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2009/01/04

ポール・クルーグマン教授、「市場経済には一定の規制が必要」と語る

日本の新聞社が、久々に「当たり前で普通の知見」を紹介した。
なるほどと考えるべきか、いや、新古典派経済学に依拠し、時にはその論理に心酔し積極的な旗振りもした事を忘れ、新古典派経済理論が実質的に破綻した事を考えた上で、自らの手は汚れていない事を早い時期に主張しておくために「宗旨替え」したのか、実際のところは定かでないけれど、とりあえず「讀賣新聞」は「ノーベル賞」受章を理由に、プリンストン大学のP・クルーグマン教授を引っ張り出し、この度の金融危機を収拾する上での見解をインタビューし、それを記事にした。

久々に、P・クルーグマン先生の知見に触れる事になった。
「複雑系経済学」の理論家でもあるP・クルーグマン先生は忌憚のない意見を述べている。

まず、最初に記事の全容を引用紹介させてもらう。

引用開始→ 規制なき市場経済ない…ノーベル賞・クルーグマン教授語る
(2009年1月3日06時57分  読売新聞)

激動のうちに2009年は明けた。国際社会は、金融危機の拡大と世界不況に苦しみ、新自由主義と米国一極集中に限界が見え始めている。国内では、政治の混迷が続き、未曽有の経済苦境から抜け出せない。この危機にどう立ち向かい、未来を切り開くか。内外の識者に現状認識と打開策を語ってもらった。

          ◇

◆危機からの教訓…P・クルーグマン(米・プリンストン大教授)◆

世界金融危機は、市場経済は自由放任にしておけばうまくいくという信仰を打ち砕いた。1930年代の大恐慌後に採られた適度な規制を是とする哲学に回帰すべきだ。

市場経済そのものが悪いのではない。市場経済はいまだに最善のシステムだが、金融には問題があった。

引き金を引いたのは、米国の住宅バブルの崩壊である。元凶は、規制もされずに野放しとなっていた米証券会社やヘッジファンドなどによる「影の銀行システム」だ。

大恐慌を教訓に、銀行への規制や金融の安全網が整えられた。だが、現代の金融の大半を支配する「影の銀行システム」は、実質的には銀行なのに、銀行のような規制を受けて来なかった。住宅ローンを証券化した金融商品などで、借入金を元手に自己資本の何十倍も投資するレバレッジ(てこ)取引を行い、バブルを膨らませた。

タイタニック号の乗客が沈没するのを知らずに、別の乗客から保険を買ったようなものだ。金融工学を駆使した金融商品は安全だと信じ込んで、皆がバブルでリスクの膨らんだ金融商品を持ち合っていた。

だから、いったんバブルがはじけると、今度はてこが逆に作用し、負の影響が直ちに世界中に伝わった。米国の住宅バブルと関係のない様々な国々にも、危機は異常なほどの伝染力で広がっていった。

◆超大型の財政出動を◆

私たちは個々の融資を丹念に審査しなくても、金融工学でリスクを管理できると思い込んでいた。市場に自浄作用があるとも信じていた。しかし、結局、それは間違いだった。

今はまず、政府・中央銀行による救済策が必要だ。大規模な財政出動や慣例にとらわれない金融政策などの対策を打たなければ、不況はこの先何年も続くだろう。新興市場にも深刻なダメージを及ぼし、金融システムに深い傷を残す。一時的な巨額の赤字をためらうべきではない。

80年代のレーガン政権のスローガンは「政府は問題を解決しない。政府こそが問題だ」だったが、今必要なのは「政府こそが問題を解決する」なのである。

世界経済には、もはや覇権国家は存在しない。米国主導の時代が完全に終わったのではないが、米国の信用と権威は落ちた。米国は経済政策について多くの国に口出しをして来たが、今やそれは難しい。

「米国が父親役で、子供たちに何をすべきか諭す世界」でなく、将来の世界経済は、米国と欧州連合(EU)、中国、インドの4大勢力など大国間の駆け引きで動くことになるだろう。日本は、2番手集団の先頭といったところだ。

米国の景気を回復させるには、大規模で慣例にとらわれない財政・金融政策を迅速に行うことが重要だ。

200901035510931lyomi何も手を打たなければ、現在6%台の米国の失業率は、少なくとも9~10%に達するだろう。失業率を1%押し下げるには、2000億ドルの財政出動が必要との研究がある。失業率が5%以下の「完全雇用状態」を実現するには、巨額の財政出動が欠かせない。

財政赤字を懸念する声も聞かれるが、財政出動が将来世代を痛めつけることにはならない。今、経済をテコ入れしなければ、公共投資だけでなく、民間投資も冷え込んでしまう。経済を強くするため、あらゆる必要な手を打つことは、すべての人の利益になる。

財政出動で最も効果があるのは公共投資だ。資金が貯蓄に回らず消費されるうえ、価値のあるものが最後に残るからだ。日本に比べ速度の遅いブロードバンド(高速大容量通信)網などの情報技術やエネルギー転換への投資など、あらゆることが行われるだろう。

問題はスピードだ。公共投資は始めるのに時間がかかるが、景気の落ち込みは急速に進んでいる。社会保障給付や減税を組み合わせることが必要だ。1年目は失業者や地方自治体の支援策や広範な減税を行い、2年目以降は公共投資に比重を移していくべきだ。

オバマ米次期大統領がこうした対策を打てば、米景気は2009年後半にはやや好転するのではないか。

◆ゼロ金利政策を支持する◆

一方、バーナンキ議長の率いる米連邦準備制度理事会(FRB)は、慣例にとらわれない融資や資産買い取りを進め、08年12月にはゼロ金利政策に踏み切った。私はこれを支持するし、FRBは現実を正しく認識していると思う。

つまり、米国は1998年当時の日本と同じ状況、金利を上下させる通常の金融政策が効かない「流動性の罠(わな)」に陥っているのだ。

私は98年、日本銀行に対して、政策目標とする物価上昇率を示す「インフレ目標」政策を採用すべきだと指摘したが、この議論も再び活発になってきた。

達成できると、国民に信じてもらうのは難しいが、現在の米国で実際に効果を発揮させるには「向こう10年間、物価を年4%ずつ上昇させる」くらいのインフレ目標が必要だ。

ゼネラル・モーターズ(GM)などの米自動車大手に関して言えば、死に至らしめるべきではない。ブッシュ政権のつなぎ融資は時間の猶予を与えたに過ぎない。今必要なのは、自動車メーカーを再構築し、自動車産業を救済するために真の努力をすることだ。

多くの人々が示唆し、私も正しいと思うのは、メーカーに事業再構築のチャンスを与える形の「管理された破綻(はたん)・再生」だ。ただ、米連邦破産法11章は適用できないことはわかってほしい。車は耐久消費財で、アフターサービスを行うメーカーが3年以内に姿を消してしまうと思われたら、車は売れなくなるからだ。

だから、政府による融資と保証を付けた形で処理しなければならない。それでも、うまくいくかどうかはわからないが、自動車産業は巨大で、景気後退のさなかに雇用が失われれば、大きな痛手になる。

財政・金融政策がうまくいけば、私たちの孫の世代も、そんな不況があったのかと忘れてしまうだろう。まずい対応で今も記憶に残る大恐慌のようにしないために、やれることは何でもやらなければならない。

▽ポール・クルーグマン氏の略歴=米プリンストン大教授。国際貿易理論への貢献で2008年のノーベル経済学賞を受賞した。米マサチューセッツ工科大教授、米スタンフォード大教授などを歴任。ニューヨーク・タイムズ紙の辛口コラムニストとして、ブッシュ政権を厳しく批判してきたことでも知られる。米ニューヨーク州出身、55歳。
(聞き手 編集委員 安部順一、ニューヨーク支局 山本正実)←引用終わり
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政府が何もしなければ、危機は拡大する一方になる。
納税者としての市民は、危機打開に向け政府が財政出動し、税金で問題企業を救済する事について、公平性を欠くとか、巨大な自動車産業は救済され中小企業は救済されない。ましてや個人は追い詰められるばかりだ、との不満が強まるのは感情論として分からないでもない。
しかし、それを主張している間に、基幹産業としての自動車が破綻の危機に洗われ崖っぷちまで追い詰められる事態を迎えている。
そこで、巨大産業の自動車産業を救済するか?それとも自己責任だと放置するか?
を米国社会は問われているワケだ。
(もちろんこの度の金融危機の主たる加害者としての責任もだけど)

で、どうするのだ?

BIG3が潰れると、それに関わる人達(労働者・一説によると年俸1200万円)は、その殆どが職を失う。(消費が凹むじゃないか?!)
関連する部品屋も遅かれ早かれ直撃を受け潰れることになる。
その場合、未曾有の失業者を抱える事になる。(もっと消費が凹む!)
何よりも、米国内に止まらず瞬く間に国境を越え、BIG3に関わる自動車部品産業を襲い各国の部品屋が潰れる事で、各国内に大量の失業者を生み出す可能性を否定できない。(世界が危機に陥る?!)

世界は、相互依存し合っているのだから当たり前のことなのだが。

「自動車産業」なら守るのか?と問われると、「守らなければ、経済も国も保たない」事態に陥る可能性があるワケで、自動車産業の傘が覆う範囲は高く大きいのである。

日本国内を考えても、自動車、家電品、精密光学品が、市場の需要に合わせて、少し生産量を絞り減らすだけで、期間工の雇用延長はダメ、派遣社員の継続雇用はない、請負事業者への請負量を急減させたため、請負事業者の下に組織されていた派遣労働者はいきなり解雇、居住地追い立てを受け路上へ追い立てられている。
(日本の場合は、とりわけ実にデタラメな政治の結果だけど)

これが、もっと世界的な規模で、しかももっと大量に生じるワケである。
(ヒトを何だと思っているんだ?!バッキャロォ~!)

まず、これを避ける事が政治に求められる仕事である。

一方で、これまでBIG3は、経営責任を明らかにしなければならない。
経営陣のヒトとしての倫理観とその意識が問われる。
いまは、開き直っている。
トヨタの渡辺捷昭社長は、この度の金融危機に直面し赤字転落の責任をとり辞任した。
BIG3は、誰も経営責任をとらない。
この点で、米国市民は納得できないのである。(だから反対だって?!)

次に、BIG3は、これまでの間、市場に応じた製品開発を一貫して怠ってきた。
いわば脳死状態だった。
従って、この度の金融危機が「脳死状態」にピリオドを打ち「心停止」へ向かう引き金になるんじゃない。
仮に、この度の金融危機が起きなかったとしても、「環境対応」を怠ったツケでやはり「心停止」への引き金になると考えられる。
何よりも、世界の自動車部品屋からは「BIG3は、時代や環境が求める部品を開発しなかった」とまで言われている。そこまで言われちゃぁオシマイよ!

ウソでもBIG3が計上していた利益はどこへ消えたのか?
簡単である。
内部留保や新製品開発よりも、ファンドに求められるまま「高額の株主配当」と経営陣の懐を暖める「巨額の役員報酬」として消えたのである。
これを知る米国市民は、どうしてBIG3を税金で救済しなければならないのか?
と「救済反対」に出るのである。

中流階層に位置する米国市民は、ファンドを通じ「BIG3」を始めとした、金融バブルでオイシイ配当を受け続け、安楽な生活を楽しんできたのである。
(つまりタコがテメーの足を喰っていただけなんだけど!それは信じたくないのだ!)

そのツケが廻ってきただけなのだが、決済前になり慌てふためき「救済反対」を主張するのである。
放置すれば、中流と考える彼らの資金も空前絶後の金融危機の中で消えてしまうのである。しかし、普通の市民には、理解できない構造なのだろう。
損失が発生すれば、そのとき、大騒ぎするのである。
決まり言葉は「政府が悪い!」であり、この呪文さえ述べると、これまでは「全ては救われた」のであった。
しかし、この度は「救われない」のである。

この度の金融危機により「被害者になる市民」は、実は「最大の加害者」でもあるワケだ。しかし、自分の手は汚れていないのだから、そんな事は認めないのだ。

オバマは、「トホホォ~?!」な政治を解決する事から始めなければならないのである。
1月20日以降の100日間に、何も手を打つことができないと、オバマ・バブルも消滅するだろうから、米国市民のヒステリックやパニックもあり、世界は未曾有の混乱へ追い込まれる事になる可能性を否定できない。

それでも、ロンドンとニューヨークに巣喰うジューシー・ドモは、平気で次の悪事を企てる事に忙しいのである。ジューシー・ドモは、この度は世界のカネが半減したのだから、一定の損失を被ったと普通のヒトは考えがちだが、ドッコイそんな事はありゃぁしない。
残った3000兆円の80%は依然としてジューシー・ドモの手元にあるカネなのだ。
消えた3000兆円は、実際には架空のカネに過ぎなかった。巧く廻り続けてさえいれば架空のカネが生み出す利息でジューシー・ドモ資金が実態に近い形で増加するだけである。

ジューシー・ドモは焼け太りなのである。
元々、カネも地位もないヒトが弄ばれた挙げ句に蹴り出されただけの事である。

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