ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第59号!
ウィークリー・ベトナム・ニュース
■ 平成18年4月22日 土曜日 第59号
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■ こんにちは!!
今日もここ一週間のベトナムの主なニュースをご笑覧下さい。
翻訳は直訳とせず、日本語に馴染む意訳としておりますので、ご注意下さい(笑)また、訳者の独断と偏見を交えた辛口寸評を入れてみました。内容が片寄り 言葉が多少過ぎる箇所も多々あろうかと存じますが、これもベトナムを愛するゆえの諫言とお許し下さい。誤字・脱字はご愛敬ってことでお願いします<(_ _)>
尚、記事の転送は営利目的以外なら原則自由ですが、自己責任において行い、その中で被った被害・損害に対し筆者は責任を負えませんのでご了解下さい。
ベトナム・ニュース その59 今週のヘッドライン
* 4月17日(月) 真の援助団体
* 4月18日(火) 読書離れを取り戻せ!
* 4月19日(水) どっちがほんと?ただ言えることは、、、
* 4月20日(木) 通話料値下申請
* 4月21日(金) 受け皿から質の秤に
* 4月22日(土) アセアンの盟主へ
4月17日(月) 真の援助団体
*アジア開発銀行対ベトナム担当Ayumi Konishi氏に拠れば、今回摘発されえた一連の運輸省プロジェクトPMU18不祥事は、当銀行のベトナム開発に支障をもたらすものではないと述べた。この発言は先週水曜日、小西氏がハノイでアジア開発銀行主催で開かれた会議の2006年アジア開発展望の席上行われたものである。
小西氏とのインタビューで、PMU18の公開調査がしっかり行われれば、最終的に国際拠出金関連機関並びに投資家たちのベトナム経済に対する信用が得られることになるだろうし、これまでのところアジア開発銀行が携わるベトナムへの支援で不正は行われていないと語った。加えて、同氏はベトナム政府が汚職に対する積極的な取組みと防止策のガイドラインの構築に勤めているようだと強調した。
小西氏は2003年、ベトナムは汚職防止国連会議を忠実に実行することを約束し、2004年には2000年12月アジア太平洋会議第三回ADB-OECD汚職撲滅決議に調印し、昨年にはベトナム国会で新たな汚職撲滅法が制定されたことを語り、ベトナム政府が汚職撲滅に真摯な取組みを見せていることを物語る良き兆候だとした。
今回の不正では、以前のように大勢の職員が汚職に関っておらず、フィリピンの政治汚職が前年と倍化していること考慮すれば素晴らしいことと云えるだろう。しかし、フィリピンの汚職摘発が増加した理由は、フィリピン政府の汚職摘発がこれまで以上に厳しくなったからでもあると補足した。
(辛口寸評)
アジア開発銀行は、IMF同様、アメリカの息が掛かった国際援助団体で、途上国は押し並べて彼らの顔色を恐れる。要するにお金をくれる胴元なので、不祥事が起きると火消しに躍起になるわけだ。とは言え、国際公的機関といえ、利権を完全に手中に収めているだけに、時に職員の中には、それを巧みに利用し不正を働く輩も出易い。個人で不正に走るくらいは未だしも、いずれにしてもアメリカ政府の走狗であることはまちがいなく、アメリカの意向に添ったプロジェクトにしかお金を出さない。本来は、このことの方が大きな問題で不正ではなかろうか?ベトナム政府の汚職撲滅に対する取組みは今後も頑張って続けて欲しいと思うが、その一方でこれら国際機関も真の支援機関として自らを律し機能して行って貰いたいものだ。
4月18日(火) 読書離れを取り戻せ!
*ベトナムではティーンエージャー対象の本の出版は毎年100冊ほどしかなされず、しかもそれらの多くは時代にそぐわず彼らティーンの満足を得られるようなものではないと、出版業界関係者はいう。その反面、漫画本は充分、市場に出回っており、毎週80万部が出荷されてゆくとのことだ。ベトナムにはKim Dong出版とTre出版のたった二社のみが、児童文学書籍を出版しているに過ぎず、2002年以来 Kim Dong出版は、週二冊を出版し、2000部から3000部刷るに過ぎず、需要を満たしていないのだ。つまり内容が話題性に乏しく読者が手にしてくれないことが原因なのである。
私たちは創造を膨らましてくれるような本を求めていますと語るのはティーンのLan Chiさん。Vo Phi Hung’s Song Sot Via He (Surviving Street Life)・Nguyen Ngoc Thuan’s Vua Nham Mat Vua Mo Cua (Close Your Eyes and Open the Door)のような話題や作風を多くのティーンはもはや求めていないのだと前出の業界関係者。作家のTran Ke Tuongさんは本のタイトルを決めるのに苦労しているそうで、ベストセラー作家のNguyen Nhat Anhさんは、ティーンに受け入れられるためには物語りの中に幾らかの真実を盛りこませることが大切ですという。今日、子供たちの期待に添う作品作りは以前と比べ遥かに難しくなって来て下り時間に追われる彼らを読書に向かわせるのも並大抵ではありません。本以外の娯楽も増えて着ましたしね、とAnhさん。
これらの問題意識を抱えた地元出版社は、目新しいタイトル付けが今後 子供読者市場に食い込んで行ける道ではないかと模索している。Dong A Culture 出版経営者Tran Dai Thang氏は、ティーン・ライブラリーと名づけたフィクションシリーズを今月にも出版すると意気込んでいる。この中に集められた全ての作品は、ティーン向けばかりで、今後はティーンの感覚に使い若手作家の起用にも力を注いで行来たいと語る。
Nha Nam Culture出版副社長Trinh Van Co氏は、同社も今年はティーン向け文学の発売に力を入れて行くとしている。
ラジオ番組Voice of Viet Namも番組内でフォーラムを立ち上げ子供向け文学をよりよくするための意見交換の場所を設け、同社との取組みに呼応して行くという。しっかり子供の読書傾向を観察し、出版社が投資すれば、子供たちの読書離れは防いで行けるだろうとCo氏は結んだ。
(辛口寸評)
どうやら子供たちの読書離れは日本だけではなさそうで、ここベトナムでも深刻化しているようだ。兎に角、我々の子供時代に比べ子供に対する娯楽が山のようにある今日、読書という片方向の娯楽媒体は、現代のインタラクティブなゲームやチャット・ネットなどに追われ、余程、夢と冒険と浪漫で散りばめられた創造力の高い読み物でないと対抗して行けないのかも知れない。
とは言え、いつの時代でも子どもの頃の読書量が、母国語の形成に重要な要素を成すものである。ここは一番、出版関係者の皆さんのより一層の努力を期待するしかないだろう。子供時代に本を読まなかった哀れな筆者より、、、、。
4月19日(水) どっちがほんと?!ただ言える事は、、、
*ベトナム人女性が妊娠中に何をすべきか、或いは何をしていけないのか、はたまた、出産後はどうすべきか誰もしらない。しかし多くのベトナム人女性は以下の方法を採るという。これから母親になる多くの女性のように、Chiさんも産まれてくる子供に何をすべきか考えると不安になるのだという。「胎児のために何をして何を食べ、そして出産後、何をしてはいけないのかわからないの。それに私の母も多くのことが有りすぎて覚えきれないよっていうの」とChiさん。彼女の母親が娘であるChiさんのためにアドバイスしたことといえば、出産後一ヶ月間は入浴しないこと、それに靴下を履き身体を冷やさないことだという。Chiさん自身 これらのアドバイスを守ることは反面、不快に我慢を強いられるのだが、将来の自分を守るため挑戦することにしたのだ。
Chiさん同様、現在、妊娠6ヶ月のNganさんは彼女の母親のアドバイスを受け混乱を来しているという。8人の子供を育て上げ、そして多くの孫の面倒を見てきた経験に基づき、Nganさんの母親は1001箇条からなる妊娠・出産アドバイスリストをNganさんのためにこしらえたのだ。Nganさんの母親に因れば、出産後一ヶ月間入浴を避ける理由は頭痛持ちになることを避けるためで、夏場のエアコンや扇風機の使用を控えることは風邪を引かない予防措置らしい。加えて、両耳の中に綿を詰めて風を通さないようにしないと、将来、耳が不自由になる可能性が高くなると言ったり、視力低下を予防するため出産後、少なくとも3ヶ月間はテレビや読書を控えなければならないといった具合なのだ。そんなわけで、Nganさんは本当に母親の言うことが正しいのか甚だ懐疑的ではあるが、母親の経験値は疎かにできないので従うつもりであると答えた。
伝統的な方法だと、出産後女性は地方の習慣によって異なりつつも、特別なダイエットをしなければならない。多くの地方で実践されていることを挙げれば、出産後、女性は海老や牛肉、そしてある特定の魚を食べることを禁じている。出産後3ヶ月間、海老・牛肉・特定魚の摂取が禁じられるのは下痢を押さえるためと言われている。一般的に出産後の女性の食べ物として推奨されているものはというと、野菜スープやもち米から作られた豚肉・パパイヤを詰めたチマキなどだ。チマキは母乳を増産させる働きがあるといわれ、毎日、食べるのが良いとされている。しかし、昨今、多くのベトナムの若い女性や母親たちは伝統的な方法より、西洋のやり方を好む傾向になってきた。
妊娠7ヶ月目に入ったMaiさんは西洋の妊娠・出産ガイドブックから知識を得ようとしているが、彼女の母親はそれに反対の立場を採る。というのも母親に言わせれば、そのような本の知識は外国人だけにしか通用しないからだと。。。「外国人女性だろうが、ベトナム人女性だろうが事 妊娠・出産に関しては皆一様に重大事のはず。だから、ベトナム人だって外国のガイドブックの知識を活用したって良い筈では?」とMaiさん。彼女曰く、出産後一ヶ月間もお風呂に入れないなんて狂気の沙汰で、仮に夏場の出産だったら想像するだけで恐ろしい。。。LoanさんもMaiさんと同じ考え方の持ち主で、彼女の場合は何と出産後僅か二日後の入浴を果たしている。「ベトナムの習慣をまともに聞いていたら、垢まみれになっちゃうわ!衛生的に良くないし、寧ろ不衛生から来る雑菌が母乳を通して赤ちゃんに移ることの方が心配よ。それに外国ではお医者さんも出産後、直ぐにお風呂に入ることを推奨しているわ」とLoanさん。
それでは近代的な外国の方法があれば、ベトナムの伝統的なそれは不必要なのであろうか?多くのベトナム人医師たちの見解によれば、伝統的な方法の多くは一概に誤っているといえない賭するものの、幾つかは妥当でないものもあると指摘する。故に、頑なまでにベトナムの手法を守り続ける必要もないとする。長いこと入浴せずに過ごせば当然、母親の身体は黴菌の温床になり、病気の呼び水となるばかりか子供にも感染する怖れがあると語るのは、小児科医のThanh Van氏。通常、ベトナムでは出産後、動かずに一日中寝ていることが良いとされているが、これも実際は適度な軽い運動をし、血の循環を促すようにすべきで、食事も日常、摂取しているものを食べれば良いでしょうと添えた。
2ヶ月児の母親Chauさんは、彼女の母親から赤身の肉と二種類の野菜、それにミカンだけを食べるように指示されたせいで、便秘で医者通いする羽目になったという。医師は、沢山の種類の野菜と果物を摂るようにすれば便秘は解消する筈とアドバイスを与えた。兎に角、前出のVan医師は、食事に関し脂肪分の高いものや刺激性の高い胡椒や唐辛子、そして魚や甲殻類の海老や蟹などを控えるのが肝要で、そうすれば質の高い母乳を作り出すことが可能となるばかりか、赤ん坊の下痢を防ぐことができるはずですと指摘する。今日、多くの情報が錯綜するベトナムで、多くの若い女性たちは現代的な方法をとるか古典的な手法を続けるかで揺れ動いているのだ。
(辛口寸評)
男の筆者には女性の生理が解らないので、何ともコメントし難いテーマだが、日本でも云われてきたように出産後、体調管理に努めなければならない。産後のひだち云々というが、確かにそうだと筆者も今頃になって実感すると同時に かみさんに対し申し訳なく思うことがあるのだ。実は娘が産まれて一ヶ月ほど経った頃のことだ。当時、筆者の会社には今ほどの数の営業を雇う力もなく、筆者自身が自らバイクに跨って商品配達をこなしていた。一回あたり少しでも多く商品の配達が出来た方が効率が良かったので、あのころ会社で採用していたカートンサイズは実に一立米半もある巨大なもので、それに商品を満載していた分けだから大きさもさることながら、重量も50キロ近くになった。それを日に何度も繰り返し、丁度、腰にその負担と疲れが溜まっていたのだろう。ぎっくり腰になってしまったのだ。
それでも3日ほど安静にしていたら、腰も回復したように思われたのでまた以前と同じように無理を重ねて配達を続けたところ二度目のぎっくり腰を起こしてしまった。今度も直ぐ治るだろうなんて高を括っていたのだが、寝返りを打つことさえままならず、結局、回復までに二週間もかかってしまったのだ。配達は溜まるは、お客さんから矢の催促は来るわで、かみさんは僕に黙って、配達をし始めたのだった。初めは出産後間もない彼女が配達をしている等とは夢にも思わなかったが、義妹からそのことを偶然知るところとなり、かみさんを枕元に呼んで、止めるよう促した。ところが、多少体を動かした方が良いんだとうそぶき、その後も僕が腰痛から回復するまで配達を続けてしまった。かみさんの腰痛の症状が現れたのはそれから二年後。医者に行って診てもらうも原因不明。帰省で、彼女の田舎へ帰って母親に腰痛の悩みを打ち明けて初めてそれが産後の配達の無理が祟ったものと判明した。
ベトナム古来の手法にせよ、外国の方法にせよ、出産をまじかに控えた女性の皆さん、くれぐれも無理はしないでくださいね。
4月20日(木) 通話料値下申請
*ベトナム逓信郵政公社(VNPT)は、5月1日 逓信郵政大臣に対して携帯電話VinaPhone とMobiFone 利用者の通話料の値下げ及び電話加入権の廃止を提案する意見書を提出した。意見書の内容では、プリペイド方式の携帯電話通話料を現行の分あたりVN1500ドンからVN1,200~1,500ドン (US0.08~0.09$) に引き下げを行い、新規申込費用を現在の半額10万ドン(US6.30$)にするという。VNPTはまた郵政大臣に対し、国際電話回線費用の半額化並びに一般通話料を最大20%引き下げ許可を申請した。加えてVNPTは、現状6秒単位の通話料加算を30秒単位に変更する予定で、計画をまとめた。しかし、基本料はこれまでどおりVN69,000 ドン(US4.3$)は据え置かれるという。
逓信郵政省は過去2年 独占事業主のVNPTに対し価格変更を認めず、新規参入電話事業者を支援してきた。今では新規事業会社も成長し競争力がついたと同省は判断し、保護政策の転換を図ったのだ。Tran Duc Lai逓信郵政副大臣に拠ると、通信料金は変更後も一般的なベトナムの物価からすると割高感は否めないといい、今後も同省が主導しアセアン近隣諸国の通話料に近づけて行くよう一層の努力を約束した。
(辛口寸評)
筆者がベトナムに来たころ、ベトナムには携帯電話はおろか一般電話自体が普及しておらず、回線を通すのに二年も待たなければならないといった話はざらにあり、それでも急ぐ場合は賄賂を払って一年後の電話設置といった具合だった。王全、通信費も高く、判り易い例を挙げれば、日本へ国際電話を1分かけるだけで約1000円もかかっていた。さすがに携帯電話が普及し、徐々に家庭電話も普及しつつある今日に於いては、そんな昔話を信じるものは、ベトナムの20代の若者にはまずいないだろうが、とはいえ文中でも記載されているように近隣諸国のタイやマレーシアなどと通話料を比較すると約3割高い。携帯電話事業者も複数を数える今、利用者のために安い通話料を提供してもらえるよう切磋琢磨してほしいものである。日本では、ボーダフォンの社長にヤフーの孫正義氏が最近就任した。
孫氏の携帯電話事業参入で、日本の携帯通話料もサービスも今後益々消費者にとって魅力的なものになって行くに違いない。
4月21日(金) 受け皿から質の秤に
*投資計画省は、同省各局や関連部署に対し、全てのODAに関わる公的書類の調査し、今年5月までにその結果をまとめ首相宛てに報告書の提出をするよう指示を出した。この決定は先週ハノイで発表され、Vo Hong Phuc投資計画大臣は、この動きの目的は各書類を再度、吟味する事によって各プロジェクトの法的抜け穴を洗い出し、運輸省内で起こったPMU18のような不祥事の再発防止に努めて行くとした。各ODAプロジェクトに関してPhuc大臣は、これまできちんと精査して来なかったと認めた上での上記、発言がなされたのだ。2003年に同省は、省内に新たに調査・監督部局を設けたものの、そこから上がってきた結果は満足の行く内容ではなかったという。
これまで同省のODA案件に対する姿勢は事業の立ち上げ、そして費用対効果を追求して来た一方、各事業の進捗過程や監督や質についてはなおざりにして来たという。この反省に立ち、同省は各省庁・自治体並びに外郭団体が抱えているODAプロジェクト案件に対するリポートの報告を適時させ、貴重なODA資金の無駄遣いの撲滅に繋げて行くとしている。
(辛口寸評)
投資計画省は、ベトナム国内、官民総ての投資案件を統括し、投資許可を与える官庁だ。同省の肩をもつつもりはないものの、Phucが指摘しているよう一旦 投資案件を認可してしまえば、その後のフォローは特定官庁・各自治体に任せ、一丁あがりてな具合でその役割を完結して来たところがある。つまり各プロジェクトが動き出したら、後は関知しないものだった。この事は、良いとか悪いとかと言った問題ではなく、結局、ドイモイ政策が導入された時、外国から資金を受け入れるための受け皿として、資本主義経済の仕組に精通した役人を各省庁から寄せ集めて組織された。目の前の各案件を捌くのに手一杯で余裕がなく、概ね投資が有益と考えられるものはODAも含め決済され認可されていったのだ。役所の不祥事もさることながら、これを機に今後、果たして民間主導の投資案件の認可後の精査・監督が進められて行くのだろうか?!
4月22日(土) アセアンの盟主へ
*ベトナム文部省は、カンボジア・ラオス間で結ばれた二国間相互協定に則り、両国からベトナムへ勉強に来ている留学生に対し、奨学金金額を引き上げたという。同省に拠れば、今年4月1日より、ラオス及びカンボジアからの留学生(大学生対象)への奨学金はこれまでひとりあたり月額90万ドン(US56.25$)から157万ドン(US98.13$)となり、院生は月額110万ドン(US68.75$)から182万ドン(US113.75$)へ、短期留学生については215万ドン(US134.38$)、高校生へは月額132万ドン(82.50$)が支給される。加えて、それぞれの留学生へ一人あたり240万~300万ドン(US150~187.50$)教材支給や装備の充実が図られるという。
(辛口寸評)
カンボジアとラオスは、ベトナムがアセアンに加盟後、ベトナムの強力な後押しを受けアセアンメンバーの仲間入りを果たしている。当初、この二国のアセアン加盟にはシンガポールの当時のリー・クワンユ首相とタイのタクシン首相は時期尚早の立場から難色を示していた。しかし、ベトナム側はアセアンでの今後のプレゼンスを強固なものに築き上げて行くため、結局、ベトナムに押し切られる格好で、ラオス・カンボジアの加盟が承認されたのである。
この二カ国は経済的には、タイバーツ圏に属していたものの、政治的には元々、インドシナ三国としてフランス植民地政策の中で、互いにひとつの域内として当時からベトナムの役人が支配権を振るっていた事に加え、フランスから独立後は、ベトナム・ラオスはそれぞれソビエトを盟主とした社会主義国家としての路線を歩み、カンボジアはロンノル将軍以降、ポルポト派をベトナム軍を進攻せプノンペンを陥落すると、現在の主要政党、カンボジア人民党を発足させ、ヘンサムリン政権を樹立し、ここにベトナムの息の掛かった傀儡政権が完成されカンボジアでの影響力を確立した歴史を持つに至り、今日まで、その流れは多少の紆余曲折を経ながらも続いているのだ。
当然、ベトナムとしては、カンボジア・ラオスに対し投資・経済交流及び教育などの分野で支援を行い、外に(アセアン諸国内での)ベトナムのプレゼンスを高めると同時に、内に(二カ国に対しする)今後の影響力を持続させる目的を持つのだ。その一環として、対象国から積極的に優秀な学生を集め、ベトナムの手足となって働く人材を育成しているわけなのだ。
今回の記事では、それら留学生の奨学金の引き上げが見直されたたという話なのである。
以上
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