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2011/10/18

タイの洪水被害は工業生産を止め、タイ経済を破壊するのではないか!?

最初、バンコクに住む友人との遣り取りは「雨で水害が発生しているが、いつもの事だ」という話だった。
ところが、洪水は徐々に拡大し中部からバンコク周辺にまで押し寄せ、退く気配がない状況になっている。
よく知る、いくつかの工業団地が水没した映像が届けられる度に、驚きが増すという事態だ。
主要な工業地域の殆どが水没している。
何よりも洪水がバンコク首都圏へ押し寄せている。
タイの工業生産の多くを稼ぎ出している地帯が甚大な被害を受け生産停止に追い込まれている状況では、タイ経済に深刻な打撃を与え、折りから懸念される国際的な金融危機に巻き込まれ、再び物凄く困難な状態に追い込まれるのではないかと懸念している。

そして予想どおり「環境破壊」が指摘され、「森林伐採」が元凶と報じられるようになった。

工業化の過程で生じる自然破壊。
その代償として得る「工業生産所得」は、多くが1%の懐へ転がり込むだけとの主張も明確になってきた。
工業の「グローバル化」で得るモノと「グローバル化」で失うモノとを比べ、どちらを優先するかについて考える必要がある。
秩序のない「自然破壊」は止めどのない「傲慢な欲望」が引き起こすと言ってしまえば楽なことだが、それでは何も解決しないように思う。

2011年は、「反グローバリゼーション」が鮮明になった年かも知れない。
これまでは、やや過激なNGOの専門ムーブメントだった事に、多くの国で市民が目覚めているように、供給国の側に廻された国でも「反グローバリゼーション」が高まりを見せるかも知れない。

引用開始→ 脱・炭素社会タイ洪水が浮き彫りにしたインドシナの森林・環境破壊
(日本経済新聞 2011/10/17 7:00)

11月下旬から南アフリカのダーバンで開催される第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)。2012年12月末に京都議定書に基づく温暖化ガスの削減期間が切れるのを控え、13年以降の削減目標設定で反目し合う先進国と途上国の意見をいかにまとめるかが焦点になる。途上国側が、中国や米国を含む主要排出国に一段の削減対策を迫る材料になりそうな事態が今月、タイで起きた。

世界遺産として知られるタイ有数の観光地で、同国製造業の一大中心地でもあるアユタヤを飲み込んだ大洪水だ。同国に進出している日本メーカーが構築したサプライチェーンをマヒさせた。

タイには大小合わせて7000社近い日系企業が進出している。特に洪水被害の激しいアユタヤ市内の工業団地にはホンダ、キヤノン、ニコン、ソニーなどが拠点を構え、部品から完成品までをつくり上げる産業ピラミッドを完成させている。

進出企業からは「洪水がいつ引くか先が見えない。東日本大震災より影響は深刻だ」との悲鳴があがる。タイでは雨期明けが近い10月ごろに雨量が急激に増え、洪水は毎年起こるが、規模は限定的だ。工業団地が冠水することは極めて珍しく、立地を選定する日本企業にとっても想定外だった。

だが、今年の洪水は「過去数十年で最悪」(タイ気象局)。6~7月から大雨が多く、例年ならインドシナ半島に接近する前に勢力が弱まるはずの台風が幾つも上陸して猛威を振るった。タイ地理情報宇宙開発機構(GISTDA)のホームページで洪水監視システムを見ると、同国東北部や北部のスコータイやピサヌロクから首都バンコク北辺まで、山間地を除いて洪水被害が広がっているのが分かる。

だが、単に「異常気象のせい」(タイのインラック首相)では片付けられない面もある。タイを中心にインドシナ各国で経済成長が進むなか、急激な森林破壊や農村から都市への人口移動、インフラ開発などが大規模洪水の発生の要因の一つになった可能性が指摘されている。

その中でも最も影響が大きいとみられるのは熱帯雨林の急速な減少だ。これは森林の保水能力の低下に直結する。経済成長につれ国土開発が進み、タイの森林は東南アジア諸国連合(ASEAN)の中でも特に速いペースで減少した。

国連食糧農業機関(FAO)の調べによると、タイの森林は販売目的の伐採や開発などで過去20~30年間で急速に失われた。1980年から90年までの10年間の森林減少率は年率3.3%とフィリピンに並びASEAN最大で、90年の林野率(国土に占める林野の割合)は25%まで低落した。現状では一段と減少している可能性が大きい。

さらに、森林減少がタイの北部で国境を接するミャンマーやラオスなどや中国南西部を含む広域な範囲に及ぶのが問題の根深い点だ。タイ、ミャンマー、ラオスの山間部では少数民族による焼き畑農業が今も続いている。3月になるとタイ北部のチェンマイ周辺は恒常的に焼き畑の煙で覆われるほどだ。

FAOのアジア・太平洋地域森林資源官だった樫尾昌秀氏の調査によれば、ミャンマーでは年間40万ヘクタールの森林が失われている。かつては15~20年かけて山の一部を順番に焼いていたが、今では少数民族の生活にも現金収入が欠かせなくなり、5~10年など短い周期で焼いていくケースが増えて山が荒れているという。一方で植林・造林のペースは遅く、世界に誇るインドシナ半島の熱帯雨林は急ピッチで失われつつある。

タイ・ラオス国境を流れ、チベット高原に源流を発する大河、メコン川を筆頭に、インドシナ半島には国境をまたぐ大きな河川が随所にある。半島一帯に大雨が降ると下流に集まる雨水は莫大となる。

メコン川上流の中国国内にはダムが2カ所あり、さらに新たな建設が進んでいる。ただ、メコン川は下流域で流れ込んでくる支流も多く、上流のダムは必ずしも洪水の抑止につながっていない。さらに生態系にも影響を与えると問題視されている。

今回の洪水で、支流を多く持つチャオプラヤ川なども水量は上昇し続けており、アユタヤやバンコクといった下流域にある都市では高い水位が長く続きそうだ。アユタヤでは、ホンダの四輪車工場があるロジャナ工業団地で浸水の深さが最大4メートルに達したもようで、通行可能になるまで1カ月はかかるとみられている。完全な操業再開までには、さらに時間がかかりそうだ。

タイの大洪水は、大規模なハリケーンや干ばつの頻発などとともに「気候変動リスク」の実例として、途上国が先進国などに温暖化対策の加速を求める材料になる可能性がある。先進国が省エネや再生可能エネルギーの利用技術を駆使して温暖化ガス削減に取り組まなければならないのは当然だ。

一方、大洪水は途上国側にも、二酸化炭素(CO2)の吸収源であり、洪水などの災害防止機能も持つ森林の維持と経済成長のバランスをどう取っていくかという課題があることを浮き彫りにした。同時に、タイに進出した日本企業が洪水で受けた被害を見ればわかるように、途上国の森林対策は先進国にも無縁ではない。COP17では省エネ技術や資金の移転や、排出量取引ばかりでなく、森林保全技術で先進国と途上国がどう協力していけるかというテーマも注目されそうだ。(産業部 三河正久)←引用終わり
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