる分野で影響力を発揮し行使するようになる。工業生産力で比較すれば「ASEAN10」各国は、いずれ「中国」に組み敷かれ呑み込まれてしまう充分な懸念がある。

一方「日・韓」を相手にする東側と北側における沿海部の市場統合でも、徐々に「中国」市場への依存度が高まると「中国」の影響力を無視することはできなくなる。「日・韓」がこれまで大手を振ってきた「ASEAN10」市場でも、やがて「中国」との競争力を前に、主役明け渡しになる可能性を否定できない。

その種の懸念を払拭する上でも、日本も「ASEAN10」各国も、常に「インド」と「オーストラリア」を視野に入れ(加え)、政治力学と経済力学でのリスク分散を図るためのオルタナティブ(この場合は代案)を考えるわけである。日本は、この流れを汲み上げ「16ヵ国」案を提唱したわけだが、実現性が乏しいため、期待するほどの成果を得ることはできなかったものと考える。

他には、「マラッカ海峡」を含む地域までも「中国」が市場統合による経済力を背景に政治力を発揮し始めたら、日本の安全など吹き飛んでしまうわけで、一生懸命「中国」包囲網を構築しようという狙いは、囲みを破られ、狙いだけで幕となり崩壊を待つばかりとなるわけだ。ほぼ全ての生産エネルギーを中東原油に依拠する日本が、生命線ともいえる「マラッカ海峡」を「中国」の影響下に組み込まれ、どのように自律する途があるのか真剣に考えるべきだ。

「日本の経済力からして、そのようなことはあり得ない」との見解が、数多く示されるものと思いますが、ここ数年で生じるわけではなく、「中国」は、じっくり時間をかけ「日本」を填める戦略を発動しようとしていると考える方が正常な思考といえる。

おそらく寄せられる反論の多くは、いま現在の「日本」と「中国」の生産力を背景にした「経済力」や「政治的力量」を過信しての論拠と思考する。しかしながら、世界の歴史は、現在の延長上から次の事態が生じるともいえるが、激動による転換期では、凡そ考えられない方向のベクトルが作用し、一気に形勢が逆転している事実(ここでは一々例を挙げないが)を考慮しなければならない。

その意味で、日本は、インドオーストラリアを含めた「東アジア首脳会議」で提唱した「16ヵ国」によるFTA(自由貿易協定)の実現に邁進しなければ、「法螺吹き男爵」として揶揄され記憶され、やがて誰からも相手にされなくなるだろう。

余りにも「中国」の存在感の大きさを見せつけられた、この度の、フィリピンはセブでの「東アジア首脳会議」だった。

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