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2008/04/16

日本-ASEAN経済連携協定(EPA)締結署名が完了!

マスコミ各社は、あまり関心がないのか、このニュースはほとんど報道されていない。
日本ASEAN諸国の間で包括的な「経済連携協定(EPA)」が締結されるワケである。
実際には「CEPA」方式で「C」が示すように「クローズド型」である。
とにかく、日本は「東アジア」に位置しながら自らがアジアの国である事、アジアの一員である事を忘れたというか捨てたというか、とかく「米国」と「欧州」の方向を見がちであった。
一方で、中国は、日本の間隙を縫うように、着実にASEAN各国への影響力を高めてきた。実は「中国」も油断していた時期があり、その間に、日本はASEAN各国の期待を背に受けODA外交も効を奏し結構な影響力を示し始めていた。
ある時、「中国」は、ASEAN各国を丹念に廻りこのままでは、ASEAN各国が「日本」になってしまうと考えたのか、猛烈な巻き返しに出てきた。
「中国」の遣り口は実に巧妙である。

世界(欧米)の嫌われ者と呼ばれる国を巧妙に手なずける方法、しかも安価な支援策で自らの巨大な橋頭堡を創出する。
次に、経済的関係性を一段と強める策に出る。
国家としての投資を伴う利権を確保し居座りの拠点を完成する。
その上で、周辺国への影響力強化に乗り出すという構図だ。
何よりも餌は「巨大な中国市場の提供」である。
巨大な中国市場を提供するかのように見せかけ、実は、対象国の弱体な産業分野を見逃さず、安価な中国製品の売りつけで市場占有率を高めると共に、現地の製造業を市場競争という今や便利な錦の御旗を掲げ破綻させる。
その後は、その製品ポジションを占有し支配するという遣り口だ。
対象国は、見せられた「巨大な中国市場」は夢のまた夢に過ぎない事を知らされるワケだが、その時は「反論」する勇気も迫力も欠いてしまい、もうどうでもイイわって事になる。
結果、中国は巨大な影響力を持つようになる。

この数年間、日本が内政でもたついている間に、中国は例の独善的な自己中心主義を振りまきASEAN各国を睥睨しようとさえしている。

そんな、ASEAN各国が、一方の雄と目される日本を頼るというか、日本市場で力を付けたいと考えるのは自然である。
しかも実際に、ASEAN各国の工業化を支え、輸出型工業製品の多くを創り出しているのは「日系企業」である。製造業の日系企業がASEANの工業の大半を占めている。

その日系企業は、例えば自動車部品を現地で製造供給するにも、その部品の部品を日本から輸入しなければならない。その部品の部品を構成する部品も日本からの輸入に頼る事が繰り返されている。
ASEAN各国へ進出した日系企業の論理からすれば、毎日まいにち関税を課せられたのでは適わない。コストに響くから市場価格で苦しい展開を余儀なくされる。
「ならば関税撤廃だぁ~!」とくるワケである。

それを日系企業が主張しても「怪しい!アヤシイ!あやしいゾォ~!」って事になりかねない。そこで考え出した奥の手は、ASEANを形成する各国政府が、あるいはASEANの組織を支える各国の事務方が、日系企業の意を呈して「日本との経済連携協定(EPA)締結」を提案してくれないかなぁ~?と考えるのは自然な話である。

そこでASEAN全体を包括的にカバーする自動車工業などは大きなメリットがあるワケで、一挙に推進ってワケだよね。
こんなとき、日本の投資家は動きが速い。政治家は動きが遅い。「談合酒やら花見酒」を振る舞われすぎて頭が回らないのだろう。

どのような駆け引きが交わされたのか知る由もなく知らないが、各国政府を巧く組織して「日本-ASEAN経済連携協定」の締結を何はともあれ得たワケだ。
日本は、ASEAN各国からの要請を受けながら、巧みに「センシティブリスト(保護対象分野)」を構成している。
やがて時間経過と共に、国内外でかなりの不平不満が噴出する事だろう。

この種の協定(条約)は、締結を求める側の利益とそれにより損失を被る側の利益は必ずしも一致するワケではないから、どちらのパワーが強いか弱いかで前進もするし後退もする。
この点への理解と配慮が求められる。

日本は、エラそうな口を叩いてみても、米国との「経済連携協定(EPA)」が大きな声で話題になる事は少ない。なぜなら、米国と日本がEPAを締結してみても差して大きなメリットが期待できるワケでもないから。
それより、力でねじ伏せられ「いよいよ51番目の州に近づくだけである」。

だから話題にしないのである。
ASEAN各国は、力で押す事ができるから「EPA」を締結しても大丈夫(平気)と考えているのではないか。
とにもかくにも、個別国家とのEPAは別にして、ASEAN10カ国との間で包括的な経済連携協定締結に向けた各国主務大臣の署名が2008年4月14日に整い完成したのである。
後は、締約各国の国会で批准を終えると正式に発効する。
以下で、外務省の説明を紹介しておきたい。

※締結された今回の「経済連携協定」の文書PDF外務省は公開しています。ダウンロード可能です。ご関心をお持ちの方は外務省のHPでご確認される事をお勧め申し上げます。

引用開始→ 高村外務大臣談話  <<外務省>>  http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/20/dkm_0414.html

包括的な経済上の連携に関する
日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定(日ASEAN包括的経済連携協定)の署名の完了について
平成20年4月14日

私が3月28日に署名した「包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定」について、14日までに、我が国及びASEAN全ての国が署名を行ったことを心から歓迎する。
本協定は、我が国とASEANが一体となった生産ネットワークの更なる発展を法的な側面から支援するものであることから、本協定の早期の発効により、日ASEAN間の貿易・投資関係が一層活性化され、同地域の経済的な魅力が高まることを期待する。
さらに、本協定により、経済面のみならず様々な分野における日ASEAN間のきずなを強化することによって、我が国とASEANの間の戦略的パートナーシップの更なる深化・拡大に資することを望む。
Copyright(C):The Ministry of Foreign Affairs of Japan  ←引用終わり

引用開始→ (共同プレス発表)  <<外務省>>
日ASEAN包括的経済連携協定の署名完了について(仮訳)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/press_0804.html

(英文はこちら)
http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/joint0804.html

ブルネイ・ダルサラーム国、カンボジア王国、インドネシア共和国、ラオス人民民主共和国、マレーシア、ミャンマー連邦、フィリピン共和国、シンガポール共和国、タイ王国、ベトナム社会主義共和国の東南アジア諸国連合の構成国である10ヶ国の政府及び日本国政府は、包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定(日ASEAN包括的経済連携協定)の署名を完了した。本協定は物品貿易、サービス貿易、投資及び経済協力といった分野を含む包括的なものである。

署名は各国の首都において、権限を有する閣僚によって行われた。次の段階として、ASEAN構成国及び日本は本協定の発効に必要なそれぞれの国内手続を開始し、当該国内手続の完了した旨を他の署名国に通告するものとする。

本協定は、日本国及び少なくとも一つのASEAN構成国が通告を行った日までに通告を行った署名国の間で、当該日の後二番目の月の初日に発効する。

ASEAN構成国及び日本は、この地域の貿易と投資の更なる活性化のために強い刺激を与える本協定について、その早期発効を期待する。

2008年4月14日
Copyright(C):The Ministry of Foreign Affairs of Japan   ←引用終わり

Quotation Beginning→ Completion of the Signing of the ASEAN-Japan Comprehensive Economic Partnership Agreement (Joint Press Release) <<MOFA Japan>>

The ten Governments of Brunei Darussalam, the Kingdom of Cambodia, the Republic of Indonesia, the Lao People's Democratic Republic, Malaysia, the Union of Myanmar, the Republic of the Philippines, the Republic of Singapore, the Kingdom of Thailand, and the Socialist Republic of Viet Nam, Member States of the Association of Southeast Asian Nations (hereinafter referred to as "ASEAN Member States"), and the Government of Japan have completed the signing of the Agreement on Comprehensive Economic Partnership among Member States of the Association of Southeast Asian Nations and Japan (hereinafter referred to as "the AJCEP Agreement")." The AJCEP Agreement is comprehensive in scope, covering such fields as trade in goods, trade in services, investment, and economic cooperation.

The signing has been completed by authorized Ministers in the capitals of respective countries. As a next step, ASEAN Member States and Japan will start their respective domestic procedures necessary for entry into force of the Agreement and notify their completion of such domestic procedures to the other countries.

The AJCEP Agreement will enter into force on the first day of the second month following the date by which such notifications have been made by Japan and at least one ASEAN Member State, for those signatory States that have made such notifications by this date.

ASEAN Member States and Japan look forward to the early entry into force of the AJCEP Agreement, which will provide a strong impetus for further invigoration of trade and investment in the region.

April 14, 2008
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(c) Ministry of Foreign Affairs, Kasumigaseki 2-2-1, Chiyoda-ku, Tokyo 100-8919, Japan. Tel: +81- (0) 3-3580-3311  ←Quotation End

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