ベトナム共産党定期大会と政府首脳人事
ベトナム共産党は首都ハノイで第10回党大会を開催している。
今年の党大会は、次の10年を担う党中央人事はもちろん、政府首脳人事も焦点の一つである。ハノイに駐在する各国の外交団も注目しているように洩れ聞こえてくる。当コラムは、3月24日、既に洩れ聞こえる範囲での人事を想定し、 https://febnet.cocolog-nifty.com/column/2006/03/post_727e.html で掲出した。
ベトナムは、この度のベトナム共産党大会を経た後に、よりダイナミックな経済発展に向け「政治の舵」を切ることだろう。今年の秋にはAPECも開催することだし、各国から大いに期待を集めている。本邦との友好関係をより強化拡大できることを、当コラムはひたすら願っている。
引用開始→ ベトナム共産党大会開幕、「刷新」政策推進を確認 [讀賣]
【ハノイ=太田誠】ベトナム共産党の第10回党大会が18日、ハノイで開幕した。ノン・ドク・マイン書記長は開幕直後の演説で、採択から20年を迎えた「ドイモイ(刷新)」政策による市場経済化の一層の推進を訴えるとともに、党員に自由な経済活動を認めるよう、党規約を改正することを提案した。
マイン書記長は、ドイモイによって過去5年間、年7.5%の国内総生産(GDP)成長率を遂げてきたことを評価。導入から20年を迎えたドイモイを加速するため、年8%超の成長率を目指し、今後5年でGDPを2000年の2倍以上にするとの目標を掲げた。
党規約改正の提案は、この目標に伴うもので、「個人経営を行う党員は党規約や法令を順守すべき」との表現で、党員の企業活動の規模に制限を設けず、また、これまで入党が認められなかった私企業経営者の新規入党にも道を開く見通しだ。党の位置づけも「労働者階級の前衛」との表現は残すものの、「同時に勤労人民と国家の前衛でもある」との文言を挿入する。
(2006年4月18日22時32分 読売新聞) Copyright © The Yomiuri Shimbun. ←引用終わり
引用開始→ “赤い資本家”容認、ドイモイ加速 ベトナム共産党 [産経]
【ハノイ=藤本欣也】ベトナム共産党の第10回党大会が18日、ハノイで開幕し、ノン・ドク・マイン書記長が政治報告を発表、社会主義に市場経済システムを導入したドイモイ(刷新)政策を加速する方針を打ち出した。党員が一般の企業経営に携わることができるように党規約を改正し、中国共産党同様、“赤い資本家”を容認する見通しだ。焦点の書記長人事では、約1180人の代議員による事実上の予備選挙が初めて実現する可能性が出てきた。
マイン書記長は政治報告の中で、1986年にスタートしたドイモイ政策について、「2020年までの工業化」という目標に向けて歴史的成果を上げたと総括。過去5年の平均が7.5%だった経済成長率を、今後5年で平均7.5-8%に引き上げる意向を示し、ドイモイ政策を加速する必要性を強調した。共産党指導部はその一環として、党員の私企業経営を認め、経済活動を活発化させる方針を決めている。今大会で党規約が見直され、「共産党員は搾取しない」という文言が削除される予定だ。これに伴い、党員は私企業の経営に携わることが可能になり、同時に、私企業経営者の入党にも道が開かれることになる。中国共産党は02年に党規約を改正し、私企業経営者の入党を容認した。
今大会では共産党トップの書記長人事も焦点となっている。当初はマイン書記長の留任が有力視されていたが、最近になり運輸省を舞台にした大規模な汚職事件が発覚、書記長の引責辞任を求める声が高まっている。
これまでは、党大会前の中央委員会総会で書記長人事が内定していたが、今回は、マイン書記長の指導力不足を批判するグループが、ベトナム随一の経済発展を遂げるホーチミン市(旧サイゴン)トップのグエン・ミン・チェット党委員会書記を強く推し、事前調整できなかった。
開会前日の17日に開かれた党大会準備会合でも協議され、(1)党大会に出席する代議員(約1180人)に調査用紙を配布し次期書記長について意見調査(投票)を行う(2)その結果が中央委員会(約160人)に報告され、同委員会が書記長を推挙する-との案が急浮上、有力となっている。
「意見調査とは事実上の予備選挙であり、ドイモイ20年を経て共産党内に民主化要求が高まっている表れ」(外交筋)として、ハノイの各国外交団は書記長人事の成り行きを注視している。
今大会の会期は25日まで。党大会は5年に1回開かれている。(04/18 21:00)
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