« アベカワ餅、なかなか、やるやない?! | トップページ | ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第74号 »

2006/08/05

「王子製紙」は王子の狐に騙されたのか?経営陣の責任は甚大ですね!

「王子製紙」は、よくよく考えて「北越製紙」への事業統合を提議したのだろうと推察するが、本質的な事情が理解できない周囲の者としては、「???・・・・・?!」というところが正直な気分です。

「ムラカミ・ファンド」や「ホリエのライブドア」とは異なり、「まともな会社の、まともな事業統合提案」と、「王子製紙」の主張を捉えれば、「いかにも、確かに!」と言えなくもない。しかし、その主張の裏面にある「何か、モヤモヤした点が、解消できないまま、大きな疑問として残る」。これと言って、大きな世界市場へ向けた戦略観が示されているわけではない。「国内市場の争奪戦で優位に立てる。しかも、北越が持つ、最新設備の工場を入手できる。一から工場を建設するより手っ取り早いし、なんと言っても北越全部が手に入る」という何とも分かりやすい思考が透けて見える。

世の中は、資本力が最優先される事は、紛れもない事実である。だからと言って、何をしても許されるわけではない。

「王子製紙」が「北越製紙」へ事業統合を申し入れた、との報道を耳にしたとき、「へぇー、そうか!」という印象だった。しかし、いつまでたっても、「王子製紙」の強者の論理だけが一人歩きしていた。一方の「北越製紙」は、自らの力量の中で自らを維持するために「三菱商事」との連携を図るため、「三菱商事を引き受け手とする第三者割り当て増資」を発表し、「王子製紙」による一方的な事業統合を牽制した。

よくよく考えれば、「北越製紙」が「三菱商事」を選択したことで、「王子製紙=三井グループ」と「北越製紙/三菱商事=三菱グループ」の闘いという構図が明らかになった。それでも、「王子製紙」は諦めず、嫌がる「北越製紙」と「三菱商事」に対し、話し合いを求め、形式的な協議の場が設けられた。通過儀礼みたいなもので実務面では時間の無駄でしかない。

普通は、この時点で諦めるものだが、「王子製紙」の経営陣は頑なに見えた。その頑なさをいかんなく発揮したのが、遂に「北越製紙へのTOB(公開買い付け)」を宣言したときだった。「王子製紙」の論理的主張が正義と考えるなら、もっと、製紙市場の事業戦略を示すべきだろう。いずれの株主にも検討できる材料を示すべきだろう。この間、「王子製紙」の経営陣から、その種の事業観が分かりやすい言葉で示されることはなかった。傍目には、育ちもよく金持ちのボンボン(ぼんくら)の乱暴者が、金の力にモノを言わせて、温和しい田舎者をなぶり、イジメ、田舎者の資産を取り上げ組み伏せようとしているだけにしか見えない。そのため、「王子製紙」は、その名前のとおり「王子の狐」が乗り移り正確に物事が捉えられない状況になったようにしか映らないのが残念だ。

まずは、「大王製紙」が独占禁止法に抵触すると主張し、状況によれば「公正取引委員会」へ提訴する姿勢を明らかにしたが、次に、二番手の「日本製紙」が、業界の秩序が破壊されると主張し、「北越製紙」から依頼を受けたわけではないが、「北越製紙」の株を一定量、市場で手当てし「王子製紙」によるTOBを阻止すると、これはこれで、明確に一線を画す議論を引っ提げ、この闘いに参入してきた。これで、基本の構図は着地点が見えた。株式市場は、「北越製紙」株が急騰する勢いで、とても「王子製紙」が掲げたTOB価格に収まりそうもない状態となった。既に決着という流れだ。

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060805k0000m020103000c.html (毎日新聞インタラクティブ記事)

元を正せば、明治の初期に、渋沢栄一翁が、日本の製紙事業を開始した時、現在の「王子製紙」が原点であり、製紙事業各社は全て「王子製紙」から分割され、あるいは関わることで今日を迎えてきた事実もある。製紙産業揺籃期の歴史が、この度の「王子製紙」の強権的で強圧的な姿勢に見え隠れする点も残念だ。

「王子製紙」の経営陣の責任は重大である。市場を説得できる「世界観も、戦略も充分に説明できなかった」のだから、これでは、駄々っ子が隣の家のモノを欲しがっただけ。に堕することで終わる。当然ながら、社長の責任は免れるものではない。どのように責任を取られるのか見守りたい。まさか、逃げたりしないだろうが。

もう一つ、「王子製紙」を焚きつけたと漏れ聞こえる「○○證券」も、どのように責任をお取りになるのか、後始末に向けた展開は、極めて、興味深く、目を離せないように思う。

|

« アベカワ餅、なかなか、やるやない?! | トップページ | ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第74号 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「王子製紙」は王子の狐に騙されたのか?経営陣の責任は甚大ですね!:

« アベカワ餅、なかなか、やるやない?! | トップページ | ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第74号 »