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2008/12/22

大学の基本財産運用と金融取引 その損失が表面化!

私立大学を設置する学校法人の経営陣の末席を汚している事もあり、「大学経営は儲かりますか?」と心ない質問を受ける事があった。
「大学経営」は勿論「私立学校」の経営は、断じてカネ儲けの対象ではない。その点について誇りを持ち主張しておく。

「保育園」「幼稚園」はもとより「(一部の)小学校」「(一部の)中学校」「高校」「専修学校」「専門学校」「短大」「大学」など「学校法人」が設置する「私立学校」は多岐にわたる。
「私立学校」の収入の大半(約80~85%)は「学生生徒納付金(入学金と授業料)」である。
この中から「教職員人件費」「施設費用」「図書などの整備費用」「教育研究経費」「(学生)募集広告費」など、いわゆる「学校」として「教育」に必要な「費用」を捻出するのである。中でも「教職員人件費」支出は最大で多い学校では50%を超える(経営上の危険水域)。
人件費支出の少ない学校では「教職員の質」低下に直面させられる。
正しい「教育」に当たる教職員の質は一定程度の水準を保たなければならない。

しかしながら「学校教育」の場は、当たり前ながら「人口動態」に直接左右される。
現状は、765大学(?)だったか、その全収容定員は50万人(1学年当)を僅かながら超えている。現在の18歳人口は100万人を切っている。大学への進学(希望)率は約50%である。
従って、入学希望先さえ選ばなければ、ほぼ「全員入学可能」状態にあるのだ。
この状況を反映し、急激に大学の三極化が進行している。上位は膨大な競争力(激烈な入試競争)を示し、下位は完全に定員割れ(入学試験が成立しない)している。中位は現在のところ辛うじて受験競争力(入学試験での学生選抜)を維持している

しかし、間もなく人口動態では、18歳人口が65万人程度まで減少する事が明らかである。
この時期に、大学はどのように維持されるのか?
国公立大学(いまはいずれも国立大学法人、公立大学法人)はもとより、私立大学はどのように役割分担を行うのか?
これらの諸点を考え、私立大学の多くは「基本財産」の効率的な運用を心がけているのである。
それをして「大学経営は儲かるか?」と問われるのは実に心外である。

「私立大学」の「基本財産」は誰のものか?
「私立大学」に関わらず「学校法人」の財産は、基本的に「寄付」と「財産運用益」により形成されている。
従って関わった全ての人の「共有財産」であり、社会の「公益財産」である。
例えば、現在の教職員、現在の学生、全ての卒業生、全ての卒業生に懸かる学費支援者(両親家族)、大学教育に資して頂く周囲の利害関係者、寄付者、地域社会、国などである。
多くの「私立大学」の経営陣(理事会・評議員会)は、ほぼ「無報酬」が原則である。
「社会の公益財産」なのだから理事長を「世襲」してはならない。当たり前の事だ!
理事長を「世襲」している「学校法人」は、様々な理由を挙げるだろうが、相当の合理的理由がない限り「感心しない」、「賛成できない」、社会的には全く「信用できない」と考えている。

コイズミ改革の嵐の中で、「大学教育」は誰でも参入できるようになった。
これまで原則「学校法人」が担当してきたが、株式会社も「大学」を設置できるようになった。しかし、世間の評価は厳しく「カネ儲け」で「大学教育」へ参入した「株式会社立の大学」の多くが頓挫し破綻の危機に洗われている。

思い返せば、株式会社が大学経営に参入できる事になった頃から、「大学は儲かるか?」と心ない質問を受けるようになった記憶がある。

さて、本論だが、いずれの大学も「競争力」を維持しながら、将来の対処能力を高める上からも「基本財産の運用」には一生懸命である。
この過程の一つに「金融商品」取引が存在するのである。
大半の大学(学校法人)は、低利率ながらも「日本国国債」などで運用するのである。
しかし、いくつかの大学は「外国為替取引を含めた『金融商品』取引」へも手を広げ走ってしまうのである。
これが、現在の金融危機により「破綻」し、いくつかの大学では「巨額の損失」を生み出したワケだ。

基本的に、「私立大学」は「大学」が財産運用しているが、その経営責任は一に「理事会」にあり「理事長」の責任である事は否めない。
次に、この暴走を正せなかった「評議員会」もその責任を免れるものではない。
また、大学の財務部門責任者の責任が追及されるのは当然の事である。

現在、在学する学生には勿論、卒業生に対しても「謝罪」しなければならない。
理事長を始め全理事が責任をとり退任するのは当然の事だ。
理事長及び理事は学長も含め生じせしめた損失の補填を検討すべきではないか。
評議員も一定の責任を負うべきである。
善良なる管理者の注意義務」に著しく違反しているからである・

引用開始→ 18私大、有価証券含み損688億円…読売新聞調べ
(2008年12月21日03時06分  読売新聞)

駒沢大など金融取引で多額の損失を出す私立大が相次いでいるが、全国の主な私大18大学が今年3月の決算時に有価証券の含み損を抱えており、その合計額は計688億円に上ることが読売新聞の調べでわかった。

株価は今年9月中旬の米証券大手「リーマン・ブラザーズ」の経営破綻(はたん)を引き金に急落しており、多くの大学で含み損はいっそう膨らんでいるとみられる。

デリバティブ(金融派生商品)取引で154億円の損失を出した駒大では、清算のために東京・世田谷のキャンパスやグラウンドを担保に入れ、金融機関から110億円の融資を受けた。リスクの高い取引で巨額の損失を被った責任を問われ、宮本延雄理事長が18日に開かれた理事会で解任された。南山大などを運営する南山学園と愛知大もそれぞれ34億円、28億円の損失を確定させている。

読売新聞が取材した全国の32大学のうち、日大や帝京大を除く23大学が有価証券の含み損益を回答したが、このうち18大学は08年3月期に含み損を抱えていた。06年6月期の含み損益を明らかにしなかった駒大以外の17大学で比べると、5大学が含み益から含み損に転落し、10大学が含み損を拡大させている。

約69億円の含み益から一転して、約225億円の含み損になった慶応大。収入を安定させる目的で株や投資信託、仕組み債などに分散投資しているといい、有価証券の取得額も1250億円と、23大学中で最も多い。広報室では「市場環境の変化で含み損が膨らんだ。長期保有が原則なので、現実の損失にはなっていない」と説明している。

08年3月期に4億円の含み益を確保した明治大は「電力や鉄道のような安全な社債などで運用した結果」(財務課)とするが、こうしたケースは例外。立正大は内部指針で株への投資を禁止し、投資信託などをすべて円建てにしているが、今年3月期の含み損が96億円に上った。

12月19日の日経平均株価(8588円)は、3月31日(1万2525円)の70%以下の水準まで落ち込んだ。多くの大学で元本が保証されていない投資信託や為替リスクのある債券を保有しており、損失額が膨らむ可能性がある。

文部科学省私学部は「慎重な運用をすることが望ましい」としているが、私大の資産運用を規制する法律や通達はない。貸借対照表を一般に公開するルールもなく、財務の透明度アップを求める声も強まりそうだ。←引用終わり
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