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2006/02/05

中東各国は統治能力を示して貰いたい!

ヨーロッパ的な「言論表現の自由・出版の自由」とイスラム社会の「伝統的価値観」は、本当に相容れないのか、それとも誤解が積み上がっただけか。

熱心でもない仏教徒の端くれには分かりかねる点も多いこの問題。どのように展開するのでしょうか。シリアでデンマークとノルウエー大使館に侵入し放火するという行為があったようですが、イスラム社会の伝統的な価値観に、一国のメディアが触れたからといって、それを理由に主権国家の大使館に侵入破砕し放火するなどもってのほかというよりない。誤解の積み上げを解くには「双方が冷静に話し合う」こと以外に方法はない。一度、話し合い合意に至ったことが、なぜもう一度、話し合うことができないのか?

いかなる理由があろうとも、その行為は愚かな行為である。また、それを阻止できなかったシリア政府は、世界に向けて、自らの統治能力のなさという大恥をさらしたことになる。昨年の初夏に北京や上海で生じた、無法な中国人の反日デモを取り締まらず、逆に煽った疑いも払拭できない中国政府と同じで、もし、この度のことでシリア政府が意図的な不作為であれば、国際社会におけるシリアの立場は急激に悪化するだろう。それでなくても「シリアのアサド体制」の評判はよくないのだし、アメリカも隙あらばと狙いをすませているにも関わらず、こんなことを続けていたら欧米各国はイスラム社会と本当に対峙してしまうのではないか。「文明の衝突」は回避されなければならない。

もし「欧米を軸にしたキリスト教的価値観に軸足をおく文明と、イスラム文明が本当に世界規模で衝突したら」そのときは、ユーゴはサラエボで繰り広げられた惨劇が世界規模で生じてしまう。イスラム社会の宗教指導者は、今こそ人としての知恵を必要としているのではないか。

palestineflag 過日のコラコラコラムは、パレスチナの友人からの求めもあり、「パレスチナ議会選挙で『ハマス』が圧勝した結果を、欧米各国とイスラエルは認めよ」との主張をした。それは、イスラム社会の闘いの原点でもある「パレスチナ問題」に、全世界が等しく向かい合うためには、公正な選挙で示された「パレスチナの民意」を尊重することが、まず基本だからであって「民主主義」が維持されるかも知れないからだ。パレスチナでも、イスラム原理主義を掲げる「ハマス」の統治能力が厳しく問われることになる。

中東各国の政治は「イスラム社会」が基本的に抱える「イスラム原理主義」の潮流に対し、今後、どのように対処するのだろうか。イスラム社会は、一度「イスラム原理主義」に傾斜すると止めどなく破壊へ向かうのだろうか?これは、実際に「イスラム社会」でも受容されにくいのではないか。このままでは、「文明の衝突」は現実の主題となりかねない。本当に中東各国の政治的統治能力が問われている。

イスラム社会は、偶像崇拝を否定する「ムハンマド」を、偶像化するなどもってのほかという理由だろうし、ましてや、原理主義を掲げる神聖なイスラム教徒を自認する側には「ムハンマドを茶化すなどは許されない」のだろう。だからといって、外国の大使館へ侵入破砕する行為は、実際には戦争行為である。侵入破砕した側は勢いで起こしたことだろうと考えたいが、絶対に許されることではない。シリア政府は、どのように関係各国へ謝罪するのか。

「イスラム原理主義」は、なぜ寛容を示せないのか。浅学な知識で申し訳ないが、イスラム社会の本質は、人に対し優しい社会が基本じゃないですか。それが、アメリカとイスラエルの手法が許せないからといって、あらゆる事に突破口を求め暴力手段に訴えても、事態の本質的な改善は図れないのではないか。「戦争は勝っても負けても、戦争で豊かさが手に入ることはない」。世界はもう一度、この事実をよく認識する必要がある。

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