イスラエルによるパレスチナ攻撃で、中東全域は全面戦争になるか?
久々にパレスチナです。アッバス・パレスチナ評議会(国会)議長の姿勢を糺します!
パレスチナでは、この2週間ほどの間に、パレスチナ自治政府のガザ地区へイスラエルが再び軍を侵攻させ破壊活動を続けています。
その過程で、パレスチナ自治政府のハニヤ首相の車列を狙った砲撃もあり、事態は緊迫の度合いを高めています。ハニヤ首相の車列への砲撃について、もちろんイスラエルは関知しないとしていますが、真相は闇の中で分かりません。アッバスパレスチナ評議会議長が所属するファタファの仕業かも知れませんが、イスラエル軍による攻撃の可能性も否定できません。
この間(パレスチナとレバノンへ同時侵攻し、レバノンでのヒズボラとの戦争以降)、イスラエルの内閣は右往左往の連続で、もはや政権の体を成さない状態で内部崩壊の危機へ追い込まれようとしています。
この情況を打破する目的で、イスラエルの連立与党へ「超極右」政党が参加し、いよいよ、パレスチナ政策では、いわゆるチカラの政策(破滅的な「戦争」)への途を選択する可能性が浮上してきました。
米国は、実際にイラクで足下を掬われ身動き不能状態に陥っていますから、ライス国務長官がエアフォースワンを駆って、世界を飛び回ろうと、中東(パレスチナ・イスラエル・レバノン・シリア・イラク・イランなど)地域では、その威信は地に落ちています。真剣に聞く耳を持とうという人も政権もないでしょう。
ここにきて、イランは、ウラン加工では様々な方法を駆使し技術開発と能力向上に取り組み、その一部は成功を収めつつあるようです。
北朝鮮がどっちを向こうと、イランは、自らの手で核開発を完成させようとしています。
北朝鮮は、腹が減っていますから、「弱い輩が、声だけは威圧的で大きい」の例えを紐解くまでもなく、実際に暴発しても、大したことはできないだろうと思います。ソウルは犠牲になるかも知れません(それはこれまで甘やかしたツケですから仕方がない)が、別に、朝鮮半島全体を北朝鮮が占領支配できる能力は根本的にありません。
しかし、中東はイスラエルが暴発すると、おそらく地域全体を巻き込んだ「全面戦争」に発展する可能性を秘めています。オスマントルコがこの地域を支配し、撤退滅亡後、ヨーロッパ各国が切り取り次第で勝手に植民地化し、この地域で石油を支配するために自由気ままに引いた国境など関係なく、入り乱れての戦争となることが予想されます。
ヨルダンも、サウジも、UAEやオマーン、カタールなどの湾岸諸国も含め、崩壊の危機に立たされ、国境などナンの役にも立たない壮絶な戦争になるのではないかと、思わずクライ予想が先に立ちます。
米国と欧州各国(とりわけイギリス)は、第二次世界大戦後のイスラエル政策で失敗を繰り返し(そもそも、出発点で間違ったから、その後はいよいよ失敗が積み重なり乖離が大きくなった)、取り返しがつかない情況へ追い込まれようとしています。
イスラエル政策の失敗に加え、とりわけ、第一次湾岸戦争とイラク戦争(第二次湾岸戦争ともいえる)で戦略的に失敗したことが大きいように思い致します。
背景を考慮しながら、イスラエルはパレスチナ自治政府への締め付けや干渉を根本的に止めるべきです。
現在のパレスチナ評議会(国会)は、イスラエルと米国が「民主主義」をパレスチナへ押しつけ、民主的な手続きによる評議会(国会)選挙を推し進めた結果、パレスチナの市民が、腐敗しきった「ファタファ」を選ぶことなく、政策綱領と主張はともあれ、清新な「ハマス」に一票を投じた結果生まれた、極めて民主的な政権です。
それを、推し進めておきながら、自分達が予想した結果と異なるからと言って、存在を認めないと主張し始めたら、一体全体、米国や欧州各国が掲げる政治的民主主義とはナンなのかということになります。
米国とイスラエルは、悔しかろうが、矛盾に満ちたダブルスタンダード(二重規範)を止めるべきです。パレスチナでは「ハマス」を見下す態度ではなく、真摯に話し合うべきです。
アッバス議長も、米国の尻馬に乗り、過去の腐敗で得たオイシイ生活の復活を夢見るのではなく、精緻にパレスチナ自治を取り戻すべく、イスラエルは勿論のこと米国や欧米諸国とやり合うべきです。
誰のための政権かについて、冷静に考えるべきです。アッバス議長は、イスラエルが放つ鼻薬ジューシーな香りに惑わされているようですが、目覚め自らのアイデンティティーをハッキリ自覚すべきです。
いまの、バカさ加減をいかんなく発揮し続けるようでは、お先が見えているように思い致します。
それでは、パレスチナの市民は救われません。また、世界を巻き込んだ大戦争の懸念を払拭することができません。
引用開始→ パレスチナのアッバス議長、「挙国内閣」頓挫で袋小路に (日経WEB)
パレスチナ自治政府のアッバス議長が袋小路に入り込んだ。イスラム原理主義組織ハマスと自らが率いる前与党ファタハの「挙国一致内閣」構想は頓挫。議長はハマスのハニヤ首相更迭に傾いているが、新内閣を発足させてもハマスが押さえる評議会(国会)に却下されるのは必至だからだ。
ハマスはいったんは挙国一致内閣に合意しながらも、その後「新内閣はイスラエルを承認しない」との見解を明らかにしたため協議は白紙に戻った。これを受け、アッバス議長はハニヤ首相を更迭し、官僚や識者による実務派内閣への移行を模索し始めた。しかし、新内閣発足には評議会の承認が必要で、132議席中74議席を握るハマスは強力な“拒否権”を持つ。(カイロ=森安健) (07:01)
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