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2013/01/17

全日空のB787(JA804A)の事故でボーイングの開発コンセプトが問われる

16日に発生した全日空(NH692便JA804A)の機体不良による高松空港への緊急着陸。
とりあえず、高度9000mで、大事故にならず何よりと言うほかなしだ。

一日で、ほぼ生じた事実とその要因が明らかにされてきた。

機体設計を支える開発コンセプトを含め問い返す深刻な問題に発展するかも知れない。
いかなる製品にも、設計の理想と基本に据える思想がある。
その下に基本設計がなされ、各分野、各部品の設計が行われる。

示された設計能力を達成できる事業者が各部品の実施設計と製造を担当しセットアップ事業者へ納入する。
最終的に、それぞれセットアップされた各分野のユニットが、ボーイングのシアトル工場に集められ最終組み立て(アッセンブリー)を行うという流れだ。

B787の部品点数は、自動車2万部品の100倍に当たる200万部品と言われている。
例えばネジ一つに至るまで、基本コンセプトの下で精緻に設計され、設計に基づき加工されるワケだ。

B787のバッテリーが重要な原因の一つと、ボストンで発火した日本航空の機材(JA829J)で指摘があった。
その際、直ぐに「GSユアサ」の製品かなと考えた。
なぜなら、B787が求めるバッテリー性能を設計製造できるのは世界を探しても「GSユアサ」以外にはないと考えたからだ。
軽量リチウム電池では世界の頂点に立つからだ。

予想は、現実のモノになった。

さて、ここからは製品を改良しなければどうにもならない。
それには超えるべきハードルは極めて高い。
まず、ボーイングの基本コンセプトは正しいか?
 (正しいとしても、実現可能な基本設計だったか?)
この点は、重大な争点となろう。

なぜなら、サプライヤーである部品供給事業者は、基本設計が要求する範囲で性能をクリアすればよいワケで、その耐久試験を重ねた挙げ句、最終開発事業者のボーイングの諒解を得た後に開発し納品したワケだから。
第一義的には、ボーイングに全責任がある事は言うまでもない。

ここで、機体を軽くするために、バッテリーの軽量化を求めたのであろう。
その際、設計構造上からは、「GSユアサ」が提供したスペックで満たされたと考える。
また、最終組み立てが終わり、いくらかの試験飛行で、何らの問題もなく計器類は機能的に役割を果たした。

それを受け、ロールオフした完成機を発注者に引き渡したというワケだ。
準国産機とも言えるB787の第1号機は、日本の大切なユーザーである全日空へという流れだった。

しかし定期運航を始めると、試験飛行とは全く異なる負荷が生じるのである。
小さな初期不良が生じつつも、その都度、改良要求を繰り返したのであろうが、飛行中の動力を統括する電源としてのバッテリーに掛かる負荷は基本想定以上のモノが連日加わる事になったのではないか。

機内配線(電線)も熱を持ち発火の要因になったとも言える。
軽量化する上から、バッテリーと電線は軽い方が良いのは当然の事だ。

しかし、軽量化に成功しても、その設計量を上回る電力需要が生じた際には、発火するのは避けようがないとしか言えない。

さて、要因は明らかになってきたが、基本性能とそのための条件はボーイングから「GSユアサ」へ呈示されている。
それに基づき「GSユアサ」は設計し、使用部材を研究した上で基本性能を十分に満たすバッテリーを製造し提供したのだろう。
しかし、その想定範囲を超える電力消費が毎回の飛行で生じた事もあり、バッテリーが常時発熱し、結果的には発火するという事態に至ったと考えるべきだ。

ボーイングは、世界の頂点に立つ「GSユアサ」から、その容量の限界について生じる可能性が指摘されていれば採用しなかった、とか、あるいは設計を変えたと主張する事だろう。
「GSユアサ」からは、計器類や駆動制御系を動かす動力量(使用電気量)が正確に伝えられていれば、それをクリアーするスペック(性能)を開発したと主張するであろう。

従って、いずれの側が配慮できなかったかという問題に集約される。
重量がクリアできなければ、B787の機体そのものの性能が弱体化する。

最初に戻るが、その点で「B787開発コンセプト」そのものの是非が問われる事になる。

米国の民間航空局は、日本での事故を受け、
当面の間、B787の飛行停止を打ち出した。

昨日、日本航空も全日空も、当面の飛行停止を発表している。

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