日本に対するASEAN各国の期待
ASEAN各国から日本への期待
東アジア首脳会議についてコラムを記したときに、ASEAN各国は日本へ何を期待しているか、多少周辺事情にも触れたつもりだった。また、それに留まらず、対米一辺倒従属だけの小泉外交の脆さを懸念するコラコラコラムは連発してきた。日本を支える周辺国の期待や希望を考慮することなしに、日本の東アジア外交も経済協力も成立しないのに、自らの経済的優位性だけを絶対視したかのような「援助資金バラマキ」外交を強めようとしているように見える。
ASEAN各国は、域内に大量の「華人」を抱えていると同時に、主要な各国は経済自体でも「華人」あるいは「華人系」に与する人たちが直接間接に関与し支配力を強めている。各国はそれを否定したり排除しようとしているわけではない。しかし、域内で広汎な展開を見せる「華人」あるいは「華人系」社会を(が)中国(北京政権)と(が)緊密化しASEAN地域での影響力を強めようとする動きを嫌っている。
それは、ASEAN諸国の半数が中国と地続きであることもある。何よりも、これまで中国(北京政権だけに関わらず)がASEAN地域に絡み口を出し手を出したことで、膨大な災難を被り続けた歴史があり、ASEAN地域で4000万人が居住し巨大な影響力を持つ「華人」「華人系」の人たちでさえ、本音は中国(北京政権)からの影響力は最小限にしたいと願っているのである。
しかし、日本は、ASEANを自らの経済市場として捉え、それのみに要したいとの思考で外交を進めているように見受けられる。ASEAN各国が何か言えば「すぐに資金援助」を約束し繰り出す小泉外交。もちろん、資金援助は大切で、例え「人材育成、技術援助、技術移転」を志向してみても、社会基盤がなければ困難なことは分かっているけれど、政府だけではなくより広汎な形態での「援助と交流」行動が必要なのではないか。
そんな中、日本経済新聞の春秋に下記の記事を見出したので紹介したい。
---------------------------------------------
<<引用開始→
春秋(12/18)
初の東アジア首脳会議が開かれた先週のクアラルンプールは米国を除く大国のパワーゲームの場になった。地理的には東アジアではないインドや豪州に加え、ロシアのプーチン大統領まで姿を見せ、首脳会議にゲスト参加し、演説した。▼ロシアがいるのに米国がいないのも妙だが、全体構図を東アジアでの日本と中国の覇権争いと見て、日本の孤立を心配する人もいる。が、猪口孝中大教授が東アジアの11カ国で実施した世論調査アジアバロメーター2004年版によると各国は中国や米国よりも実は日本から「良い影響」を受けたと考えている。
▼日本、中国、米国などが良い影響を与えているか、悪い影響を与えているかを各国に聞く。田中明彦東大教授によれば、良い影響との回答比率から悪い影響との回答比率を引いた「純影響」を見ると、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、シンガポール、ベトナムで日本は中国、米国を上回っている。
▼中国の純影響が日本をしのぐのはタイと韓国だけだ。米国の純影響が日本、中国を上回るのはフィリピンのみ。ちなみに日本への米中の純影響はいずれもマイナス。絶対値は中国がわずかに小さい。米中双方から悪影響を受け、その程度が米国より中国からの方が軽いとの結果だ。日本は嫌米かつ嫌中の国らしい。 ←引用終了>> (C) 2005 Nihon Keizai Shimbun, Inc. All rights reserved.
---------------------------------------------
ASEAN各国が、日本をどのように見ているか、日本にどのような期待が寄せられているかを考える上で、実に興味深いテーマである。ASEAN諸国は、「資金提供」だけではなく、日本のリーダーシップに期待を寄せているのである。
それでは、何をせよというのか?とお叱りを受けそうだから記しておきたい。①ASEAN各国で日本についての情報はどれだけあるか?理解はどこまで進むか?という設問をしたい。②同時に、それでは、日本では、どれだけASEAN諸国(各国別)の情報があり、理解があるのか?どうだろう?「資金援助と相互理解」が大切なのではないか?これまで、日本は有形無形でASEAN各国への援助を続けてきた。それらについて、各国は上記記事のように理解し一定の好意を寄せている。しかし、一方で日本国内はどうか?資金援助だけに目がいきがちになっていないか?外交は国家経済の規模に関わらず対等の関係が基本原則だ。それなら、日本は、ASEAN諸国の対日評価に示されるような対ASEAN各国別に評価できるだろうか?本当に、日本を支持してくれる基盤でもある東アジアの各国を、小泉首相も含めて、私たちはどれほど理解しているのだろう。
| 固定リンク


コメント