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2006/10/22

ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第85号

ウィークリー・ベトナム・ニュース  
■ 平成18年10月21日 土曜日 第85号
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■ こんにちは!!

Vnnationalflag_51いつもお世話になっておりますベトナムから、ニャットアインです。

今日もここ一週間のベトナムの主なニュースをご笑覧下さい。

翻訳は直訳とせず、日本語に馴染む意訳としておりますので、ご注意下さい(笑)また、訳者の独断と偏見を交えた辛口寸評を入れてみました。内容が片寄り、言葉が多少過ぎる箇所も多々あろうかと存じますが、これもベトナムを愛するゆえの諫言とお許し下さい。

原則、日本のメディアに掲載されるような記事については余程のことがない限りここでは取り上げません。

誤字・脱字はご愛敬ってことでお願いします<(_ _)>

尚、記事の転送は営利目的以外なら原則自由ですが、自己責任において行い、その中で被った被害・損害に対し筆者は責任を負えませんのでご了解下さい。

ベトナム・ニュース その85 今週のヘッドライン

*10月16日(月) ベトナム株の魅力
*10月17日(火) 国営企業民営化目標設定
*10月18日(水) 娯楽の変遷と懐古復古
*10月19日(木) ベトナム・スター誕生!!
*10月20日(金) 汚職問題と家族主義
*10月21日(土) WTO Deep Impact

10月16日(月) ベトナム株の魅力
*IMFの上席エコノミストRaghram Rajian氏は最近シンガポールで開催された会議の席上、ベトナム株式市場はアジアの中で最も効果的に成長しており、ベトナムは中国の次の経済勃興国と考えられると述べた。彼の視点によれば、国際投資家たちはベトナムがWTOに今年加盟になれば、有望な投資先として選ぶことだろうとし、加盟そのものが起爆剤となり外国人投資家にとってIntelやFord自動車のような投資の呼び水となるだろうと語った。

ホーチミン証券取引所は既に開設以来6年経過し、49社の上場企業を扱い総取引額はUS3.1b$に達している。2000年に僅か上場2社でスタートしたホーチミン証券取引所の大きな飛躍である。
Global Active Equity SSgAのBrad Aham氏曰く、ベトナムの急速な経済成長を背景に外国投資家がこの市場に魅了されるため、多くのローカル企業が競って上場を試みようとしているのが現状で、それを裏付けるかのようにベトナム指標は今年66%増加し、この数値はアジアの証券市場の中で中国を抜いて随一の高成長率なのだ。

CLSA有限会社のストラテジストChristopher Wood氏は投資家にベトナム株を購入するよう奨めている。何故なら、ベトナム自体、今後WTO加盟によって外国投資があらゆる分野で加速され操業されてゆくからなのだという。昨年9月に香港で開催されたCLSA有限会社主催の会議の席上、Wood氏は外国投資家に対し日本を除くアジアに間接投資をするようアドバイスを行った。サイゴンThuong Tin商業銀行株式会社は7月にローカル銀行として初めて上場し、銀行の企業価値は50%の上昇を見せたほどである。
ベトコンバンクとメコン住宅金融公庫は来年 上場が期待されているが、銀行株の発券はベトナム証券市場の特筆すべき発展を見せている。

ベトナム政府が国有企業株の購入を押し上げた後、ベトナム証券市場への投資の機会は大きく開かれた。ホーチミン証券取引所のアナリストによれば、ベトナム証券市場の証券価値はGDP7%の成長が見込まれる一方で20~30%上昇するだろうと予想している。簡単に言えば、現在ベトナム証券市場の市場価値はUS24b$だが、これが2010年にはUS80b$に飛躍するというわけだ。ベトコンバンクとメコン住宅金融公庫が上場した後、ベトナム電力・ベトナム通信Telematicsグループ各社の上場も後に続くことになるであろう。しかしながら、ベトナム証券市場への投資は今のところ問題点も多く、投資家にとってどこの会社に投資すべきかその判断材料とすべき資料に乏しく、投資先会社の経営実態が見辛いことにある。

現状、ベトナム証券市場では毎日US3.6m$の取引が行われている一方で、タイはUS314m$、香港ではUS3.2b$の取扱がなされていることを覚えて置かなければならない。「現在、ベトナム証券市場は株の低い流動性によって我々が求めるものまでに至っていない。」と語るのは在ロンドン香港上海銀行でUS221m$を運用するファンドマネージャーのNick Timberlake氏。外国人投資家は上限49%までを限度とした上場企業株購入を認められていないこと、ベトナム国内の証券会社利用とその際売買はベトナムドンに限定されている。

(辛口寸評)
遅ればせながら、筆者も最近ベトナム株で資産運用を始めた口である。勿論、証券取引所が作られたことはかねてから知っていたものの、株そのものと、証券市場に慣れぬベトナムで果たして証券取引がまともに機能するのかも疑わしかった為、ず~~と無関心を装って来たわけだ。そんな私が何故、ベトナム株に興味を持ったのかというと、日本で出版関係に携わる知人からベトナム株について取材を受けたのが始まりだった。それまで株について全くの門外漢だったが、“知らぬ”ではベトナムを語れぬになりかねないので、暇を見て調べてみると、これが非常に素晴らしい!!

現在上場株はハノイ・ホーチミン証券取引所を併せても50社程度。全ての株がWTO加盟前にここ半年余り高値で推移しており、今後もこの動きは継続する勢いで、株主思いの企業が多いのか、現金での配当がなされたり、株券配当・株式分割或いは額面での株主割り当て増資がたびたび行われる為 出資者には笑いが止まらない。また今のところ個人で株取引で得た利益などに税が課せられることもなく、今の内にめぼしい株を固め買いしておけば2~3年後には家一軒買うくらいの利益を出すのも夢では無かろう。

上場株の他に宝の山といわれているのが、未公開株である。
これは2000社を超す会社で取引は現状 全て相対になり、情報量が少ない外国人投資家には余りお奨めは出来ないものの、ベトナムに知人や友人がいるのなら、頼んで今から優良株を買い付けておくと良いだろう。兎に角、ベトナムは高経済成長率で推移している。これにWTO加盟をセットの追い風と考え、ベトナム株に今の内につばをつけてゆくと良いと思われる。但し、自己責任で!!

10月17日(火) 国営会社民営化目標設定
*Nguyen Tan Dung首相は国営企業の公営化(民営化)の期限を2010年と定め、民営化は金融面での透明性に焦点を当てて行かねばならないと発表した。首相は2006~10年までの国営企業再構築の会合を主催する一方で、この命令を出したのである。「中央・地方の行政当局は問題や難関に打ち勝ち国営企業再構築を2010年までに完遂させ、土地利用法の実行並びに余剰ワーカーに対する解決法を見出さなくてはならない。国営企業はこれまで国家の経済発展の重要なルールを担ってきたが、ベトナムは国営企業の再構築を加速化させ市場経済に適応させ、世界的な競争に打ち勝って行かねばならないのだ。」とDung首相は述べた。

またDung首相は、国営企業の所有する財産評価を注意深く吟味するよう信頼できる機関に依頼を済ませ、金融の流れをの透明性を保証するため独立した会計士あるいは国際的な会計監査機関によって実行されるよう彼は財産評価の要求した。首相は、政府が、市場経済に不可欠なすべての経済部門に、国営企業の独立および義務を増加させることを目標とする40の法案を提出した。民営化を進めている5000の国営企業の内3000社以上は合資会社になっており、より多くの利点を労働者にもたらし、且つ、経済成長に効果的に寄与しているという。国営企業は、GDPの40%を稼ぎだし、納税では50%以上を国家に貢献している。

外国人投資家は、新しい財務省の法令草案によれば、株式会社となった国営企業で戦略的な株式購入を認められるようになっているという。草案は、現在の法令187の更新準備がなされており、株式会社になった国営企業で戦略的投資の所有権を国内投資家に制限を加えている。草案策定者は、現在の規則が適切でなく株式会社になった企業に資本・技術・管理経験を外人投資家が提供出来るようにはさせないと述べている。しかしながら、草案の下で戦略的投資は、同系列になった会社、一般企業及び持株会社のメンバーあるいは系列会社に利用できない。その制限は、会社の能力を制限する際に公正になった会社の中のメンバーか系列会社の大多数の保有を止めるように設計されているのだ。

草案起草者は他の変更としては、国内の戦略的な投資家による株購入の20%の割引の廃棄を含んでおり、さらにもしそれが株価割引を提示し続ければ、大きな国営企業の上場に伴い多くの資金が失われることになるだろうと述べた。株式会社になった企業によって公に売られる株式合計金額は、20%でチャーター企業の30%未満ではあってはならない。これは、株を買い且つ企業の取締役会を連結するように戦略的投資家を激励することを目標としているからだ。新規株式公募(IPO)に関係ある法令187はIPOのただ一つの方法としてオークションについて言及している。その一方で草案は、配給保証・直接交渉及び投資家への販売を含むいくつかの代案を提供している。

(辛口寸評) 
国営企業の公営化(その多くが民間株式会社への移行)が、急がれている。これまで国営企業らは国からの補助金に頼った会社経営をしてきたわけだが、ドイモイ以降、補助金は削られ各々商売を立ち上げ食ってゆくことを求められるようになった。その中で、うまく時流に乗り、経営規模を拡大させ上場を果たすような企業も現れた一方で、まだまだランディングがうまく行かないというか、その気が無いというか、真剣味に欠ける国営企業は沢山ある。当然、後者に掛かる企業は、そのままほかっておけば、WTO加盟を待つまでもなくいずれ淘汰されることは必至だろう。

今回の首相の命令が単なる数値目標の設定だけに留まらず、具体的な結果を伴うようにしなければならない。さもなくば、日本の社保庁宜しく看板を掛け替えただけで中身はまるきり変わっていないことになりかねない。ベトナム政府は、民間会社への移行をさせ、その途上で各企業に競争力を植え付けさせてゆく意向を持ちつつも、外国資本流入による旧?国営企業の経営参入にひどく警戒をしているようだが、筆者は個人的に過度のこの分野に対する規制は全体のポテンシャルを下げてしまうのでは無いかと憂慮するものだ。

外資が間接的に株式市場に流入し、よしんば外国資本が経営権を取ってしまったとしても、そこへ新たな資金と技術が移植されるのであれば、更に飛躍するチャンスが与えられたのと同じでは無いか。勿論、投機的な動きに対する規制の目は光らせなければならないものの、企業の発展・業績拡大に繋がる外国投資は直接・間接を問わず規制緩和を促すべきだろう。

10月18日(水) 娯楽の変遷と懐古復古
* ベトナムが国際化に向け躍動する中、多くのベトナム人テレビ視聴者はアメリカのマッチョフィルムや韓国ドラマから逃げ出し、その代わり1980~90年代に流行ったテレビシリーズに趣向が戻りつつあるという。このような多くの人々はチャンネルサーフィンを止め、そんなノスタルジックな番組を求める傾向が現れたようだ。今年27歳になるThai Haさんもそんなひとりで、彼女は1980~90年代に旧社会主義国のチョコスロバキア・ポーランド等の東欧諸国や旧ソビエト連邦で作製された映画がお気に入りだ。彼女にしてみれば、ハリウッドお決まりのバイオレンス映画や、中身がすぐ読めてしまう韓国ドラマにはもううんざりしているのだという。

1980年代は、ベトナムのテレビ局にエンターテイメント性の高い番組は今と比べれば多くなかったので、ベトナムの庶民にとって、社会主義各国で作製された映画が唯一の娯楽番組だった。当時、最もヒットした映画はブルガリアテレビ局が制作した「それぞれのマイルストーンの上で」やチェコスロバキアの「天国からきたかわいいマイカ」、そして東ドイツの「死籍簿」などだった。
1990年代初頭、社会主義の崩壊が始まると、これらの映画制作も打ち切られ、その後、ベトナムのお茶の間を席巻したのは、メキシコやブラジルのテレビシリーズで代表的な作品は「金持ちだって泣くさ」だった。あれから十数年経った今 多くのベトナム人テレビ視聴者は昔、放映された番組に郷愁を持ち始めているのである。

ハノイ出身のNguyen Thanh Thuyさんは、「天国からきたかわいいマイカ」をもういちど観たいという。マイカというのは宇宙から地球へやってきた女の子のストーリーなのだ。「この番組を想い出すと、自分の子供の頃を思い出すわ。当時 マイカが映画の中で髪を短く切ったように、多くの若い女の子たちが彼女を真似て髪の毛を短くしたものよ。」とThuyさん。今日、「天国からきたかわいいマイカ」は海賊版VCDで市場に出回っているという。

1980年代初頭当時のベトナム娯楽産業は今日ほど繁栄しておらず、テレビではクイズやホームロードショーなども放映されていなかった。結果的に香港や台湾で作られたビデオが、ベトナムで人気となったのである。ビデオデッキは多くの場合、外国船員たちが中古品をベトナムに持ち込んで来た為、より一層、ビデオ人気に火をつけたのだった。殆どのベトナム庶民は貧しかったため、ビデオデッキは高価な資産であり、多くのクラブがデッキを置き即興の映画館となっていたほどだ。このようなクラブのオーナーたちはサイドウオークに本日上映映画を書いて立て掛けていたものである。

その後、香港拠点のビデオ制作会社TVB社が、ベトナムのフィルム配給会社Fafilm Vietnam社と業務提携を行うと香港ビデオは急速に広まって行った。結果的に、ビデオ映画は人気娯楽の地位をベトナムで確立したばかりか、カンボジアやタイなどへも普及して行ったのである。多くの映画コンテンツは、中世中国騎士道をモチーフにしたものや、中国時代劇で、中国人作家Jin Rongの作品の映画化されたものだった。そして香港や台湾の俳優、Khuong Dai Ve、Chau Nhuan Phat、Luu Duc Hoaなどはベトナムで人気を博すようになった。これらの映画が下火になったのは、ベトナムテレビをはじめとするローカル各局が、中国や韓国からのテレビシリーズを随時放映するようになったからだといわ
れている。

今日では熱狂的な映画ファンの為に、往年の名、Anhが出演した連続テレビXa Dieu(鷲を放つ英雄)や、Dieu Dai Hiep(鷲の英雄)などがDVD化し再版されましたほどだ。「当時の香港テレビシリーズは多くの問題点もありましたが、スピード感溢れ俳優の演技もそれなりに視聴者を満足させるものでした。」とDVD収集家でハノイ在住のNguyen Quang Dungさんはコメントを残してくれた。人々の古い映画やテレビシリーズへの懐古主義は、それぞれの貧しく苦しい時代を生き抜いた心にメモリーとして永遠に生き続けるのであろう。

(辛口寸評)
筆者がベトナムに来た頃、「おしん」がベトナムで放映されており、どこへ出掛けても私が日本人であることを知ると相手のベトナム人は、おしんの話題を持ち出してきて、「日本にも貧しい時代を乗り越えた人々がいた」ことを今の自分たちに重ね合わせるようにして語ってくれたものである。

それから暫くすると香港・台湾製のテレビシリーズが家庭向けに流されるようになった。特に人気を博したのは、当時、バウコンといって清朝時代の色黒の裁判官が勧善懲悪で悪を懲らしめるといった水戸黄門と大岡越前を足して2で割ったシリーズだった。バウコンはどうやら中華圏では広く支持された番組らしく、台湾バージョンと香港バージョンがあり、それぞれ交互に放映されるほどベトナム人のハートを掴み、それこそ「君の名は」じゃないが、バウコンの放映時間が始めると外から人の数がぐっと減るほどになり、うちのかみさんなんかも、口を開けばバウコン・バウコンっと言っていたくらいである。

今日、おしんもバウコンも人々の記憶から遠のいてしまった観がある。街にはDVDが溢れ、しかも都市部では衛星放送が半ば当たり前化しつつ、その上、ベトナムの地上波も盛んに映画を流すようになり、人々はより刺激を求めチャンネルを回し続けているのだ。アメリカ映画に食傷気味と記事には書いてあったものの、我が家を見る限り、食傷気味どころかどんどん興味をエスカレートさせているといった方がしっくり来るの何故だろうか(笑)

10月19日(木) ベトナム・スタア誕生!!
*ホーチミン市で数年間、ファッションモデルの仕事をしてきたTran Binh Minhくんだが、これまで陽の目を見ることはなかった。しかし、これも第一回、国内ファッションコンテストの“マンハント・ベトナム2006”の開催により、Minhくんのような若者がプロへの道が開かれるようになる。「多くのコンテスト参加者はこれに登録を既に済ませ、プロとなり、男性モデルの仕事に市民権を持たせたいと考えているのです。」とMinhくん。このイベントの主催者Chan Tranコミュニケーション社とスポーツ・文化・男性マガジン社は凡そ500名のコンテスト参加者を見込んでいるという。

「このコンテストに参加する若者たちの為に我々はベストを尽くしイベントを盛り上げ、特に地方に住むアマチュアのファッションモデルや未経験者などにモデルの世界に入る機会を与えたいと考えて来ました。その考えをもとに実行委員会は地方の青年同盟と共に活動し地方の若者の参加を広く呼び掛けて参りました。」と音楽家であり実行委員会のメンバーのDinh Trung Canさんは述べる。Chan Tran社社長Tran Huu Chan氏は、「我が国のファッショントと広告産業は産まれたてのほやほやだが、これまでに多くの雇用を生みだして来た。今回のイベントが衣料業界・デザイン業界・広告業界などからより多くの注目が向けられる事を望んでいます。」と語った。

このイベントでは最終決戦で20名の参加者に絞られ、優勝者にはゴールドカップと賞金35mドン(US2,200$)が贈られ、2007年韓国で開催予定のマンハント国際大会への出場権が与えられる。準優勝者には25mドン、三位入賞者には15mドンが贈られるという。予備戦はハノイとホーチミン市で11月から12月にかけ開催され、参加者は外見などの知識を試させるが、審査は洋装・伝統的なスタイルで体型及びルックスが試される。最終決戦は12月3日にホーチミン市で行われる。参加資格者は、18~27歳までのベトナム人で身長は170cm以上が求められる。参加申込書はハノイの53 Le Ngoc Han通り、またはホーチミン市の579A Ly Thuong Kiet通りで入手可能との事。

(辛口寸評)
女性モデルのファツションショーは、既に10年も前からベトナム主要都市で開かれて来ており、ハノイやホーチミン市にはモデル学校もどきの芸能プロダクションなども出来ている。筆者が知る限り、男性は歌手や役者は以前からそれなりにプロの道は作られており、ベトナムがドイモイを導入し、しばらくするまで、それらの芸能人は予め文化情報省の管理下に置かれ、地方公演の年間スケジュールが予め組まれ、旅から旅のどさ回りをさせられていた。当然 一行は役者から大道具・小道具さんに至るまで総て公務員で、一度の舞台で等しく誰もが10年前の相場では25000ドン(約US1.56$)の支給を受けていた。今なら25000ドンと言っても平均的なベトナムのローカル企業に勤めるワーカーの日給程度でしか無いが、その当時の物価からすれば、今の10万ドン(US6.25$)くらいになろう。

当時、ベトナムで歌手や役者になる為には、先ず専門的な国の学校機関で学び、例えば歌手なら音楽学校で声楽の基礎から、俳優なら俳優養成学校に入り発声練習からはじめなければならなかったそうだ。基礎から叩きこまれている彼らは、確かに社会的ステータスは西側先進国ほど今も高くは無いものの、それでもプロとしての実力を有して下り、それなりの評価は与えられているわけだ。ところが、男性ファッションモデルはどうかというと、まだまだこの国では市民権を得ていないのが実情で、市民権どころか下手をすると“オカマ”と同意語に捉えられかねないのである。それほど、真っ当な男がする仕事とは考えられていないというのが世間の主流を占めるという事だ。(因みに、筆者自身にゲイやレズに対する差別感情は無い)

ここへきて、男性ファッションモデルが漸くベトナムでもコンテストという形で陽の目を見るという。結果は、どうあれこの職種がこの国に定着するにはもう少し時間が掛かるのでは無いかと思われる。

10月20日(金) 汚職問題と家族主義
* 汚職はベトナム共産党・国家機関・政府・国会が一丸となって防止に取り組んで行かねばならぬ病巣であると、Nguyen Minh Triet大統領は断言した。大統領は数百人に及ぶホーチミン市Tan Binh区とTan Phu区の選挙民との会合の中で、共産党と政府が現在、汚職撲滅を命題に掲げ全力を投入し戦いを続けていると語った。効果的な汚職撲滅を行ってゆくには未だ多くの仕事が残っているものの、これまでの解決策にも一定の感謝をしていると述べた。結果的に、汚職に対し目を光らせる機関として、共産党中央汚職撲滅常任委員会が設置され、全てのレベルの汚職のみならず無駄遣いに対する監視活動が厳しく行えるようになったという。

会合では、多くの選挙民が政府の風水害対策や最近発生したXangsane台風の被害縮小活動に対し賞賛を送った。その上で、選挙民たちは下院で汚職撲滅についてより厳しく効果的な法制化と法の強制力を持たせてゆくよう提案したのであった。
Triet大統領は、会合に参加したホーチミン市選挙民が直接的で中身の濃い建設的な意見の発言を寄せ、これらを基に党・国家・政府、そして議会の管理・運営の向上に役立ててゆく事が出来ると謝意を述べた。最後に、Triet大統領は、選挙民によって投げかけられ、下水道システム・厚生制度・政策決定の合法的なシステム改善、それに下院及び適切な関係機関が現在持つ各種問題点の解決策の策定をを急がせると結んだ。

(辛口寸評)
ベトナム中央指導部の汚職撲滅に掛ける執念と取締は、近年鬼気迫るものがある。しかしながら、その一方でまだまだ閣僚レベルにおいても汚職の摘発が続いている。役人の倫理観の欠如に因るものと言えばそれまでなのだが、実はベトナムの根はもっと深いところにある。

ベトナム人を語る際、良くも悪くも家族主義がキーワードとして使われることが多いのだが、プラスに働く場合、家族が一致団結し助け合い分け合って互いに支え合いながら生きる面がクローズアップされるが、これがマイナスに働くと、兎に角、身内に甘くなり、それが公的機関に属していたとしても、公私混同となって作用してしまうのだ。

権力を握ったものが、その家族、或いは親族を優先的に扱い、就職は言うに及ばず美味しいとこ取りさせていってしまうのである。これはベトナム人的感覚から行けば、決して非難される事柄ではなく、彼らの儒教的概念から語れば寧ろ許容されるべき美徳と考えられるから、返って始末が悪いのだ。ある種、ベトナム人のアイデンティティの根幹を成す部分と汚職は錯綜しているところもあるので、一朝一夕には解決出来ない問題を孕ませている次第なのだ。

10月21日(土) WTO Deep Impact
*ジュネーブ交渉団団長のLuong Van Tu副商務大臣が語るところに因れば、WTO総会は11月7日に会合を開き正式にベトナム社会主義共和国のWTO加盟を議決するとのこと。ジュネーブで開催されていた14回目の加盟交渉は10月13日午後に閉幕したと副商務相は付け加えた。また、副商務相によれば、14回目のそれでは多角的交渉をすべて終了させる最終交渉ラウンドで、来る10月25日に最後の交渉に於いてすべての合意事項を承認することになるという。

Nguyen Tan Dung首相は同じ日に商務省は交渉団と共に、ジュネーブでのWTO加盟合意に全力を尽くさなければならないと語った。首相は、世界経済におけるベトナムの新しい役割に対する意識を固め、国益に沿った流れを創り出す為に11月のWTO加盟に関連する資料の供給手段を求めた。
これをするため、文化情報省と国家経済協力委員会はその他関連官庁(ベトナム商工会議所を含む)と協力し粛々と目的達成に向け行動を起こさなければならないと首相は続けた。

首相は外務省に対し、常任代表事務所設置の準備を命じ、法務省はWTOコミットメントに沿った法制化立ち上げプログラムの提案をするように求めた。内務省は国際経済協力国家委員会を固めるために商務と外務両省と調和を計るよう首相は求めた。加えてDung首相は、各省庁・政府機関・各自治体の人民委員会に対して、WTOコミットメントに即応したアクション・プログラム策定を要求し、企業の経済的競争力を高めつつ、国際的経済統合(特に地方での)ネガティブインパクトの縮小に努めて行かねばならないと結んだ。

(辛口寸評)
すった揉んだしながらも、ここへ来て漸くベトナムのWTO加盟日が正式に11月7日に設定されたようだ。先々週、Dinh Tuyen商務相が述べた“11月に開催予定のAPECサミットまでにベトナムは何が何でもWTOに加盟しなければならないということではない”とした発言は物議を醸したが、いずれにせよこれはイタチの最後っ屁のようなもので、ベトナムの矜持を見せたに過ぎず、ここへ来るまでの通過しなければならない一過程だったのだ。

現在、ベトナム政府がWTO加盟に関し一番、気に病んでいるは、加盟後に起こるベトナム国内での国内企業が外国企業との競争をどのように捌いてゆくかだろう。加えて経済力の元々ない地方では自由競争を強いられれば、戦う前から市場から撤退させられてしまう可能性すら存在する。このあたりは、ベトナム政府として国内産業を保護しつつWTO加盟国との外交の舵取りの力量が試されるところであろう。

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