ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第57号
ウィークリー・ベトナム・ニュース
■ 平成18年4月8日 土曜日 第57号
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■ こんにちは!!
今日もここ一週間のベトナムの主なニュースをご笑覧下さい。
翻訳は直訳とせず、日本語に馴染む意訳としておりますので、ご注意下さい(笑)また、訳者の独断と偏見を交えた辛口寸評を入れてみました。内容が片寄り、言葉が多少過ぎる箇所も多々あろうかと存じますが、これもベトナムを愛するゆえの諫言とお許し下さい。誤字・脱字はご愛敬ってことでお願いします<(_ _)>
尚、記事の転送は営利目的以外なら原則自由ですが、自己責任において行い、その中で被った被害・損害に対し筆者は責任を負えませんのでご了解下さい。
ベトナム・ニュース その57 今週のヘッドライン
* 4月03日(月) 携帯電話でステータス
* 4月04日(火) ハイエンド目安箱
* 4月05日(水) 租税自己申告制度導入
* 4月06日(木) 東西経済通路第二回会合
* 4月07日(金) 致死率高い感染症の侵入
* 4月08日(土) 海外労働者派遣を協議
4月03日(月) 携帯電話でステータス
*たぶんハノイの人々は、携帯電話フリーマーケットと一般的に呼ばれているDang Dung通りの名を忘れても許されるのではないだろうか。以前、この通りはとても静かで、知る人ぞ知る程度の小道だったが、今日では中古携帯電話を扱うお店が建ち並ぶ有名な市場として大勢の人で賑わいを見せている。
中古携帯電話は多くのベトナム人にとって手に入れやすく気軽なツールとして様変わりを見せ始めているのだ。ほんの少し前まで携帯電話の所有者の多くは裕福な家庭の学生たちで占めていたが、しかし今は中間層の学生たちばかりかを貧しい家庭の学生ですら可能となってきた。
携帯電話ショップを覗けば、古い機種から最新のもの、あるいはサムソン・ノキア・モトローラまでお客たちは携帯電話技術を確認し買い求める姿がそこかしこにある。ショップオーナーのTuan Linh, Dai PhatさんやTuan Haiは、お客さんに対し、好みと予算に応じた商品の的確なアドバイスを与え、商品知識を提供している。店員とお客は店内で最新技術の話題に花を咲かせ、ワイアレスブルートース技術・MP3・メモリカード・イメージ編集・画像転写技術談義に夢中になっている。
若者たちは最新機種を所有することに熱を上げ、それはひとつのステータスシンボルとなって、携帯電話メーカー及び販売店の開発・販売競争をさらに激化させる要因となっている。
業界のHoang Bao Nguyenさん曰く、携帯電話の開発は各メーカーにとって避けることのできないノルマであるという。というのも、携帯電話自体、もはや単なる電話と仕手の機能ばかりか、個性や好みを外にアピールするための小道具であり、さらに云えば所有者の社会的身分を代弁するアイテムなのだそうだ。
彼の友人Tungさんは、携帯電話ユーザーが多機能な最新モデルを所有すること、これ即ち高額機種で個人の収入を他者に暗に知らせるものなのだと補足した。
多くの若者たちはユニークな自己主張を携帯電話を通して行う為にしばしばショップへ通い余り一般的ではない自動車の衝突音や葬式での泣き声・幽霊の声などの着信音をダウンロードしに行く。例えば、Thanh Phongさんの着信音は次のようなものだ。「あんたの醜いかみさんから電話だよ!もし電話に出なかったら首を絞めて殺してやる」ぞっとするけど、面白い。
情報技術は日進月歩の発展をし続けており、携帯電話市場は常に最新機種の導入が図られている。若者や裕福な人々にとって、日々変わる最新機種所有に限界はない。結果的に、数度しか使っていない携帯電話や数週間で売却されるそれらがDang Dung通りの店先に安価で並ぶことになるわけだ。貧乏な職業の代表格とされるバイクタクシードライバーも、今日ではベーシックモデルの携帯電話所有が可能となり、お得意さんから乗車予約の電話を受けられるようになった。
Dang Dung通りの携帯電話ショップでは売買以外にも修理や損傷し割れやヒビが入った電話の復元も行ってくれることで知られている。携帯電話蘇生ビジネスでは、水に落としたもの・バイクで轢いてしまったものまで扱っている。尤も、買い手は蘇生されたものが混ざっていることも念頭に置いて購入することが必要だが、修理されたものの使い勝手に問題が生じることは先ずないという。
ハノイのDang Dung通り界隈にあるChua Boc通りやThai Ha通りでも最近は携帯電話ショップが立ち並ぶようになり、ホーチミンでも同様にHung Vuong通りやBa Thang Hai通りなどが、携帯電話シーカーで賑わいを見せている。とにかく、これらのショップを利用する際は価格や機能性のみならず不良品を掴まされないよう心がけることが重要である。
(辛口寸評)
携帯電話がステータスシンボルになっていることは身の回りにいるベトナム人を見渡せば、納得が行くだろう。中には、ワザと携帯電話をこれ見よがしに見せながら電話をし始める輩も多く見かける昨今だ。日本では、通話料が高く設定し、携帯端末の価格を抑えた販売方法がとられているが、ここベトナムの端末の価格は非常に高い。新品ならUS100~1000$とその種類も多く存在している。故に、中古市場の形成に繋がっていることも頷けるというものだ。
さて、最近 日本から持ち込んだ自分の携帯電話をサイゴンのショップで改造してもらった。筆者の携帯は、海外ローミングサービスが利用できるタイプのものでシムカードがついている。ベトナムで利用している携帯電話ももちろん、シムカードだ。かねがね、日本の端末でシムカードを変えるだけで、韓国人たちのように同じ電話が使えないものだろうかと考えていた筆者だったが、ベトナムで簡単に改造が可能であることを友人に教えてもらい、早速、依頼するとほぼ半日で処置をしてくれた。価格も邦貨で1600円程度であった。日本と海外の行き来が多い人々には実に重宝する。
但し、改造に違法性はないものの、一旦、改造をすると日本での正規保証が受けられないので、注意が必要だ。尤も、ベトナムに住む日本人であれば壊れたら記事にもあるようあらゆる修理を安価で提供してくれるので、余り気にすることもなかろう。
4月4日(火) ハイエンド目安箱
*先週、火曜日のハノイの天候は肌寒い一日だったが、Nguyen Chi Thanh通り79番にある天然資源省会議室内は息が詰まるほどの熱気に覆われ、会議のトップ、天然資源相Mai Ai Truc氏は汗だくで参加していたほどだった。その近くでは5人の部下が省初めての試みで何百ものオンライン・フォーラムの質問に答えるため夢中にキーボードを操作していた。土地管理と環境に関する一般の議論のためにサイバースペースを使うという決定は、ベトナム中で先例のない反応を誘発したのだった。およそ30台のコンピュータのランダムアクセスメモリ、そしてラップトップとPCだけでは同時に、全ての問題を処理するのに十分でなかったのだ。
土地管理を監督する立場にある副大臣Dang Hung Vo氏は、彼のポートフォリオについての質問に返答するには彼の2本指タイピングでは不十分なスピードでもあった。午前8時に開始したフォーラムは、午後4時半には終了する予定だったが、殺到する質問に答えるため結果的に延長せざる負えなかったという。120人の同省役職者と役人が動員され、答弁に臨んだ。FPTテレコム社はフォーラムに先駆け、見込まれる質問量に対応するため容量を増加し、且つハッカーからの攻撃にも対処するよう求められたのだ。
2500件の質問が寄せられ、内70%が公害より土地に関するもので、土地登記課からの回答を望むものだった。多くの都市住民の中でも、特に定年退職した国営企業スタッフでインターネットに不慣れな人々はフォーラムに直接参加した。今年71歳になりフランス在住のDien Van Huongさんは、ハノイに個人所有で家屋を買うことが可能か質問した。それに対し、回答は可とした。またHuongさんのケースではベトナムの不動産会社を通じ必要書類を揃え、購入が出来ることも付け加えたという。
他方、最近ハノイ市に建築されたThang Long国際村の住民たちは、ここのアパートの土地所有権に関し、建設業者に責任があるのかそれとも自分たちにあるのか知りたがった。これに対する回答は、建設業者と住民たち当事者同士の話し合いによって決まるとのことだった。ハノイに住むNguyen Thi Lanさん曰く、オンライン・フォーラムは劇的なことで嬉しく思うものの、貧しい農家などはウェブを活用し参加することがままならないと心配を覗かせた。彼ら農家の人々にとってハイテク技術はまだまだ、現実的でないと、、、、。これに対し天然資源相は、オンライン・フォーラムに参加出来ない人々の為の機会を設けると約束した。
多くの質問が寄せられた一方、役人が不正に公有地を転売する非難や抗議も相次いだが、これらについては各自治体へ持ち込み是正を図る旨の返事をしただけだった。同省は、オンライン化により、メール・電話を用い相談が図れるよう計画を推進してきた。これが可能となることによって、同省に対する連絡がスムーズになり、公共の意見を反映し案内してゆくことが出来るためだ。オンライン・フォーラムはインターネットを駆使し、省内の政策を改善させることに繋がるだけに留まらず、庶民の懸念事項などを速やかに収集・分析し、本当に必要な施策を打ち立てることになるという。
今後も同省は今回同様 オンライン・フォーラムを開催し、その日の内に回答を提供できるよう努めたいという。これまで不十分な方針と法律は、特に土地で、ひどい結果を生み出しましたと、大臣はいう。その結果、多くの欠点が土地管理とその手順であり そして、これらをローカル問題として扱うことを非常に複雑にしてきた経緯がある。同省大臣官房Trieu Van Be氏は、土地論争に起因する質問はオンライン・フォーラムだけ回答することは難しいものの、このようなイベントを活性化してゆくことによって、市民により多くの知識を与え、解決を見つける糸口提供に役立つことだろうと結んだ。
(辛口寸評)
オンライン・フォーラム導入というが、ベトナム人が今現在、これを使いこなして行けるだろうかと考えるだけ疑問に思えてならない。新聞記事では、そのあたりの細かい説明がなされていないので、何ともいえないが、最後のパラグラフ内のTrieu Van Be大臣官房氏の言葉がある程度、今後の流れを暗に伝えている。
つまり、面倒な土地争議などに省は首をつっこむことはあり得ず、単に目安箱の機能しか持たせていないということなのだ。
尤も、即日回答をするとはいえ、土台、一定の期間も持たせず即日で返事をするなどというところに無理があることを彼らは気がついていないのだろうか?尤も、お座なりの模範回答だけ行い、後は他部署の管轄ですと責任を転嫁するだけの機能であれば、即日回答も出来るのかも知れない。要するに目安箱となるのが落ちだろう。
4月5日(水) 租税自己申告制度導入
*ベトナム徴税局は、最近、自営業者や同族会社の納税者に対して、自己申告方式の確定申告を来年初旬から導入すると発表した。徴税局局長Nguyen Van Ninh氏に因れば、この新方式が導入されれば行政手続が簡素化され、対象納税者からの税の徴収が活性化シ、国家予算の歳入が確固たるものになるだろうと述べた。
Quang Ninh,省・Binh Thuan省・ Ba Ria-Vung Tau省・Dong Nai省・Thua Thien-Hue省・Khanh Hoa省・An Giang省、それにホーチミン市及びハノイ市の9つの税務署では既に昨年から試験的に導入した確定申告制は、好成績を収めており、従来の方式より、高い収税率を記録したという。中でも、Binh Thuan省・Dong Nai省の収税率は他を圧倒する伸びを見せ、昨年1月対比で9~48%増加した。
徴税局は先の9つの税務署が行った試験プログラムから浮き彫りされた収税に関する問題点を集約し、今後の会合で具体的導入に向け、政府の政策作りに反映させて行くとしている。
また、同局は全国規模での導入に先立ち、課税率の高い税金を少なくとも昨年度より205の引き下げを行うよう全国の税務署に指示を出したという。
ベトナム徴税局副局長Pham Duy Khuong氏は、試験的な自己申告制度の導入は納税者の反応を窺うためのリトマス試験紙だったが、彼らから前向きな回答を得られた事により、本格導入も全国規模で受け容れられるだろうと結んだ。
(辛口寸評)
「信じられない!!」この記事を読んで、頭に浮かんだのは、この一言である。ベトナム人相手に自己申告確定申告制度を導入するなんて火に油、それで足らなければ自殺行為だとしか、筆者は未だに考えられないのだ。試験的導入での成功を収めたとはいえ、一体、何を基準にしての成功かは記事から読み解く事が叶わないが、少なくとも、今回、対象となった納税者は自営業者及び同属会社というのは、この国では一般的に脱税行為をして当たり前の世界に生きる人達であって、脱税のMVPとも言える人々であることを忘れてはならない。翻って、脱税というと日本人にとっては聞こえが悪い犯罪行為なのだけど、役人に賄賂を最も絞られる対象の人々でもあるので、一概に悪者と決め付けるのは早計だろう。
筆者はこの分野の専門家では無いので、今後 会社経営を通じどのような展開をして行くのか、静かに見届けるしかない。上に政策あれば下に対策ありのお国柄。一筋縄では済まないだろう。それとも、外国企業並びに一部の国営企業からの徴税だけで充分、税が賄いきれるのだろうか?仮にそうだとしたら、それらの企業はいい面の皮になる。
4月6日(木) 東西経済通路第二回会合
*先週、日曜日にホーチミン市で3日間にわたる東西経済通路(通称:トランスアジアハイウェイ)会議が開催され、工事ルート上の整備に対する投資の機会が増大したとの見方が確認された。工事完成の暁には東のDa Nang港からミャンマーのアンダマン海までの1,500キロの区間で結ばれることになる。アジア開発銀行メコン課Paul Turner課長に因れば、今回の第二回会合で最新の工事進捗状況を大メコン地区各国政府並びにシンクタンクと共有することができ、このプロジェクトが如何に魅力的な投資材料なのかを広く喧伝し、やがてベトナムを含めた地域の生活向上に繋がるだろうと述べた。東西経済通路はアジア開発銀行が主導した経済通路の中では、最長のものでベトナム・ラオス・タイ・ミャンマーをリンクする。
今回の会合の共催したベトナム商工会議所副会頭Hoang Van Dung氏は、今回の会合で東西経済通路の工事の進捗状況はもちろんの事、周辺事業のITインフラ整備・シップメントの迅速化・人や物の行き来に関するルール作りの進捗も知ることができ、特に物流システムの構築は貿易や投資の呼び水となり経済発展や地域生活向上に欠くことのできない要素であるとともに、東西経済通路は物理的な距離を縮めアジア・太平洋州の国々とインドとの経済交流コストの引き下げに寄与するだろうと述べた。
前回、昨年7月に中国の昆明で開かれた大メコン地区サミットで加盟各国の6名の指導者たちは、域内の物流ネットワークを早期に完成させ一大マーケット形成の重要性を認め強調した。
今のところ60社の企業が、ベトナム・ラオス国境沿いのQuang Tri省Lao Bao 国境経済ゾーンで投資を行っており、東西経済通路プロジェクトに関る事は企業にとって多大な利益をもたらすだろう。しかし、現時点に於いては未だ動き出したばかりのプロジェクトであることを念頭に置き、大メコン地区に住む次世代の人々へ多大なインパクトを与え利益を産み出す可能性が非常に高いのだと、Turner課長は説明した上で、東西経済通路を本物の経済通路にしてゆく為にまだやるべき事がたくさんあり、各国間での人・物の流れについての合意を早急に取りまとめる事が重要だとの認識を示した。加えて、国際道路網運営に必要な適当なセーフガードを取り決め、女性や子供の人身売買などネガティブな取引を助長させるようなことがあってはいけないとTurner課長は結んだ。
(辛口寸評)
ドド~~んと さも、東西経済通路プロジェクトヘ投資をすれば、美味しい利益が見込めるとばかりに会合では宣伝されたようである。もっとも、アジア開発銀行の担当課長は、そこはお役人らしい発言で、「次世代を見越した投資」つまり、直ぐには金にならないけど、将来的には利益を産みますよとさらりとつけくわている。もちろん、この大メコン地区の道路網整備は、域内での商業活動に多大な利益をもたらす事はまちがいないだろう。しかし、うまみのある投資案件はベトナムに於いて政府と強力なコネクションを持つ企業だとか、外資大手が根こそぎ牛耳っている事を忘れてはならない。総てが美味しいとは云えず、中にははずれも多く混ざっている事を念頭においてプロジェクトに慎重な姿勢で参加する事が望ましい。しかしながら、筆者の会社には全然、声もかけて貰えぬ案件である事だけは確かだが・・・・。
4月7日(金) 致死率高い感染症の侵入
*無知・文盲、そして問題への認識不足が、結核及びB型肝炎のような致命的な病との闘いに我が国は対処してゆくという。大部分は農村地帯の貧しい人々に甚大な影響を及ぼして、問題はさらに重要性を増している。しかしこれまではそれに対処すべき立場にある人々でさえ顔を背けてきたのだ。既に定年を迎え今年60歳になり、ハノイの民間病院で女医として働くNguyen Thi Loanさんは、彼女が彼女の親族がこれら病気の感染者と知った時、初めて彼女は問題の重要性をを理解したという。はじめにLoanさんは彼女の生まれ故郷、北部Phu Tho省に戻り、外見は健康そうに見えた近親者の一人をハノイへ連れ帰り、健康診断を受けさせたところ、彼は結核で陽性であったことが判明した。陽性と診断された彼自身、結核の知識は全くなく、恐らく随分前から感染していたのだろうと、Loanさんは考える。取り敢えず、彼に処置方法の知識を与え、田舎へ帰したのだった。その後、同じ故郷の村からやってきた18歳の甥を検査して見たところ、今度はB型肝炎に罹っていることが判った。
Loanさんに因れば、感染者自身が感染を認識すると愕然とする。その為、彼女は対処法を教えると共に、それがどんな病気であるのかを明らかにし、処置のアドバイスを与え、別の感染を防ぐ手立てを丁寧に進めねばならないとする。我が国で最も深刻な問題は、感染者自身の多くが自分が感染している事を知らずにいるケースが多いばかりか、事業主も従業員採用時に健康診断をせずに採用してしまう事で、感染が広がって行ってしまうと彼女は憂う。ジャーナリストの Thanh Maiさん、時にお手伝いさんを健康そうに見える人を雇うという。家庭と仕事を両立させる二児の母Maiさん自身、お手伝いさんを雇うときは忙しさの合間を縫って、求職者を健康診断に連れて行き、採用決定は診断結果を観て判断しているという。反面、彼女の多くの同僚達はお手伝いさんの採用を意見と職能だけでしか決めていない。尤も、Maiさん自身、仕事の忙しさにかまけて自分の健康診断はしたことがないとの落ちがつくものの、出来れば職業安定所などが健康診断制度の導入をして欲しいという。
これに対し、ハノイの職案スタッフHoang Thi Hoa さんは、健康診断を求人者に受けさせること自体、それほど難しくはないという。しかし、一般的な雇用者の立場からするとスキル重視で、それさえ好ければ多少健康面に不安があったとしても採用するので、職安としては健康証明書提出を義務付けていないとのこと。ハノイ市労働傷病兵社会課副課長Do Thi Xuan Phuong氏曰く、大都市では家政婦の需要が高く、残念ながら質より量が重視される傾向にあり、私的に雇用される家政婦に対する保護制度自体未整備というのもあって雇用側への義務化も促されていないので、労働省が本格的な法制化に取り組むべきところに来ていると語った。
(辛口寸評)
工場従業員の場合、国の定める労働基準法に則り、年に一度の健康診断を受けさせなければならない。当然、食品業に携わる弊社もご多分に漏れず、各社員にそれをしてもらっている。しかし、この国のローカル企業の場合、多くは企業規模の大小・業種・形態に拘わらず、前従業員の健康診断を実施するところは、実は少数派に過ぎない。例えば、季節労働者の場合、期間限定雇用であるため、繁忙期の急場凌ぎの人手に企業は賃金以上のコストを掛けないのが実情だ。もっと怖い事に正社員であっても経営者はコストを切り詰める為に、従業員の極一部に保険や健康診断をさせるだけで、その他 大勢を除外していることさえ一般的なのだ。
ここへ来て、今回の記事で浮彫りにされたのが、家庭の「お手伝いさん」の健康である。確かに、家政婦に健康診断をさせることは、ほとんど聞かないし、外見と職能だけで採用している。大人ばかりの家庭ならまだしも、小さい子供やお年寄りがいる家庭では、抵抗力の弱い分、容易に感染してしまうだろう。防ぐ手立ては、国が家政婦に対する健康診断の義務化と強固な罰則規定を設け早急に法制化し、感染症に重点を置いた国指定病院制度の確立にある。なぜなら、健康証明書などの発行は、どこでもほんの少しのお金を払えば"買えて"しまうものなのだから。。。参考までに、日本の肝炎情報センターのウェブサイトを掲載しておく。http://kaneninfo.at.infoseek.co.jp/
4月8日(土) 海外労働者派遣を協議
*第9回国会審議が5月16日から6月27日に掛けて開催されることになったと、国会運営事務局Bui Ngoc Thanh 事務局長から発表された。35日間の会期中に昨年の国会で議論された7つの法律案が通過する予定で、16の新たな法案とひとつの決議案について話し合いが持たれることになっており、また代議士たちは国民から提出された嘆願書に求められている不満を解決するために、社会経済問題解決方法を協議して行くとNgoc Thanh事務局長は付け加えた。国会議長Nguyen Van An氏は各代議士に質疑応答セッションにおいて手順の迅速化を求め、2日半にわたる内閣閣僚と代議士の間で真剣な協議を行って貰いたいと注文をつけた。議長はまた、政府事務所が議会のために労働者とレイオフによってストライキに関する評価レポートの準備を依頼し、出稼ぎ海外労働者取扱いが決定している法案は、労働傷病兵社会省大臣Nguyen Thi Hang氏から3月28日付けで常任委員会に提出されたと発表した。
この法案は海外派遣労働者の権利と派遣企業の責任を明確にしたもので、これ以外にも国外労働者市場の形成や労働者の目的先国の言語を含めた職業訓練なども順じ規定を定めて行くとしている。国会社会委員会委員長Nguyen Thi Hoai氏は木曜までに届けられる請求の評価は、輸出労働者のために職業訓練を組織することが重要であると言い、輸出労働者は彼らに彼らが仕事先国の文化、習慣と習慣について教えるコースに出席もしなければならないとした。これまで、海外労働者派遣企業に対する認可の期限をつけることは当該企業が必要な書式を持参し定期的な会議に参集するのであれば不必要であるとしている。大多数の委員会メンバーは、労働争議に終結及び罰則規定に関する第62条の見直しを求める声に対応し、その調整についての話し合いももたれることとなる。同法律は労働輸出機関が労働争議において持つ責任を定めなければならないとしている。
(辛口寸評)
ベトナムはこれまでにも多くのベトナム人労働者を、台湾・韓国・中東諸国、そして一部、日本へ労働輸出をしてきた。
年々、海外へ渡った労働者からベトナムに送金される額は、国家予算の実に20%を占めるまでに成長した。重要な産業となりつつある。さらにベトナムは輸出先を拡大しようと、その触手を欧米にも広げつつある。実際問題として、日本等では職は現在、製造業を中心に人不足で悩んで下り、それらは所謂、危険・汚い・きついの3Kであるがゆえ、日本人で就業しようとするものはなかなかみつからぬのが現状だ。そこで海外からの出稼ぎ労働者が、穴埋めをすべく、そちらに流れ込むという。好むと好まらざるとに拘わらず、両国は双方の需給バランスが一致しているというわけなのだ。外国人の日本への進出は今後もますます膨らみ続けることだろう。日本社会の中で当然、生活習慣の違いによる摩擦も起きるだろうし時には三面記事を賑すような痛ましい事件を見聞することもあるだろうが、故郷を一人離れ異国の地で働く外国人労働者全てを色メガネでみることなく優しく人間として接してあげてほしい。外国語が話せるようになるより、その事の方が寧ろ真のグローバリゼーションだと筆者は思う。
以上
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