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2016/05/09

日本は「東京」および「その他の日本」だから 西日本だけでなくもっと日本を体験してほしい

観光は、その地域を体験する上で絶妙だ!
空気や臭いは、その地を訪れない限り体験できない。

既に日本は、首都圏を軸にかなり画一化されたが、各地には固有の社会文化があり、それを包む空気や臭いがある。
それを感じて貰いたい。日本は一様に見えて実は多様なのである。

引用開始→ 外国人旅行者に西日本が大人気なワケ
旅行ライター 芹澤 和美
(讀賣新聞 2015年12月25日 05時20分)

年々増え続ける外国人旅行者は、日本のどんな観光地が好きなのか。旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」で発表された「外国人に人気の日本の観光スポット ランキング 2015※」によると、1位:伏見稲荷大社(京都市)、2位:広島平和記念資料館(広島市)、3位:厳島神社(広島県廿日市市)、4位:東大寺(奈良市)、5位:禅林寺 永観堂(京都市)の順。なんと、上位5位を西日本の観光地が独占した。なぜ、外国人観光客は西日本を目指すのか。旅行ライターの芹澤和美さんが分析する。

人気観光地、上位5位を西日本が独占
「こんどの週末は友達とまた日本へ旅行に行くの!」「東京はもう飽きちゃったから、次はどこへ行こうかな」。ここ2、3年、海外の友人や知人から、そんな言葉を聞くことが多くなった。「お金をためて日本に遊びに行きたい」「渋谷ってどんなところ?」という会話が多かった10年前とは大きな違いだ。

ここ数年、日本の繁華街や観光地で外国人旅行者を見かけることが多くなった。実際、外国人旅行者数の数は右肩あがりに増えている。円安はもちろんのこと、免税緩和、ビザの緩和、さらにLCC(格安航空会社)の増便などといった背景から、日本が格段と行きやすい国になったのは確かだ。

もちろん、関東の都市部も根強い人気で、観光庁の「訪日外国人消費動向調査・平成26年訪日外国人観光客の地方訪問状況」によると、日本を訪れた旅行者のうち、首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・,埼玉県のいずれか)のみを訪問している人は全体の21パーセントとトップを占めている。だが、関西圏の人気はそれに迫る勢いだ。同調査によると、関西圏(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県のいずれか)のみを訪問した旅行者は全体の17パーセント。東京をパスして関西だけを目的に日本にやって来る人が、これほどいたことに驚かされる。

彼らの多くが玄関口として利用しているのは、関西国際空港だ。2015年上期に関空の国際線を利用した外国人旅客数は458万人。前年比158%で、半期として過去最高の数字を記録したという。対して、日本人旅客数は291万人と、その差は大きい。

髪を結い、着物を着て祇園を歩くことがあこがれ
数字からみても、あきらかな関西フィーバー。彼らが関西に惹ひかれるのは、いったいどんな理由からなのだろうか?

「関西を旅する最大の目的は、もちろん京都。古都を散歩して、お寺や神社をお参りして、芸者さんにも会えるし、清水寺からは絶景だって見られる。着物で祇園を歩くのは、私たちのあこがれ」と話すのは、関西を何度か旅したことがあるという20代のポーランド人女性。

「着物で街を歩く」というアクティビティーは、アジア各国、とくに中国からの旅行者にも大人気だ。レンタル着物サービスショップの中には、ホームページ上やメールで予約ができ、着物の着付けと髪結いから記念撮影までトータルに提供、さらには中国語に対応している店も少なくない。

中国人の旅行者が、祇園で着物姿の女性を見かけ、写真を撮らせてもらおうと話しかけたら、その人も中国人だった……という笑い話まである。

それにしても、日本と中国、両国の緊張関係は続いているし、中国では今でも抗日ドラマが放映されている。近くて円安で、買い物をするところがたくさんあるからといって、長年歴史的にわだかまりがある国の、ましてや古都を旅して伝統衣装まで着たいというのは、なぜなのだろうか。日本人から見てもどこか違和感がある。

SNSで広がるクチコミ情報
「旅行予約サイトを見て、楽しそうだなと思った。みんなやってるから、私も試さないと」(40代中国人女性)。

「SNSのクチコミを見て、京都と大阪に決めた。京都で着物を着て舞妓さん体験をした人たちの、たくさんの写真投稿が参考になった」(30代中国人女性)。

私たちが耳にしてイメージしている「中国人の対日感情」とは、どうやらギャップがあるようだ。

これは関西旅行に限った話ではないが、日本を旅した中国人旅行者の多くが、SNS上で、日本での体験談や、購入したもの、見たもの、食べたものの自慢話を次々と投稿している。基本的に、中国国内ではFacebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)などのサービスを利用することはできないが、それに似た「微博(ウェイポー)」や「微信(ウェイシン)」といったSNSがあり、利用者数は爆発的に広がっている。

テレビのニュースや新聞の記事よりも、実際の評価やインターネット上で発せられるクチコミのほうが身近なのは、もっともな話だ。前述の「外国人に人気の日本の観光スポット ランキング 2015」で1位にランキングされた伏見稲荷大社の口コミ評価を見ると、「緑の中にずらりと並ぶ紅い鳥居は神秘としかいいようがない」「実際に目にするとすごい!」「ほかの寺社は拝観料をとられたけど、ここはフリー」と多くのコメントが書かれている。これを読むと、「ガイドブックには載ってないけど行ってみようかな」という気持ちになるのも頷ける。

外国人観光客が増えている広島市も同様。「コンパクトシティだから動きやすい」「都会だけど水辺は風情がある」といったコメントは、定番観光地では飽き足らない旅行者にとっては、とても有益な情報だ。「魂を揺さぶられた」という口コミが多い3位の広島平和記念資料館などはとくに、旅を計画している人たちの心に訴えかけるものがあるのだろう。

初回の日本旅行では東京、2回目は北海道、3回目以降は関西ばかりという、日本リピーターの20代のマカオから来た女性はこう話す。「関空に到着したら、前半2日間は大阪の心斎橋と難波でショッピング。もちろん、USJはマスト。そして大阪からわずか1時間弱で京都に移動して、後半2日間はたっぷりと観光三昧。神戸のウォーターフロントや奈良公園まで足を延ばすこともある。買い物は好きだし歴史遺産も興味があるけれど、さすがに毎日だと飽きてしまうでしょう? その点、関西は東京よりバランスがいいの」

加えて、東京と比較すると、交通の分かりやすさも魅力だという。「関西はとにかく交通が便利。地下鉄ひとつとっても、東京は複雑で分かりにくいけど、関西の路線図はとてもシンプルでコンパクト。ルートは数本しかなくても、ちゃんと主要な場所に行かれる」

「大阪の人は温かい。初対面なのに友だちのように話しかけてくれた」(カナダ人40代男性)と、人の良さに感動する声も。

大阪のなかでもひときわ、アジア人観光客で賑わっているのは、「浪速の台所」といわれる黒門市場。スマホやガイドブックを片手にした彼らのお目当ては、食べ歩き。購入した食材をすぐに調理するサービスがあったり、店内で食べられるイートインスペースを設けている店が多いここは、雰囲気も楽しめてお腹なかも満たせる、人気の観光スポットだ。

市場の中は中国語のメニューや看板が立ち、無料のwi-fiが完備されている空間は、アジアの屋台街を思わせる。もともと、屋台に馴染みのある国の人々だからこそ、親近感も湧くのだろうか。

歴史に触れる古都散策も、「爆買い」も、地元グルメの食べ歩きも、アミューズメントも、豊かな自然も、温泉だってある関西は、限られた時間とコストの中で、存分に心を満たしてくれるミラクルワールド。そんな関西を旅した人が、SNSを使って情報を発信、それを見た人たちがその旅をたどり、またそれが発信、拡散され、新たな旅行者を呼ぶ。外国人旅行者による関西ブームは、彼ら自身が作り出しているといってもいいかもしれない。←引用終わり

(※評価方法:2014年4月~2015年3月の1年間にトリップアドバイザー上の日本の観光スポットに投稿された日本語以外の口コミを、評価点(5点満点)の平均、投稿数などをもとに、独自のアルゴリズムで集計しています。(出典:トリップアドバイザーHP)


2015年12月25日 05時20分 Copyright c The Yomiuri Shimbun
Copyright (C) The Yomiuri Shimbun.

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