異端と正系、誰が一番悪であるか!
とうとう、「パレスチナ」で「パレスチナ人」同士が武力で争うことになった模様で、真に残念無念だ。情け無い。
報道によると、「パレスチナ」で腐敗権力の権化「ファタファ」の勢力が、現政権を担当する「ハマス」を武力攻撃した、とのことだ。
襲撃した「ファタファ」の武装勢力は、アッバス議長(パレスチナ評議会=国会)に率いられる、「ハマス」の指揮を拒否する元の治安組織(部隊)で、「ハマス」が政権を担当してから、一切の命令を拒否するという挙に出ていたが、遂に、アッバス一派を後ろから操る「イスラエル」のために自ら率先して手先となり、「ハマス」の武力粉砕に出たわけだ。
伝えられるところでは、激しい銃撃戦が展開されたようである。
政治の世界では、よく「異端と正系」について語られる。「パレスチナ」ではこれまで「ハマス」は「異端」であった。しかし、前回の選挙で「パレスチナの市民」から圧倒的な支持を受け、パレスチナ議会の三分の二を獲得し政権の座に就いた。かくも多くの議席数を獲得した最大の理由は、これまで「パレスチナ」では「正系」を主張し続けた、故アラファトに率いられた「ファタファ」が自らを「正当な正系」と喧伝しつづけ、それを多くの「パレスチナ市民」が信じていたからである。
ところが故アラファトが逝去してから、もともと盗賊集団が徒党を組んで集合しただけのような「ファタファ」は、「パレスチナ」で権力を維持してきた間、不正と腐敗の権化であったことが白日の下に晒されることになった。
何よりも、異常に年若い故アラファトの嫁は、居住先のフランスから優雅な振る舞いでヨルダン川西岸のラマッラに降り立ち、何と故アラファトの全財産の継承を要求した。このとき、要求したのは故アラファト個人の財産ではなく「ファタファ」が不正に蓄財した資産はもとより、「ファタファ」へ届けられる各国からの支援を含め、「パレスチナ政府」が受けとる資産にも踏み込んで「寄越せ!」と真に噴飯ものの主張し、これには全世界があきれ果て物笑いの種になると同時に厳しく非難された。それでも故アラファトの嫁は怯まなかったという。
これには、苦しい難民生活を強いられる普通の「パレスチナ人」が強烈な批判を展開し、彼らの心に光り続けていた「正系」としての偉大なアラファトのイメージが音を立てて瓦解することになった。これだけで「正系」どころか故アラファトの政治家としての名声は地に落ちたのである。
一度、疑惑の目を向けられ、普通の神経を保つなら、自らの周囲を浄化するものである。しかし「ファタファ」は実に盗賊の集団らしい考え方で、故アラファト同様にというか故アラファトの不正蓄財を超える蓄財を求め、実に操縦しやすく政治能力を欠くアッバスを「パレスチナ評議会=国会」の議長に据え、「パレスチナの政権維持(腐敗利権の維持)」を目指したのである。
結果は、「ファタファ」に対する激しい非難の嵐を呼び、「イスラエル」と「米国」が「パレスチナ人」のガス抜きを目標に、アッバスに迫った「パレスチナ議会の普通選挙」であっさり腐敗の「ファタファ」は「ハマス」にダブルスコアで敗れ去ったわけである。
これに慌てた「イスラエル」と「米国」は、アッバス政権の維持をいろいろ画策しているわけである。また、アッバスを担ぐ「ファタファ」の側も、腐敗利権の維持に向け「ハマス」政権に対し「イスラエル」や「米国」とグルになり、あらゆる抵抗を実施しているのである。
ここに「正系」を主張し続けた悪徳「ファタファ」が、実は「異端」であり、これまで散々「異端」と非難された「ハマス」が実は「正系」であったことが、図らずも露呈したわけである。
「ファタファ」は、イスラエルや米国からの「パレスチナ」への税金還付金(イスラエルが、パレスチナに代わり貿易関税を代理徴収した関税)の継続的獲得を目指し、「イスラエル」は、「ハマス」政権への還付を拒否し支払いと送金を保留したままである。これは実に酷い話である。その結果、「ハマス」政権下で働く政府職員への給与支払いは3ヶ月停止したままである。まさに盗賊集団が盗賊の論理を引っ提げ展開しているに過ぎないが、「イスラエル」は「パレスチナ」を困窮に追い込み「ハマス」政権が打倒されるのを待つ上から、「ファタファ」とグルになり兵糧攻めに加担しているわけだ。
ここまで追い込んだ上で、資金面でも豊富なゆとりを持つ「異端のファタファ」が、実は「正系のハマス」へ持て余す武力を用い、攻撃に出たというのが今日の情勢らしい。
何よりも「パレスチナの正義」「アラブの大義」を主張するなら、最も、過酷な生活を強いられている「パレスチナ人」の権利を正当な形で回復させることが重要なのであり、そのために雌伏する必要があれば耐えることも重要なのである。しかし、「ファタファ」は自己利益のために私腹を肥やすために政権を担当したいのであり、そのためには「イスラエル」であろうと「米国」であろうと、手を握り、不正をシェアし、虫けらのような存在にしか見えない「普通のパレスチナ人」を踏み付けることは「ファタファ」にとり、痛くも痒くもないのである。
逆に「真の正系となったハマス」は、その純粋さゆえに塗炭の途を歩まされるのである。これは「ハマス」が純粋すぎることと、政権担当能力が未熟であるがゆえに生じるテーマとも言える。かつて、ベトナムが南部を解放したあと、非妥協による純粋な政策執行を試み10年近い年月、藻掻き苦しんだのと同様の様態と言えなくもない。克服には経験が必要になる。しかし、「パレスチナ」では、これまで「正系」を主張したものの、明らかに支持を失い「異端」として追いやられた、盗賊集団「ファタファ」が依然として強力な武器を構え、真に「正系」であるハマス政権に武力攻撃を加え、もはや内戦状態を創り出そうとし、これに強力で実に不正な占領者「イスラエル」と世界各国へ口を出したがる自称、世界の悪徳警察官を名乗る「米国」が加わっていることである。サル屋のブッシュ親分と狡猾そのものメンドリーライス、戦争が唯一の趣味である狐のオタク、ハラムフェルゾーが戦争を仕掛けることである。
どこの世界でも、本来「異端」である側は、自ら「正系」であると声高に主張する。それは、ムラカミも同じ構図、丸投げポチ公鈍イチローも全く同じ構図である。声高に「異端」と指摘され烙印を押される側は、実は真の「正系」である場合が多いのである。
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