未来ビジョンを欠いた、自民党総裁候補3氏の弁でした!
2001年9月11日、ニューヨークを始め全米を狙った、航空機による同時テロから5年、犠牲になられました、多くの皆様のご冥福を謹んでお祈り申し上げます。
さて、今日の日本ですが、自由民主党の総裁選挙に向け、立候補された3名の候補者が、「日本記者クラブ」で在京記者の質問に応える形の公開討論会の実施がありました。
自由民主党総裁候補を集めた公開討論の場では、「政策論争を深めて頂きたい」との希望を、提示していますが、今日の公開討論でも、「正直ガッカリ」でした。気にかかることを指摘します。現在の日本国憲法改正について共通認識がありました。実に大切なテーマです。その前に次世代ビジョンが提示されなければなりません。教育基本法の改正も含め、国の未来ビジョンを示して下さい。それが国家の基本枠を規定する憲法改正論議を成熟させるものと考えます。また、総裁選挙で「靖国参拝」を載せないで下さい。これは国家の基本政策ではありません。「靖国」は「靖国」が自ら考える基本問題であると考えるからです。
① 3氏とも共通認識として「財政再建」を掲げられますが、2011年にはプライマリーバランスを保ちたいと、希望的なことを述べられる候補者もありますが、具体的な中身は全く示されていません。例えば「予算策定の上で、上限はどこまでで、どの分野で歳出削減を図り、どの分野に振り向けるのか」について、言及がありません。つまりスローガンだけで具体的な政策の中身がないことを顕しています。
② 現実の日本は、少子高齢化社会が急速に進行していますが、あと40年ほどで、生産適正人口が1000万人不足することが明らかであるにも関わらず、この問題について取り組みも枠組みも語られませんでした。あるいは、この過程に対処する具体的な方法も示されることがありません。実に悲しく残念でした。将来の日本の枠組みを提示することができないのは、その基礎的能力がないということを顕しているのではないでしょうか。
③ 目先の問題を議論する(議論になっていませんでしたが)のも結構ですが、本質的な枠組みについて触れなければ、さほど大きな意味はありません。つまり、次の50年の枠組みを議論すべきではないでしょうか。その上で、どの分野を削減し、どの分野を伸ばすのか、当面の合意形成ができるのではありませんか。政治・経済・社会は一体ですから、政治家の責任として言及すべきです。
④ 消費税を上げることを宣言した候補者もありますが、上げる根拠は実に薄弱であると指摘しておきます。これは、3氏の連係プレイで、いつの日にか、「総裁選挙の際にも触れた(掲げた)ように、消費税率を上げます」と、いとも簡単に流され片づけようとする目的を持たせた「アナウンス効果」を狙ってのことでしょうか。本質的な国家戦略を欠き、本質的な意味における歳出削減に触れることなく、あっけらかんと「消費税率の上昇」だけを主張されるのは納得できません。
⑤ 日本は、生産・貿易により、1億2700万人を養っています。その生産背景に触れることなく、とりわけ、人口問題からしても、当該分野における国際競争力の低下が懸念されるにも関わらず、「社会の通信ネットワークを強化することで、IT分野を強化できる、それにより、家庭で子育てをしながら仕事をすることもできる」と、一見バラ色に見える主張の候補者もありますが、「IT分野を駆使した生産財」の中身が見えません。この種の話は与太話といえば失礼かも知れませんが、居酒屋の雑談でも、もう少しマシなように見受けます。その意味で政策とは言い難いと考えます。
⑥ 「再挑戦できるシステム(社会の制度)」の具体的な中身も示されていません。だのに、先頃の「次年度予算概算要求」では、各省庁から、このテーマを先取りした「予算要求の概算提示」が為されています。総理総裁候補に具体的な政策がないのに、各省庁の予算は先取り要求です。オカシナ話で思わず笑ってしまいます。
⑦ この状況を、野党第一党の代表は、「官僚支配を打破できない官僚依存、政策は官僚に丸投げする体質は改まっていない」と痛烈に批判しました。市井の市民から見ると、野党第一党も、「五十歩百歩」ですが、自意識過剰で自己顕示欲の塊にも見える批判者はそのようなお考えはないのでしょう。実に不可思議な話です。
⑧ 「野党第一党の代表について、どう思うか」という設問に、ある候補者は「その方は、大久保利通を目指しておられるような発言だが、実際は西郷隆盛ではないでしょうか、つまり、解体されるのは実に巧みだが、建設されることは極めて苦手なように見えます」という趣旨の発言をされました。実に正鵠を射た指摘だと思います。この公開討論の中で最も中身のある発言に聞こえました。
⑨ 今日の公開討論で示された程度の認識や、ご主張では、市井の市民でも充分に総理総裁になれそうに思えます。それでは、日本は成り立たないのではないでしょうか。もっと、もっと、今後の日本をどうするのかについて、中長期ビジョンを示し、それに向けた具体的な政策提示をされ、より深化した政策論争を願いたい。市井の市民は待っています。
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