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2007/10/27

ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第138号

ウィークリー・ベトナム・ニュース  
■ 平成19年10月27日 土曜日 第138号
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■ こんにちは!!

Vnnationalflagいつもお世話になっておりますベトナムから、ニャットアインです。

今日もここ一週間のベトナムの主なニュースをご笑覧下さい。

翻訳は直訳とせず、日本語に馴染む意訳としておりますので、ご注意下さい(笑)また、訳者の独断と偏見を交えた辛口寸評を入れてみました。内容が片寄り、言葉が多少過ぎる箇所も多々あろうかと存じますが、これもベトナムを愛するゆえの諫言とお許し下さい。

誤字・脱字はご愛敬ってことでお願いします<(_ _)>

尚、記事の転送は営利目的以外なら原則自由ですが、自己責任において行い、その中で被った被害・損害に対し筆者は責任を負えませんのでご了解下さい。

ベトナム・ニュース その138 今週のヘッドライン

*10月22日(月) 医療サービスを近隣諸国で
*10月23日(火) 越共産党中央組織委員会訪日
*10月24日(水) 病院医療サービスの付け届け
*10月25日(木) ベトナム娯楽産業事情
*10月26日 (金)   鉄道輸送合理化の恩恵
*10月27日 (土)  欧州最大手貨物航空会社ベトナム市場参戦

10月22日(月) 医療サービスを近隣諸国で
* ベトナム経済の繁栄と共に、国内医療費の数十倍のコストが掛かるにも拘わらず、より多くの人々が海外(主にシンガポールやタイ)での医療処置を検討するようになってきた。ある人々は中国で内蔵移植手術を、若干ではあるがそれをアメリカで行う者もいる。
しかし、これらは手続きが煩雑で費用も高額な為、あくまでも少数派に過ぎない。毎年、6000~10000人のベトナム人は医療治療を受けるためにシンガポールへ出掛けるが、ここ数年で数字が一気に加速し始めたとハノイに拠点を置きシンガポール内での病院を斡旋するヴィエト・シン国際協力社のグエン・ゴック・アイン女史はいう。「以前、私どものカウンセリングを受けに来たのは専らハノイやホーチミン市内在住者が主でしたが、今ではベトナム各地からおいでになります。」と女史。

ベトナム人が好むクリニックはナショナル・ヘルスケアー・グループ、ラッフルズ・メディカル・グループ そしてパークウエイ・メディカル・グループなどで、利用目的は主に各種癌治療・心臓障害・血管疾患やヘルニアだという。パークウエイ・ホーチミン代表事務所のズオン・フン・ギィ所長に拠れば彼の事務所に相談に訪れる毎月の訪問者数は凡そ50人前後だという。この数字にはパークウエイが持つハノイとダナンの二つの事務所はカウントしていないそうだ。シンガポールでは民間グループが経営する3つのメジャー病院(マウント・エリザベス病院、グレンイーグルズ病院、イースト・ショア病院)があり、患者たちはこれらの病院で日常、癌、関節炎、神経症、肝疾患などの検査を受けるのだとギィ所長。

あるホーチミン市の病院の事務局長は脳動脈疾患手術をグレンイーグルズ病院で受け、高額な治療費にも拘わらず“この病院の施設・技術の確かさは否定しようがない。それに術後の処置や最低限の感染症リスクなど素晴らしい!”と満足な結果に喜んでいる。骨肉腫の治療をマウント・エリザベス病院で受けさせた15歳の少女の母で南部タイニン省出身のマイさんは、以前、ホーチミン市内のサイゴンITO病院で治療を受けさせたものの効果はあまりなかったと語る。しかし、マウント・エリザベス病院で治療を受け6ヶ月になる今、少女の容体はぐんぐん好くなっていると話してくれた。

バムランガード国際病院ホーチミン代表事務所のドー・ホアン・ゴックさんは、主に先天性心臓病と癌を治療するために、毎月80~100名のベトナム人患者がタイのこの病院を訪れるのだという。東南アジア最大級のこの病院で受ける最も一般的な心臓手術とその一週間の入院費は、14000米ドル~17000米ドル。生後18ヶ月の先天性心臓疾患を持つ子供の父親、ホーチミン市在住のラムさんは、この病院の現代的な設備と広範囲な医療サービスに感銘を受けたという。「子供を病院に朝入院させ、午後には手術を受けさせました。手術費用は30000米ドルとその他サービス費が必要でした。」とラムさん。

因みにシンガポールでの医療費を参考までに記載しておきます。眼科手術(1700~1800米ドル)・鼻腔手術(2000~5000米ドル)・心臓弁膜移植手術(約15000米ドル)・冠状動脈ステント(約10000米ドル)・肝臓手術(50000米ドルから)・脊柱に関する病気のレーザー治療(5000~6500米ドル)・肝腫瘍手術(約10000米ドル)・肝臓移植手術(150000米ドルから)

(辛口寸評)
ベトナムにも外資系や合弁系の病院が増えてきた。特にハノイやホーチミン市などは顕著で、在住外国人の場合、余程突発的な事故で緊急手術を施す必要がなければ、これらのクリニックや病院で十分対処出来るようになってきた。実際、これらの使節を訪ねる中産階級のベトナム人や外国人は増えているように見受けられる。特筆すべきは、カンボジアのプノンペン市とホーチミン市を結ぶ国際定期バスの運行が始まってからというもの、このバスを利用し、多くの中流ベトナム系カンボジア人(越僑)たちがホーチミン市内のこれら病院へ通院するようになったことだ。片道5時間でやって来られる事に加え、カンボジア越僑は何かにつけて、クメール人から差別意識を持たれているせいか、同国の病院ではないがしろにされていることが根底にあるらしい。

さて、本日の主題であるベトナム人が近隣諸国へ医療サービス受診目的で渡航するようになったという。ここからは推測の域で確証はないが、シンガポールで年間8千~1万人とするとタイあたりへ同目的で訪れる患者数は少なく見積もっても、同数くらいは存在するだろうから、ラフで2万人。一年365日で割ると一日あたりの渡航者は凡そ54人。尤も、シンガポールとタイで分かれるので、一国27名。これだけの人数があれば、主催旅行を組むことが可能になるため、ことに拠ると近い将来、外国の病院と旅行会社がタイアップしてこのビジネスをオープンパッケージ化した商品開発が行われる化も知れない。患者により滞在日数が異なるため、厳密なパッケージにするのは無理があるけれど、それでもフリープランと銘打ち、航空会社から団体席を安く仕入れ、需要が増えればチャーターも飛ばせる可能性を秘めていると思うが、考えすぎかな(笑)

10月23日(火) 越共産党中央組織委員会訪日
* 日本の福田康夫総理大臣は、日本がベトナム発展の為の支援を今後ともし続けてゆくことを確認していると話した。10月11日、ベトナム共産党中央組織委員会訪日視察団のホー・ドック・ヴィエット団長一行の歓迎セレモニーの席上、福田首相はベトナムの地において事業活動を行っている日系企業らがベトナムの勤勉さと豊富な労働力に高い価値を見出していると語った。その一方で、彼はカントー大橋崩落事故の犠牲者の家族に対し、深い同情と哀悼の意を示し、日本は今後、海外での建設プロジェクトの管理方法を厳しくさせて行くと誓った。そして、彼はベトナム政府が今回の事故原因の内情究明を速やかに割り出すよう希望した。

ベトナム使節団団長は、日本のベトナムへの新ODA政策・建設・発展過程と共に在越日系企業の重要な貢献を指摘し、そして日本が今後ともベトナムの南北鉄道及び高速道路網建設並びにホアラックハイテク地区プロジェクトの実行を支援且つ亦、EPA合意に向けて話し合いを押し進め、科学技術や幹部への国家管理法の訓練の手助けを希望した。10月7日から12日までの滞在で使節団と団長は、山東昭子参議院副議長及び横路孝弘衆議院副議長と面談し、日越友好議員連盟の会合に参加する予定となっている。この他、ヴィエット団長は自民党伊吹文明幹事長や公明党太田昭彦代表、民主党鳩山由紀夫幹事長、甘利 明経済産業相、JAICA緒方貞子理事長らとも会見する。

これら一連の会見で、使節団は日本の協力及び支援がベトナムのイフンラ建設・経済改革・貧困撲滅などの達成に貢献して来たことを確認し、総ての日本側カウンターパートは南北鉄道・高速道路網、そしてホアラックハイテク地区などの各プロジェクト建設の支援を鮮明にしたと語る。日本共産党の志位和夫書記長との会見では、二党間の今後の協力、特に共産主義の理論の探求と交換を促進してゆくことで意見の一致を見た。又、使節団一行は静岡県にある原子力発電所の見学も行った。

(辛口寸評)
今回、カントー大橋崩落後で初めての公的なベトナム訪日使節を受け入れたこととなる。きっと福田首相にはこの事故に関する分析など表面的な事例ばかりでなく裏情報なども報告されている筈で、如何に今後、ベトナム政府と外交的に渡りをつけ、一定の幕引きをしてゆくかが日本政府の課題となるだろう。ベトナムは、今回の事故を外交カードとするのは当然なのだが、ここで日本政府が扱いを誤れば、如何にベトナムと云え、金の無心のネタにされ、中韓同様無限地獄に陥り兼ねないことはこの間も書いたけど、飴を与えながらどこかで落としどころをきちんと設け、これ以上は“駄目”と毅然な態度で臨まなければ舐められるのは必定。首相が、中韓寄りの福田だけに危うさを感じるのは筆者だけであるまい。

10月24日(水) 病院医療サービスの付け届け
*患者から違法な賄賂を強要する医師や看護師を捕まえる為にハノイ産婦人科病院では隠しカメラを設置して監視に当たっているという。しかし、一台の隠しカメラ以上に、私の友人、レ・フォン・タオさんは院内で悪習が蔓延っているのかその模様を語ってくれたのでここに紹介しよう。タオさんの赤ちゃんの誕生は帝王切開に拠って成功し、母子ともに健康だったが、その後、ショックと驚きの連続がタオさんを襲ったのだ。出産を終えたタオさんは、彼女の母親が予め支払った前払いの特別室に移された一方で、赤ちゃんは保育器に入れられ6時間毎の監視を受けることになった。タオさんのご主人、チャン・トウアン・アインさんが赤ん坊を見ようと保育器を覗くと彼の息子は激しく泣いていたという。そこで、アインさんは看護師に求められるままに5万ドン(約370円)を支払い息子にミルクを与えるよう依頼したという。

タオさん曰く、彼女の病院での一週間の入院で、毎回、あらゆる看護を受ける度に、1~2万ドンを看護師のポケットに忍ばせなければならなかったそうだ。「医師や看護師たちがどのように我が子の処置をしてくれているかを考えると心配で、病院スタッフがお小遣いを求めるのであればその都度渡そうと決めたのです。」とタオさん。タオさんやそのご主人のアインさんから支払われた追加費用は、この病院での不文律となっており、もし患者が良い処置を受けたいと思えば避けられないものなのだ。しかも、多くの病院でこの様な悪習が続いているのである。実際、一般的な治療でもサービスの種類により様々な費用が病院では課せられるにも拘わらず、これらわけの判らぬコストを搾取されるのは堪ったものでない。

タオさんは病院スタッフに本来不要な費用を支払わされている大勢の患者の中の独りに過ぎない。ハノイ産婦人科病院のグエン・フイ・バオ院長は、「患者の誰もが病院内ではベストな処置を望み、この為、“袖の下”を助長することに繋がり、病院スタッフが悪習に慣らされてしまった感は否めないのです。それ故、隠しカメラを設置することにしたのであります。これまで患者からクレームがついても証拠がなく違反した病院スタッフに罰則を帰すことが出来ませんでした。」と説明した。ベトナムで隠しカメラ導入に一番始めに踏み切ったのは、サイゴン国際産婦人科病院で、昨年、ハノイ産婦人科病院のバオ院長がホーチミン市内の同病院を視察し、早速、自分たちの病院へもカメラ設置を導入した経緯がある。これによりベトナム北部で、ハノイ産婦人科病院はカメラを設置した第一号病院となった。

カメラ導入に踏み切ったハノイ産婦人科病院ではあるが、患者たちは病院管理者たちが、それを本来の目的に沿って使用するか懐疑的な見方をしており、悪習発覚を恐れる病院スタッフたちは結託してカメラのレンズの位置を変えたり、あらゆる対抗策を立てるだろうと考えているのだ。「隠しカメラでこの悪習が収まるとは思えません。
先ずは、医師や看護師たちにモラルを教育することが重要ではないでしょうか。病院スタッフの仕事に対する意識革命、そして患者自身、賄賂を贈ることを止めなければ、今後も何も変わることはありません。」と定年退職した元産婦人科医のグエン・アイ・ホアさんはいう。

実際、ハノイ産婦人科病院では数年前に問題調査担当者を置いたものの、患者から病院スタッフに対する違法な支払いは一件も提出されなかった。というのも、情報を掴んだ病院スタッフは直ぐさまニュースを流し、自らの活動をより慎重に行うようになったからだ。保健省の眼科医グエン・フン・ソンさんはこれに同意して、「仮にこれら違法な活動がカメラのない場所で行われたとしたらどうでしょう?そんなことを擦るよりも、医師や看護師の給与を見直し、十分にしてあげることが重要ではないでしょうか?それをせずに犯人捜しに没頭するのはナンセンスです。結果的に、隠しカメラ導入は意味をなさないでしょう。」とソン医師。

同病院事務局の説明に拠ると、カメラ設置の主な目的は犯人捜しではなく、病院内のサービスを管理することにあるとのこと。そして、唯物に溺れ危機に瀕した健康産業の質を修正し、汚職を撲滅させ、その一方で病院スタッフの倫理観を救う為なのだという。そして同病院長バオ氏は、もし病院内で職業倫理に反する者がいれば厳しく罰っし解雇も辞さないと警告する。ハノイ市健康課レ・アイン・トウアン課長は、賄賂の支払いを見つけ出し、見せしめにした方が良いという。
そして、違反者二は病院から罰金を課せられるだけでなく、健康課は勿論、公共に名前の発表を促し晒し者にする必要があると同課長。
ハノイ市健康課では病院内での違法行為告発ホットラインを24時間体制で設けており、04-7333071に連絡するよう市民に呼び掛けている。

(辛口寸評)
病院内での付け届け、実に頭の痛い問題である。兎に角、入院したら医師(中には受け取りを拒否する人もいるが)や看護師にその都度 幾ばくかのお金を支払わなければならない。そうしなければ、善い治療を受けられないのがこの国のローカル病院の現実なのだ。
(日本でも、老人看護のヘルパーさんなどに“寸志”を渡すことが一般化しているようだが・・・)しかし、記事の中で退官した元医師が話していたように、医師や看護師に対する待遇改善が筆者も先決だと考えている。医師あたりの月額の公的給与は150米ドルそこそこで経験10年の看護婦でも80米ドルでしかない。結果的に医師は、病院での勤務が終われば自宅で開業医となって副収入を稼ぐことも可能だが、看護師には一切、そのような余録もないため、違反と判っていても家計に助かるとなれば手を出してしまうといった構図が存在する。

昨日、たまたまフランス政府の援助で作られた7区のFV病院へ頭痛を訴えた義妹を連れて出掛けた。綺麗で清潔で、スタッフは受付から医師まで常に笑顔を絶やさず居ても感じが良かった。しかし、治療費は流石に高く、先ず問診の為のカウンセリングが、10分程度で35万ドン(約2600円)、そして頭部のMRT代が120万ドン(約8900円)だった。本来なら、MRT撮影後 再度 カウンセラーの医師に面会し所見を述べて貰うところだが、予め、そのベトナム人カウンセラーの医師は、「余計なお金が掛かるから、終わったら携帯電話に連絡してくれ」と電話番号を書いたメモを渡してくれた。それ故、二回目のカウンセリングは医師の好意により、無料で済ませることが出来た。

保険が下りるといえ、これは一般のベトナム人にとっては一ヶ月の月給に相当する金額である。仮に、同じ治療をローカル病院で受ければ、カウンセリングはただ同然 MRTなども殆どODAなどで外国から供与されているので高くても30万ドンで済むだろう。FV迄とはいわないものの、要はローカル医療スタッフの地位と待遇改善が求められているのだろう。

10月25日(木) ベトナム娯楽産業事情
* 若くてポップミュージック好きのファム・ティエン・トウさんが、コンサートチケットを買うときにいつも決めていることがある。一番目は、有名なミュージシャンが差出演しているか否か。もし仮にそれがコンサートリストにない場合、彼女はそのチケットは先ず買わないという。トウさんは、斬新で異なるタイプの物を受け入れたがらない音楽ファンの世代に属すため、芸能人たちはその世代に受け入れられようと必死です。今日、ベトナムの音楽界に於いて、殆ど総てのベトナムのミュージシャンたちは彼らのショーに他の有名な芸能人を組み込み観客を惹き付けようとしているのである。「私は10月26~27日にハノイ・オペラハウスで催されるタン・ラムのチケットをどんなに高くても手に入れる積もりです。」とトウさん。

ラムのコンサートチケットの値段は20~40万ドン(US12~24$)もするけれど、ステージを優雅にすることで知られる歌手のフォン・タン、トウン・ズン、そしてベトナムポップスターたちが熱狂的に迎えられる今日、ホットケーキが売れるように即完売となるのだという。これら名声に基づく人気のチケット購入決定は同様に芝居好きにも波及している。実際、ベトナム国中、北から南のチケット売り場では、コンサートで誰がいつステージでパフォーマンスを行うか囁きあいが聞かれるほどだ。「チケットを予約する前に人々は、どんなスターがステージに立つのか情報を集めてからにするもので、当然、彼らは出演者の詳細も知っているだけでなく、ショーの構成も熟知しているのです。」とユースセンターでチケットを販売するチュオン・タンさんは語る。

ホーチミン市仏越文化交流研究所のヒン・アイン・トウアン所長に拠れば、観客はショーにどんなスターが出演するかでチケット購入動機を決めていると言えるそうで、出演する芸能人の評価が高ければそれがショーそのものの質が高いと考える傾向にあるのだと説明する。

さて、ベトナム映画産業はどうかといえば、一般的に保守的な態度で望むことにはやや否定的で、映画ファンは新しいアイデアを吸収し易いだけでなく、新人スターなども受け入れる帰来があるようだ。ハノイの8月シネマ社のグエン・タン・ヴァンさんはある事実を教えてくれた。それというのは映画の場合、有名な俳優を起用した作品よりも新人で構成したものの方が売れるというのだ。事実、統計に因るとヒット作品の4分の3までが新人を起用し作成されたものだとヴァンさんは訴える。これらの事実と統計が指摘するものは何れも利益追求と観客が決める人気を軸足とした制作決定は、娯楽産業にとって後戻りを促すだけでなく、潜在的可能性を持つ出演者の芽を摘んでしまうことになりかねないのだ。

ミニステージシアターの副主宰タン・ホアンさんはフーニュアンステージで公演した“幽霊妻”のような多くの劇が新人起用で固めたにも拘わらず大勢の観客を惹き付けたという。以上の事柄から言えることは、好い台本、芸への前向きな姿勢、観客に迎合した人気先行型政策決定の否定など総てが、ベトナム娯楽産業に求められており促進を促さなければならないのだとする。「一般的に、観客は有名人を好むものだが、しかし、若い男優・女優はこの事を気にすべきではない。
彼らは自分たちの才能を開花させるために今なすべきことをひとつずつ着実に実行してゆくことこそ大切なのだ。」と年老いた思慮深そうな観客、ファム・カム・イェンさんは指摘する。有名なのか新人なのかが重要ではなく、如何にして観客の心を掴むかが大切なのだ。パフォーマンスの中身そして役作りが何よりも芸人に課せられた使命なのだとイェンさんは結んだ。

(辛口寸評)
ベトナム人の家内の親戚筋にハノイで芸能を生業にしている一家がいる。今もちょくちょくテレビや舞台に出ることがあるが、専ら国の指導で北部を中心とした地方公演にしばしば出掛けているようだ。
地方巡業は村の公民館からそれこそ省営体育館まで様々で、公演期間は住民人口に因って決まるようで、一日だけの場合もあれば一週間興行打つこともあるそうだ。ただ、日本の旅芸人(もういないか?!)とは異なり、ベトナムで役者は舞台を演じるだけでよく、大道具小道具などは別のセクションが担当するので、旅先で公演までの時間、あちこち自由に動き回れるのが旅の地方公演の楽しみらしい。大体、地方周りを2年ほど経験すると、海外公演に抜擢されることも多く、家内の従妹もこれまでに、エジプト・ロシア・ポーランド・チェコ・韓国・ラオスなどを回り、クラシックバレエやベトナムフォークダンスを披露して回った。言葉は通じなくとも観客と舞台が一体化したとき、最も嬉しい瞬間だと従妹が話してくれたことを今回の記事で思い出した。

10月26日(金) 鉄道輸送合理化の恩恵
* ベトナム国有鉄道が、その独占事業形態を止め他の企業と協力することに因って、歳入が3倍に膨れ上がったと、同鉄道営業部グエン・フー・トウエン部長が報告した。提携を結んだ多くの企業が、この事業モデルを歓迎しており、事実、運輸貨物サービス社のチャン・クオック・ヴィエット社長は、彼の会社の売上が国鉄と事業提携してから倍増したという。しかし、より重要なのは国鉄輸送時間が顧客の信頼を勝ち得た事にあるとも語った。ベトナム国鉄は凡そ3年前に貨物列車チャーター便をニューモデルとして導入し、この決定以降、直ぐに貨物量と歳入が増加していったという。

昨年、国鉄は940万トンの貨物を取扱い、今年8ヶ月では既に700万トンとなり売上は3820億ドン(US2380万米ドル)に達しているという。
国鉄が独占形態を維持していた頃は、数百台の貨物車が何もなされぬまま放置状態にされ、費用対効果を全く考えず運営されていた。一部、社会経済資本の中で、国鉄は考えを改め、これまで行ってきた貨車のみの貸出しは止め、総ての列車を貸し出す(貨物車列車チャーター)決定を行ったのだった。今日では、南北ルートモデルだけでなくこの形態はその他の路線でも採用されているという。

昨年、国鉄はサイゴン鉄道会社に対し週三便南部ビンジュン省ソンタン駅からハノイ・ザップバット終着駅までの往復で各15の貨車を連結した貨物列車を1億4500万ドン(約110万円)で権利を売り渡し、一年後には南北ルートを別の4つの企業体と週13往復便チャーター列車を走らせる契約を結んだという。独占を止める国鉄の決定は、鉄道輸送ばかりか自動車輸送及び水上輸送での本格的な競争の着火剤となった。ベトナム国鉄グエン・フー・バン社長は、このモデルから多くの事を学んだと語り、これからは今まで奪われてきた市場奪回に向け、自ら精進してゆきたいと豊富を述べた。

しかし、古くなった所有車輌が今後、鉄道事業の主な脅威となっている。国鉄が所有する5000輌の貨車の内3000輌が既に40~50年使われて来ており、古すぎて運用に適さず、残り2000輌にしても心許ない状態だという。国鉄は毎年300輌の新貨車を導入するものの、急速に伸びる輸送需要に対応するには焼け石に水で、このまま手をこまねいていれば他の輸送機関に市場を奪われてしまうことになるだろうと、バン社長は危機感を募らせている。

(辛口寸評)
筆者の菓子はベトナム北部地域でも販売されている。この為、4年前まで商品の輸送は総てトラックに因る陸送だった。しかも、それはベトナム軍が経営する輸送会社で、トラック自体、軍のものを使用(流用?)していた。当時、この軍のトラックがサイゴン・ハノイ間を結ぶ最速の輸送手段で、通常、一般の運送会社が5~6日掛けて移動する道程を軍のそれは1日ほど短縮して輸送することが出来たからだ。軍のトラックにターボエンジンが搭載されていたわけでなく、軍の為の特別舗装道路があったわけでもない。早さの秘密はひとえに、軍のトラックに公安(警察)は手が出せず、停止させて賄賂を取る事が出来なかっただけだが、それでも南北片道1800キロの内、要所要所で公安の検問が設けられていた当時、いちいち停止するだけでも膨大な時間のロスが生じる中、軍のトラック利用は幾分割高といえ大いにその威力を発揮し、菓子の輸送を助けてくれたものだ。

そんな3年前のある日、中部で台風があり幹線道路が崩れ、陸送が出来なくなってしまったのを機に鉄道輸送に一時切り替えることにした。記事にも出てきたソンタン駅までお菓子をトラックで運ぶと、後は駅の荷役担当者が全て取り仕切り、貨車への荷物の詰め込みも一切合切、荷主に代わって済ませてくれた。(注:日本では当たり前だが、ベトナムのローカル運送会社では荷物の上げ下ろしなど荷主がやらなくてはならない)。輸送賃はどうかというと、従来の3分の1に収まり、ハノイには3日後に到着ということで、早くて、安くて、安全の三拍子揃ったものだった。ただ、難点をひとつあげるとすると貨車が古いため、雨漏りとかするのに当たることがある。取り敢えず、輸送に使用される貨車は一定の修理は施してあるものの、そういうのに出くわした場合、多少のダメージは受けたが、対策としてビニールでカートンを包むようにしてからは、その問題も解決出来た次第だ。

10月27日(土) 欧州最大手貨物航空会社ベトナム市場参戦
* 欧州最大手貨物航空会社カーゴラックス社は10月29日からベトナム南部ホーチミン市でサービスの提供を開始すると発表した。
「我々はベトナム・ヨーロッパルートの潜在的発展を予測しており、現在、ベトナム経済は成長の一途を辿り、航空貨物に関わる製品需要が今後も高まるであろうことを期待しています。又、サービスは広域に渡り、ベトナムと中東、アメリカ、そしてアフリカと南米などを繋げて行くつもりであります。」とカーゴラックス社ロバート・ヴァン・デ・ウェグ副社長は述べた。同航空会社は既にベトナム政府より、最上級の商業的権利を与えられている。それに因れば、同社はルクセンブルグからの往復輸送権のみならず、ドバイ、ダマン(サウジアラビア)、香港、バンコク、それにアラブ首長国連邦のシャージャなどから商品をベトナムへ輸送し、そして持ち帰る権利を与えられているのだ。

カーゴラックス社はベトナムから主に衣料、シューズ、雑貨、そして電化製品をヨーロッパ向けに輸送する一方、海産物、果物類、野菜を近隣のアジア諸国へ送る予定だという。ヨーロッパ市場は現在、ベトナムの輸出業者にとって最も重要な市場のひとつであり、昨年、ベトナムと欧州共同体双方向貿易総額は102億米ドルに達し、その大部分は船舶に拠って輸送されたのだった。カーゴラックス社は欧州貨物航空会社として去る5月にホーチミン市との間に就航させたカーゴイタリア社に続き、第二番目の直接サービスを立ち上げた航空会社となった。

(辛口寸評)
カーゴラックス航空は、ヨーロッパの小国ルクセンブルグ大公国に拠点を置く、ルクスエアーの子会社に当たる国際貨物航空会社だそうで、アメリカのフェデックス社と並び世界規模カーゴエアラインとして君臨しているとのこと。設立は1970年3月5日で、ルクセンブルグフィンデル空港をハブとして保有機材数14機を誇り、同フィンデル空港から欧州内を始め、中東、アフリカ、アジア大洋州、北米、中南米を隈無く張り巡らし、1985年には日本路線も開設し、同年10月23日より福岡空港に乗り入れ、1994年より就航地を北陸の小松空港へ変更した。日本の拠点が小松空港である理由は、関係者の話から次の二つに拠るという。ひとつに小松空港には大きな貨物収容施設があること。もうひとつは、小松から東京・名古屋・大阪の大都市圏の距離がほぼ同じ距離で結ばれているからというもの。いよいよカーゴラックスがベトナムもカバーすることになった。空の貨物市場の奪い合いが熾烈さを増すことになるだろう。

以上

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