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2009/11/26

ベトさんの子供を扱わない理由

先頃、NHKがニュースで、ベトナムで二重胎児として生まれ、その後、分離手術を受けた「ベトさん」が結婚し子供を得た。
しかも、その「子供」が双子(男児と女児)であり、生後1ヶ月を迎えた事を機に、たいへんな苦労を強いられても挫けない「ベトさん」の不屈の精神を美談だという趣旨で報じていた。

しかも、その子供たちの名前が日本にちなんだ名前で、男児は「Phu Si(冨士)」、女児は「Anh Dao(桜)」で、「ベトさん」の日本と日本の支援者に対する気持ちが、そうさせたと日本人の涙腺を刺激するように報じていた。

このニュース映像が報じられて以後、「コラコラコラム」は、なぜこのニュースを取り上げないのかという趣旨のメールを頂戴する羽目になった。

「コラコラコラム」の立場からすれば、なぜ「取り上げなければ、ならないのか」である。

ベトナムについて好意的な立場である事がすなわち「全てに関わり、その総べての論評」を強いられる事ではない。

以前から、主張しているとおり、現在、ベトナムには「べとさん、(故)ドクさん」のように困難を強いられている「枯れ葉剤被害者」は何万人といる。重傷者(重篤を含め)も数千人に及ぶのが事実である。
「ベトさん」の場合は、国際社会の目もあり、また彼の家族や彼自身の勇気もあり、その姿を現し闘う姿を示している。そのため、ニュースにもなり関心の中軸にいるのである。
しかしながら、大半の「枯れ葉剤被害者(重篤者)」は打ち捨てられた状態にあり、生きるための困難に直面している。
その事実を、NHKを始め多くの報道機関は報じない。

象徴的に「ベトさん」を報じているに過ぎない。

ベトナムの「枯れ葉剤被害者」とその皆さんを支援する人達は、米国でその責任を問い被害者救済の訴訟を起こしているが、残念ながら「連敗」続きである。
しかし、決して「諦めていない」。
人間として「許せない」からである。

「コラコラコラム」の主宰者やその関係者の友人(元・米兵の従軍者)も、「枯れ葉剤散布」に関わらなかった兵士ではあるが、人としての良心から地道な救援活動に従事している。

確かに「ベトさん」は、日本人の熱い友情に支援され、今日まで生き抜く事ができた。
そしてその姿は「美談」となり「伝説」にすらなろうとしている。

「ベトさん」の支援に動いた方々の中には、真摯な方も大勢おられた。
しかし、その医療行為に携わられた事をウリにされる方も若干ながらお見かけする。
その点が残念でならない。その心根が悲しくってならない。
「ベトさん」の今日までには、本当に沢山の医療関係者、従事者の直接または間接の支援を頂戴できたその賜である。
一部の方々のウリのために、関係された皆さんのご芳情があったワケではない。
人としての物凄く「篤い心」があり、医療関係者としての「誇り」があったものと考えている。

そしていま、「ベトさん」は生涯の伴侶を得た上で、自らと同じく「双子(男児と女児)」に恵まれた。広い意味でのベトナム支援者として誠に喜ばしい事だと考える。

しかし、それを報じて「どうなの?」。
大きな違和感が一方に生じるのである。

救援されない、無数の「枯れ葉剤被害者(重篤者)」が陰にいる事を忘れないで貰いたい。

もし、「枯れ葉剤被害者(重篤者)」の存在を忘れたり、目を瞑るために「ベトさん」をニュースとして報じるのであれば、それは報道者としての倫理観をいささか問われる事になろう。

従って、「コラコラコラム」は、「ベトさん」の個人的な出来事にタッチしないのである。

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