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2007/12/29

ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第147号

ウィークリー・ベトナム・ニュース  
■ 平成19年12月29日 土曜日 第147号
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■ こんにちは!!

いつもお世話になっておりますベトナムからニャットアインです。

年末のご挨拶
読者の皆々さま 本年も週刊ベトナムニュースをご購読頂きまして誠に有り難うございました。

2007年は間もなく暮れゆきますが、
来る2008年が皆さまにとって素敵な一年となりますよう願っております。
来年もどうぞ宜しくお願いします。

今日もここ一週間のベトナムの主なニュースをご笑覧下さい。

翻訳は直訳とせず、日本語に馴染む意訳としておりますので、ご注意下さい(笑)また、訳者の独断と偏見を交えた辛口寸評を入れてみました。内容が片寄り、言葉が多少過ぎる箇所も多々あろうかと存じますが、これもベトナムを愛するゆえの諫言とお許し下さい。

誤字・脱字はご愛敬ってことでお願いします<(_ _)>

尚、記事の転送は営利目的以外なら原則自由ですが、自己責任において行い、その中で被った被害・損害に対し筆者は責任を負えませんのでご了解下さい。

ベトナム・ニュース その147 今週のヘッドライン

* 12月24日(月) 国内初ヴィエトジェット航空営業認可
* 12月25日(火) 海外送金増加の一途を辿る
* 12月26日(水) ヘルメット着用義務から早10日
* 12月27日(木) メコンデルタのホスピタリティー
* 12月28日 (金)   屋外広告需要増大と規制緩和
* 12月29日 (土)  物価高騰がテト前に家計圧迫

12月24日(月)  国内初ヴィエトジェット航空営業認可
*ヴィエトジェット合資会社(Viet Jet Air)は、ベトナム初の民間航空会社となり、12月20日、正式に営業許可を認可された。資本金6000億ドンで、ヴィエトジェット航空の創業株主にはT&Cグループ、Sovicoグループ、住宅開発銀行などが含まれている。

ヴィエトジェット航空初の商業フライトは2009年上旬を予定しており、ホーチミン・ハノイ間及びホーチミン・ダナン間を就航させることになるという。同社は、近距離の香港・バンコク・シンガポール等への国際航空便の就航も目指しており、現在、認可待ちの状況だ。

ホー・ギア・ズン運輸相曰く、今年、航空産業の成長は20%増加し、ヴィエトジェット航空の誕生は航空業界の発展と競争力の強化に基づく民間セクターを奨励する政府戦略の一環であるとする。

同社、ロバート・ヒューズ常務は、航空業界は、ベトナムの経済発展と観光需要の増大で今後数年の間に急速な発展を遂げることになるだろうと語る。「これらの有益な機会を鑑み、ヴィエトジェット航空は、2009年上旬の戦略的営業計画を既に詰めており、国内市場に於ける我が社の確固たる足場を築いてゆく積もりで、亦、チケットの販売チャンネルも直接・間接を含み開拓をする一方で、5割はネット販売を進化させて行きます。」と、同常務。

ヴィエトジェット航空は、搭乗客の安全確保からボーイング737かエアバスA320の機材を使用する。グエン・ドック・タム社長は、航空安全の世界基準を満たす専門技術チームを育成を確実なものにするため、ヴィエトジェット航空は海外人的資源の活用も行って行くと語った。

(辛口寸評)
ベトナム航空、独占上の国内航空市場で、新しく民間航空会社が生まれる話題は暗闇の先に僅かに灯ったロウソクの明かりにも似ている。ベトナム航空は昨今、機材も新しいものを次々と導入し、就航路線も増やしハード面での拡充に努めている。その姿勢は評価に値するものの、肝心のソフト面でハードに追いつかないでいる。

その最たるものはエアーホステスやパーサーの態度である。今もお上意識で“乗せてやっている”式の感覚があるのだろうか、接客サービスはお粗末を通り越して、怒りさえ生じさせる。国内線でも地方へ飛ぶ場合、ベトナム航空に変わるキャリアがないので、結局諦めるしか手だてはないが、出来ることなら使いたくない。

さて、今回、ヴィエトジェット航空が再来年にも商業運行を開始するという。ガリバーである数々の利権が絡み合うベトナム航空を向こうに回して、どれだけ健闘出来るか未知数だが、同社の登場が、ベトナム航空業界に一石を投じ、消費者に利益が還元されるようになって欲しいものである。

12月25日(火) 海外送金増加の一途を辿る
*外国に暮らすベトナム人の祖国への送金額合計は今年50億米ドル以上となり、前年度より3億米ドル増加し、これを受けて機転の利いたベトナムの金融機関は送金受入サービス業務の拡充に乗り出す。ベトナム商工銀行海外送金課(Incombank)のグエン・ティ・ホン・ヴァン課長補佐は、彼女の銀行では地方への送金サービス業務の拡大を進めているところだという。亦、同行ではATMネットワークを利用した外国送金のシステム開発を推進中とのこと。

ベトナム国内に4000軒以上の窓口カウンターを持つウエスタンユニオンは、8月に労働傷病兵社会省海外輸出労働局と海外労働者が祖国へ送金援助に同意書に署名した。同社は亦、インターネットでの送金を可能にさせるためのプログラムを系列会社と共に開発中である他、旧正月プログラムを完成させたばかりでホリデーシーズンへ向けた外国からの送金に対応させるという。近年、アジア各地や中東諸国からの送金額はベトナム人労働者の増加と共に、急速に殖えて来ているとウェスタンユニオンのデータは示す。
現在、アジア・中東諸国で働くベトナム人は8~10万人と見られ、その大半が定期的に祖国への送金を行っている。

サイゴン商業合資銀行送金代行会社サコムレックス社を通じ扱われた2007年一年間の金額9億3000万米ドルのほとんどは不動産や株式市場に投入されたと同社グエン・フー・タム社長は語る。
送金顧客の動向に拠れば、送金業務に関し国営銀行より民間銀行のサービスが優れていると顧客は考える一方、国営銀行は海外決済業務に長けていると見ていることが判る。この差は、国営銀行の送金業務に関する海外ネットワーク作りが民間銀行に立ち後れから生じるものだ。加えて、国営銀行は送金元のチェックが厳しく時間が掛かることにも原因の一端がある。

統計局に拠れば、過去16年間で祖国ベトナムに送金された海外送金は平均37%も増加しており、1991年に僅か3500万米ドルだったものが、2007年11月には294億米ドルに達している。ベトナム政府は国内から出金される外貨についての開示を強く求める一方で、国内に入金される外貨に関しては寛大で、しかも定期的に入金される送金に対しての課税もない。海外送金がなされる主な国はベトナム系住民の多く住むアメリカ・カナダ・オーストラリア・ヨーロッパ、そして台湾などがある。

(辛口寸評)
海外に暮らすベトナム人、所謂“越僑”といわれる人たちは現在、200万人とも300万人ともいわれている。その多くが、現体制の共産党との政治的な対立をきっかけにアメリカやオーストラリア、フランスなどに新天地を求め、祖国を離れて行った人たちだ。これらの人々からベトナムで暮らす家族や親戚の元に送られてくる送金が長く主流を占めてきたが、近年、ベトナムの経済が高まりを見せると、アジア諸国や中東諸国へ出稼ぎで働くベトナム人の数が急激に増加し、いわば“新越僑”とも呼べる人たちが誕生し、ベトナム送金層の新たな担い手を構成するようになったのである。

不動産市場や株式市場の整備はベトナム経済を急激に押し上げると共に、ベトナムに残る身内を最前線の先兵として越僑たちは共闘を組み、金融市場からの利殖を目指し、ベトナムへの海外送金は更にその額を高め、スピードを速めていったのである。
結果的に僅か16年余りの間に送金規模が840倍にまで膨れ上がったわけだ。とは言え、実際の高まりは10年前の第一回不動産バブル、そして昨年の証券バブル、そして現在の第二回不動産バブルといった段階でその都度、要所要所のタイミング毎に数字を伸ばして来たのが実態である。

12月26日(水) ヘルメット着用義務から早10日
*ヘルメット着用が完全義務化となって早10日、ハノイ公安当局は市内の99%以上のライダーが、それを遵守していると試算した。この風景は何も大都市だけに限ったものではなく、タンカウと呼ばれるマフラーで頭を覆う伝統を持ち、その為、頑なにヘルメット着用を拒否してきた少数民族のタイ族やモン族女性たちも自ら交通環境に適合させ、これまでの習慣から脱却し、それを被るようになった。

北部ソンラ省チエンアンに住むタイ族女性ロ・ティ・カンさんはタンカウを被ることはつまり美と健康の象徴のみならず、既婚か否かを他者に報せる為の役割を担っており、その着用はその女性が亭主に対し従順で忠実である証なのだと話す。タイ族女性が、タンカウを外す時は彼女らの亭主が亡くなりその喪に服す間でしかない。しかし、これらの女性たちも先週、バイクを運転する際はヘルメット着用することに同意したのである。バイクを降りれば、亦、タンカウを被るのだ。

「私たちは面倒ですがヘルメットを被りバイクに乗ることを同意しました。交通安全には変えられませんから。」と話すのはソンラ省モックバイ区ロンルオング村在住、モン族女性のテン・ティ・ドーさん。「巻き髪はモン族の女性にとって美の象徴です。いくつもの世代間を継ぐ中で、モン族の若者は髪の長い女性を娶ると金持ちで豊に慣れると信じ、それが女性の美しさの基準と考えて来たのです。昨年、バイクを購入したとき、ヘルメット着用なんて考えもしませんでした。何故なら、美しくないからです。でも、最終的に今ではそれを被るようになりました。」とドーさん。

“あなたの人生を守ることは民族のアイデンティティーを保持に繋がる!”の合い言葉はソンラ省行政当局が人々にヘルメット着用を奨励するキャッチフレーズとして呼び掛けたものである。同省公安当局交通安全警察官のルトコル・ホアン・フック氏は、少数民族のアイデンティティーと彼らの文化・習慣にはかなり気を遣ったと話す。「少数民族の文化・習慣を維持するのはとても重要です。
しかし、命を守る為のヘルメット着用はなされなければなりません。
その着用が誰かの文化的アイデンティティーの美しさを損なうものではなく、そのアイデンティティーを保持する“その人”を守るものなのです。」とフック氏。

さて、大都市に戻ってみよう。郊外居住者の何人かはヘルメットを着用しつつも、きちんとホックをかっていない人が見受けられた。これは単純に警察官の目を誤魔化す為だけに着用している、そんな感じだった。亦、警察官が視覚に入ってきた時だけヘルメットを被り、それが視界から遠ざかると外してしまう人々も見られた。
バカバカしくて愚かな行為といえる。ヘルメット着用は警察の検挙を恐れてすることではなくて、交通事故から我が身を守る為のものなのだ。ヘルメット未着用で罰金を支払った人々は、ヘルメットに関する法律が実際何の為に作られたのかを十分に理解すべきなのだ。

ヘルメット着用義務化が始まった最初の三日間のハノイ市で、5676名のライダーが警察に停められ、罰金を支払った。これらほとんどが同乗者のヘルメット未着用が原因だった。ホーチミン市では同様に三日間で2300件の摘発があったという。道路鉄道公安部に拠れば、ヘルメット着用義務化が始まり最初の数日間で罰金を課せられた人々の数はベトナム全土で約25000人近くにのぼり、これは国内ライダー総数の1%弱になるという。99%の遵守率を得たことは即ち、さい先の良いスタートを切れたことを意味するが、反面、各交差点に配置した警察官らの陣頭指揮に拠る指導が功を奏したともいえるだろう。

長期間に渡り人々は99%の遵守率を維持出来るでしょうか?
亦、罰金の恐れをなくしても人々は自発的にこの法律に従うでしょうか?「今日、誰でもが規則に従います。人々は、そうすることが当然と考えているからです。ですから今後とも高い遵守率を維持して行くでしょう。この法が施行される前、バイクの運転時、人々は安全を確証出来ませんでしたが、今ではヘルメット着用で安心できているはずで、故に今後ともその着用は継続して行くと考えるわけです。」とフランス・トールズ市から来たコンサルタント、フィリップ・ブロウリア氏は語る。

(辛口寸評)
ヘルメット着用義務化が施行された12月15日、僕は朝から自動車の中で市内を回っていた。午前中、時折、ヘルメット未着用のライダーが散見されたが、午後になるとその影は潜め、髪の毛が見られるのは自転車か電気自転車に跨ったサイクリストだけになっていた。軒下に吊されて販売しているヘルメットに人々が群がって、我先にそれを買い求める姿が至るところで見受けられた。きっと、通りを行くライダーたちの着用率に度肝を抜かれ、いそいそと手に入れた人々だろう。

ここへ来て、巷に溢れたヘルメットも供給過多に陥り、現在は安売り競争となっている。3~5割引は当たり前で、中には損保会社でバイクの任意保険に加入するとヘルメットを貰えるなんてキャンペーンも現れたそうだ。ヘルメット導入前、その平均価格が10万ドン(約670円)を越えることから、都市部に住む富裕層にとって何ともない金額であっても地方の貧しい世帯では5日分の生活費に相当するので、貧乏人の事情を無視した悪法と罵られたのもだが、10万ドンと命の重み、どちらが重いかは明々白々。出掛けるときは、忘れずに。。。。

12月27日(木) メコンデルタのホスピタリティー
*木製のテーブルに置かれたロウソクからこぼれる仄かな灯の明かりが、この二人にはちょうど良い。男と女、二人のオーストラリア人は抱き合いながら突然、子供のように泣き出した。二人の短期滞在先のご主人タンさんは、何か間違いでもあったのか、心配になり急いで二人の元へ駆け寄って行った。そして二人は、明日、この素敵でのどかな場所を去らなくてはならず、今回のここでの滞在経験は自分たちが期待した以上の結果を生んだとタンさんに告げたのだった。

外国人観光客がメコンデルタの農家にホームステイをし、地元の農家と共に生活した経験から生まれた話しだ。彼らはホストファミリーと共に暮らし、農家を手伝ったり食事を一緒に拵えたりする機会を得る。

前出のタンさんは私に先の二人のオーストラリア人カップルの話を聞かせ、そして外国人観光客に魅力的なツアーを設定するのは簡単ではないことや、彼らを迎える為に本を読んだりインターネットから外国人のそれぞれの国のライフスタイル等の情報を事前に沢山仕入れ、彼らに何が必要で、どう感じ考えるのか、或いは年代に拠るテイストの違いなど理解することが大切だと付け足した。

「如何にして例の二人に印象づける場所を創造し提供出来るかが、私の課題でした。彼らは私の家に一週間滞在し、メコンデルタで暮らす人々のライフスタイルを学習しました。」とタンさん。

ゲストとの意志の疎通やよりよいお世話を提供するために、多くの農家が英会話を学んだという。例えば、そのひとりヴォ・タン・ズンさんの場合、彼はベンチェ省カウタン区のいちご畑を経営しているのだが、その名刺は英語で書かれている。書かれている内容は、いちご畑・ランチ・果物・蜂蜜・伝統音楽・ホームステイといった案配。ズンさん曰く、以前と比べ観光業は急速に変化を遂げつつあり、その変化について行けなければ機会を大きく損なってしまう。WTOにベトナムが加盟した今、我々自身も変貌を遂げるべきなのだと訴える。

別のホストファミリー出フンフー果樹園を経営するリイ・タン・ファットさんは、農民は外国人ゲストと意志の疎通を図るため今こそ英会話を学習しなければならないと力説する。その一方で外国人と交わることで文化・習慣などの違いに触れ、世界の見聞を広げる機会を増やすことに繋がると話す。

ベトナム国家観光局からメコンデルタの観光旅行実態調査の依頼を受けているテーヘチェ旅行社マネージャーのチャン・テエ・ズンさんは、農家の人々は観光客の需要に合わせた対応が可能だと話す。ズンさん自身、農業文化を学習する博士課程の学生として、観光客と取引する農民の知識の豊富さに驚かされるという。
彼らが作る土産物品は安価で単純なものでしかないが、しかし、外国人客はそのようなものこそ好むのである。そればかりか、去りゆくゲストに対しどうしたら感動的に別れが出来るかも農民たちは心得ており、川の桟橋まで彼らを見送りに行ったりするのだ。

仮に農民の農場や果樹園などがハードウェアとしたならば、農民たちはゲストらを魅了するためのソフトウェアをどのように設計すべきかを知っている。ティエンザン省タイソン5観光エリアのオーナーは、観光客が彼ら自身のスープに入れる野菜を摘み取る為の観光農園を運営している。亦、カウタン区の別の農民フックさんは蜂を飼育している。ここではゲストに蜂蜜入りのワインやレモネードが振る舞われたりするのみならず、彼自身がゲストに蜂の育て方や蜂蜜の販売方法などを教えるのだ。

ヴィンロン省タムビン区のタムベ農場へやってくるゲストはカヌー、釣り、ケーキを作るために必要なバナナの葉切り、それに焼きめしから作るお酒の作り方、或いは竹製のベットで眠る等のオプションに参加することが出来る。ベンチェー省でグリーンパメロを経営するダン・ヴァン・ローさんは殺虫剤を使用せずに栽培する多用な野菜・果物の育成法により観光客を惹き付けているのだという。

(辛口寸評)
ベトナムの観光資源は、少しずつそのボリュームと内容を充実させてきているようではあるが、年々急速な拡大を見せる観光客需要にまだまだ追いついてはいない。それ以前に客室提供数が圧倒的に不足する現状、この事が端的にベトナムの資源不足を端的に表しているといえよう。とは言え、インターネットの出現に拠り、ハード面での立ち後れをよそに、ソフト面で観光業に従事する人たちは、迎えるゲストの為に何が必要で、何を提供することが重要なのかを理解し、遅れたハードを補えるようになった。

何も高級リゾートホテルに滞在するだけが、ベトナムの旅のスタイルでもなかろう。亦、観光業とは本来、一見客の多寡で競うものではなく、如何にリピーターを増やすかにある。そんな客層を取り込むために、メコンデルタでのこの取り組みは、ベトナムのみならず、世界の至るところで普遍性を持つ観光業の実験例なのかも知れない。

12月28日(金) 屋外広告需要増大と規制緩和
*ホーチミン市民は外出を好み、広告業者は人々の出掛ける先々に広告を設けるようになってきている。好景気に沸く、ホーチミン市はベトナム一の屋外広告市場を形成するに至り、700万人の人々が暮らすとされる市民は昨今の驚くほどの経済成長を日々身近に感じるようになった。ベトナム全体の国民総生産の2割をホーチミン市経済が賄い、今年の成長率は12.5%と見られている。

立て看板やショッピングモール・空港内、その他の屋内施設などに出される屋外宣伝広告の需要は、ホーチミン市の経済成長のペースに合わせて順調な伸びを見せている。ホーチミン市民の外出好きのリサーチ結果を公に発表したTNSベトナム社に拠って行われた調査に拠れば屋外宣伝広告費は年間10億米ドルでベトナム全体宣伝広告費の20%を占める。

ホーチミン市の広告業者はその宣伝媒体に伝統的な手法である立て看板・バス停広告・ベンチ広告・タクシー車内広告などを利用する傾向が強い一方で、最新技術の液晶ワイド画面やホロビジョンを用い空中に立体映像を映し出す三次元イメージの投影させたりする。しかしながら、地元広告代理店は急速な地元にサービスの提供が追いつかない有様だ。

亦、彼らは市の行政当局に対し、広告行政の改革と屋外広告に規則の明確化と簡潔かを呼び掛けた。事実、ダットヴィエット社屋外広告マネージャーのズオン・フイ氏は、地元広告代理店の作品やサービスは直ぐに完売してしまうという。長年、一般道や高速道路脇に掲げられている立て看板はベトナムにおいて人気の広告手法で、需要が高く供給量を遙かに凌いでいるのだ。立て看板の年間費用は、3万米ドルから8万米ドルになるのだが、ホーチミン市内では市の規則により掲載場所が限られてしまう。

年間7千米ドルから1万米ドルのバス停広告も人気の広告媒体のひとつだ。毎日、ホーチミン市民が利用する市内のバス停は1350カ所で、通りすがりの多くの人の目にも触れる。富裕層の顧客獲得を意識し、ハイテクを駆使した宣伝方法も最近では広がりを見せつつある。ゴールドサン・フォーカス・メディア社は最近 1500個のワイド液晶ディスプレイをオフィスビルやショッピングモールに設置した。
米系広告会社のヴィナスター社は昨年、携帯・着用可能で双方向性のメディア媒体のピクサムを導入し、ナムティエン社は、先月、広告市場にホロビジョン技術を導入したばかりだ。しかし、これらの新技術が根付くまでには今暫く時間が必要と業界関係者は見ている。

増大し続ける広告需要に対応するため、広告業界はホーチミン市行政当局の広告行政に関する規約の改訂を呼び掛けた。行政当局の業界に対する長期計画は不明瞭であり、それを是正しない限り主要投資案件決定の阻害要因になっているという。規則A2003は、市内の公共交通機関への広告宣伝を如何なる形態も認めておらず、そのことが屋外広告に制限を与えている。中央政府の2001年に決議された広告宣伝規約には規則A2003にあるような制限は設けられていないにも関わらずだ。

シンガポールのほとんどの公共交通機関には広告が載せられていると指摘するのは、ホーチミン市広告宣伝協会のグエン・クイ・カップ会長。「ハノイ市では最近、バスへの広告が再導入され、多くの広告主に受け入れられたものの、ホーチミン市では今も導入には至っていないのです。ホーチミン市での公共交通機関の広告はとても魅力的で、数千台にも及ぶ公共バスが毎日大勢の乗客を運んでいるのです。

液晶ディスプレイ広告のスペースに掛かる費用が年間10億ドン(約62500米ドル)ですから、バスへの広告料がいくらになるのか言うまでもありません。今後5年間でホーチミン市は更に大きな成長を遂げ、屋外広告用スペースや場所の需要は伸びるでしょう。その為には市の行政当局が開かれた政策を行うことが肝要なのです。」とカップ会長は結んだ。

(辛口寸評)
一歩外に出れば至るところに広告が掲載されており、広告を見ることなく外出することなどあり得ない環境が整っている。余りにも多すぎるため、せっかくの広告も周囲に埋没してしまい本当にそれが機能しているかは甚だ疑問だが、市内のシンボル的な場所を飾るそれはその範疇には当てはまらないだろう。前回、記事で採り上げたベンタイン市場の屋根の部分にも6年ほど前から企業各社の広告が貼り出されて来たが、最近、これが綺麗に外されてしまった。理由は不明だけど、個人的には昔の風景が戻ったのみならず、それの広告はホーチミン市のシンボルを汚すものだと考えていたので、すっきりさっぱりと垢を落ちたように清々しく見られ嬉しい。
多分、看板が市場から撤去された理由はそこにあるように思っている。

ところで、ベトナムへ来て暫く暮らしたことがある方なら、ベトナムの扉や家の壁に電話番号がベタベタとスタンプのように押されている風景を目にしたことがあるだろう。実は、これも広告の一種なのだが、一見、電話番号だけなので、広告主の業種は判らないのだが、これらは全て街金の広告なのだ。以前は、固定電話番号だったが、この頃では時代も移り全て携帯電話番号に様変わりしている。ベトナムの広告の中で、最も影響力のある広告が政府のプロパガンダが描かれた立て看板だが、その次に位置している広告が、この街金広告ではないかと勝手に僕自身は考えているのだが。

12月29日(土) 物価高騰がテト前に家計圧迫
*テト(旧正月)での豪華な食事やプレゼントに慣れている多くのベトナム人たちも、今年ばかりは来るべきテトでの出費の財布のヒモは固くなりつつあるようだ。若い母親のグエン・ミン・ホアさんもそんな考えを持つ消費者のひとりだ。来年1月1日からベトナムの最低法定賃金が15%上昇となるものの、物価高が断続的に進む昨今、そのことが彼女の心配を減らす要因にはならない。

ホアビン精糖社ハノイ事務所で経理として働く彼女のご主人の稼ぎは約400万ドン(240米ドル)で、この収入は平均から見れば他者と比べて決して低いわけではない。しかし、二人の子供の教育費、食費、医療費、その他の必需品の手当でお金に羽根が生えたように飛んでいってしまうのが実情だ。「サラリーが上がっても、その分、物価が上がってしまえば意味がありません。」とホアさん。

ベトナム政府は生活物資の輸入税を減少させ必至に価格統制と管理を試みているものの物価は上昇し続け、結果的に多くの主婦たちがホアさん同様のジレンマに陥らせるのだ。5リットルの食用油の価格は12万ドン(約7.5米ドル)で、今年初めの価格から30%も上昇した。標準的な世帯で使用されるガスの価格も1ボンベ辺り、数ヶ月前と比較すると4万ドン(2.5米ドル)上昇している。

タンスアン区で食品販売業を営むグエン・ティ・トウさんは、豚肉価格が今年初めと比べると50%上昇したという。ガソリン代の値上げが直ぐに豚肉価格に影響を与え、先週100キロ280万ドン(175米ドル)だったそれが今週は、370万ドン(231米ドル)まで高騰しているとトウさん。ですから、今では多くのベトナムの人々は「価格くん、おいらのサラリーが上がるまで値上げは待っておくれ!」などと冗句が飛び出す始末なのだ。

高い価格は消費者からいつも歓迎されないものだ。特に工業団地や輸出加工区で働くワーカーたちや学生たちのよう生活に余裕の無い層にとっては深刻な問題となる。くず鉄回収業のグエン・ティ・ガさんとそのご主人は、ハノイから南に約90キロ離れたナムディン省からやってきた。そしてカムティエン通りに家を借り、ここから田舎に残してきた二人の子供たちにお金を送っているのだ。

「我々のような労働者に国は面倒を見てくれません。以前は毎月50万ドン(31.25米ドル)ずつ貯めては、子供たちの教育費や生活費に充てていました。しかし、家賃・食費、その他の生活費の値上げで、今ではそれも適わなくなってしまい、どうして生きて行けば良いのか判りません。とは言え、田舎にいるより都会にいた方が未だ稼げる方なので、暫くはここに留まる灯りです。」とガさん。

これまでベトナム人は、テトが近づいても一部の特別な商品を除き価格は安定しており、それに慣れて来ました。しかし今年は違います。継続的な価格上昇が主婦たちや商売人たちを驚愕させているのだ。統計局商業価格課のグエン・ドック・タン課長は、消費者物価指数の上昇は予測と正反対の結果となっていると話す。11月の消費者物価指数は10.01%で、単月としてはこれまで最高記録の1.23%となった。

物価上昇の主要原因は明らかです。食料品や石油価格が世界的に上昇して行く中で、ベトナムは干魃や洪水 そして家禽や家畜類の病気が蔓延しました。財務省市場価格調査研究所のゴ・チ・ロン副所長は、国家は無制限に人々に助成金を与えることは出来ないという。国の経済発展段階に起こった今回の物価上昇は回避出来るものではないと警告する。

しかし、待ったなしでやってくるテトに向け、人々は今後も物価上昇に気をもませ心配し続けます。給料が上がろうと上がるまいと、全ての人々は生活の安定を願っているのです。

(辛口寸評)
2008年1月1日から、ベトナム政府は労働者の最低賃金を15%引き上げるように決定した。これにより公務員や国営企業従業員、そして外資系、合弁企業などそれに従い一に給与の引き上げがなされる。筆者の会社はプライベート・エンタープライズ、いわば個人商店に属すため、既出の企業群と同等の措置は課せられずに済むものの、それでも我々の出来る範囲で賃金の引き上げをして行かねばならない。通常、我が社ではテト明けの翌月が、定期昇給に当たるので、来年は2度、給与配分と昇給をしなければならないことになる。

記事の中でもあったように、給料を上げて貰うより、その分、物価を1割でも2割でも下げて貰った方が、消費者にとっては嬉しいものだ。未だ、テトにはこれから一月ちょっとあるけれど、例年からると、テト2週間前までは物価が上がる傾向があるので、一家の台所を預かる主婦にとって気が抜けぬ日々が続くのである。

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