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2006/07/02

阪急と阪神の事業統合を議決した株主総会から

6月29日(木)に開催された、両社の株主総会で「阪急ホールディングス(HD)による阪神電鉄への事業統合」は既報のとおり議決された。

Hankyulogo_2当コラムの主宰者は、阪神電鉄側の株主ではないため、「阪神電鉄」の最後の株主総会に出席することはできなかったが、統合側である「阪急HD」の株主総会に出席した。
阪急HDの株主は約10万人であることを考慮し、当日は大量の出席者となることも想定し、午前8時40分に会場へ到着した。
既に、会場の出入り口は、報道各社の中継車を始めカメラが取り巻き、各社の記者が固めていた。

入場受付を待つ間に、産経新聞社からインタビューを受けた。
記者の質問は、
①統合をどう考えるか?
②よい結果は期待できるか?
③阪神タイガースはどうなるか?
④百貨店(阪急と阪神)の事業連携はうまく進むか? 概ね、この四点だった。

当方の回答は、
①統合は、素晴らしいことだ。地域鉄道会社、二社の案件ではあるが、全関西の視点で物事を考える必要がある。やがて関西全体に波及する統合となる。
②当初の効果は限定的だろうが、例えば「神戸市内線である『神戸高速鉄道線』については、大きな効果を生むだろう」。あるいは両社のバスは1200台というが、少子高齢化社会を迎えて、北摂地域から阪神間の地域は南北輸送にネックを抱えている。新しい発想や手法による効率的な事業が考えられる。
③阪神タイガースは、阪神電鉄が経営しているから「阪神タイガース」ではない。「阪神間」に存在するから「阪神タイガース」なのである。この名称をこの際、元の「大阪タイガース」へ変更しようなどという、わけの分からない主張をする人もいるようだが、「タイガース」は阪神間を基盤にした「市民球団」であり、それを甲子園球場を保持する「阪神電鉄」が経営主体となり運営してきたのである。「阪神タイガース」は主に阪神間の市民を中心にした全関西の市民球団である。
④百貨店は適正な連携ができる。当初は歪だと思うが、それぞれにしっかりした顧客が付いているわけで、何の問題もなく事業連携ができる。巷では「阪急百貨店」は高級路線、「阪神百貨店」は大衆路線だと、わざわざ指摘する向きもあるようだが、日本の一般的な所得を考えた場合、全く意味を持たない「為にする主張」である。そもそも、梅田という狭い範囲で捉えようとするから、さほど意味のない、意見に右往左往するのであって、「阪急百貨店」が他の地域で展開する店舗は、「阪神百貨店」と大差ない事実を知るべきである。また、フジ・サンケイグループに、「産経新聞」と「夕刊フジ」が両立するように、基本的なターゲット構成を整理することで、より高い相乗効果を得ることができる。

10時(正確には10時5分)からの株主総会に臨んだ。
議長(社長)による提出議案の説明が終わるや否や、個人株主の質問というか意見表明というか、嫌みというか、妬みというか、事業経営とは何らの関係性も保持しない自説を唱えるというか、わけの分からない状態だった。

*6月27日の「阪急HD」は「阪神電鉄株」のTOB応募者に対し、株式買取り資金を決済しているため、6月29日時点で「阪神電鉄」は「阪急HD」の連結子会社になっている。

株主総会での、発言の基本は、「阪神電鉄」の株価は、ここ数年300円台であった。それが、ムラカミファンドによる買い占めで、1000円まで高騰したわけで、その高値を掴まされただけである。とする意見が勢いを占めていた。

次に、現在時点の阪神電鉄株価は、800円台に下げている。しかし、阪急HDによるTOB価格は930円である。930円の算定根拠が十分に説明されていない。その結果2500億円もの借入金(有利子負債)が増加する、もし、800円台であれば160億円の資金削減ができたはずだ。これまで無配でも辛抱してきた株主に対し、どのように考えているのか、また無配にする気か?エンドレスとも言えた。

個人株主(当コラム主宰者も個人株主だが)は、もう少し、自らが投資する分野は勿論、証券市場について、事業経営について、学ぶことが必要だ。

①個人の一般株主は、株式市場の構成も経営に伴う事業計画も、刻々と変化する経営環境も、ほとんど何も理解していない。
②ただただ、個人の、その時点における損得、利害得失についてのみ執着しているに過ぎない。この点では、ムラカミと何ら変わることがない。組織化されていないだけ、より悪質かも知れない。

*早い話が、阪急HDでも長期安定的な株主は少数なのである。ほとんどが、短期的な株主であり、一時所得の増大を目指しているわけである。
従って、ムラカミとの遣り取りの過程で、上昇機運にあった阪急HDの株価が低落し、その過程で売り損ね、思い描いた利益を確定できなかったことへの怨嗟である。

160億円の資金削減ができた」と主張した、守銭奴みたいな株主は、自らの主張が、ムラカミの主張と何ら変わらないことが分かっていない。
つまり、ムラカミファンドに(ムラカミ個人にではない)470億円近い金を与えることが憎いのであり、それなら自分に寄越せと主張しているわけである。
そこには、事業会社を長期にわたり健全に経営し発展させよう、という思考はどこにも見当たらない。その意味で、同じ穴のムジナであり、ムジナが相手より自分の手がきれいと、声高に主張しているわけである。

③株主は、経営制度に基づいた、上場会社の組織という制度を、よく理解した上で、発言し主張すべきである。

この度の、阪急HDの株主総会は、さしずめ、経営資質を基本的に欠いた個人株主による、会社経営陣への糾弾の場であり、大衆団交といえなくもなかった。
経営陣の立場を忖度すると、労働組合を相手にした団交の方がはるかに論理的な話ができる、とお考えではないだろうか、思わず同情してしまった。

個人株主は、阪急HD社長の説明を、全く聞かないし理解もしない。何度も何度も、重複した質問を繰り返す。社長は辛抱強く同じ答えを繰り返す。

歴史的な株主総会が、わけの分からない主張を繰り返す、一部株主の感情的な個人的利害の損得発言に、株主総会の時間は大半が費消され、必要な経営についての質問や提議ができなかったとも言える。
例年は、もう少し、経営に関わる質問や提議がなされるだけに、残念な株主総会だった。

このような馬鹿げた展開ではあったが、基本的な提案事項は了承され議決された。
阪急HDは、阪神電鉄の統合を正式に決定。TOBに応募しなかった株主の株式交換についても議決し、10月1日の完全統合の実現へ正式にスタートした。

常に冷静沈着な、阪急HD角社長に対し、大きな期待を込め拍手を贈りたい!!

以下は、29日の両社の株主総会を報じた記事の引用である。阪急HDのTOB価格などについての調査報道記事も引用紹介しておく。加えて、糸山英太郎氏のブログ発言も刮目できる点があるため、URLを紹介  http://www.itoyama.org/  しておきたい。

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事業再編へ協議本格化 阪神・阪急統合決定   (神戸) 2006/06/30

阪急ホールディングスと阪神電気鉄道の経営統合が二十九日の株主総会で承認され、売上高三位の巨大私鉄グループが誕生する。両社は事業再編の協議を本格化させるが、巨額の阪神株取得に伴う財務悪化など懸念材料も少なくない。早期に相乗効果を高める施策を打ち出せるかが課題だ。

十月の統合で、持ち株会社「阪急阪神ホールディングス」の傘下に、阪急電鉄など阪急の中核三社と阪神が入る。将来は、各事業ごとにさらに再編する方針だ。阪神タイガースの体制やブランドは現状を維持する。

統合効果については、両社の社長ら幹部で構成する経営統合委員会の下に、都市交通、不動産といった分科会を設けて具体策を話し合う。

阪急の角和夫社長はこの日の総会で、鉄道の共通定期区間の拡大や阪神沿線でのマンション開発などの利点を強調。だが株主からは「具体的な数値を伴った計画を出すべきだ」と、説明が不十分との指摘が相次いだ。

新会社は十一月ごろに業績の数値目標の概略を示し、来年三月には二〇一〇年三月期までの中期経営計画を明らかにする方針だが、実効性のある内容を提示できなければ、株価にも影響を与えそうだ。

事業再編では、阪急ホールディングスと資本関係が薄い阪急百貨店と、阪神百貨店をどう連携させるかも難題だ。

一方、株式公開買い付け(TOB)で阪神株の取得費用が約二千五百億円と予想以上に膨らみ、新会社の有利子負債は約一兆三千三百億円に膨らむ。「負債削減は最重要課題」(角社長)で、財務体質の改善には、豊富な含み益を持つ阪神所有の不動産活用も鍵となりそうだ。Copyright(C) 2006 The Kobe Shimbun All Rights Reserved.
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阪急・阪神の統合確定 株主総会で両社承認  (産経)

経営統合を目指す阪急ホールディングス(HD)と阪神電気鉄道は29日午前、大阪市と兵庫県尼崎市でそれぞれ株主総会を開き、10月1日付の統合について株主の承認を得た。これにより、昨年秋、村上ファンドによる阪神電鉄株の買い占めで始まった「企業買収」騒動は、阪急による阪神株の株式公開買い付け(TOB)を経て、戦後初の大手私鉄同士の「再編」に結実。連結売上高で業界3位の電鉄グループ「阪急阪神ホールディングス」が誕生することが確定した。
両社の経営統合は株式交換方式で行い、阪神株1株につき阪急株1.4株を割り当て、阪急が阪神を完全子会社にする。

阪急HDの角和夫社長は阪神との統合について、(1)鉄道の共通定期の検討 (2)バス路線の再編や新規開拓 (3)大阪・梅田地区での商業施設に関する協力-などを説明し、「阪急と阪神が統合してこそできるものだ」と強調した。株主からは「(阪神株の)買い取り価格は1株930円。それが800円台まで下がった評価損の影響があるのではないか」との質問があったが、阪急側は「買い取り価格は阪神の収益力から考えて算定しており、影響はない」と回答した。

また、経営統合によるシナジー(相乗)効果の説明が足りないとの株主の指摘には、「鉄道、不動産は中長期の視点が必要で、統合委員会で検討して来年3月に中期経営計画として発表する」と回答した。

一方、単独での株主総会はこれが最後となった阪神電鉄は、冒頭、西川恭爾社長が「(村上ファンド問題で)株主はじめ関係各位に大変なご心配をかけたことをおわびしたい」と陳謝し壇上の役員が深々と頭を下げた。

続けて西川社長は、「(阪急との)統合に、違和感を覚える株主も多いと思うが、少子高齢化の時代を迎え、安定的な経営には阪急との統合が企業価値向上につながると判断した」と説明し、改めて統合議案への賛同を求めた。

会社側は議案提案のなかで、「阪神タイガースは当社が運営することに変わりはない」「百貨店事業は阪急百貨店と連携する方向で検討している」などと説明した。

≪球団の行く末心配≫

村上ファンドに翻弄(ほんろう)され、ようやく阪急HDとの経営統合にこぎ着けた阪神電鉄。株主から統合に期待する声があがる一方、「村上ファンドに狙われるすきがあった」「説明責任を果たしていない」など手厳しい意見も聞かれた。

総会は兵庫県尼崎市で開催。午前8時45分の受け付け開始前から株主が続々と訪れ、800人余りが出席した。

同社の総会は初めてという神戸市長田区の無職、中敏昭さん(70)は「何より心配なのは阪神タイガースの行く末。身売りされたら困る。この目で確かめたかった」と話した。

芦屋市の自営業の女性(37)は「買い占めがわかって以降、経営陣の対応に首をかしげることが多いし、企業として株主に説明責任を果たしていない」と苦言を呈した。

質疑応答でも「買い占めへの対策が後手に回った経営責任は大きい」などの批判が相次いだ。

一方、阪急HDの株主総会では、経営統合に伴い背負うことになる負債を不安視する人も多く、統合問題に質問が集中した。株主の関心は高く、約2800人が参加した昨年の総会より約700席増設したが、収容しきれず、多くの株主が立ち見を余儀なくされた。

質疑応答では株主が「TOBを止められなかったのか」「TOB価格は、村上ファンドが吊り上げた価格から算定しており納得できない」などと追及。「刑事被告人をもうけさせた。株主への配当に跳ね返る」とただす株主に拍手がおきる場面もあった。大阪市の50代の男性は「TOB価格が930円で、今の阪神株は800円台。結果的に村上ファンドを助けたようなもので、盗っ人に追い銭だった」と切り捨てた。
【2006/06/29 大阪夕刊から】(06/29 16:37)
(c) Copyright 2006 The Sankei Shimbun. All rights reserved. 
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阪神で質問集中 「優待券どうなるの」  (神戸) 2006/06/30

阪急ホールディングスとの経営統合が決まった阪神電気鉄道の株主総会では、個人株主から優待制度の維持を求める声が相次いだ。阪神株主は全線の無料パスをもらえる条件が緩いなど、統合する阪急と比べ優待制度が充実しているからだ。

阪神の株主優待制度では、全線無料パス一枚を手に入れるには二万二千六百株の保有が条件となる。これに対し、阪急は四万九千株とハードルが高い。このほか阪神株五千株(同約四百万円)以上を保有していると、甲子園球場での阪神タイガース戦の指定席二席分を得られるなど、阪神株主にとってメリットは大きい。

阪神の総会では、ある株主が「(統合する十月以降に)優待制度の条件が厳しくなるのではないか」と述べると、会場は拍手に沸いた。

阪神の縄田和良専務(二十九日付で取締役)は「当社の株主に不利にならないよう(阪急側と)協議してまいります」と応じるのが精いっぱい。

阪急の総会でも株主から「(統合すると)全線無料パスをもらえる条件が変わるのか」などと質問が出た。阪急経営陣は「(新会社が)阪神の条件を続けるのは難しい」と答えており、阪神株主にとっては不利になりそうだ。
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引用開始→ 阪急・阪神統合、乱戦越え終着   (朝日) 2006年06月04日00時19分

Osk200606030090 経営統合を打ち出した阪急・阪神と村上世彰氏側の非難合戦、阪急側の一方的な株式公開買い付け(TOB)の開始、さらに村上氏側の証券取引法違反容疑による捜査の表面化と、波乱が相次いだ大型統合劇は一転、最終章に入った。 
大阪の一等地に並ぶ阪急百貨店(左)と阪神百貨店=3日午後、大阪市北区で、本社ヘリから

阪神株をめぐる動き

3日午前10時半、阪急関係者の携帯電話が鳴った。村上氏からだった。

「TOBを成立させる方向で、1週間後をめどに意思表示する」

阪急が阪神株について実施中のTOBが成立するには、発行済み株式の45%以上の買い付けに成功する必要がある。村上氏以外の株主の動向がわからない中、約47%を保有する村上氏の発言は、保有分の大部分の売却宣言に等しかった。

「捜査に関する報道で、村上氏側がTOBに応ぜざるをえない状況になったのだろう」(金融関係者)。が、布石となったのは、村上氏側の同意を得ないままTOBを始めた「強行作戦」だった。

5月28日、日曜日の正午。阪急の角和夫社長と阪神の西川恭爾社長は、極秘にトップ会談に臨んだ。阪急は「せいぜい900円まで」としてきた阪神株の「適正価格」を930円に引き上げ、阪神は阪急によるTOBに賛同する。阪急グループの持ち株会社を「阪急阪神ホールディングス」に改称し、現在の阪神電鉄がぶら下がる……。翌29日朝、両社が臨時取締役会で決定する事項が、次々と合意されていった。

角氏と西川氏が4月1日の会談で経営統合に基本合意してから2カ月余り。高値での阪神株買い取りを求める村上氏側との交渉は難航し、村上ファンドの役職員らを阪神の取締役に選ぶよう求めた株主提案、その後の非難合戦と、統合問題は迷走を続けた。「合意前TOB」は、阪急と阪神が6月末の株主総会までに決着をつけることを狙った「賭け」だった。

阪急がTOBを開始した翌日の5月31日、村上氏が拠点を移したシンガポールから一時帰国。阪急は、角社長が「村上氏とは一切交渉するな」と指示し、「TOB価格を1円でも上げることがあれば社長を辞任する」とまで断言、村上氏を追いつめていった。

村上ファンドに対する東京地検の捜査が表面化した2日には、村上ファンドが株式を保有する「村上銘柄」の株価が軒並み下落。市場で「村上ファンドへの出資者から、利益確定や資金返却の圧力が強まる」「TOBが不成立なら、阪神株の大幅下落は確実」との見方が広がる中、村上氏の行動は素早かった。

村上氏にとって、阪神電鉄の案件は「誤算」続きだった。

村上ファンドがこれまで得意としてきたのは、多くても10%程度の株を取得し、増配や自社株買いなどを求め、値上がりしたところで短期で売り抜ける手法。村上氏自身、「私は投資家であって経営者ではない」と公言してきた。

ところが、阪神には投資額では村上ファンドとして最高の1290億円を超える資金をつぎ込み、最初に大量保有を明らかにした昨年9月の段階で、持ち株比率が3分の1を超えるほどの入れ込みようだった。

手法を変えた背景には、少数の持ち株では、投資家として十分な成果が上げられなくなったことが背景にある。高い投資利回りに引き寄せられて海外の年金基金などから資金が流入し、05年の運用資産残高は4月からの9カ月間で2.3倍に膨らんだ。大企業の株の多数を握り、資産売却などを実現させたうえで、巨額のリターンを得る手法が必要になっていた。1%の株をもち、TOBを提案した西武鉄道の件が失敗に終わったことも、一気に買い上がる手法へのきっかけになった。

経営へのてこ入れを実現しようとすればするほど、買い付け先の経営陣や従業員、株主との友好的な関係が必要になる。阪神電鉄の場合、株主価値の向上策として自ら提案した子会社のプロ野球「阪神タイガース」の上場が、狙いとは逆に猛反発を招き、地元の「敵」となった村上氏は第一歩でつまずいたと言える。

京阪電鉄との統合や、MBO(経営陣による買収)による「共同経営」など自らの提案が受け入れられる見通しが全く立たないまま、時間だけが過ぎた。阪神株は47%まで買い増したが、阪急側の関係者は「株価を維持するために、自ら買い進むしかなかったのでは」と見る。

最終局面では「株をいかに高く買い取ってもらうか」の交渉に絞られた。村上氏は、阪神電鉄は1株1200円の価値があると信じ、1000円前後でも購入を続けたため、930円を主張する阪急側と平行線をたどった。しかし、東京地検特捜部のインサイダー疑惑捜査という「誤算」が待っていた。

もっとも、村上氏が阪急側に伝えたのは「1週間後の態度表明」にとどまる。19日が締め切りのTOBの結果は20日に公表される予定だ。それまでは、東京地検の捜査の行方もからみ、不確定要素が残る。

まず、村上氏が阪神株の売却に応じるにしても、一部を手元に残す可能性が高そうだ。阪急の関係者も3日、「村上氏は保有分すべてを手放すとは言っていない」と指摘。6月末の阪急、阪神の株主総会での経営統合承認とその効果を織り込んではじかれる高値での売却を狙っている、との見方が強い。両社の統合に株主として口をはさむのでは、との懸念も出ている。

さらに、阪急のライバルとなる「対抗TOB」の可能性もゼロではない。「仕掛けてくるとすれば外資系ファンドあたりだが、聞き取りの結果可能性は小さい」(金融関係者)というが、阪急の930円より高い買い付け価格が示されれば、村上氏が売却先を変更するのは確実だ。

また、阪急の買い付けが予定以上に膨らむ恐れがある。阪急は1兆円近い有利子負債を抱えるが、阪神株TOBの資金は借入金頼み。村上氏側保有分だけを買いつける「一本釣り」で資金負担を最小限にしたいが、阪神の発行済み株式の約2割とされる個人投資家らが、捜査の表面化で相次いでTOBに応じる可能性がある。今回のTOBは上限を設けておらず、阪急は応募分すべてを買いつける義務がある。  Web朝日新聞 asahi.com ←引用終わり

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