ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第68号
ウィークリー・ベトナム・ニュース
■ 平成18年6月24日 土曜日 第68号
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■ こんにちは!!
いつもお世話になっておりますベトナム、ニャットアインです。
今日もここ一週間のベトナムの主なニュースをご笑覧下さい。
翻訳は直訳とせず、日本語に馴染む意訳としておりますので、ご注意下さい(笑)また、訳者の独断と偏見を交えた辛口寸評を入れてみました。内容が片寄り、言葉が多少過ぎる箇所も多々あろうかと存じますが、これもベトナムを愛するゆえの諫言とお許し下さい。
誤字・脱字はご愛敬ってことでお願いします<(_ _)>
尚、記事の転送は営利目的以外なら原則自由ですが、自己責任において行い、その中で被った被害・損害に対し筆者は責任を負えませんのでご了解下さい。
ベトナム・ニュース その68 今週のヘッドライン
*6月19日(月) 年寄りの諫言か戯れ言か
*6月20日(火) 国内映画産業の克服を計る
*6月21日(水) ベトナムの鉱物埋蔵量
*6月22日(木) 子供に外国語を始めさせる頃合い
*6月23日(金) テレビの功罪
*6月24日(土) ラオスへ直接投資続伸
6月19日(月) 年寄りの諫言か戯れ言か
*主婦のHong Hanhさんはハノイの高級ブランドショップで2つのハンドバックをUS1200$で手に入れた。ここではルイヴィトンの様なハイエンドレーベルのブランド店が立ち並ぶ。「以前、このようなブランドを入手するには海外旅行をしなければならなかったけど、ベトナムがドイモイ政策を立ち上げて20年 今はどんなブランドもここで手に入るわ」とHanhさん。
別の主婦Hai Yenさんはレブロンやフェレといった舶来の化粧品の愛好者で、これらの商品はハノイ市やホーチミン市でも入手可能だ。「週末になるとお買い物に出掛けるの、そして衝動買いでお洋服や化粧品、それにスキンケア用品など買いあさってしまうの」と外資系企業で働くYenさんはいう。彼女は凡そ10mドン(US625$)の月給の全てをショッピングに注ぎ込むが、一生懸命自ら稼いだお金で買い物をしてどこがいけないのと悪びれる様子はない。
HanhさんとYenさんは何も特別ではなく、外資系企業で働くベトナム人中高年の多くが、その収入を殆どを自動車・携帯電話・デザイナーズブランドのような高額商品の購買層をなしているという。
今年48歳になるNguyen Thanh Binhさんと大型外車を乗り回すビジネスマンのご主人の二人は少なくとも週三回は外食に出掛け、年数回海外旅行に行くそうだ。このような行動様式は80年代後半より経済資本主義にベトナムが移行してから育ったもので、この数は今も増え続けている。
「親の世代と違って今を生きる我々は高級品が身近になり、美をより楽しむことがたやすくなったわ」とBinhさん。現在、ベトナムの経済成長率は8%前後、中間層は西側の高級商材への嗜好はどんどんエスカレートしてゆく。コンサルティング会社の研究に拠ると、先進国の生活と同様、ブランド品・海外旅行・自家用車の所有・プラズマテレビを持つ世帯は増加傾向にあるという。
しかし、年配者はしばしば高級品志向に疑問を呈している。例えば、今年75歳で元革命戦士のNguyen Thi My婆さんは、ベトナム人たるもの舶来品にうつつを抜かすくらいであれば国産品を購入し国内産業の育成に一役買うべきで、余ったお金は貯金すべきだという。「亭主と私の年金は併せて月4mドン(US250$)、それに海外で暮らす子供たちから同じぐらいのお金が送られて来るけど、舶来品などにお金を使ったことはないわよ。それに出掛けるときはタクシーなど利用せずバスを使い、掃除はメイドなど雇わず自分たちで行うし、それでお金が余ればチャリティーに寄付している。」と語る。
この老夫婦には独立した5人の息子と嫁がおり、10人の孫に恵まれた生活を送っている。My婆さんの亭主は、我々が率先し子や孫たち、或いは近所の模範となるような規律正しく無駄のない生活を送らなければならない。全てのベトナム人、特に若くて生活に金銭的な余裕があるものは将来の為に貯金をしたり、ベトナムが豊かになるよう努めなければならないという。そして、若者たちは貴重な時間を下らぬショッピングに当てて本当に人生にとって価値ある経験を逃すことがあってはならないと結んだ。
(辛口寸評)
最近、日本で暮らすベトナムニュースの読者より、「ベトナムの生活が随分向上しているんですね~。特に庶民の暮らしはどんどん豊かになっているようで、全く目を見張りますよ」等と感想を頂くことがある。ただ、これはベトナム全体がそうであるのではなく、あくまでも都市部に住む中間層や地方でも一部の特権階級に過ぎないのである。もちろん経済は全体的なボトムアップが計られているので、貧しい層も多少のおこぼれに預かることが出来るものの実態は中間層との格差は益々開くばかりなのである。
記事に出てきた老夫婦の諫言とも取れる話、若い者にとっては年寄りの戯れ言としか耳に入らぬかも知れない。しかし、これに聞く耳を持つ中間層の高が多のか否かで、この国が物質的にも精神的にも豊かな生活がもたらされるのであろう。
6月20日(火) 国内映画産業衰退の克服を計る
*ベトナム映画産業は現代社会の矛盾や問題点などに光を当てた内容の映画制作により注意を計らなければならない。最近、国家映画センターが映画観客の趣向を調査したのだが、その結果は多くの映画会社にショックを与えるものとなった。先ず、「あなたは映画館へ行くとベトナム映画を選びますか?」との質問では僅か4.8%が“ハイ”と応えたに過ぎず69.2%の答えは“ケースバイケース”そして残りの20.3%は“イイエ”と応えたのだった。
「なぜあなたはベトナム映画に興味を示さないのですか?」という質問には、43.2%が映画のクオリティーの低さを挙げ、観客の要求を満たす内容ではないと応えた。残りの人々は、ベトナム映画は社会問題に焦点を当てたものに作られていないことに不満を示したのだった。
これらの回答から見えてくることは、観客の多くが映画制作者たちに対してテーマを現代社会生活や流行などから題材を求めるべきだとの認識をしめしていることが判る。「どんな内容を映画作りに反映すべきか?」という設問では、45.4%が日常の話題を題材にすべきで、34%は社会問題をテーマに掘り下げた映画作りをすべきと応えたのだった。そして僅か13%が過去の戦争映画を支持する一方で、5%が戦後の話題を盛り込むべきとの見方を示した。
民間映画制作会社は、これまで現代社会にスポットを当て、注意深く観客の需要を探り映画作りの参考にしてきたという。ホーチミン市のPhuoc Sang映画会社はそのひとつで、今までに“男が妊娠したとき”や“借り腹妊娠”など社会問題をテーマにした映画で予定興行収入を揚げて来た。しかし、映画投資家は戦争映画には食指を動かさないようだ。“将校”という映画が国営映画会社で制作されたが某映画館の支配人によると、人々が喜んでこの映画を見に行くとは思えないと語る。
例えば、以前、ベトナムの権威あるゴールデンカイト賞を受賞した“恐怖の生活”は鳴り物入りで200mドン(US12500$)の配給宣伝費をかけたが、ホーチミン市内の映画館でついに上映されることは無かったという。
映画制作に携わるNgyuen Hai Haさんは、映画制作に膨大な費用をかけても映画館で上映されることは殆どないと語る。その理由はベトナム映画配給会社がこれらの映画を買い上げず、興業しても受けることがないと判断してしまうからだという。故に多くの映画制作会社は映画作りに昔ながらの思考法を用い制作することを余儀なくされてしまうのだ。
昨年“長い足の娘たち”で14回フィルムフェスティバルでシルバーロータス賞を受賞したVu Ngoc Dang監督は、観客自身の映画を見る目が肥えてきたことを挙げ、いつまでも古くさい筋が読めてしまうようなつまらぬ映画など相手にしなくなって来ていると答えてくれた。
映画法が改善され新たな息吹をベトナム映画に盛り込み、法制に携わる政治家は他国の映画法を参考にすべきで、欲をいうならベトナム映画が世界のフィルム市場に互して行けるほどの内容にして行くことが大切だとDang監督。その上で、投資家・プロデューサー・配給会社・俳優が一体となり心を込め映画制作に打ち込めるようになれば、ベトナムの観客はベトナム映画に足を運ぶようになるだろうと結んだ。
(辛口寸評)
表現の自由が著しく制限されるベトナムの映画作りは、ハリウッド映画や海賊版DVDが街に溢れるようになったこの国では、もう時代遅れも甚だしいという気にさせられる。しかも、ローカル映画の中で、至る所に道徳観や(為政者にとっての)社会正義が、随所に盛り込まれているので、見せられる方は堪ったものではない。仮に全ての外国映画に規制をかけ、ベトナム庶民がそれらから遮断されているのであればまだしも、実態はその逆で、寧ろ規制にがんじがらめにされ、外国映画と競争を余儀なくされるベトナム映画業界が余りにも気の毒である。
優秀な監督・役者・プロデューサーなどきら星の如く存在するベトナムはもう少し見方を変えた国内映画作製環境を整えて行かなければ早晩、それらの人材は新天地を求め海外に流失してしまうと思われる。但し、無秩序に規制を外すことが良いと筆者はいうのではない、過度の暴力や性描写などやはりその辺りは巧く抑えることが必要だろう。
6月21日(水) ベトナムの鉱物埋蔵量
*産業省がベトナム北部山間地帯で500カ所近くの多量の金産出が見込まれる鉱脈を発見したと発表した。このうち既に30の鉱山で採掘が始められており、ここには約300トンもの金の埋蔵量があると考えられている。産業省は北部Hoa Binh省Doi Bu地区では合計10トンの金鉱があり、今後、この地区に採掘投資を集中させ年間1トンの金が掘り出せるようにすると語った。Thai Nguyen省・Bac Can省、そしてCao Bang省は金鉱脈で知られており、Thai Nguyen省にはBo Cu金山、Bac Can省にはPac Lang金山とKhau Au金山があり、Cao Bang省にはNam Quang金山を持つ。
フランス地質学鉱物資源研究所の試算によれば、Pac Lang金山には約30トンの金が眠っており、Bo Cu金山には凡そ1700kgの鉱脈があるという。産業省の調べでは北部ベトナムには2億2400万トンの鉱物資源があり、その中に2億1300万トンの鉄鉱石、480万トンのチタン、320万トンのマンガンが含まれているとのこと。加えて、これら鉱物資源が存在する場所はLao Cai,省、Thai Nguyen,省、Tuyen Quang省、Lang Son省、Ha Giang省、Cao Bang省、Bac Can 省の7つの省に跨っているという。
1995年から2003年での鉄鉱石の年間採掘量は僅か30~45万トンに過ぎず、小さな操業だった。しかし2003年、2004年と産出量は中国からの需要が突然増大し、それぞれ100万トンを採掘するまでになった。
小規模な操業と不適切な採掘計画がこれまでにもたらしたものは大きな損を生じさせてきていた。需要の増大とともに設備投資を含む操業の見直しが必要になると産業省は指摘している。
(辛口寸評)
金と言えば最近、知人から日本の金取引の理不尽さを聞かされた。
彼女は10数年前、日本の財閥系鉱物精錬会社が当時手がけた金の積み立てを始め1キロほど金を買い進めたところで、会社のショップで100グラムの24金のネックレスを購入したという。本人は混じりけなしの純金であれば等価交換がいつでも可能と考えていたらしい。
ところがここへ来て急遽纏まったお金が必要となり、彼女は愛着のあったネックレスだったが、やむなくその会社のショップに持ち込み現金化することにしたのだった。通常、金の売買は“売り”と“買い”ではグラムあたり約60円の手数料が差し引かれることになっており、このことは新聞紙上でも金価格できちんと書かれているため買い取り値段で現金化されることはやむを得ないのだが、なんとネックレスはジュエリー扱いとなり、溶かして精錬し直す為との理由から、24金であるにも拘わらず、グラムあたり315円の手数料が取られるとショップで告げられたそうだ。
余りの暴利に目を剥いた彼女は結局、ネックレスの現金化を思いとどまることにしたそうで、このことは賢明な措置だと筆者も思った次第。彼女は会社に対して、ジュエリーの手数料がグラム315円という告知は一切なされておらぬことを次げたらしいが、話を聞くと日本の業界全体がこんな感じであると説明を受けたそうだ。「これっておかしいよね」と同意を求める彼女に僕も正直呆れて言葉を失った。こんな話は日本国内では通用するが、海外で話せば非常識も甚だしい。どうぞ皆さん、貴金属を購入するときはナゲットか延べ棒で持つように致しましょう(笑)
6月22日(木) 子供に外国語を始めさせる頃合い
*巧みに外国語を操ることは現代を生きる誰にとっても必要なツールとなり始めています。ですから、多くの父兄は彼らの子供たちにその力を備えさせ将来、良い職業に付けさせようと考えるのです。しかし、子供たちの外国語教室が各都市に増え続ける中、父兄はいつからその子女を学ばせるべきか悩んでいるという。余り早く外国語を習わせても子供たちは公立学校での勉強以外の重荷になるのではないかというわけだ。
そこである学者たちは幼児期の外国語学習に対するメリットを語ってこう話す、「父兄は子供の可能性を早いうちに開花させるべきだ」と。。。
彼らによれば、早い段階での外国語学習を受ければ その分だけ早く認識能力を高めることが出来るので、もし家計に余裕があれば早めに外国語を習わせた方が良いというのだ。
30年に渡り英字新聞の編集経験があり、ハノイのアポロ教育訓練センターに今年5歳の孫を通わせているNguyen Thi Lanさんは上の意見に賛成だ。しかし、父兄は子供の学習能力をきちんと見極めることが必要だとアドバイスをする。つまり、始めに子供のやる気ありきで、それがあれば長続きするというのである。また子供のための外国語学習はその環境作りが重要で、早く始めれば良いというものでもないという。
Thuoc Ba通りに住むPham Hoai Anhさんは5歳になる息子をハノイ子供宮殿に連れて行き英語補習クラスに登録した。既に彼女の8歳になる娘はこのクラスに通わせ1年になるが、英語を使って課外活動・音楽授業やレクレーションを楽しんでいるという。「子供が楽しそうに英語を学びそれを過程でも使う姿を見ていると親として鼻が高いわ」とHoai Anhさん。
彼女とそのご主人は子供たちが中学を卒業したら海外に留学させたいと計画している。
現状、殆どの外国語学校は4歳児からのコースを用意している。ここでは基礎的な英語学習の他、独立自尊心の植え付けや英才教育なども提供するという。教材や教育方法は学校により異なるものの、親子がそれぞれ興味を覚えるような内容に整備されているそうだ。
6歳児の父親で息子を英語クラスに通わせているNguyen Tuan Anhさんは、子供にきれいな発音をさせるために英語のアニメを見せたり歌を聴かせることが良いとアドバイスし、発音やアクセントを正しく学ぶことは新しく英語を学ぶ子供にとって重要なのだと語る。幼児にとって最も効果的な学習法は遊びと学習を混ぜ、歌やゲームに置き換えたもので興味を持たせそれを持続させることが必要だとしながらも、子供の能力に併せて学習させるべきでプレッシャーを与えるようなことをしてはならないと専門家は結んだ。
(辛口寸評)
子供に外国語を習わせようとする大半の家庭は、子供本人の教育以前に親の欲求と見栄を満たす飾りでしかない。このことは良いとか悪いとかではなく、親は適当な理由を付けて、他人との差の中でしがない優越感に浸っているに過ぎないのだ。まあ金に余裕があれば外国語を習わせても良かろうが、言葉はあくまでも手段であり目的でないことを肝に銘じておくべきだろう。外国語は学問ではない。意志の疎通を図る道具なのだ。外国語が出来ることが賢いということは断じてない。外国語を話せても中身が伴っていなければ、筆者のようなただのあんぽんたんなのだから(^_^;)
6月23日(金) テレビの功罪
*私の叔母は最近、彼女の5歳になる息子からあるものをねだられショックを受けた。そのあるものとは、OK印のコンドームだったからだ。
叔母はショックを息子に悟られないよう如何にも普通の顔で彼にその理由を訊ねたという。すると息子の答えは「陸上選手になりたいから」というものだった。何でもテレビCMのキャッチコピーに「OKを使えば陸上選手になれる!」といったものがあり、それを見たからだというのだ。それを聞いて叔母は、OK印のコンドームの「OKは陸上選手のように強くなれる」というスローガンを想い出した。親がそばにいないところでテレビ漬けの子供たちは、そこから流される情報を取り違えやすい。叔母の息子にしても、OK印の意味は判らず、単に、それを使えば彼が陸上選手のように強くなれるものと信じたに過ぎないのだ。
ハノイ在住のNguyen Quang Thanhさん夫婦は、2歳になる息子のテレビの見方が気になるという。というのも彼はテレビを見始めると、顔を画面に近づけ見る癖があるからだ。医者に診せたところ、診断結果はThanhさん夫妻を驚かせた。なんと息子は近眼で眼鏡が必要と告げられたのだ。Thanhさんの家系には近視のものは1人もいないため、どうやら息子の近眼はテレビの見過ぎにあると結論づけ、それ以降、テレビの時間は一日10分に限ることにし、しかも画面から話して見させるようにしたという。
なぜ、息子がこれほどテレビを見るようになったのか探ったThanhさんは、その原因が近所に住む通いのお手伝いさんにあることを知ったのだった。彼女と何気なく交わした会話の中で、お手伝いさんが市場に買い出しに出掛ける際、決まってテレビをつけっぱなしにしておくのだといい、そうすることで息子は静かにしていてくれるのだと語ったのだ。つまり親の知らないうちに息子は毎日一時間以上テレビを見続け、そんな日が半年も続いてしまったことにThanhさん夫婦は愕然としたのだ。「テレビを近くで長い時間見続けると目に悪い影響を与える」というのは、国立視覚病院のHa Huy医師。テレビばかり見ていると、視力の低下を招くのみならずコミニケーション能力にも支障を来し、情緒不安定・集中力の欠如・テレビの真似をするようになり危険だという。
ホーチミン市5区に住む14歳の少年Hoang Anhくんはテレビで見ていたヒップホップダンスの真似をしていて首を捻挫し、完治するまでに9ヶ月も要したという。「毎年、凡そ40人の子供たちが首の捻挫で緊急病棟に訪れ、捻挫の原因の殆どがテレビを真似てのものです」と語るのはホーチミン市整形外科病院のVu Viet Chinh医師だ。
テレビ視聴は上述のような否定的な面がある一方、子供たちにとって有益な媒体になりつつある。中学生の勉強内容は以前に比べれば難しくなってきており、テレビを見てストレスを紛らすことができる。近所の8歳になる女の子と私がクイズをして遊んだとき、彼女は私が答えられたい質問を立て続けに出してきて大いに驚かせたことがあった。どうしてそれほど多くの難問を出せたのか彼女(Hien Nhi)に尋ねると、テレビのクイズ番組から習ったと答えたのだ。
Hien Nhiちゃんは毎日、お母さんと一緒に15分ほど母が娘の為に選んだテレビ番組を見るのだという。彼女の場合、テレビの視聴は有意義なものとなっているのが判る。親は子供たちの健康に悪いからといってテレビに当たるのではなく、区切った時間の中で子供にとって良い番組を選んであげることが必要なのではないだろうか。
(辛口寸評)
10数年前 眼鏡をかけた筆者がここベトナムにやってきた時、周囲に眼鏡をかけた人など一人も見かけなかった。つまり眼鏡をかけた人間などというのは当時、パンダ並のレアアニマルくらいの価値があったのだろう、ベトナム人から盛んに「四ツ目」と呼ばれ囃された。四ツ目の語源は、裸眼二つとレンズ二枚を足したからだという。三ツ目小僧か手塚治虫の写楽保介のようで日本人としては余り嬉しくないあだ名をつけられたのだが、要するに当時のベトナムでは眼鏡というものが不要な社会であったことを物語っている。
しかし、現在はテレビの影響しかり、大気汚染しかり、勉強にかける時間が延びたことなどが合まり、若年層(小学生当たりから)で近視が増え、眼鏡は全く珍しいものではなくなり、街の至る所で眼鏡店が軒を連ねるまでになっている。これも世の流れとはいえ、文明が栄えるほど身体能力の退化が進むということなのだろう。
6月24日(土) ラオスへ直接投資続伸
*過去5年間でラオスに投資する29の外国投資国の中でベトナムが急浮上してきており、プロジェクト数第4位、投資額では第3位となった。ベトナムは現在ラオスで展開される540の外国直接投資案件のうち69件のプロジェクト総額US500m$を立ち上げ、内47件US452.6m$が操業中。操業中のこれらプロジェクトの中身は農業森林分野・鉱業採掘分野・電気・運輸が中心だという。
今回の調査対象企業は、11件のラオスとの合弁企業を含む34件の登記済みのベトナム企業で、その中でも特に目を引く案件はベトナム・ラオス開発株式会社で、ベトナムSong Da社が60%の株式を所有するものである。
同社はラオス政府の許可を受け、US806$を投資したラオス南部の二つの水力発電所建設をするものだ。
250MWの発電量のSekaman第3発電所の建設コストはUS273.8m$で、2006年4月にSekong省で建設が始まり、2009年の完成を目指している。その一方でAttapu省に建設予定の465MW Sekaman第1発電所のフィージブルスタディが現在進められている。
ベトナム・ラオスジョイントストックゴム社とDac Lacゴム株式会社は、2004年後半より、ゴム園栽培投資をChampassak省でUS60m$をかけた事業を行っている。これまでのところ、ゴムの木を凡そ6000hrに植林し、数千人の地元雇用を生み出している。発電・農林プロジェクトは別のベトナムビジネス案件は、Vietnam Economic Cooperation社・Vietnam National Chemicals社、そしてHa Tinh Mineral & Trading社などがおのおの数千万ドル規模の投資を行っている。
ラオスのThongloun Sisolit副首相は、年々ベトナムのラオス投資が拡大してきており、これはラオス・ベトナムにとって経済交流加速の良いシグナルであり、今後も増加して行くことを期待すると述べた。
(辛口寸評)
たびたびニュースでもベトナム対ラオス投資拡大の記事を採り上げてきたが、順調に伸びてきているようだ。これからのベトナムへ投資を投資をと触れ回るものとして、ベトナム企業が外国(ラオス)で直接投資を展開し頑張っているニュースは嬉しい反面、複雑な心境にもなる。ベトナム自体がまだまだ不足なのに他まで手を回す余裕があるとは思えないからである。そうまでして足場を作ろうとするのは経済的な効果以上に政治的な側面が強いのだろう。
ラオスのでベトナム投資がどのような展開を進めつつあるのか、現地を視察しこの目で確認しなければと意を新たにした。
以上
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