ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第87号
ウィークリー・ベトナム・ニュース
■ 平成18年11月04日 土曜日 第87号
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■ こんにちは!!
いつもお世話になっておりますベトナムから、ニャットアインです。
今日もここ一週間のベトナムの主なニュースをご笑覧下さい。
翻訳は直訳とせず、日本語に馴染む意訳としておりますので、ご注意下さい(笑)また、訳者の独断と偏見を交えた辛口寸評を入れてみました。内容が片寄り、言葉が多少過ぎる箇所も多々あろうかと存じますが、これもベトナムを愛するゆえの諫言とお許し下さい。誤字・脱字はご愛敬ってことでお願いします<(_ _)>
尚、記事の転送は営利目的以外なら原則自由ですが、自己責任において行い、その中で被った被害・損害に対し筆者は責任を負えませんのでご了解下さい。
ベトナム・ニュース その87 今週のヘッドライン
* 10月30日(月) 新郎新婦はつらいよ!
* 10月31日(火) 自動車メーカー各社値下げ競争
* 11月01日(水) 各指導者の砂絵
* 11月02日(木) 視覚障害者の悩み
* 11月03日(金) 北部国際新空港着工計画
* 11月03日(土) 越僑用ベトナム初の工業団地
10月30日(月) 新郎新婦はつらいよ!
*つい最近まで新郎新婦にとって人生最大且つ最高の日である結婚式の模様は、そこで撮られる数枚の写真に納められただけだったが、昨今のカップルはその特別の日の模様を栄光の記念日として形にして残すため、より多くの時間とお金を掛けるようになった。最近の結婚写真(ビデオ撮影も含む)は新郎新婦たちが、様々な衣装に着飾り、衣装に合わせたキャラクターになりきりながら、写真家によってその愛の絶頂期をフィルムに納めて貰うことができるようになっている。出合いの再現フィルムをも作ったりするそうだ。
実際、Tao Dan公園に行けば、そんな新郎新婦たちの撮影風景は至る所で見られる。例えば新婦は朝靄を走る少女役、そこへ通りかかった新郎の男性が新婦を一目見て熱い恋いに落ちるといった設定だったする。尤も、これがフィクションであったとしても構わない。新郎は多くの場合、数多い演技の撮り直しと朝から夕方まで止むことなく続く撮影で疲労困憊となり、撮影の中止を求める事もあるようだが、大概、その母親から注意され、撮影は続けられるのだ。何せ、撮影費用は100mドン(US6200$)にもなるのだから。
地方の川辺で産まれ育った新婦と都会育ちの新郎という幸せな二人が登場する別の結婚式では、ビデオ監督はカップルにそれぞれの役柄を与え、静かな小川に掛かる竹橋の上で演技をするよう求められた。確かにロマンチックな雰囲気に次第にカップルはその気になり演技に熱を入れ始めたのだが、勢い余って新郎は橋から落ちて怪我をしてしまう羽目になった。結局、新郎の足の回復を待ってこのシーンは再度撮り直しになったという。
Long Bien区のBui Thuy Hangさんは、結婚写真を黄色のデイジーが咲き誇る野原で写してもらいたいと考え、写真家にフラワーガーデンで撮影するよう求めたという。Hangさんと新郎は、ベストな自然光で撮影するために写真撮影を真昼に行わなければならなかった。終日掛けての撮影で、お腹は空くし、疲れるし、その上、野生の草花の棘に刺さったりしたため、その後、一週間Hangさんは寝込んでしまったそうだ。出来上がった写真を見てみれば全て期待はずれ、これも写真家の好みのポーズに従ったことが裏目に出たとHangさんは語った。
間もなくベトナムにも結婚式シーズンが訪れる。新郎新婦にとってこれからが自分たちの結婚式の企画が始まるわけだが、写真撮影は無理することなく自然にするのが良いのではないだろうか、、、、。
(辛口寸評)
ベトナムで日本より勝るものといえば、この結婚記念写真(ビデオ)が挙げられるだろう。とにかく、昨今、金回りが良くなった分、 撮影も派手になり、毎週、日曜日早朝など、市内の主だった観光地や公園に行けば、ウェディングドレスやタキシードに身を包んだカップルとその撮影隊が何組も撮影を競っている。朝とは言え、このクソ暑い中、結婚衣装を纏い、カメラマンの指示に従い、立ったり座ったりしゃがんだり跳ねたりとカメラに納められて行く。
大体、撮影は2日か3日掛けて行われる。一回目は結婚式の1ヶ月前に郊外の公園など(スイティエン・ブンタウ・ファンテユエットなどを舞台に、二回目は市内の旧所名跡(サイゴンならオペラ座・ベンタン市場・人民委員会・ノートルダム大聖堂・タオダン公園・ダムセン公園)、最後は結婚式当日のパレードから式の一連の模様。尤も、予算に応じて郊外を削る事も一般的であるが、、、、。撮影前までほとんどのカップルは、初めてのイベントでもあるので、嬉々として撮影に臨むが、撮り終えると一様に二度としたくないと語るものでもある。
日本でもそうだけど、自分も結婚して後からつくづく思うのは、結婚式等にあたら無用なお金を掛けるのは止めた方いい。特にこれから結婚を考えている若い男女にはそう申し上げたい。そんなのにお金を使うより、これからの暮らし向きに用立てるようにすべきだろう。写真撮影もビデオもあっても良いが、どうせ結婚後半年も過ぎたら誰も見向きもしなくなるものだ。違うかなご同輩(笑)
10月31日(火) 自動車メーカー各社値下げ競争
*ベトナムのWTO加盟を目前に、この機会を捉えベトナム自動車メーカー各社は発売不振傾向にある市場を活性化させようと引き続き大規模な販促活動を推進している。ベトナムへの進出が最も早かったメコン自動車は、同社各モデルの10~15%の値下げを断行すれば、スズキ自動車は同社自動車購入者全てにもれなく一台スズキのバイクをおまけにつけているという。
メコン自動車では通常US21800$で販売されているFiat Albea1.3 ELXがUS19900$に、US25400$のAlbea HLXはUS22900$に値下げして販売されているという。加えて、SUV車のSsangyong Musso GLとLiberoは、前者US27000$ 後者US29000$の販売価格からそれぞれUS5000$値引いて提供しているそうだ。その一方でベトナムの牽引的な自動車メーカーであるトヨタ・ベトナムは扱い車種の保証期間を2年から3年に延長すると共に、走行距離保証も従来の5万キロから10万キロに延長したという。
トヨタ・ベトナムのPhan Hong Hai総務課長によれば、保証延長は顧客を魅了するばかりか、トヨタのグローバル規格に合致した措置なのだと語った。先月 フォード・ベトナムは販促競争に口火を切り、扱い車の値下げを1~11%の範囲で行った。特に、人気モデルフォードFocus 1.8MTの値下げは劇的でUS34800$の販売価格が現在US30900$で提供されている。その一方で、Vidamco車は同社初のSUV車を市場に投入した。その名も、Chevrolet Captiva 販売価格はUS29000~34000$の間で販売され、混戦する市場に火をつける事となった。
ベトナムには現在14社の自動車メーカーがあり、今年8ヶ月間の販売台数は26890台を記録したものの対前年比で5%売上を落としている。ベトナムがWTOに加盟すれば輸入車に対する関税引き下げが、エンジンサイズにより、現在の90%から70%・58%・52%・47%なされて行くようになる。
(辛口寸評)
ベトナムには現在14社の自動車メーカーがあり、各社しのぎを削っている。当初、ベトナムはこれほど多くの自動車メーカーを誘致するつもりはなく、3社程度多くても5社くらいと考えていた。これは政府部内でも了承されていた。ところが、蓋を開けて見ると、色々なコネを使って営業許可申請が行われ、結果的に断れなくなってしまい、なし崩し的にメーカー数が拡大してしまったというわけだ。当然、国内のシェア獲得競争は熾烈になるわけで、共食いの状況が生じ始めて来たといえよう。
とはいえ、ベトナムの自動車産業は未だ産声をあげた状態に過ぎず、今年8ヶ月のベトナムでの国産自動車販売台数は26890台で、年間予想販売台数にしても3万台前後のごく僅かな量でしかない。因みに、昨年の日本の自動車販売台数は650万台。
人口8400万人を誇る国としてはまだまだ市場性が小さく、それ故に爆発的な市場拡大の機会は今後間違いなくやって来るので、その日を楽しみにベトナム自動車各社は今をしのいでいるのかも知れないな。
11月01日(水) 各指導者の砂絵
*11月中旬、首都ハノイで開催される第14回APEC国際会議に出席する21名の各国指導者の姿を砂のポートレートに納めたコレクションが発表された。ベトナムのNguyen Minh Triet大統領・ロシアのプーチン大統領・アメリカのブッシュ大統領を含むこれらのポートレートは自然の砂を用いそこから得られる天然の50の色を利用して作られている。
これらの作品は芸術家で砂の絵画を扱う会社を経営するY Lanさんの手によるものだ。ポートレート正面にはそれぞれ各国指導者の顔が描かれており、裏側にはベトナムの風光明媚な場所をモチーフにして描かれている。これら作品はホーチミン市貿易投資促進センターに現在展示されており、APEC終了後に参加各指導者のベトナム土産として贈られる事になっているという。
(辛口寸評)
既に手先の器用なベトナム人といったイメージは日本に於いては確立されているが、APECの晴れ舞台に各国の指導者が集まる場でのお土産として、これほど“ベトナム人の器用さ”を強烈にアピールでき と、同時にインパクトを与える進物は無かろうと思う。誰だって、自分が描かれたものやスナップひとつにしろ、先ず自分をそこに探すはずで、どう描かれているか、どう写っているかは気になるものだ。下手な、記念品より余程、効果の高いギフトといえよう。
11月02日(木) 視覚障害者の悩み
*都市に暮らす視覚障害者にとって、点字で書かれた書物を探すのは困難である。ベトナム視覚障害者協会はこの問題を指摘する一方で、その解決に当たるべく対応に邁進しているという。視覚障害を持つ学生La Thi HaさんNguyen Van To特殊教育センターで12年間勉強を続け、大学進学の希望を持つ。大学の受験勉強のため町へ参考書を買い求めに出かけたところ、そこにはほとんど視覚障害者用の物が置かれておらず、がっかりしたという。Haさんは最終的に母親の助けを借りて、教科書を読んで貰い、それを録音したものを試験勉強の参考書代わりにしたのだった。
「これで来年の入試は受けれそうです。が、まだまだ読みこなさなければならない参考書が沢山残っているのです。」とHaさん。「参考書を録音して利用するのは勉強するのに有益ですが、それを準備する時間と何度も何度も早送りしたり巻き戻ししながらいちいち操作が必要で、膨大な時間を取られるのは難点ですね。」とHaさんは続ける。
Haさんの同級生のPhan Thi Phongさんも同じような問題を抱えている一人で、視覚障害者用のテキストや参考書が手に入りにくいことを嘆じる。「私は知識の吸収を助けてくれるので読書が大好きです。でも、視覚障害者用の書籍は極端に限られており、私がどうしても読みたい本や小説があると友達に録音して貰わなければならないのです。ですから、各出版社には是非、視覚障害読者に注意をより払い、私たちが寄り多くの情報に接しれるようにして欲しいのです。」とPhongさん。ベトナムでは、ほとんどの出版社が、点字書籍の出版を行っていないのが実情だ。
ベトナムでは点字書籍の出版の多くが、ベトナム視覚障害者協会・ハノイ図書館・ホーチミン市科学図書館、そして視覚障害者学校のNguyen Dinh Chieu中学校によって行われているのみなのだが、設備は古く老朽化しており、質の高い点字書籍が作れていないのだ。例えば、主要図書館とされているハノイ図書館ですら、点字書籍の蔵書は1700しかなく、カセットやCD付属の視覚障害者用朗読本も僅か1500タイトルしかない。ハノイのNguyen Dinh Chieu中学校では各学年用、点字テキストとして算数・文学・国語・外国語・歴史・地理・化学を揃えているものの、全校生徒の必要数を賄い切れていないという。加えて、これらの点字テキストは同校に所属する生徒が使用できるのみで、点字で作られた高校生用・一般書籍・小説などは皆目存在しないのだ。
そこでこの問題に対応すべく、ベトナム視覚障害者協会はベトナム婦人協会と共に、盲人用書籍作製の為の録音室を設けることにした。またこの二つの協会はラジオ局“ベトナムの声”と連携し、視覚障害者用朗読本の作製に着手したという。ハノイ図書館とホーチミン市科学図書館はそれぞれ視覚障害者用書籍の出版に取り組む努力を見せ始めている。しかしながら、こうした努力はまだまだ絶対量を満たすには十分な効果を発揮できないでいるという。中央眼科病院が最近行ったアンケートによると、ベトナムには50万人の完全視覚障害者と90万人の眼疾患患者がいるという。
おそらくそろそろ国家が視覚障害者の為の政策を策定し、点字書籍の出版がより行われるようにすべきではなかろうか、、、。国家が全ての職員に対し、視覚障害者問題を念頭に置き意識させ、特に監督官庁である文部省や文化情報相などが力を入れて出版事業に取り組んで行くべきであろう。その一方で関係当局は各出版社に対しても点字書籍出版を奨励し、それが出来る経済的な環境作りを行う必要があるのではないか。このような取り組みを主体的に関係者が行うようになれば視覚障害者たちの知識の吸収に役立つばかりでなく、HaさんやPhongさんのような盲目のまじめな学生の中から、国家の人材が生まれてくる日がくるだろう。取りこぼすべきではないのだ。
(辛口寸評)
ベトナムの視覚障害者は凡そ150万人だという。全人口割合から行くと約100人に1.7人。日本のそれは35万人で人口比で見れば、1000人に3人程度だ。ここから如何にベトナムには目に障害を持つ人々が多いかを改めて認識できるだろう。一般的に、ベトナム人の視力は非常に良いとされる。事実、昨今、外国より進出する製造業などで最も人材を必要とする部門は検品・検査などだが、そこで働く人々の視力の良さはとてもではないが、我々一般的な外国人が追いつくことなどできぬ高い能力なのだ。
では、なぜ視覚障害者の割合がこれほどまでに高いのかと言えば、先天的な視覚欠落より怪我による後天的な視覚障害者の比率が高いことが上げられる。地方へ行けば割合とあらゆるタイプの障害者と日常的に接する事が出来る。と言うのも、障害者は家族に支えられながらも、障害を理由に社会との関係を自ら遮るようなことはせず、寧ろ積極的に社会参加しているし、また共同体も受け入れる素地があり、地方で暮らす分には生き易いといえよう。最も都市部となると話は別だ。基本的に健常者であっても人間関係はどうしても希薄になりがちなのは日本でも同様だが、それよりも障害者が安心して外に出歩けるだけの優しい交通環境が無いのが難点。点字書籍の充実もさることながら、もう少し人に優しい交通マナーの向上に国を挙げて務めても罰は当たらないと思う、、、、。
11月03日(金) 北部国際新空港着工計画
*ベトナム北部地区の航空便利用者の需要を満たす為、ハノイ-ハイフォン国際空港建設が提案された。提案された新空港は、ハノイとハイフォンの中間にあたるHai Duong省に誘致する予定としているという。また、主な観光客や鉱業生産の中心は現行のハノイ・ノイバイ空港周辺よりもHai Duong省に近いQuang Ninh省に集中しているといったメリットを考慮してとのことだ。
最近Hai Duong省で開催された会合で、ベトナム郊外開発計画協会Nguyen The Ba会長は、新空港建設、北部地域経済の活性化に貢献し、ひいては国家の発展に繋がるのみならず、外国投資家や外国企業の北部地域への投資需要を高める役目を果たすだろうと述べた。将来の航空需要を見越して、新空港の規模は年間6000~8000万人の空港利用者と100~150万トンの貨物を捌ける許容能力を持たせるとのこと。また、新空港の敷地は3000~4000hrで、建設コストはUS4~5b$と試算していると、航空官制事業デザイン研究所のPham Vu Nghi前所長。
(辛口寸評)
現在、サイゴンのタンソンニャット空港の新ターミナル建設が着々と進んでおり、既に外観がはっきりと確認出来るほどだ。形はノイバイ空港をふたまわり程大きくしたような感じで、ほぼ同型。実はタンソンニャット空港も7年程前から、ホーチミン市より30キロ北東に上ったドンナイ省辺りへの移転が取り沙汰されていた。その当時、10年後の移転といった話しだったので、2年前に突如、タンソンニャット新ターミナルの建設工事が始まった時は、ドンナイへの移転はどうなったのだろうと訝ったものだった。早速調べてみると、移転計画自体、今も生きているのだが、兎に角、それ以前にベトナムを訪れる客が急増してしまい、急遽、新ターミナル建設工事を決めたのだという。尤も、この建設には日本のODAが流れており、スポンサーが渡りに舟とばかりに着いた次第だ。
そこへ来て、今回、ベトナム北部空の玄関の移転計画が持ち上がっているという。Hai Duong省には多数工業団地も整備され、早くから日本以外の外資系企業の進出が行われて来た場所である。フォード・ベトナムや台湾の義美食品の工場もここにある。北部海の玄関ハイフォン港までは車で僅か1時間余りで行けるので、今後、北部の物流拠点の確固たる地位を占めるであろうことは言を待たない。ただ、新空港の計画が提出されたことで、日系企業が集中して進出して来た、ハノイ・ノイバイ空港側のタンロン工業団地、既に三期工事まで終え区画も完売したと言うのに、ここへきて空港の移転が正式に決まってしまえば、もともとノイバイ空港に最も近い工業団地が売りで入居して来ただけに、なぜかしっくり来ないのでは無かろうか。
11月04日(土) 越僑用ベトナム初の工業団地
*在外ベトナム人(越僑)ビジネスマンたちのベトナムのWTO加盟後のビジネスチャンスをサポートするため、我が国初の工業団地が設けられることになったと、ホーチミン市越僑商業協会Phan Thanh会長は主張した。ホーチミン市Cu Chi区の337ヘクタールをカバーする敷地に、US50m$をかけ造成される越僑工業団地ヘは主にIT・電気・電子関係の越僑ビジネス誘致に力を注ぎ、2007年末に完全操業される予定とのこと。この工業団地操業は、越僑ビジネスマンを祖国に繋ぐ効果的で重要な橋の役割を担うことだろうとThanh氏。
建設地域提案と支援を世界中の越僑たちから受け、彼らは祖国での恒久的なビジネスや投資をしてゆくたいと願っている。「今こそ、その時は来たのです。」とThanh氏。多くの越僑企業はベトナムのWTO加盟を注意深く眺めており、その上、強力な経済の伸びを目の当たりにし、祖国でビジネスを通じ国家建設の一助となりたい意向を強く秘めているのだとThanh氏は付け加える。現状、建設延期とはなっているものの既に15社の越僑企業が工業団地での登録を済ませたという。
加えて、ホーチミン市越僑商業協会は在外ベトナム人によって集められた資金をもとに在外越南人投資銀行設立準備に取り掛かっている。同銀行と工業団地は、越僑ビジネスの発展と効果的なパフォーマンスに寄与する為、共同で運営されるとのこと。しかし、越僑投資は未だ情報不足やベトナム投資環境の不透明さ、魅力的な優遇措置の欠如により限りがあるとThanh氏はいう。現在、政府・官庁・関連機関などの情報チャンネルは拡大しつつあるものの、他の東南アジア諸国と比較すればまだまだ不足は否めない。故に、途上国の情報拡大は投資を呼び込み、それに邁進することが重要だとThanh氏は結んだ。
(辛口寸評)
海外で暮らすベトナム人の多くが、サイゴン陥落時や80年代のボートピープルの如く政治・経済難民として祖国を出て行った人々である。本来なら、母国語のみならずメンタリティーも同じくする彼らが祖国建設の先鋭として最前線に立っても、決しておかしく無いのだが、やはりドイモイが始まり20年にして漸く、越僑の、越僑による、越僑の為の工業団地がここに出来るというのは、越僑たちの共産党政権に対する不信感がそれだけ強かったということなのだろう。
今も、ベトナムはコネが無ければ賄賂を払わなければ、何も進まない。会社設立や投資案件に関わる許認可については随分、役人の不正もかなり是正されてきた。しかし、オペレーションが始まると、やはりあらゆる形での小役人からの干渉・集りを受けるのは今も殆ど変わっていない。越僑(特に成功した)は、ある種、ベトナムの政権側に立つ人々から、妬まれ疎んじられて来た。これは食うや食わずで祖国を逃げ出した越僑が、時代がくだりぬけぬけと祖国へ戻って来た。
しかも、経済力をつけて、、、。このような屈折した小役人たちの感情が越僑に向けられたのだった。故に、普通の外国人がこの国で起業・操業する以上に越僑ビジネスマンは過酷な環境に置かされたのである。今回、ベトナム発の越僑の越僑による越僑の為の工業団地は、多分に彼らが集結し、自分たちの利益を守りつつ謂われのないイジメに対抗するための砦なのかも知れない。
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