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2019/02/03

古書流通文化を質高く支えた「天牛堺書店」の破産に思う事:

先日、橋本 治さんの逝去を悼み、氏の「桃尻語訳 枕草子」を話題に挙げました。
再び目にしたいと考え書店を当たりましたが文庫とも絶版で、また機会を見て「天牛堺書店」へと考えておりました処、1月30日に友人が同社が破産申請をしていると伝えてくれました。
たまにしか足を運ばなかったワケですが、とても残念です!
天牛堺書店には各分野毎に目利きのできる人材が揃っているのか、出会うそれぞれの古書は、ある意味で「リベラルアーツ・インテリジェンス」の宝庫といえました。
東京は神田の神保町が日本の知性を集大成する誇るべき古書街であるなら、大阪のそれは「天牛堺書店」が一身に背負い誇りすら感じさせる存在でした。

マチバへ出かけ、古書を手にし「紙に印字」された文献を「香り」と共に味わい、記述されたモノを通じコトの意味を考える。
スマホやPCの画面にも記述は現れるが、それは観て感じ香りに触れ思索を深める事はできず、あくまでも「観る」「眺める」「直感」でしかない。

ネットで買う事もできるが、出かけて現物を比較検討する事や、助言を得る事で「思索」も深まるワケだ。思考の幅も奥行きも大きく異なる。

古書店の経営は「高等遊民」の為せる技で、金と時間が有り余っていても、支える「目利き力」と更に「目利き」を支える「高い教養力」が無ければ成立しない、全く儲からない仕事ですから、真に残念で惜しいとしか言いようがなく。



引用開始→ 大阪府下で書店12店舗、天牛堺書店(堺市)が破産
(2019/1/28(月) 14:11配信 帝国データバンク)

古書・専門書の目利き力には定評も
 (株)天牛堺書店(TDB企業コード:570108157、資本金1000万円、大阪府堺市南区泉田中17-2、代表藤吉信彦氏)は、1月28日付で大阪地裁堺支部へ自己破産を申請し、同日同支部より破産手続き開始決定を受けた。

 申請代理人は根來伸旭弁護士(大阪府大阪市北区堂島浜1-4-16 アクア堂島NBFタワー11階、弁護士法人マーキュリー・ジェネラル、電話06-6344-4800)。破産管財人には沢田篤志弁護士(大阪府大阪市北区堂島浜1-1-5 大阪三菱ビル6階、梅田総合法律事務所、電話06-6348-5560)が選任されている。

 当社は、1963年(昭和38年)12月創業、68年(昭和43年)7月に法人改組した新書・古書の小売を中心に音楽CD、文具などを扱う書籍店運営業者。古本買い取り店から発足し、大阪府堺市を中心に「天牛堺書店」の屋号で12店舗を展開し、新書と古書を併売する同業筋でも希少な業態を特徴として学校、官公庁筋の卸売なども手掛けていた。特に古書・専門書の目利き力には定評があり、国立大学の図書館や研究室などの取引実績も有し、98年5月期には年売上高約28億円を計上していた。

 しかし、近年ではインターネット書籍販売業者の台頭や、スマートフォン利用読書の増加、若年層の活字離れにより、店舗の集客力は低下。当社の売上げは減少傾向で推移し、2018年5月期の年売上高は約18億円にまで落ち込んでいた。また損益面でも不採算店舗閉鎖による売上げ減少などもあり収益環境も悪化、厳しい資金繰りを強いられていた。このようななか、2018年2月頃からは主要仕入れ先から人的支援を受けるとともに、金融機関の返済条件緩和の措置を受けるなど経営再建に注力してきたが、先行きの見通しも立たないことから事業の継続を断念、今回の措置となった。

 負債は2018年5月期末時点で約16億4000万円。

 なお、(株)天牛書店(大阪府吹田市)は当社とは関係がなく、通常通り営業中である。
(最終更新:1/28(月) 14:52帝国データバンク)←引用終わり

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