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2006/02/15

日本の資源外交を取り巻く最悪の環境!

13日に記述したロシア関係(外交政策)についてを含めた第2弾です!

runationalflag ロシアは、現在、世界最大の産油国になったこと。その結果、石油輸出により膨大な資金を有する国家となり、ついこの間まで「その日の資金に困っていた頃とは様変わり」していること。その結果、莫大な資本を欧米諸国(日本も含め)から導入(借入れ)し巨大な「債務国」となっていた。

しかし、ここ数年、アゼルバイジャン地域を軸に油田開発を進めた結果、大きな成果を得ることができた。イスラム教徒のチェチェン人が、帝政ロシアの時代に併合されて以来、踏みにじられ続けた民族としての権利の回復と、チェチェン共和国として独立を達成すべく、ロシアを相手に武力解放戦争に出た。これをロシア内における過激派武装勢力によるチェチェン紛争(戦争)と世界は呼び、チェチェン人の主張に耳を貸さず、多くの場合ロシアに好意的な見解を示し続けた。

ロシアにとり、チェチェンを失うことは、直ちにアゼルバイジャンの独立志向を刺激し、黒海沿岸を含めた資源戦略に支障を来すため、ソ連邦時代のゴルバチョフ、ロシア共和国としてのエリツィン、プーチンともに、実に強硬で大量の軍隊を送り込み、徹底した弾圧を加えチェチェン人を抹殺するかの戦いを展開した。とりわけ、プーチン政権になってからの、チェチェン戦争は悲惨を極めたと理解されている。それでも、プーチンのロシアはチェチェン人武装勢力を追い払い、戦略上の要諦であるチェチェンを確保し、アゼルバイジャンの石油資源を難なく占有した。以降、ロシアは石油資源によるお金持ち国家への道を手に入れたのである。そして先日の「債務国」から「資本供給」を担う「債権国」への転換表明となったのだ。

ロシアは、今後、世界の中で「石油と資金」にモノを言わせる「外交攻勢」に出ることだろう。さて、それでは日本の外交、とりわけ「資源外交」は、どこをどう向いているのだろうか。興味深い記事を日本経済新聞が2月14日の朝刊で示している。

引用開始→資源外交 手詰まり感 「核」「歴史」「領土」が影 (日本経済新聞2/14朝刊2面)

 政府の資源外交に手詰まり感が漂ってきた。イランのウラン濃縮活動再開で同国への経済制裁論議が加速し、2008年を予定するアザデガン油田の共同開発計画が停滞することへの懸念が高まっている。東シナ海のガス田開発や東シベリア石油パイプライン構想を巡る中国、ロシアとの交渉も難航。核や歴史認識、領土の問題が影を落とす形になっている。

イラン外相 27日に来日 「イランの態度を変えるために議論を呼び掛けて、説得に努めなければならない」。谷内正太郎外務次官は13日の記者会見で、イランの核開発問題について各国と連携して中止を求める考えを示した。外務省で同日開いた米豪やアジア諸国との局長級の核不拡散協議でも「イランは国際社会の懸念を解消すべきだ」と中止を求める意見が大勢を占めた。

 麻生太郎外相は27日から3日間の日程で来日するイランのモッタキ外相との会談で、核開発の中止を促す方針だ。アザデガン油田はイラン南西部に位置する未開発油田で推定埋蔵量は53億ー260億バレルと中東最大級。事業総額の25%をイラン側、75%を日本側が負担する。

 05年の日本の原油輸入先でイランはサウジアラビア、アラブ首長国連邦に次いで第3位。アザデガン油田が本格的に開発されると日本が輸入する自主開発原油は50%増す見込みだ。ただ、米国はイランの核保有を阻止するために、関係国に経済制裁を働きかける構えだ。米国との同盟関係を考えれば、日本がアザデガン油田の開発を積極的に進めるのが難しくなる可能性は否定できない。

ガス田開発に「靖国」響く 「小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題が解決すれば明日にでも再開する」。10、11両日の次官級の日中総合政策対話で、中国の載秉国外務次官は首脳の相互訪問などを要求する谷内次官に伝えた。東シナ海のガス田開発問題で谷内次官は排他的経済水域(EEZ)の境界線(中間線)の両側での共同開発を重ねて提案したが、載次官は否定的。靖国参拝を巡る歴史認識の違いが、ガス田開発問題にも横たわる。

ロシアとの折衝も劣勢 東シベリアからの石油パイプライン建設を巡るロシアとの折衝も劣勢だ。昨年11月の日ロ首脳会談で太平洋側まで一括して敷設する日本案が退けられ、ロシアが主張した二段階方式で決着。需要が確実な中国向けの支線が先に造られる見通しが強まった。

 パイプライン建設交渉の底流には膠着(こうちゃく)する北方領土問題が影響している。日本は「北方四島の帰属問題を解決した上で平和条約を締結する」と明記した1993年の東京宣言を基に交渉する予定だが、ロシアは「お互いの現状を認識し、両国が受け入れ可能な解決策を探り始めた」(プーチン大統領)とけん制。駆け引きが続いている。

注:日本の原油輸入先(経済産業省速報値)

サウジアラビア29.0% アラブ首長国連邦24.5% イラン13.8% カタール9.6% クウェート7.5% その他  ←引用終わり

いかに、省エネと叫ぼうが、あるいは、スローライフを志向しようが、日本は基礎エネルギーの全てを海外に依存する国である。「石油、天然ガス、石炭」を全て産出国に頼る以外に手段を持たないことを本当に認識する必要がある。大きな声で、いろいろ主張してみても、資源産出国のどこもが、誰もが「日本」を支持しなくなれば、そこでお終いである。

日本ほど、イランでの石油開発で、ツキのない国はない。何度も友好な関係性を構築しイランの石油開発に挑戦し続け、一度は「パーレビ国王の体制が崩壊した、イランイスラム革命で頓挫」した。二度目は「隣国の悪党、フセインが、イランの混乱につけ込み、戦争を仕掛け、いわゆるイラン・イラク10年戦争の結果」、投下資本は灰燼と帰し、開発を推進した巨大商社は瀕死の状態に追い込まれた。そしてこの度、国を挙げて取り組んだアザデガン油田開発は、あと一歩のところで「イランの核開発疑惑に、米欧が難癖をつけ、戦争の危機に瀕し始めた」。これでまた、日本はイランへの開発投資を捨てさせられるのか。国家としての生命を賭けなければならない状況に追い込まれつつある段階で、それでも、「アメリカが右向け右と指示したら、絶対に右を向かなければならないのか?」。イランも、真剣に考えてもらいたい。日本は、日米安保(同盟)以外に、もっと真剣に資源外交を考える時期だ。

加えて、中国は、東シナ海では「ガス田」開発を急ぎ、実際的な権益を手中にしようと懸命である。南シナ海のトンキン湾では、ベトナムに働きかけ共同で「ガス田」開発着手しようと必死だ。それでも中国の基礎エネルギーは不足するため、中東原油の輸入量拡大に必死で格闘(昨年10月~11月のコラコラコラムで、中国のエネルギー戦略とASEAN市場の関係性を解説済み)で、その上、ロシアからは東シベリア天然ガスのパイプラインを確保したわけである。何よりも、中国とロシアは、天然ガスだけではなく、カスピ海沿岸地域の石油資源を中国へ輸送するパイプラインも完成させているのだ。

のんびり構えて、北方領土と靖国を解決できないまま、その日その日をやり過ごしているわけにはいかない。一時は、北方領土を我が事のように絶叫したくせに、選挙が終わり、票にならないと見るやいきなり、「政府主催の北方領土返還要求大会」に出席もせず、代理も送らず、メッセージも示さない(ある意味で無責任といえる)内閣総理大臣の下で、本当に外交は思いつきではなく戦略機能を果たしているのだろうか。「中国」「国連」「ロシア」「北朝鮮」。一切合切、いずれもミスだらけではないのか。「アメリカ」一辺倒で、何も考えずに追随追走するだけだった「日本の外交」は危機に瀕しているのではないか。

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