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2014/09/06

習近平についての評論がForbesに掲載され日本経済新聞が転載した 記録のため引用し残す

習近平に対する論評は数多いが、少なくとも一面的な観点からでしかない。
そのため、食傷気味だった。
引用紹介するこの論評記述は、細部では意見を異にする点も若干あるが、それは当該報告記事を著されたHeng Shao氏の方が、はるかに高い見識を保持されているでろうと考え、意見を差し挟む事なく敬意を表し、その記述全文を後学のために引用し紹介しておきたい。
やや長文である。分析的でもある。よくご覧頂ければと願う。

引用開始→ 予測できない習主席 腐敗撲滅は選挙のようなもの
(日本経済新聞 2014/9/6 7:00/2014年8月29日Forbes.com)

「川底の石を確かめながら川を渡る」。これが改革開放路線を進めた中国の最高指導者、故・鄧小平のやり方だった※。中国国家主席、習近平の政策の意図を探る中国研究者たちの試みを、このたとえは本質的にとらえていよう。

習近平は改革開放志向なのか、それとも保守的志向なのか? 次代の鄧小平なのか、それとも次代の毛沢東なのか? 正確な答えは誰にも分からないといって過言ではない。次代の鄧小平であるなら、なぜ習近平は毛沢東時代の政治スローガンをよみがえらせたり、メディアや反政府勢力への締めつけを強化したりするのだろう。次代の毛沢東であるならば、なぜ主席就任後の初訪問地に(改革開放のシンボルである)深圳を選んだり、腐敗を容赦なく取り締まったりするのだろう。

権力基盤を強める中国の習近平国家主席。最高指導部の一員だった周永康の処分は共産党史上、前例のない汚職追及になった=AP
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権力基盤を強める中国の習近平国家主席。最高指導部の一員だった周永康の処分は共産党史上、前例のない汚職追及になった=AP

香港科学技術大学で中華人民共和国の歴史と現代中国の政治を研究する丁学良教授は、幼少期から青年期に育まれた習近平のものの考え方に、彼の政治的意図を読み解くカギを求めようとしている。丁教授によれば、毛沢東時代に政治の世界で生きる策略を身につけたことは、官僚の汚職などの難題に対する取り組みに深い影響を及ぼしているが、だからといって習近平は絶対的権力をふるう強権指導者を目指しているわけではないという。

また丁教授は、習近平の進める汚職摘発は、経済へ悪影響を及ぼすのを避けるため、いったん中止されるのではないかと述べる。丁教授がForbesに語った内容は以下の通り。

――習近平が国家主席に就任したとき、中央政治局元常務委員(周永康)と中央軍事委員会副主席(徐才厚)の2人とも解任するだけの力量や決意があると思っている人はほとんどいなかった。ところが今や状況は一変した。こうした一連のできごとを見て、中国研究者たちの習近平に対する見方はどのように変化したのか。

衝撃を与えた重鎮の解任
中国研究者たちは、習近平には常に驚かされてきたといえる。徐才厚の解任は実に衝撃的なできごとだった。重慶市の元党委員会書記、薄熙来の解任も、断行するのがきわめて困難だっただけに、たいへんな驚きだった。

このところ海外の中国研究者たちは、習近平に対して以前より批判的だ。毛沢東流のやり方で政治を牛耳り、権力闘争と粛清の路線をひた走っていると思っているからだ。だが彼は、次代の毛沢東を目指しているわけではない。

※経済開放は暗中模索でやらざるをえず、少しずつ試したということのたとえ

中国の政治指導者たちを分析するときは、彼らが幼少期から青年期にどのような情報に触れてきたかを知る必要がある。たとえば、どのような本を読み、どのような環境で育ったか、といったことだ。汚職のまん延などの難題に直面したとき、中国の指導者がどのような技能を持ち、戦略を考えつくかは、青年期に身につけたこうした要因で決まる。

文化大革命の刻印
1953年生まれの習近平は、50年代世代の1人だ。私も同じ世代に属している。私たちの性格やものの考え方は、20歳代半ばを過ごした時代――66年から76年まで続いた文化大革命――によってはっきりと決まっている。さまざまな問題に対する習近平の対処の仕方には、この文化大革命時代の刻印が認められる。

周永康と徐才厚の解任には、毛沢東の時代に考案された、入念な手続きや戦略が用いられている。まずどの人物を解任すべきかを決めると、証拠を集め、その後、どの証拠を公表するのが適切かどうかを決める。こうした手法はどれも、鄧小平の時代にはそれほどでもなかったが、毛沢東の時代にはよく用いられたものだ。悪事を働いた人間を処分する際、この毛沢東のやり方は本当に威力を発揮する。権力闘争に勝ち残るすべに、毛沢東ほど精通していた人間はいない。

だからといって、習近平が次代の毛沢東を目指しているわけではない。問題の核心はそこではない。現代の中国で、毛沢東のようになれる人間などいない。毛沢東は中国の歴史の特殊な時代に、特殊な条件が整っていたからこそ存在できたのだ。毛沢東は中国国民全員に、毛沢東語録というただ1冊の本だけを読ませることができた。インターネット時代の現代中国で、習近平が同じことをできるだろうか? できるわけがない。

共産党の民主化ありうる
習近平が今後も国家主席の地位に留まるとすれば、父親から受けた好影響の方をより政策や政治手法に反映させていくだろう。もちろん、習仲勲※は複数政党による統治には賛成していなかった。だが知識人に対してはきわめて寛容だったし、大衆の苦境を心から気遣っていた。習近平がこうした好ましい資質を身につけていくことを望む。習仲勲は、共産党内を民主主義的に統治することも重視していた。習近平が任期2期目に民主主義体制を党内に導入できれば、それは将来に資する遺産になるだろう。

※=習近平の父。副首相に上り詰めたが権力闘争に敗れ失脚した。中国民主化に理解があったとされる

――前任の2人の国家主席と比べると、習近平には、「2世代目の共産主義者」という違いがある。習仲勲は中国の革命戦争で主導的な役割を果たした人物だった。こうした出自は、彼の政策観や権力観にどのような影響を及ぼしているのか。

政策立案に関する限り、習近平の意図は健全だといえる。国家のために懸命に闘った習仲勲の世代の遺志を次世代は受け継いでいくはずだ。だが出自そのものは、育った時代ほどには、その統治手法に影響を及ぼしていない。

習近平と、彼の前任者である胡錦濤との最大の違いは、胡錦濤は成人に達するまで一貫して伝統的な教育を受けたという点にある。これに対し、習近平をはじめとする私たちの世代は、文化大革命のせいで正規の教育を一切受けていない。十代のころの私たちは、官僚制度や上意下達の組織というものにほとんど無縁だった。このため私たちの世代には、考え方が柔軟で開放的というよい面がある。

ここで注意すべきなのは、考え方が柔軟だからといって、それがすなわちリベラルということではない点だ。考え方が柔軟で開放的であるという意味は、前例がない手法を試す意欲があるということだ。こうした理由から、今後、習近平は人の意表を突く政策を次々と打ち出す可能性がある。

経済発展が最重要課題
――汚職の摘発は火のように中国全土に広がっているが、この摘発がいつまでも続くと考える人は少ない。この汚職撲滅運動はいつ、どのように終止符が打たれるのか?

さしあたり中国の指導部は、少なくともいったんは、汚職摘発の幕引きをする方策を模索しているだろう。私もこれは正しいやり方だと思う。汚職の摘発は、長引いても好ましい結果を生まない。中国には透明性のある統治制度というものがなく、司法もメディアも独立性を保っていない。こうした理由から、中国の指導部が汚職を摘発するうえで頼りになるのは、汚職防止組織(中国共産党中央規律検査委員会とその下部組織)しかない。だがこうした組織に権限が集中すれば、その組織自体が腐敗するだろう。政治生命どころか、自らの生命すら危ういとなれば、誰だって賄賂を支払って捜査を逃れようとするはずだ。

中国では常に、一定の周期ごとに汚職の摘発が行われる。汚職摘発にはどこか選挙のようなところがある。複数政党による統治制度のもとでは、選挙が間近なら、議員たちは違法行為に手を染めれば再選されないと知っている。こうした仕組みがあるから、権力を握っている人間は間違いを犯さないで済むのだ。周永康や徐才厚の解任は、下級官僚たちにやっていいことと悪いことがあると警告を発し、悪事を働けば罰せられるということを存分に思い知らせた。これもまた汚職撲滅運動の目的の1つだろう。

現在の中国には汚職よりももっと緊急度の高い課題がいくつもある。中国の指導者たちが今、直面している最も重要な課題は経済発展だ。汚職の摘発はある程度までは、経済成長に望ましい効果をもたらす。いうまでもなく、改革を前進させるには、石油や天然ガスなどの産業分野や国家発展改革委員会などに巣くう実力者たちをまず排除しなければならない。

一方、汚職の摘発は経済発展を阻害する場合もある。現在、官僚の多くは告発されるのを恐れ、日々の通常業務もろくに処理できないほど臆病になっている。たとえば、開発プロジェクトのために要人を食事に招く必要があっても控えている。

マフィア同然の警察隊を浄化
――中国のメディアは、今年10月に北京で招集予定の中国共産党第18期中央委員会第4回全体会議(四中全会)では司法改革が中心議題になると報じている。これを真の改革に向けた一歩前進ととらえることができるだろうか。

これまでのところ、四中全会が司法制度の透明性や独立性を議題として取り上げるきざしは見えていない。今回招集される四中全会で議論される「司法改革」とは、これまで周永康が牛耳ってきた公安当局の浄化を意味しているのだと思う。裁判所や刑務所、警察隊、武装警察、都市の行政機構などが改革の対象となるだろう。

周永康の支配のもと、警察隊は中国各地でマフィア同然の組織に変貌してしまった。もし指導部がこの現状を浄化し、公安当局が自らつくったルールにのっとって行動するようになれば、それだけでも驚くべき達成だ。公安当局は、依然として支配体制の利益を守ることを目的に行動している。だがこの目的を達成するための手段は、結局のところ、合法的なものでなければならない。“合法的”とは、少なくとも、中国政府が立案した法体系にかなっているということだ。現在の問題は、地方の公安当局がえてして、中央からの命令に従わないということにある。

さしあたっての課題は、司直の質を向上させることだ。たとえば、司直がその地位に応じて受けるべきテストや法的訓練についてルールを設け、そのルールに従わせる。法の番人にはその地位に見合った基準を設けるべきだ。これは比較的、達成しやすいゴールだ。公安当局の内部調査を見ると、中国の公安当局に勤務する人間の教育水準は最低だし、資格もほとんど持っていないことが分かる。ただこうした調査結果が一度も公表されていないだけのことだ。=敬称略 By Heng Shao, Forbes Staff ←引用終わり
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