ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第64号
ウィークリー・ベトナム・ニュース
■ 平成18年5月27日 土曜日 第64号
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■ こんにちは!!
今日もここ一週間のベトナムの主なニュースをご笑覧下さい。
翻訳は直訳とせず、日本語に馴染む意訳としておりますので、ご注意下さい(笑)また、訳者の独断と偏見を交えた辛口寸評を入れてみました。内容が片寄り、言葉が多少過ぎる箇所も多々あろうかと存じますが、これもベトナムを愛するゆえの諫言とお許し下さい。
誤字・脱字はご愛敬ってことでお願いします<(_ _)>
尚、記事の転送は営利目的以外なら原則自由ですが、自己責任において行い、その中で被った被害・損害に対し筆者は責任を負えませんのでご了解下さい。
ベトナム・ニュース その64 今週のヘッドライン
* 5月22日(月) 学園都市型大学建設
* 5月23日(火) ベトナム料理評価される!!
* 5月24日(水) 衛星放送の打ち上げと水面下の動き
* 5月25日(木) 子供の躾けと親の躾け
* 5月26日(金) ベトナム版清貧の思想
* 5月27日(土) お手柄ベトナム警察官
5月22日(月) 学園都市型大学建設
*ベトナムは北部Bac Ninh省と南部Long An省に近代的な設備を有す2つの大学学園都市建設を決め20万人の学生が学ぶことができるようにするという。既にこの基本計画は首相に承認されたと、私立大学連盟代表Tran Hong Quan氏がハノイで開催された第三次教育改革会議の席上語った。それぞれの学園都市には大学・単科大学・ハイテク技術研究所の他、学生用の宿舎・病院・体育館・競技場・娯楽施設が完備され、一学園都市建設費用は凡そ、6tドン(US350m$)を見越しているという。
Bac Ninh省の学園都市建設地はハノイから凡そ30km離れたTien Du区で、440hrの敷地が使われる。もうひとつのLong An省のそれはホーチミン市から18km離れた場所で初期段階で敷地180hrを使用し、最終的に250hrに拡大する予定だ。
私学連盟では別途、中部Thua Thien-Hue省のHue市に300hrを有す大学建設プロジェクトを計画中であるという。現状ベトナムには37の私学を含む311の大学・単科大学があり、1万人に対し167名の進学志願者があるが、2010年には200名に達するといわれている。
(辛口寸評)
ベトナムにも本格的な学園都市が現れそうだ。尤も日本の筑波の28400hrに比べれば、僅かなキャンパスではあるものの、これまでせいぜい20~30hrにも満たない敷地しかなかったベトナムの大学にとって画期的な試みとなろう。問題は郊外に作られるこれらの大学に学生が集まるかである。ベトナム人は大学についても当然、ブランドイメージに拘りをみせるので、優秀な連中ほど、ハノイ市やホーチミン市の有名大学を目指すし、田舎へ行きたがらないものなのだ。
新しい学園都市型大学が完成しても、多分にそれが質・実ともに認知されるまで少なくとも10~20年のスパンが必要になるだろう。しかしながら、この間に外資系大学のベトナム進出も加速されるだろうから、そのことも見越した新設大学の運営方法を熟考するのが今、して行かねばならないことなのだ。
5月23日(火) ベトナム料理評価される!!
*ハノイ市は、アメリカのウェブサイwww.msnbc.misn.com によって最近編集された「食い道楽のためのトップ10の都市」リストの第3位にランクしました。この集計に因ると、アジアではハノイと東京のふたつの都市がランクインしている。ハノイでは、観光客はわざわざ高級レストランに行かなくても、旧市街の屋台で食べるロースト鳩など最高で、デザートなども通りのお店で美味いものがわんさか口に入ると書かれてあった。
ウェブサイトに因ると、麺類はベトナムでは欠かせない食事のひとつで食べ方も堅焼きやスープに浸したタイプのいずれかを選ぶことができ、具も新鮮な香草やスパイス、野菜・魚・肉などを加え朝食に良し、昼食に良し、夕食と良しと何でもござれだという。興味深い夕食の一例を紹介すると、蛇村として知られるハノイ東部のLeMatへ行けば蛇のコース料理を味わうことが可能で、蛇の皮炒め・蛇の春巻き・蛇汁・蛇のつくねなどが楽しめる。
フランス料理の影響を色濃く受けたバインミー(ベトナム風サンドウィッチ)の具はパテを始め、ピクルス・キュウリ・香草・胡椒をふんだんに挟み安くて格別であるとウェブは結んでいる。
(辛口寸評)
蛇料理と云えばサイゴンでも市内中心部から車で20分ほど北部へ移動したThanh Da地区に蛇を食べさせるレストランが揃っている。筆者も一度、何も知らされずに連れて行かれ、食後に蛇を食べさせられたと聞いて気分が悪くなったことがあるが、冷静に味を語ればこれほど美味くて柔らかい肉はないと思う。特に、蛇のつくねは絶品で欲をいうなら照り焼きソースを絡めたなら、モスバーガーの照り焼きバーガー以上の絶品といえる。脂肪分が少ないため、コレステロールの心配もいらないし、サイゴンに行かれる機会があれば是非足を延ばして見ては如何だろうか。
さて、蛇というとベトナムでは古くから蛇を漬け込んだ滋養強壮酒が盛んで、以前はバイクに跨り荷台に蛇の入った籠を括り付けた蛇売りが街を行き来していたものだが、最近は見ることが少なくなった。我が家でも、かみさんがこの蛇売りを自宅まで呼んで、蛇酒を漬け込んで貰ったことがある。家の玄関先で蛇売りは馴れた手つきで7種の蛇を捌き腑をきれいに取り出すと酒で洗い円柱形で高さ50cmほどのガラスの容器の内側に順に捌いた蛇を巻くように入れて行った。蛇の心臓は心臓だけになってもドックンドックンと鼓動を打ち付けている。それを酒に浸し、蛇売りはそのまま筆者に飲めという。かみさんも目で“飲め”という。さすがに気が引けてそのままにしておいた。心臓は相変わらず元気に動いている。蛇を巻き付けると、丁度、真ん中が空間になっており、そこに漢方薬の類をぎっしり入れ、最後に百舌鳥を捌いて一番上に置くと、酒を流し込んで、そして蓋をして半年ほど寝かせると滋養強壮酒になる次第。
先ほどの蛇の心臓は30分ほど経ったにも拘わらず相変わらず動いている。と、そこへ隣の70歳前後の上半身裸でパンツ一丁のおじいさんがやってきて、「蛇の心臓飲まないのか?」というので、「否」と応えると、「飲んでも良いか?」と訊くので「どうぞどうぞ」というと、あっという間に飲み干してしまった。呆然として、その一部始終を見届け、何気なしにおじいさんの下半身に目をやると、信じられぬ光景が目に飛び込んできた。なんと二十歳前後の角度であった。飲んでおけば良かったかなと多少後悔の念を持ったのは言うまでもない。。。。
5月24日(水) 衛星放送打ち上げと水面下の動き
*ベトナム電信電話公社は、アメリカのロッキード・マーチン商業衛星システム社とVinasat通信衛星建設契約をこの分野の事業で初めて契約を締結した。ロ社はベトナムに対しUS168m$パッケージで提案をし、競合先のフランスEADS社と日本の住友商事から受注を勝ち取った。電信電話公社からは初期事業費用としてUS270m$を見積もっていたものだ。
電信電話公社からの条件として、ロ社は保険・衛生の打ち上げ・地上カンリセンターの建設、運営・訓練及び衛生運用の技術移転に対し責任を持つ。総重量2200kgsの衛星には、25~35セットのモジュールが積み込まれ、1セット当たり500の電話チャンネルを有する。この衛星の運用が軌道に乗れば今後15年間、テレビ・ラジオ・民間電波を伝送することになる。また、この衛星はベトナムの殆どの地域をカバーするばかりか、東南アジアや中国・日本の一部も含まれるという。衛星の打ち上げは2008年5月までに行われるよう電電公社はロ社に要請している。
(辛口寸評)
このところベトナムの通信分野に対する力の入れようは、並々ならぬものがあるという。この度の商業衛星の打ち上げもその一環と思われるが、インターネット関連でも着々と足場を構築しつつあるようで、内部情報に因れば既にベトナムでNHK衛星放送のチャンネルもリースしているハノイの有力国営企業で衛星放送配信を主軸とするNacenComm社などは既に、外国ポータルサイト企業から業務提携話が4件持ち込まれているという。
この国のネット環境は未だADSLの段階に過ぎないが、水面下では来る光ファイバー化を見据えたものであることは間違いなく、これにより海外の動画コンテンツ及びカラオケ配信事業を含め検討段階に入っている。政府から許認可が同社へ下ろされるまでは今しばらく時間が必要と思われるものの、文化情報省と会社トップの会合は頻繁に行われているそうだ。最終的なポータルサイト業者の選定は未決ではあるものの、今後、動画配信やカラオケ配信を考えている外国企業は今から根回しに動いても決して遅くないだろう。
5月25日(木) 子供の躾けと親の躾け
*ベトナムでは多くの親が、体罰の副作用を予め見抜くことは適わないものの子に対する躾は厳しくあるべきだと考えている。子供を救う会では、高等教育を受けた親ほど子供の指導にムチを使い厳しく接する傾向があると4つの自治体で行われたアンケートの調査結果を憂いている。北部Vinh Phuc省、中部Quang Ngai省、中部高原地区Gia Lai省、そしてメコンデルタ地区のTien Giang省がそうで、63%の母親がしばしば子供の躾と称し子供に体罰を加えているのだ。それに対し父親が振るう体罰は56%と若干下回る。教育現場では、女性教師の24%が男性教師の13%が日常的に体罰を行っている。
ベトナム子供を救う会の専門家Tran Ban Hung氏に因れば、ベトナムの親は共通して子供が間違いを犯した時は体罰を加える義務があると考えているという。しかし、子供にはそれぞれ個性があることを親は認識すべきで、体罰を恒常的に加えてゆくと、子供自体、暴力が総てを解決する行いと結論づけかねないと警鐘を鳴らす。親は子供たちに体罰を下すことで子供たちが恐れ従うことを認識しているものの、その一方で子供たちの深層心理に深い傷を付けていることに気付いておらず、加えて子供時代に親からしばしば虐待を受けた子供は大人になった後、暴力的になるものだとHung氏は指摘する。そして、家庭を離れた子供たちは大人になり他に危害を加えたり、或いは自殺、殺人などを起こす傾向が強まるのだと危惧する。
このようなことから大人たちは、体罰や虐待が違法行為であり、懲役刑を科せられる可能性があることを十分理解しなければならない。国際子供を救う会事務局では、体罰に限らず言葉の暴力も児童虐待であると確証しており、手や物で叩いたり廊下に立たせたりすることも含まれるという。未成年保護法では、誘拐・人身売買に並びこれら体罰を厳しく禁じている。刑法104条では、子供に怪我や健康に損傷を負わせた場合、懲役半年から最長3年が科せられることになっている。
親を怒らせ体罰の原因となる子供共通の失敗は、親の言うことを聞かなかったり、バカ騒ぎしたり、親の手伝いをしなかったり、宿題を忘れたり、果ては学校の成績が悪かったりと様々だが、母親が体罰を振るう理由は我が子から怠け癖を叩き出すことだという。ホーチミン師範大学保育科教授Dao Thi Minh Tam女史は、愛の鞭による子供の厳しい躾を施すことに疑問を唱える。女史の意見に因れば、体罰は親子関係を少しずつ悪化させるのみならず、やがて子供たちは反抗的になり、他方、創造性が欠落しかねないというのだ。
Gia Lai省のゴム貿易会社で働くNguyen Thi Nguyetさんは以前、7歳の息子に怒鳴りつけたり、叱ったり、叩いたりして聞き分けが良くなるようにつとめたという。「時には鞭も使ったりして息子の柔らかい部分を叩いたものだけど、それが功を奏して立派な大人に成長したよ」と微笑む。ハノイ出身の歌手Ngoc Anhさんの場合、父親が彼女を厳しく躾けてくれて良かったと感謝するひとりだ。彼女自身、5歳になる息子を持つ母親だが当時のことを振り返り、母親からの愛情だけで育ったならば彼女自身、独立し人生の試練に立ち向かってゆくことは適わなかっただろうと語る。しかしながら、親は躾とエゴを混同してはならないと一方で釘を刺すことも忘れない。
(辛口寸評)
一口に子供の躾けと言ってもなかなか親にしてみれば悩む問題である。人は皆大人になって子を持つと同時に偉そうに我が子に躾けと称したエゴをぶつけるものだ。我が身を振り返って見れば、今、目の前で起こる総ての我が子の行為が合わせ鏡であることを棚に上げ、或いは忘れ自分の思いにならぬからと子に当たるだけなのだ。
筆者も娘を持つひとりの父親として、彼女には3つの戒めを与えている。「正直であれ、優しくあれ、約束は守れ」とは云うものの、大人として社会で生き抜く為に、これらの戒めが本当に子供にとって役立つ社会があるのかと考えた時、筆者は自信が持てないでいる。特に今、東京で暮らしているのだが、ニュースなどを見聞きすれば世の大人たちの大半は、正直者はバカを見、他を出し抜くことを良しとし、責任逃れに終始する風潮が隅々まで蔓延る環境が残念ながら存在する。
そんな大人たちが、大上段に構え子供の躾などできるわけがなく、烏滸がましいにもほどがあると思う。子供に手を出す前に、先ず大人が襟を糺した生き方をしなければ子供たちはついて来るまい。
5月26日(金) ベトナム版清貧の思想
*安定したベトナムの発展はマスコミでも当たり前に取り上げられるようになり、先進国の仲間入りもそう遠くないと人々の会話にものぼるようになった昨今、成功の実例ももはやドイモイ以前の東欧諸国に求めるのではなく、先進諸国に求めるようになった。事実、ベトナム経済は近隣諸国と比較され特にタイを見本にする傾向があり、政治家にとっても準先進国の仲間入りを果たした韓国やマレーシアの成功実例から政策を採り入れようとするほどだ。今日、ベトナムの人々が主力プロジェクトを自身の発展に結びつけて語ることは一般的になりつつある。もし、Phu Quoc島や中部海岸沖のCu Lao Cham島に行けば、たぶん地元の人たちからPhu Quocなら彼らの島がいずれシンガポールのようになるとか、現状、貧しい漁村でしかないCu Lao Chamならやがてインドネシアのバリ島のようになると聞かされるだろう。
古いことわざに「隣の芝生はよく見える」という。ベトナムは以前、常に人並みであることを良しとしてきた。例えば、食べることをむずがる幼児に対し、母親は余所の子供を引き合いにして食事を食べさせようとしてきたし、子供が学校へ行けば、やはり同じクラスの優等生を引き合いにして勉強させようとしてきた。これと同様、ベトナムでも国家として同じことがいえるだろう。「我が国は教育システムで不足している点がある。故にアメリカ・イギリス・ドイツを見習わねばならない」とか「税制システムに問題がある。故にシンガポールを真似るべきだ」とか「上下水道システムに不具合がある。ではフィンランドに習おう」とか「スポーツ選手強化策に不備がある。じゃあ中国に学べ」などなど。
2004年10月にニューヨークで開発の緊急課題として国際年次フォーラムが開催され参加者は発展への新しいアプローチ。曰く人間中心の成長について議論をした。デリー大学副総長Deepak Nayyar氏とケンブリッジ大学政治経済学部教授のHa-Joon Chang氏は彼らの目標をこの年次総会で述べた。曰く、「人類の幸福が発展の本質である」とした。学者たちに因れば、社会的幸福は、高度経済成長の影に隠れ経済が全てに優先される弊害の中でしばしばないがしろにされがちである。故に、人、所謂、庶民の暮らしに焦点を当ててゆかねばならないという。ベトナムの発展は全ての分野及び社会に影響をもたらしたであろうかといえば、答えはどちらともいえないのが実情である。
現実に人々は多くの食事を得ることが可能となり消費者の選択肢の幅も広がり、郊外化は新しい住環境を生み出し貧しかった農家が土地を売ったお金で一夜にして億万長者になったりもしている。が、しかし幸福は長くは続かないもので、土地を売り払いお金を使い切ってしまった農家に残されたものは失業者でしかない。競争力をつけ、自信に満ちたベトナム人たちは、素敵な洋服を身にまとい、最新のバイクに跨り、分厚い財布を手にし如何に他者に差をつけるかに腐心をするものの、自分たちを如何に幸せにするかは全く関心を払っていないようだ。
一般的に、「内面の力を高める」という概念が、トップレベルの政治家によってひとつの手法としてしばしば用いられる。しかし、常人が同じことを必ずしも感じるというわけではない。
フランクに云えば、他人はどうであれ自分自身がどうあるべきがが重要であり、詰まらぬ見栄と虚栄で飾ったとしてあなた自身がそれで幸せなのかを自問自答してみることだ。本当の幸せとは、目先の利益を差し置いて目標は何であるか、何が自身を幸せに導くものなのか、それを真に理解したときにやってくるものなのだ。貧しいCu Lao Cham島の地元民たちに関して云えばバリ島の繁栄とは一線をかくした特別な発展の方法を自ら見いだした時、そのときこそ彼らは島にパラダイスを見つけることができるようになるのだろう。
(辛口寸評)
余りにも高尚な文章で、訳文に翻訳が必要になる。簡単に云えば、経済だけに心を奪われることなく、人間として何が一番、大切で幸福な生き方なのかを見極めた生活を送ろうといった、拝金主義に走る国民への戒めなのだろう。とはいえ、現在のベトナムでこのことに耳を貸す人は殆どいないと思われるが、、、、、。
5月27日(土) お手柄ベトナム警察官
*人身売買によって10日前にベトナムに連れてこられた4人の中国人の子供たちは、越中両国の警官の手助けで保護され無事本国に移送された。子供たちはホーチミン市のトンソニヤット国際空港で中国領事館に引き渡されたのだった。ホーチミン市警察署副署長Nguyen Viet Thanh氏は、越中両国警察の連携措置が如何に有益であったことを強調し、今後も相互協力をして行くことになるだろうと述べた。中国総領事Gao Deke女史は、今回のベトナム側カウンターパートの協力に謝意を伝えると共に、子供や女性を対象にした人身売買摘発に手を携え推し進めて行きたいと希望した。
救出された子供たちは9~14歳の3人の男の子と1人の女の子からなり、5月17日午前9時半の広東行きの飛行機に乗り家族の元へ帰って行った。警察の報告によれば子供たちは5月5日浙江省で誘拐されたが、ホーチミン市で第三国に送られるところを先週、ベトナム当局によって保護されたのだった。国連麻薬犯罪課とベトナム公安省、それにカンボジア内務省は警察官・人身売買犯罪に携わる検察官並びに裁判官を対象に会合を開き、ベトナムから人身売買の防止・捜査・摘発について話し合った。
この会合は、ベトナム政府主導で催され議長のベトナム警察を代表し副総監Cao Ngoc Oanh氏が進行役となり、カンボジアと国境を面するベトナム側のTay Ninh省とAn Giang省、そしてカンボジア側のSvay Rieng省との捜査協力体制を如何に築くかが話し合われた。また会合では、情報交換や証拠収集の方法についても意見交換がなされた。昨年10月にベトナムとカンボジアは婦女子人身売買の撲滅と被害者救済措置を含む二国間協定の調印を済ませている。
(辛口寸評)
どのような経緯でベトナム当局が、誘拐された子供たちを発見し無事保護できたのかは定かでないが、それにしても発見自体、実に希なケースといえる。通常、東南アジア諸国の貧しい地域では、口減らしの為の人身売買が横行しており、実際、誘拐されるというよりかは親が借金のカタに子供を手放す事象が殆どなのだ。
話は少し横道に逸れるが先だってある雑誌に「だるま女」について書かれていた。これは以前からアジアを旅するバックパッカーの間で噂になって来た話で、若い日本人女性がアジアを旅している途中、拉致された挙げ句、手足を切断され見せ物小屋に売り飛ばされ、それをたまたま見に来た日本人客に自分の名を告げ、漸く救出されるも、日本に帰国してからも余りの過酷な体験がトラウマとなり一生を精神病院で過ごさなければならないというものだ。雑誌によれば、噂は噂の範囲のもので実際には口裂け女同様、作り話としていたが、実際、ベトナムやカンボジアなどでは現在、余り目にすることは少なくなったものの、乞食に身をやつしたものが、同情を引くためにワザと手足を切り落としたりすることはしばしばあるので、この「だるま女」の話もあながち全てが噂ばかりとは言い切れないのではと思った次第である。
以上
週刊ベトナムニュースの配信者のお陰をもちまして、10日間のブログ休止期間(予定)は、9日間ですませることができました。配信提供者に対し、心より深く感謝申し上げます。
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