現在のままでは、JALの再建はありえない!
今日は、フィリピンの政治批判をしようとしていましたが、現地ネタ元から、まだ欲しいネタが送信されないままなので、もう一度JALをテーマに取り組みます。
JALのクーデター騒ぎも、フィリピンのクーデター騒ぎも、本質は同じように見えます。「利用者や、国民は不在のまま」で、美味しい権力を狙って、醜い争いを続けていることなど、いくつもの観点から捉え返すと「同根」に見えます。それほど、社会(国際)的名誉と経済的利益が大きいのでしょう。
讀賣新聞社は今日の社説で、JALの経営陣の能力と経営体質を批判しています。以下に引用し紹介します。
引用開始→ 2月27日付・読売社説 [日航内紛]「厳しさを増す利用者の視線」
“お家騒動”を傍(はた)で見るのはバカバカしくも面白いものだ。しかし、年間6100万人の命を預かっている会社が舞台では笑ってもいられない。
日本航空の内紛が発覚して約2週間が過ぎた。役員は収拾を探り始めたが、末端の混乱が収まる気配はない。24日に予定されていた中期経営計画の発表が来月に延期されるなど、内紛は経営の根幹にも大きな打撃を与えている。
日航は今期、470億円の税引き後損失を計上する見通しだ。純資産も1700億円に減っている。再建策を早く実行しないと債務超過が避けられない。内紛にうつつを抜かす余裕はないはずだ。
すべての役職員が危機感を共有し、正常化を急がねばならない。幹部、とりわけ持ち株会社の役員の責任は重い。
旧日本航空と旧日本エアシステムが統合した現在の日航は、持ち株会社の下で国際線と国内線の事業子会社が運航に当たっている。内紛は国際線会社の取締役4人が、管理職約50人の“連判状”を携え、持ち株会社の社長ら代表取締役3人の退陣を迫ったことから始まった。
日航では、深刻な運航トラブルが続いている。昨年3月には国土交通省から異例の事業改善命令を受けた。だが、その後も着陸機のタイヤ脱輪、飛行中のエンジン異常燃焼など、大事故につながる恐れのあるトラブルが止まらない。
企業イメージが下がり、乗客離れが進んでいる。原油高に伴う燃料費高騰にも見舞われている。複合的な要因による赤字転落だけに、再建は容易ではない。
経営陣は昨年秋、赤字対策の一環として、一般社員にも10%の基本給カットを提案した。しかし、労組の反対に遭い、実施をあっさり先送りしてしまった。求心力の低下は目を覆うばかりだ。
造反役員は、今の経営陣の下では業績不振を打開できないとして、退陣を要求した。だが、造反側も運航や安全対策などを陣頭指揮すべき職責にあり、「目くそが鼻くそを笑う」印象を免れない。
旧日航は伝統的に派閥争いの激しい企業と言われてきた。旧エアシステムと統合したことで、内輪もめが一層複雑になった、とも指摘されている。
労組が九つに分かれているため、合理化は遅々として進まない。機材が老朽化し、運航費のコスト競争力も弱い。路線の見直しも不十分だ。直ちに改善しなければならない課題は山積している。
一昔前なら、監督官庁の国交省から最高首脳が送り込まれただろう。だが、完全民営化を果たした今は違う。経営者が全社的な結束を図るほかない。利用者の視線は厳しさを増している。(2006年2月27日1時39分 読売新聞) ←引用終わり
誰が見ても、不思議な争いです。自らの「経営政策や戦略は正しい」と主張するわけです。本当に、いずれの側の政策や戦略も正しいようで間違いもあると考えるのが、普通の市民感覚ですが、そこはJALのことですから、東京大学を卒業した人を頂点に、絶対のピラミッド人事が貫徹されていますから、末端の職員などは「虫けら」みたいなものです。何よりも、自らの権力維持と自己保身が先決です。
空港の第一線で働く職員は、もう、その殆どが「パートナー会社からの派遣職員」です。末端のコストを削減して、本質的な「親方日の丸」に該当する分野のコスト削減はしない。美味しいところは削減されたくないからです。パートの職員は空港の第一線で頑張りますが、それでも失敗します。失敗すれば、客はクレームをつけます。クレームを受けたらスタッフを入れ替え(つまり解雇)ます。ですから人材が続きません。またクレームが生じます。何度か繰り返しているうちに、「JALはダメだ!」という顧客の声が大きくなります。客は、他の航空会社を選択しますから客は減ります。すると、キャンペーンをやり、実際的な価格を下げるか、代理店マージンを増やし、一時的に客を集めますが、その分経費増を招きますから、業績が悪化します。悪の循環構造の中にあることを、現在の経営陣は、失礼ながら、どの人も認識を欠いておられます。残念ですが。
誰が、トップになっても、今のままでは同じ事です。
JALと航空事業を、こよなく愛する利用者(1/6100万人)の一人として。
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コメント
こんにちは!年間100フライトとはスゴイですね!
「日の丸航空(JAL)」再建のためには、人・物・金の癒着を完全に隔離する事から始めねば出来ない事でしょうね。天下りや空港開港へ向けての公的資金導入、大昔に決定した開港についての見直しもなく不要な空港をドンドン作る。
ぜ~ったいに良くはなりません。
「環境整備」が旧態依然のJALには不可欠かと思います。不要なものを徹底的に落とし、活人・活物・活金に徹してもらいたい。少なくても間接的に税を私達も納めているのですから・・・
投稿: flight2005 | 2006/02/28 14:51
コメントを頂戴しましたので追記します。
年間、100フライトは、JALとANAを利用し続ける者として、他人事ではありません。株価も低迷し企業価値は低下するばかりで、話になりません。末端の派遣スタッフは、涙ぐましいばかりのガンバリですが、空港の第一線でも管理者に近づくと、言い逃れと自己責任の回避を狙う言動が目立ちます。経営トップの発言と同じで、「自分は努力している、しかし、他の人(部門)が同じように努力しないから」と言い抜けようとします。
「いま、目の前で生じている事態は、あなたの責任範囲でしょう!」と指摘しても、「そう、言われても、会社の規定もありますし・・・・・」などと言い逃れ巧妙に責任回避を忘れません。新町社長の会見も、追及する側の役員の退任要求理由も同じレベルです。そこに自らの仕事、社の業務という視点がありません。何よりも「人命を預かる航空事業」という概念は、自らの誇りと自己利益のために用意された言葉に過ぎず、背筋の寒い思いに包まれます。航空事業は国の利益と直結しています。従って、いろいろな政治介入を招きます。その力を利用して自らの事を図ろうとする輩が出てきます。
今回のゴタゴタは、自己完結させるのではなく、まさに、この政治による介入を狙って(待つ)いるように見えます。情け無い人達だ・・・!
投稿: コラム管理人 | 2006/02/28 10:22
はじめまして。
「何よりも、自らの権力維持と自己保身が先決」、同感です。私は航空業界に明るいわけじゃないのですが、報道から見えるアウトラインを追っていくと、JALほどの大会社でも蝕まれてしまうことに驚きを感じますし、どこでもそうなんだな、と苦笑もしています。
TBはらせていただきました。これからもよろしくお願いします。
投稿: お疲れ | 2006/02/28 09:39