発展途上国が経済成長を志向することは、許されないのか?
途上国が経済成長することは悪なのか? (「カオスの顔」:6月01日付け)
ベトナムは元気だ!
ホントに元気だ!国全体の平均経済成長率は 8% だという。
それなら、サイゴン(ホーチミン市)単独なら、13~4% は成長しているだろう。
ホーチミン市の水準は、インドネシアやフィリピンの平均とほぼ同じ程度ではないか。
ベトナム全土を対象に捉えると、まだまだだろうが、首都のハノイも元気だ!
最近、ベトナムの発展に、いろいろ口出しをしたがる日本人が増えたと、ベトナムの政府関係者から、多少非難めいた口調で聞かされた。
もの凄い勢いで、建設が続いている。本当に建設ラッシュだ。
サイゴンへ押し寄せる人々を収容するには、ビルを建て続けなければ収容できない。
既に、1000万人は蝟集しているのではないか。
だいたい、サイゴンの収容力は300万人程度だ。
そこへ、チョロン、ザディン、郊外の村を加え、ホーチミン市としているわけだが、
それでも、都心部は、サイゴン、チョロン、ザディンだし、そこの居住者は最大でも500万人といわれていた。
それが、ドイモイの展開と共に、人が集まり住みついて結果は600万人に。
確か、都市機能がパンクすると叫ばれたのは、ドイモイ政策が緒についた、
ほんの15年ほど前のことだった。
ドイモイ政策という名ばかりの「社会主義市場経済」の発展は凄まじく、
「純粋資本主義市場経済」が活き活きしている。
それなら、市場経済の中で競い合い闘う方が、幸福に早く接近できると誰もが考え、より多くの人が仕事と都市生活を求め、全国各地から自然に集まってしまった。
まるで、明治維新の後、殖産興業政策を展開した当時、全国各地から大阪へ人が蝟集し、たちまち、単純労働に就く人で埋め尽くされた光景に似ていると言えなくもない(見たわけではないので)。
中国は、シンセンと同じである。人は仕事があればよいのである。
農業従事以上の収入が確保できれば、都市は快適なのである。
結果は、人口300万人程度の収容能力を超え、1000万人ともいわれる人が、ベトナムを代表する南部の商都サイゴンに蝟集してしまったわけである。
首都のハノイも負けず劣らず、都市機能がパンクするほどの人口集積である。
都市に人が集まりすぎると、結局は「汚水処理を含めたゴミ処理」で行き詰まる。
日本で、ベトナムの発展に伴う不均衡を憂う、多くの友人は「経済成長路線」をひた走るベトナムを心配する。そして、日本や中国と同じ道を歩まない方がよい。
そのように、大人びた「忠告」を試みる。
ベトナムの人々には、ありがた迷惑な忠告である。
「それでは、ベトナムはいつまでも経済的な成功から排除され、農業だけの生産で国を支え、科学文明に裏付けられた経済社会の恩恵を享受することは許されないのか?」と厳しく反論される。
それに対し、郷愁だけでモノを言う側は、二の句が継げない。
当たり前である。
まさに余計なお世話だ。
本当に「チュ・ノム・コン!(大きなお世話だ)」。
自惚れた、日本の友人の皆様へ、発展途上国の人は、いつまでも発展途上の生活を強いられなければならないのか?
あなた方は、自ら快適な生活をしている。それは、多くの場合、途上国の犠牲の上で支えられている。傲慢な自惚れはほどほどにされた方がよいのではないか。
8200万人の人口を抱え、まもなく 1億人になると考えられるベトナムの人口をどのように喰わせるか、それはベトナム人が考えることで、外国人が分かったような軽口を挟むものではない。その種の余計な口出しを傲慢といわずになんというのか。
お世話になっている側としては、均衡は気になるが、発展することを喜んでいる。
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香港から発信を続けておりました「カオスの顔」は、MSNの都合か何か分かりませんが、更新ができない状態に陥っているようです。そのため、主宰者の要請を受け入れ、「コラコラコラム」へ、その一部を転載し展開することに致します。
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