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2008/08/24

ベトナムを襲う「インフレ」抑制へ日銀が人材を派遣へ!

昨年末から年始もかけて、一気に価格上昇の気配を見せたベトナムの消費財!
2月のテト(正月)を前にし、消費財は一気に上昇の気配を見せた。
例年、年末から年始あおしてテト(正月)にかけて、消費財は上昇気配だしという事で、上げ幅が大きいにも拘わらず「例年の事」と高を括ってやり過ごせると考えた。

ところが、テト(正月)が明けても、消費財は下がる傾向を見せずどころか一方的に上昇する気配が濃厚となり一本調子で上がり続けている。
反対に、「インフレ」による景気の大幅減速を嫌う株式市場は「売り先行」になり、最高値の半分近くまで低下する(暴落状態)に陥っている。
これに連動するかのように「通貨(ドン)」も大幅安がハッキリする。
外為市場で1US$=20,000VNDという相場が張られる始末になった。
ある時期の1US$=12,000VNDだった頃から考えたら8000VNDも下落しているワケだ。
この事態を迎え、政府は価格統制令を出すが、経済の基本構造が脆弱であることもあり、外為市場での「ドン下落」を抑え込む事までは難しい状態との苦闘を強いられる。
現在は、交換レートが16,500VND~17,000VNDで攻防戦が続いている。
ちなみに、日本円は1円で150VND~155VNDの攻防戦になっている。
以前活躍していた闇屋が再び出てきそうな情勢だ。

基本的には、WTO加盟後に、(ベトナムの多くの人が)よく分からないまま、なんだか浮かれ気分に見舞われ昂揚し、折りから続く外国投資の後押しを受け、いきなり消費水準を上げた事が要因の一つとも分析されている。
外国から投資を受けても、それがベトナム経済全体の中で有効に機能するまで一定の時間を必要とする。従来の投資による経済効果は、これまでの中で効果を示し作用した結果、ベトナムの経済成長を押し上げてきた。それがようやく全土へ波及する状態を迎えようとしているワケだ。一人当たりGDP1,000US$というのはそういう事だ。
誰でも、横で便利で楽しそうなモノを持っていると、それが欲しくなるのは人情だ。
ここへきて、次にWTO加盟で「貿易の自由化」が始まる。
もっと「豊に」なれると考えるのも、また同様に儚い夢なのだが、人はその途を選びたがるものである。

なぜ、この事態に立ち至ったのか?
ベトナムは、一応「産油国」である。しかし、悲しい事に(現時点では)石油精製機能を保たない。シンガポールへ輸出し精製した後、(再び)輸入する方式である。
これでは、石油の井戸を持っているに過ぎない。
初期の産油国が通過した道筋ではあるけれど、現在のように「原油価格」とそれに伴う価格が上昇すればひと堪りもない。
「産油国だのに、なぜか?」と質問を受ける。
掘っているのは、日本を含め全て外国資本(メジャー)である。
産出した原油はベトナムのモノであってベトナムのモノではない。
ベトナムに入る資金は「権利金」だけである。
最初は、それでも「ナケナシのカネ」だった!
光り輝く黄金だった!
だから、自国の資金を欠いたベトナムは、採掘権売却の途を選んだ。
(採掘した原油はベトナム原油として輸出)
自国のモノが自国のモノでないのである。(元は)自分のモノに金を払って買うのである。

外国からの投資が続き、経済の循環もよくなり、消費の水準も上がった。
人は、よりよいモノを買おうとする!
ベトナムは社会主義を掲げながら、市場経済を進めている。
市場経済についての本質的な知識は、実際には蓄積がない。
誰もが、一斉に走り出す!止めようがないし、止まらない、止める術を知らない!
(日本もエラそうに言えるスジではないが、でも在留日本人の多くが口を極めて「ベトナムの政策」を物知り顔で非難する、日本がどこまで成功しているって言えるのか)
テメーらも、消費財の価格を押し上げる側に位置して加担しているって事を忘れちゃイケマセンぜぇ!一番の原因者かも知れないや!

投資された資金は、主として生産要件を整えるために使用されるが、同時に、建築資材を始めとする様々なモノが不足気味(多くを輸入)の国だから、投資がいきなり増加すれば、例えば建築資材もいきなりか各上昇し始める。
輸入量が増えれば、外貨が出ていく!
従って、外貨不足の懸念も残る。加えて、今年は6月時点で「昨年1年分の貿易赤字」と同額になった。
これらも作用し、前述のように、いきなりベトナム通貨(ドン)は外為先物市場(予約)で下落傾向を見せた。

もう一点、消費財の上昇は、住居費の上昇と基礎食料の上昇を招く事になった。
これは賃金労働者の生活を直撃する結果となり、賃金に不満を持つ労働者は、政府の統制を無視して、いわゆる「山猫スト」を五月雨的に始める事で自身の生活防衛へ廻る傾向を強めた。
2月以降、消費財の高止まりから生活破綻を回避するため3月~4月には、ベトナム各地で「山猫スト」が頻発した。現在も低下傾向にあるとはいえ続発している。
そこで、いずれの工場も「賃金を上げる」事になる。
全体の賃金が上昇すれば、ベトナム中の工場労働者の賃金は上がる(既に40%は上昇)。すると、輸入代替品を製造している工場の製品は、市場でいずれも値上げされる事になる。

労働賃金の上昇が続けば、外国からの投資は停滞する事が懸念される。
すると、国としての債務問題の表面化を招く。そうなるといよいよ正念場だ。

グローバル化した市場経済は、先進工業国の最終製品を湯水の如く発展途上国へ送り込み、消費を煽る。その価格は「国際価格」である。
その最終製品を作り出す基礎的な「汗による労働」は、発展途上国に押し付けられている。
①現地へ進出した会社に席を置く者は、自国で汗を流す事で押し付けられている事実を実感すべきである。
②先進工業国へ労働派遣させられた者(日本では「研修・実習生」)は、相手国で「汗を流す事」を求められ押し付けられている事を実感すべきである。
いずれも、その対価(騒動賃金)は、国際水準ではない。つまり国際価格ではないのだ!
労働の対価(賃金)が現地主義で、見せられ押し付けられる消費財は国際価格である。
(しかも、その基礎部分は途上国の側の汗の結果である)

いま、ベトナムは、グローバル化した国際的な自由競争市場という名の「妖怪」と向き合わされ素手による戦いを強いられている。

ようやく、日本が戦いの知恵を支援しようという事になった。
成功する事を、ささやかに期待している!日本政府に対し深く感謝する!
<<@SaiGon, TP Ho Chi Minh, VietNam>>

日本では、現時点でも、NHKだけが報じている。経済ネタの日経も、早耳の讀賣も触れていない。そこで、NHKのネタもとと思われる、ベトナム・ニュース・エージェンシーとベトナム共産党機関紙・ニャンザンの英語版から、当該記事の全文を引用紹介しておく。

引用開始→ 日銀 ベトナム中銀に幹部派遣  (NHK News Online)
8月23日 18時46分

急速な経済成長を遂げてきたベトナムで、世界的な原材料や食料品の価格高騰を背景にインフレが深刻化するなか、日銀は、ベトナムの中央銀行に幹部職員を派遣する異例の措置を行い、経済の安定に向けた体制作りに協力することになりました。

ベトナムは、消費者物価指数が1年で20%を超える上昇となる、深刻なインフレに見舞われ、通貨ドンや株価が大きく値下がりし、経済が混乱しています。このため日銀は、ベトナム政府の依頼を受けたJICA=国際協力機構のプロジェクトの一環として、今月末から2年間にわたってベトナムの中央銀行に幹部職員を派遣する異例の措置を行い、通貨や金融システムの安定に向けた体制作りに協力することになりました。具体的には▽発券や決済といった金融制度の運営のノウハウを伝える▽金融政策の判断の決め手となる経済統計の収集や分析の手法についてアドバイスを行うなどとしています。ベトナムは、安い労働力を背景に、日本の大企業が相次いで進出するなど、外国からの投資を集めて成長してきましたが、深刻なインフレによって従業員の賃金の大幅な引き上げを余儀なくされる企業もあり、今後の成長では、日銀の支援を得てインフレを抑えることができるかどうかが大きな鍵になります。
Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved. ←引用終わり

Quotation Beginning→ JICA helps strengthen State bank’s capacity
Last updated: 16:43 - August 23, 2008

Image002nhandan080823Nhan Dan - The Japan International Co-operation Agency(JICA) and the State Bank of Vietnam signed on August 22 in Hanoi a memorandum of understanding for a project in which JICA pledged to provide technical assistance to help the State Bank of Vietnam(SBV) strengthen its capacity.

The project is aimed at increasing reliability of the Vietnam's financial sector and strengthening capacity for the central bank. Specifically, the central bank will be supported in its efforts to modernise its issue and vault operations, improve efficiency and safety of the payment system, and strengthen the capacity of banking supervision work.

Accordingly, JICA will send consultant experts, including a senior incumbent expert from the Central Bank of Japan and an experienced expert from the Japan Ministry of Finance, to the State Bank of Vietnam from August 2008 to September 2010 to help the bank in its policy making work and settlement of emerging difficulties and issues. 

The project will help create an effective information exchange channel between the two central banks and promote the strategic partnership between the State Bank of Vietnam with the Central Bank of Japan and the Japan Ministry of Finance.
© All rights, including design and copyright are owned by NhanDan Online.  ←Quotation End

Quotation Beginning→ JICA to improve Vietnam central bank’s capacity  (Viet Nam News Agency)
22/08/2008 -- 7:54 PM

Hanoi(VNA) – The Japan International Cooperation Agency(JICA) is set to provide technical assistance to help the State Bank of Vietnam(SBV) to strengthen its management capacity.

Under a pact signed in Hanoi on August 22, JICA will assist the central bank to modernise its issue and vault operations, improve efficiency and safety of debt settlement system, and strengthen the banking supervision.

The project also aims to build an effective information channel and promote partnership between the SBV and the Bank of Japan and Japan ’s Ministry of Finance.

During the project duration from August 2008 to September 2010, JICA will send high-grade experts to support the SBV’s policy making and resolution of emerging issues.
-Enditem Copyright, Vietnam News Agency(VNA)  ←Quotation End

追加掲出:(2008/08/25 20:30)

引用開始→ ベトナムの消費者物価、8月は28%上昇  (日経NET)

【ハノイ=長谷川岳志】ベトナム統計総局が25日まとめた8月の消費者物価指数(CPI、速報値)は前年同月比28.32%の上昇となった。2ケタ台のインフレ率は10カ月連続。7月の27.04%上昇から加速している。ガソリン価格引き上げの影響で交通・通信が前月比で9%の大幅上昇となったことが響いた。ただ、年初から大幅な値上がりを示していた食品が2カ月連続で前月比マイナスとなるなど、一部で落ち着いた動きもみられる。(20:01)
Copyright 2008 Nikkei Inc. / Nikkei Digital Media, Inc. All rights reserved.  ←引用終わり

追加掲出:(2008/08/26 10:15)

引用開始→ 越の消費者物価 28%上昇  (NHK News On Line)
08月26日 09時55分

世界的にインフレが広がるなか、ベトナム政府は、今月の消費者物価指数が去年の同じ月に比べておよそ28%上昇したと発表し、日本企業の進出などを背景に急成長を続けてきたベトナム経済の先行きへの懸念が強まっています。

ベトナムの統計総局の発表によりますと、今月の消費者物価指数の速報値は、去年の同じ月に比べて28.3%上昇しました。内訳を見ますと、食品部門が44.1%ときわめて高い上昇となったほか、先月ガソリンの小売価格がおよそ30%値上げされたことを背景に交通・通信部門も25.6%上昇し、消費者物価を押し上げました。世界的な原材料や食料の高騰を背景に、ベトナムでは、去年11月以降、消費者物価指数が2けたの上昇を続けており、特に、ここ5か月は20%を超えています。ベトナム政府はことしに入ってから、3回にわたって政策金利を引き上げて金融引き締めを行ったり、公共投資を縮小したりして、対策に乗り出していますが、明確な効果は出ておらず、日本企業の進出などを背景に急成長を続けてきたベトナム経済の先行きへの懸念が強まっています。
Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved.   ←引用終わり

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