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2015/05/20

橋下徹による「大阪都構想」コト「大阪市解体構想」騒ぎ立てとはナンだったのか!?

「大阪府と大阪市の財政赤字の推移」を示したグラフを、お友達が公開されましたので、このグラフも参考に「橋下徹」と「松井一郎」および「大阪維新の会」という実は「正体不明」の政党モドキ新利権再配分一派とその広報を買って出た在阪メディアが引き起こした「集団ヒステリー」についての概略を述べておきます。

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まず始めに「大阪」は「難波宮」以降、概念としての「大阪市(域)」が先にあり、明治維新の後に「大阪市」を支える狙いもあり周辺のいわゆる郊外「摂津の一部」に「河内」と「和泉」をまとめ明治中央政府直轄の「大阪府」を形成したのであり、「大阪府」が「大阪市」に先んじて存在したワケではありません。
(府市を論じる際に、この点の理解が実に重要なポイントです)

大阪は、1500年にわたり人が住み経済活動を重ね「都市基盤(みたいなモノ)」を形成してきた「大阪市(域)」は、当然ながらそれなりに「都市」としての基盤は重層で重厚です。
「大阪市」に軸足を置くプレーヤーは時代や環境の変遷に伴いその都度入れ替わりつつスマートに活動し、その恩恵を受けた大阪市域は大阪府域に比べ独自性のある発展を遂げてきました。
それがまた固有の「文化」を産み「人」を集め「経済」を豊かにし、所謂「税金」を納めるか「社会還元」に費やし市域全体の基盤を強化したのです。
1960年代まで、大阪市域は基本的に「豊か」だったのです。

大阪市が現在の苦しい状況に立ち至った大きな理由は、東京への一極集中政策を受け、大阪で起業し営々と業態・業容を拡大し日本経済の骨格を担った企業の大半を「政経一体化」の掛け声で東京へ召し上げられた事が大きな要因(地域経済構造の大転換)です。
しかしながら今なお「大阪市域」は全体で10兆円前後の国税を納付しています。
まぁ企業も資本も自由に移動するのが経済の原則ですから、自然に生じた現象なら仕方がないと考えますが。しかし人為的に意図的に「霞ヶ関」に操作されての事ですから。
(★この点は重要な問題提起です)

次に大阪だけではなく日本全体が直面し抱える問題ですが、1990年代から始まった製造業の拠点の海外移転を受け「大阪市域」での単純労働機会の急減する「失業問題」を避ける事はできなかったワケです。
また産業構造上も折からの労働年齢人口の急激な変化(退職=税収低下と社会保障費負担増)なども重なり「大阪市」「大阪府」ともに行財政の赤字を徐々に増大させてきました。
この時点で「社会保障」だけに止めれば良かったのでしょうが、それでは「行政府」は維持できないと思考したのか「経済政策」を整え「雇用創出」を目指し、「債権発行」(起債)すればと後先を考えない「ハコモノ」造りで府市民の要望に応えると、競い合うように府市民の目を誤魔かす行動に出たのです。それがやがて巨額の財政赤字の素となり益々「負債」に苦しむ要因を形成したと云えます。
それは一面において「投資」と主張しながら、実態は「消費」でもあったワケです。
橋下徹が「無駄」と「赤字」の要因だと指摘するのは、その意味で「正しい」と云えます。

とりわけ大阪府の行財政は長年にわたる「経済政策」の無策が続き「悪化」の一途を辿っています。
何よりも横山ノック(山田勇)を府知事に選出した大阪府民の愚弄が招いた結果なのですが。
この間「経済政策」の重要性が理解できない横山ノックは何ら有効な手立てを検討もせず打ちもしませんでした。
1970年代から2007年まで、黒田了一(主として共産党)から岸昌(官僚・主として自民党)へ、中川和雄(主として社民党)、そして横山ノック(漫才師・主としてお笑い倒)、挙げ句の果てが太田房江(官僚・主として自民党)を経て、件の橋下徹にバトンを経てきました。
この間、大阪府は有効性を持つ一貫した「経済政策」と「産業政策」を打てたでしょうか?
行政による政策の一貫性が問われるのは、大阪の混迷を観れば容易に理解できます。間違えれば取り返しがつかない(回復に苦労する)とも云えるからです。

如何に地方自治体とはいえ中長期の政策課題に対処し策を講じるよりも、大阪は「府・市」ともに目前に現れるモグラ叩きの如く様々諸々の政治要求に対処を余儀なくされ、中長期の政策課題へ一貫して取り組む事を欠いてしまっていました。
この間、国際的な市場環境や競走関係は大きく変化し「グローバリゼーション」へ対処する政策展開はおろか積極的な政策研究すらも放置されたのではないかと観ています。
「グローバリゼーション」への対処として大阪市は南港に「WTC」「ATC」を、大阪府は関西国際空港の対岸に「りんくうタワーゲートビル」の建設を競い合いました。(橋下徹が指摘する無駄の象徴です)
競い合う事で「グローバリゼーション」に「ハコ」を建て、対応しているとの主張を為そうと試みたのでしょうか。
それは不要施設の象徴でもあり代表でもありますが、それで潤った人達が居るのも一方の事実でしょうね。

橋下徹は、「その時、その瞬間に、自分がどう振る舞えば『得か損か』を判断」し、それに対応する「アイデアや発言」を繰り広げる事で「できるイメージ」を一貫して形成してきました。
この構図を叩けば良いと瞬間的に察知した橋下徹は、「二重行政の解消」という「大阪市の乗っ取り」=「大阪市の解体」を思いつき、年上の子分である松井一郎にここ掘れワンワンと嗾けたワケです。
しかし埒が開かないので「大阪都構想」というナンとも珍奇な看板を掲げ、根拠も無く「花咲か爺」になろうとしました。
基本は「欲張り爺」である事がバレただけの話に過ぎません。
橋下徹の「大阪都構想」=「大阪市解体構想」は「二重行政」だから「大阪府」も「大阪市」も「巨額の行財政赤字」に陥ったと主張し、その象徴に「WTC」「ATC」「りんくうタワーゲートビル」を挙げたのですが、それは間違っていませんが「二重行政」でなくとも生じる「政策誤謬」に過ぎず、議会が本来の機能を発揮していれば生じなかったとも云えます。

一番始めにこの手のテーマに火を点けたのは何を隠そう「朝日新聞」です。それに「よみうりテレビ」が乗り煽ぎ立て、産経も、日経も遅れてはならずと、橋下徹に擦り寄り「集団ヒステリー」の如く馬鹿騒ぎを大きくしたのです。

「WTC」と「ATC」の推進に物凄い取り組みをしていた内の一人と目されるのが橋下徹の熱烈応援者である事は、例え冗談でも「ブラックユーモア」過ぎるのではないでしょうか。

「グローバリゼーション」へ適切に対処するのは「ハコ」ではなく、「経済政策」こそが重要なのですが。

大阪を「府・市」ともに活性化するには、何よりも「都市論」としてどのように議論し目指すべき方向性を一致させるかではないかと。
大阪のエリアを活性化させる議論をし、行政府の機構を改革する必要があると冷静に結論づけるなら、それはそれで良いワケです。
何も、橋下徹の都合に合わせ橋下徹が描いた勝手なスケジュールに追い立てられ、そこへ追い込まれた上に威迫されながら、住民投票して決める事ではありません。
「都市論」を実務的にかつ精緻に議論すれば、橋下徹は自らが掲げる「議論」が破綻させられる事を嫌い、電光石火の如く「独裁が善い」との主張で実に身勝手な議論と選択を強い「民主主義の選挙で選択され多数を得た」と錦の御旗にしたかっただけに過ぎません。

大阪を始め苦悩する大都市は「都市論」と派生する「都市政策」および「都市経済」そして「都市ビジネス」の議論を重ね「都市としての魅力」を如何に形成するかに懸かっています。
その種の手間のかかる事を避け、いきなり「社会保障制度」に斬り込み「社会福祉」に大鉈を振るい「世代間の対立」へ転じる事で問題の本質を議論させず、世代と市民を分断する事により「互いの敵」を創り出し対立させ憎悪させるという、お得意の喧嘩手法で、在阪メディアを動員して、煽らせ束の間の勝利を得ようと画策しました。(この手法が冷静な大阪市民の怒りを買ったと考えます)

「大阪都構想」=「大阪市解体構想」を掲げ住民投票を画策した時点で、橋下徹は勝てるだろうと踏んでいたと考えています。「世代間の争闘」へ持ち込めば自分自身は「若年世代」に強い人気があり女性票もそこそこ稼げだろうから、「若者が輝く大阪」イメージを掲げる事により、煩い「オヤジ」層や「高齢者」層は抑え込めると計算したのでしょう。
ヒトラー・ユーゲントにも劣らない揃いのTシャツを着用させた大動員や組織化で、目立たせた細かな街頭運動なら注目を集め「若年層」への浸透も図れ大規模に優位な展開をしていました。

反対する側は、この間に橋下徹とその一派が繰り出す、やりたい放題、カネ使い放題、メディア総動員で「言いたい放題」、後方に控える官邸から放たれる矢弾を避けながら、乗せて煽り立て「面白半分」でハシャグヒト等も加わわる相手へ、目に見えない圧力を加える戦いを辛抱強く重ねる以外には手がありませんでした。

この戦いの結果、橋下徹とその一派は結果的に負けました。この事実は非常に重いのです。

しかし、大阪で「橋下徹を応援する各メディア」は、いま以て「世代間の争いで『若年層』が負けた」と、実に矮小な主張を展開していいます。
投票者総数では老齢者と若年世代や若者の差は数%しかなかったとのことです。
外から批判するのは自由ですが評論しコメントされるなら「予定稿のコメント」ではなく「事実の確認」が先ず必要です。

「反対」を掲げてきた側としても、圧勝できなかったのは本当に悔しく残念です。
まぁ、最初から最後まで完全に包囲されていましたし、「都市論」に始まる「都市政策」や「都市経済」また「都市ビジネス」を巧妙に避け争点化させないよう、橋下徹が冷静に議論させなかった事も最大の問題でしょうね。
加えて出口調査に依りますと「新利権配分」を求めた自民党支持層は40%が「賛成」しているワケで、公明党・創価学会は80%が「反対」投票した点に、問題の本質と構図が表されていますね。
当初は10%の開きをつけて「反対圧勝」を狙いましたが、大阪を軸とするメディアの報道攻勢には正直なところ、物凄い「違和感」を持っています。
結果的には、橋下徹の身勝手により、大阪市は「反対」「賛成」「無視」に3分されました。後味の悪い嫌な終わり方になったのが厳しいですね。

ゆえに勝負が着いた今もピエロに過ぎない「橋下徹」を在阪メディアを始め報道各社と国政の与野党は、礼賛し続けているのを観ると実に悲しく残念です。
従って物凄く後味が悪いのです。(本当に嫌ですねぇ)

今後は橋下徹に代わって指揮を執る人物が出て来るかどうかでしょう。ノーサイドで「総合区」についての議論を深化させ問題解決を願いたいです。
その際には、何よりも「都市政策」の議論が重要で「都市経済」や「都市ビジネス」を俯瞰的に考え議論する事が大切です。
また、この議論の過程で「国政」と「地域行政」の分担を含め、霞ヶ関で効率的に経済と金融を一手に掌握する目的の「東京一極集中」を止める方向へ踏み込み進まない限り「一票の格差」についても本質的な解決は不可能です。
橋下徹の間違いは、「管義偉」+「安倍晋三」で大阪市民を目眩ましできると浅はかな思考に染まった事です。
この辞典で「大阪都構想」は、霞ヶ関と官邸の手の内に堕したワケです。

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