« トランプが現れ アメリカ合衆国とは何か? を問うているのか 米国世論は完全に分裂した | トップページ | トランプ氏とサンダース氏は「扇動家」とは、真に言い得て妙である! »

2016/05/01

FT フィナンシャルタイムズは英国のEU離脱に強い反発を示し続けている

インテリが世論を誘導するのが欧米社会の特徴だ。
世論を誘導する手段の一つが「新聞報道」である。
これらに署名記事により「提議」と「批判」あるいは「評論」を繰り広げる事で社会の木鐸である事を示している。
このところ一貫してFTは英国のEU離脱は様々な点で無意味であるとの論調を張っている。
それはEU(欧州連合)の理想を追いつつ実は「経済優先」なのである。
一貫して「欧州市場」を喪う事の愚かさについて警鐘を鳴らしている。

しかしながら、英国で本来の英国社会の姿を追究する多くの英国民の声はFT上には現れない。
米国社会は2016年の大統領選挙(予備選)で、
排外主義トランプのヒステリックな主張を支持し、WSJを始めNYTやWSPの記事による警鐘なんて無関係、どこ吹く風であれよあれよと言う間もなくトランプのヒステリーは堂々たる市民権を得てしまった。
同様に民主社会主義を主張するサンダースも大きなムーブメントとなり絶対優位とされたヒラリーを脅かしている。
この延長上に英国のEU離脱があるわけではないが、いずれにしても杳として知れない「グローバリズム」に対する厳しく激しい批判である点において変わりはない。

世界のインテリの「世迷い言」とまでは言わないが、「グローバル経済」という現在の仕組み(トップ企業だけが勝ち続ける)を批判し抵抗している。

引用開始→ [FT] 米、「英との蜜月」変質 アジア重視路線 経済分野で鮮明 
(日本経済新聞2016/5/1 3:30)
Financial Times

英国の欧州連合(EU)の離脱派はよく、英国は離脱したら大英帝国の遺産でもある「英語圏国家連合」(編集注、英国、米国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダからなる連合)なるものを築けばいいと主張する。それだけにオバマ米大統領が4月下旬、離脱の是非を問う英国の国民投票について言及した内容は、彼らにとっては衝撃的だった。その国家連合で最も力のあるメンバーになるはずの米国が、残留を強く訴えたからだ。

形勢が不利になると恐れた離脱派は、オバマ氏は英国に敵意を抱いているのではないかと発言。ジョンソン・ロンドン市長は「ケニア人の血を引く大統領の家系」がそう言わせたのだろうとの見方を披露した。

オバマ氏の発言に特別な説明など必要ない。米国は長年、英国のEU残留を支持してきたからだ。

だが、いくら両国の関係が特別だといっても、彼らはそれがオバマ時代に変質したことに気付いている。両国とも台頭するアジアをはっきり意識するようになり、その結果、世界やお互いへのかかわり方を見直さざるを得なくなったのだ。

その点では、確かにオバマ大統領の経歴は意味を持つ。もっとも、大事なのは同氏が初のアフリカ系米国人大統領であることではなく、初の太平洋地域出身の大統領であることだ。同氏はハワイ育ちで、幼少時代の数年間をインドネシアで過ごした。歴代のどの大統領より、アジア太平洋地域がより重要になっていることを理解している。

外交や軍事、経済的資源を振り向けたオバマ氏
オバマ政権の外交政策の特徴は「アジア重視」だ。中東とウクライナで混乱が起きても、オバマ氏は厳格にかつ断固として外交、軍事、経済的資源をアジアに振り向けている。

オバマ氏の訪英中、米国は英国がEUを離脱したら英国と貿易協定を結ぶか、それともEUとの環大西洋貿易投資協定(TTIP)締結の方により重点を置くかが話題になった。オバマ氏は個別の貿易協定の締結を求めるなら、英国は「列の後ろに並ぶことになる」と述べ、物議を醸した。

だが、米国が貿易で最も優先する相手は今や英国でもEUでもない。アジアだ。TTIP交渉は結論が出るまでにまだ何年もかかるが、環太平洋経済連携協定(TPP)はすでに米国とその他11のアジア太平洋諸国の間で合意され、批准を待つばかりだ。

英国や欧州には、オバマ大統領の退任で米国がアジアから大西洋に軸足を戻すのではないかと期待する人もいる。それは見込み薄だ。米国の戦略的な優先事項を考えれば、誰が大統領になっても、オバマ氏と似た結論に至るだろう。次期大統領に選ばれる可能性が最も高いヒラリー・クリントン氏は2011年、「米国の太平洋の世紀」と題した論文を発表し、アジア重視を明確にうたった。

英国はアジア太平洋に最も関心を払う今の米国に不満を述べる立場にはない。というのも、キャメロン政権は対米関係を犠牲にしてまでも、自国のアジア重視政策を実行してきたからだ。キャメロン首相は経済界の重鎮などを大勢引き連れて何度もアジアを訪問している。米国の意向に反し、中国主導のアジアインフラ投資銀行の創設にも参加した。オバマ政権のある高官は(フィナンシャル・タイムズ紙に)英国は中国に「いつも迎合している」と不満をこぼしたほどだ。

もちろん、英米両国の間には歴史的、文化的な深い絆がある。米国の外交政策を担う有力者には、英オックスフォード大学で学んだ者が少なくない。国家安全保障担当のライス大統領補佐官、クリントン国務長官時代のバーンズ副長官、クリントン氏の側近で顧問のジェイク・サリバン氏などは皆、同大の卒業生だ。

米国の指導者を目指すなら中国を理解できること
こうした関係もあり、英国はワシントンで有力者に簡単に接触できる。しかし将来はわからない。米金融界の大物、スティーブン・シュワルツマン氏は最近、大規模な奨学金制度を立ち上げた。オックスフォード大のローズ奨学金にヒントを得て、優秀な米国人らを北京の清華大学へ留学させるのが狙いだ。将来、米国の指導者を目指す若者は中国を理解することがより重要になるだろうという同氏の発想は、あながち間違っているとはいえない。

アジアの台頭は、歴史的な英語圏の主要国であるカナダとオーストラリアも変えつつある。オーストラリアの中国や日本との貿易額は、英国との金額の10倍にのぼる。カナダ最大の都市トロントでは人口の約35%がアジア系市民で、太平洋沿岸都市のバンクーバーでは40%を優に上回る。

それでも英語圏に郷愁を抱き、オバマ氏の「列の後ろ」発言に憤慨した英国人は、自国がまだどれほど米国の文化的影響力の恩恵を受けているか、よく考えるべきだ。伝統的な英語圏は変質したかもしれないが、EUの機関では英語が共通言語となり、ブリュッセルに新しい英語圏が誕生したのだから。By Gideon Rachman ←引用終わり
(2016年4月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
(c) The Financial Times Limited 2016. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
NIKKEI  Nikkei Inc. No reproduction without permission.

|

« トランプが現れ アメリカ合衆国とは何か? を問うているのか 米国世論は完全に分裂した | トップページ | トランプ氏とサンダース氏は「扇動家」とは、真に言い得て妙である! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« トランプが現れ アメリカ合衆国とは何か? を問うているのか 米国世論は完全に分裂した | トップページ | トランプ氏とサンダース氏は「扇動家」とは、真に言い得て妙である! »