« 「米国」と「イスラエル」は、相も変わらずパレスチナ市民の殺戮を継続中! | トップページ | 「米国」と「欧州連合」は、遂に「パレスチナ」の自治権を蹂躙する! »

2006/11/11

ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第88号

ウィークリー・ベトナム・ニュース  
■ 平成18年11月11日 土曜日 第88号
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■ こんにちは!!

Vnnationalflag_57いつもお世話になっておりますベトナムからニャットアインです。

今日もここ一週間のベトナムの主なニュースをご笑覧下さい。

翻訳は直訳とせず、日本語に馴染む意訳としておりますので、ご注意下さい(笑)また、訳者の独断と偏見を交えた辛口寸評を入れてみました。内容が片寄り、言葉が多少過ぎる箇所も多々あろうかと存じますが、これもベトナムを愛するゆえの諫言とお許し下さい。

誤字・脱字はご愛敬ってことでお願いします<(_ _)>

尚、記事の転送は営利目的以外なら原則自由ですが、自己責任において行い、その中で被った被害・損害に対し筆者は責任を負えませんのでご了解下さい。

ベトナム・ニュース その88 今週のヘッドライン

*11月06日(月) 個人ローンの普及
*11月07日(火) 銀行の不祥事と政治圧力
*11月08日(水) 歴史教育を盛り上げよう!
*11月09日(木) ポストWTOを見据えて
*11月10日(金) 家庭内暴力防止法制化
*11月11日(土) ベトナム 青年の起業!

11月06日(月) 個人ローンの普及
*マイホームや自動車の購入の夢は多くのベトナムの若者たちにとって夢のまた夢であった。しかし、それも今日では今は昔の話で、生活レベルの向上と給料の上昇、それに銀行などの新サービスの整備で、ローンを組んで家の購入や海外旅行に出掛けられるようになったのである。北部Ninh Binh省出身のHoang Quoc Khanhさんは銀行でローンを組んだそんな一人で、大学を卒業後、外資系企業に就職した彼の月給は現在US1000$。

「ハノイに自家所有のアパートを持つなんて以前は夢にも思いませんでしたよ。私の両親は貧しくて我らを経済的に助ける事など出来ませんでしたので、3年前まで家内と二人小さな部屋を借りるしかありませんでした。」とKhanhさん。「そこで我々夫婦は香港上海銀行ベトナム支店へ出掛け、アパートの購入資金600m$ドン(US37300$)を借りに行くことにしたのです。もし、銀行融資がなかったとしたら我々は後15年貯蓄に励まなければなかったでしょうね。
ある意味、我々はとてもラッキーでした。今日、銀行が個人に対し融資をしてくれるようになったのですから。」とThanhさんは微笑む。

我が国の新しい銀行サービスは、消費者の購買力と自身を高めローンの浸透と共に自宅の購入や小さな商売の立ち上げ資金として利用されるようになった。「新しいサービスは個人分割払いローン・自動車ローン・住宅ローンなどが含まれます。」と香港上海銀行個人融資サービス課のGhislain Nguyenさん。過去数年間で、各銀行の対個人融資条件が著しく緩和され、22~57歳で300万ドン(US187$)以上の月給があれば、月給の10倍までのローンが組めるようになったのだ。香港上海銀行では、ローンを組む顧客数が2006年開始より2倍に増え、来年には3倍、いや4倍になるであろうと同行は予測しているという。

サイゴン商業銀行のスタッフは、来週木曜日から同行は新しい住宅ローンを発表するという。新たな融資条件では住宅購入資金の7割まで貸し出し、安い利息で返済期間は3~15年で設定。このローンにはただで住宅保険が掛けられ、融資条件は緩和され、購入した住宅はそのまま借り主が物件を担保に納める事により即居住も可能だとのこと。税務署勤務のPhan Anh Dungさんは、同行で自動車ローンを組みホンダ・シビックを購入した。「車好きの私にとって、マイカーなど昔は考えてみ見ませんでした。しかし、今は違います。この車で雨の日には子供たちを学校に送り迎え出来ますし、田舎で暮らす両親ともドライブしながらちょくちょく会いに行けるようになりました。」とDungさん。ローンについてDungさんに伺ってみたところ、彼の家での月収は300万ドンあるため、特に問題は無いとの答が返ってきた。

ベトナムの給与の上昇率は2002年以来、36%上昇し、過去5年で自家用車の保有率も急速に拡大し、現在、75万人が自家用車を保有しているという。

(辛口寸評)
先頃、ベトナムモーターショウが4日間にわたりホーチミン市で開催されたので、筆者もかみさんを連れて出掛けていった。見学者の多くは家族ずれやカップルが熱心に展示してある車を見て回っていて、真っ直ぐに歩けないほど盛況であった。後になって主催者側の発表がなされ、総来場者数は12万人だったらしいが、それも頷けるくらいの入り様だった。来場者の殆どが中産階級で、皆一様にこざっぱりした格好をして、片手にカタログの束を持ち、どの顔も具体的に一台手に入れようかといったものだった。

それにしても、まだまだ生活レベルの低いベトナムで如何に中産階級といえおいそれと即金で車を購うなんてことは難しいのではと疑問に思いつつその場を後にしたわけだが、なるほど今日の記事を読んで氷解した。自動車ローンが組めるようになったのである。WTO加盟後は、これまで以上に消費の新しいスタイルが先進国並みに提供されるようになるであろう。消費は夢を叶え、物に対する欲求を満たしてくれる。
ただ、肝心なのはあくまでも借金の一形態に過ぎないということを忘れずにしなければならない。ある先進国のように高級車に乗って、サラ金に金を借りに行くようなみっともない事はしないようにしてもらいたいものである。

11月7日(火) 銀行の不祥事と政治圧力
*ベトナムの首相はオランダのABN-AMRO銀行が執行した一連の取引は、違法行為であり、国際的に容認されるべきものでないと指摘し、今回のケースはベトナム国家の損失を誘う極めて遺憾な犯罪行為であると訴えた。問題は始まったのはベトナム商工銀行(Incombank)が去る8月にABN-AMRO銀行による外国為替損失を被り、商工銀行がUS5.4m$の賠償金を求め裁判に訴えた事による。

Incombankに因れば、ABN-AMRO銀行所属トレーダーたちにより引き起こされた多額の損失を計上した取引は、同行Hai Phong支店内で無認可のトレーダーたちが投機目的で起こしたもので違法行為であるという。Incombankの争点は、ABN-AMRO銀行所属トレーダーのNguyen Thi Quynh Vanは外国為替取引を行うトレーダーとしてベトナム国立銀行に登録されていない無認可トレーダーである点なのだが、オランダの銀行は首尾一貫して違法行為を否定している。

盗み出したコンピューターのパスワードを使って一連の取引を行ったと容疑が掛けられているVanは身柄を拘束され、仮に有罪が確定すれば銃殺刑に処せられる事となる。彼女の同僚8名も身柄を拘束されている。ある情報によれば、数ヶ月前にIncombankとABN-AMRO銀行は今回の件を示談で済ませる協議をし、裁判沙汰を回避するものと見られていた。

その一方で、月曜日、Dung首相は公安に対し、外務省及びベトナム国立銀行と共にABN-AMRO銀行幹部たちとの会合を設けABN-AMRO銀行へ罪状を告知するよう求めた。この会合には最高人民裁判所裁判官及び検事なども同席することになっている。Dung首相は、公安に裁判官やその他の関係官庁と木目の細かい捜査・証拠固め、それに個人・法人によらずどんな犯罪を犯したのか精査するよう指示したという。また、首相は今回のケースはベトナムの法律に照らし合わせ、透明性を高め、国家の損失を最小限に杭止めるよう求めた。

(辛口寸評)
今回、オランダのABN-AMRO銀行が、外国為替取引に関する違法行為でベトナムより糾弾された。Incombankの言い分だけ聞けば、このオランダの銀行が冒した行為に非があるように取れるが、事実は次のようなことだろうと推察する。元々、IcombankとABN-AMRO銀行は、為替取引のメリットもデメリットも互いに承知の上で行ってきた。これまではABN-AMRO銀行のトレーダーは損も出さずに勝ち続けて来れたので、蜜月も続いたのだが、ここへ来て大きな損失を形状してしまった。
焦った、Incombank側は、ロスの責任の一切をABN側に転嫁に走り、Vanはそのスケープゴートに過ぎないと考えられる。

WTO加盟と共に、これまで以上に外資系金融ビジネスがここベトナムでローカル企業と業務提携を結び勢力拡大の基盤として行くだろうが、今回のケースでも見られるように、マイナス要因が表面化したばあい、ローカルパートナーは、自己保身に走ることは十分に考えられる。
気がつけば全ての責任を負わされかねないのだ。考えてもみてほしい、ベトナムの法整備は未だ整備途上にあり、欧州の小国とはいえ物流大国であるオランドのそれがベトナムより劣っているとは思えない。今回は見せしめ的な要素も強く、恐らくABN-AMRO銀行は政治利用され切り捨てられる可能性が高いだろう。

11月8日(水) 歴史教育を盛り上げよう!
*過去2週間、ホーチミン市民の多くが市内のメインストリートに掲げられた真新しいバーナーを目にしたことだろう。信号が赤になったのを機に近くへ寄って見てみると、歴史上顕著で有名なベトナム人ヒロインを読み取ることが出来る。過去2週間に渡りこの公共バーナーを掲げたホーチミン市婦人連合の説明によると、これはベトナム婦人連合設立76周年記念を機に広くベトナムの歴史意識を広げる一環だという。
最近、ホーチミン市人民委員会は、“通りの歴史について語ろう!”キャンペーン(これは各通り名は歴史上の人物の名を用いているのだが、その由来を記した看板を道路名標識の隣に設置する運動)を主催した。

労働新聞のフォーラムに掲載された投稿“ベトナムの歴史を学ぶ必要性”が物議を醸し出している。同新聞によれば街で簡単なアンケート調査をしてみたところ市民の歴史上の人物に対する知識は、ほとんど無いことが伺い知れたという。通りのバーナーや通りの歴史について語ろうキャンペーンの実施は結果的に人々の歴史知識の欠如を浮き彫りにし、このことが何故問題なのか そしてどのように修正してゆけば良いかを考えることに繋がったのだ。

ホーチミン市社会人文大学Ngo Van Le学長に拠れば、過去10年間、ベトナムの教育は先進国に少しでも追いつくために歴史より科学に焦点を当てて来たという。現状、歴史の学習は他の科目に比べて極僅かな時間しか履修しておらず、一週間に45分の一コマに過ぎない。
歴史教師のHan Nguyen Nguyen Nha先生はベトナム2000年の歴史を履修するには最低でも一週間90分、二コマは必要だと指摘する。Nha先生と意見を同じくするBinh Thanh区の小学校歴史教諭のTran Hoai Huanさんは、8年生の2学期に世界史が90分、二コマ、3学期でベトナム史一コマ45分の履修しかないと嘆じる。しかも、これまでの暗記と音読だけの勉強法では、学生も歴史学習に対するやる気を持たないでしょうと、Huanさん。

限られた歴史の履修時間では、教師たちも生徒に対しじっくりと歴史を教えることは出来ないのだとNha先生。と同時に、多くの教師が歴史授業を楽しいものにすることへの努力に欠け、学生にとって歴史を更につまらなく感じさせているのですと続ける。3区のTran Van Dang小学校教師Thai Thi Thanh Nhat先生曰く、歴史授業には画像や音楽での教材サポートが必要だと語る。残念なことにベトナムには歴史時代映画がほとんどなく、学生が歴史について意識するのをより難しくしているとNhat先生は続けた。

歴史に関して、学生は戦争の歴史だけでなくベトナムの文化が如何にユニークな中で創られ、そしてそれをベトナム人として誇りに持つことが大切で、良い面・悪い面、全てを包括的に教授する姿勢を採ることが重要なのであるとNha先生は結んだ。

(辛口寸評)
我が家人の現象を捉え、それが全てのベトナム人の性格に結び付けてしまうのは些か乱暴ではあるものの、理数系に強い彼らも一度、歴史や地理の話になると全く学習していないようで、普通の日本人なら判るような四大文明の発祥の地とか、世界七不思議とか知らないのである。彼らにしてみれば、記事にも書かれているように習っていないから知らないだけなのだろうが、根本的には知ったところで飯の種にならないという意識がベトナム人には強いのだと思われる。計数に強いことは即生活の支えになるが、歴史や地理を少しばかり知っていたとしても、それは知識の蓄えに過ぎず、「生き抜く」上でさして重要でない。今、ベトナムは漸く食えるようになってきて、そこに知識欲が芽生え、故に歴史を学ぶ余裕が生まれたところと考えられるのではないだろうか。そう考えると微笑ましくもあるが、さてさて、昨今日本の高校での履修問題が叫ばれて喧しいが、これについては問答無用、ただ進学を優先させるが為に、履修科目を怠った責任は教育現場にも保護者にもあろう。ベトナムと違い食えなかったわけでもなく、きちんと履修させ、その上で進学を語るべきだと思うが如何だろうか。

11月9日(木) ポストWTOを見据えて
*Nguyen Tan Dung首相は外資系小売業に対しベトナム市場開放の承認を与えることにした。10月23日に発動した1701-TTg-QHQTに於いて、ベトナム政府は国内小売り市場を外国企業に条件付で開放する政策を確立し、今回の承認はベトナムのWTO加盟を前に重要なステップアップと考えられている。首相は、国内小売市場の外資系企業参入の法令のガイドラインを作成するよう商務省に命じ、同省が2006年8月に作成した小売市場自由化進捗報告書を基礎に纏められる事になるという。

外資系小売企業にベトナム小売り市場を許可する問題はベトナムとWTO交渉団との間で懸案事項として長く協議されてきたが、10月中旬漸く結論を見るに至ったのだ。ベトナムには既に当地で6店舗を運営するドイツのメトロの様な大手小売業者が進出してきている。加えて、シンガポールのDairy Farmが小売業参入の意向を見せており既に関係機関に申請中である。

1701-TTg-QHQTの下で、投資計画省はベトナムのMinh Van 貿易生産社と韓国のロッテ・ショッピング社との合弁事業の承認を与え、新規参入事業名はロッテ・ヴィナ・ショッピングとなる予定である。この合弁事業の計画に因ればホーチミン市内に15店舗を構え、US50m$をかけ起工する一号店はGo Vap区のQuang Trung通りに開店するとのことだ。消費の伸びが急速且つ力強く進むおかげでベトナムは世界でも最も魅力的な小売り市場を形成しつつあり、2004~2005年に掛けて小売り市場の伸びは実に20%を示し、年間US20b$の購買力と試算されている。

これら外国系小売企業の参入を前に国内小売業者は心配の色を隠せない。商務省は国内企業に対し競争力を高めるよう警告している。商務省のNguyen Hoan Thanh氏曰く、外国系小売りグループは取引上の問題点を国際的貿易交渉を通じ改善を図って来るので、我ら役人は彼らが有利になるような法の抜け穴を突かれない様にしなければならないと語る。Thanh氏はローカル小売業がそれぞれ合従連衡を果たし、市場の占有を高めて行くことが大切であると結んだ。

(辛口寸評)
外国系大手小売店のベトナムへの進出が開放される。全面開放とまでは行かないが、スーパーなどの大手国内小売店にとっては、まさに黒船来航に匹敵する“事件”となるだろう。ただ、市場が開放されれば100%外資で乗り込んでくる企業が多くなると考えていたが、ロッテでも見られるように外資のブランド力は生かしながらも、現地ローカル小売店との合弁により運営する形態に暫くは比重が置かれそうに思われる。これは多分に、100%外資で乗り込んだ場合と合弁とでは微妙な規制の差が設けられ、実利を優先した結果の判断と考えられる。WTO加盟後の外資系大手小売企業の進出はローカル企業を全面に打ち出し、裏で経営を取り仕切る、そんな流れになるのだろうか、、、。

ところで弊社もベトナムのWTO加盟に合わせて、社内の組織力強化に着手した。丁度、今年、創業10年を迎えたが、ここまでの道程は常に暗中模索、手探りの中で、人を増やし商材を増やし少しずつ業務を伸ばしてきたが、はっきり言えばその手法は“個人商店”に過ぎず、行き当たりばったりの日々だった。WTO加盟後のベトナムはまさに国内での内外問わぬ熾烈な企業間競争に投げ込まれる事になるだろう。それに耐えるには、組織力の強化、つまり新しい知識を持った人材確保をしなければいけないと判断したのである。吹けば飛ぶ飛ぶ弱小零細企業の弊社だが、幹部候補生を7名採用し、管理費は一気に6割増となったが、新たな飛躍のカンフル剤としての彼らの役割を期待したい。

11月10日(金) 家庭内暴力防止法制化
*下院において家庭内暴力予防法の素案が初めて議論された。
多くの議員たちはこの市民の権利強化と男女差別の是正に同意した。
この法案は家族に対する個々の責任と認識、そして尊敬を日々の生活の中で家族のメンバーが実行できるようにするのを目的にしているという。2004年度の統計に因ると、離婚ケースの42%は酒や薬物に溺れた結果引き起こされた家庭内暴力に起因しているそうで、新しい法案では肉体的・精神的な暴力、意図的な疎外感、性的虐待等の禁止措置が盛り込まれている。

性的虐待については、ベトナムの家族・社会の中で長くタブー視且つ繊細な問題と考えられて来ただけに、広く議論されたという。中でも、性的虐待の定義をどうするのかは議員たちの間で議論が分かれた。性的虐待の被害者の多くは女性を前提としているが、何人かの議員はその定義つけは困難であると難色を示したものの、多くの女性議員たちは性的虐待の定義付けを確定させるよう求め問題の解決を図るよう強く求めた。

この法案は弱者・被害者に陥りやすい子供、女性やお年寄りたちを保護する上において公共の支援を必要とする。中部Thanh Hoa省の人々は、家庭内暴力を防ぐために婦人連合及び学校のような関連機関の社会構成に新しいこの法案が基軸となり法的根拠を供給するようになるだろうと語った。Thanh Hoa省Quang Xuong区で保母をしているHoang Thanh Nhuanさんは、家族間で問題が生じた際、子供たちがいつもその犠牲になるという。Nhuanさんは今回の法案が学校や教師たちを虐待予防に向かわせ、子供たちの心身共の成長に悪影響を及ぼさぬ一助となればと話す。

議員たちは新案の他、ベトナム領海法・伝染病予防法・商品品質法・個人所得税法・公的援助法などについても話し合い、これら全ての法案は今月末の議会で承認される予定だ。

(辛口寸評)
ベトナムでもDVがマスコミの間で騒ぎ立てられるようになってきた。
記事の中にも垣間見られることだが、ベトナムでは余所の家庭内には基本的に他人が立ち入る事はしない。あくまでも一家族の問題として世間自体が認識しているので、他人が首を突っ込もうなら、それこそ“野暮”と一蹴されかねないのだ。勿論、ベトナムのDVは今日昨日に始まった事ではない。以前からあるのだが、これが広く議論なされ法制化の方向で進むようになった背景は、やはりベトナムのマスコミの発展に負うところが多いと言える。新聞・テレビ・インターネット、あらゆる媒体から発せられる、これまで個々の問題として扱われてきた事件が社会化を帯び、結果的に民度を向上させ、表にそれらが出てくるようになったのだと考えている。勿論、何でも表に出ることが“良い”と言うのではないのだが、、、、。

閑話休題。人の親になって見ると、我が子に躾と称し、実はそのときの親の感情をただ単に我が子にぶつけ八つ当たりをしていることが良くある。はっと我に返ってこれはいけないと自重を促すものの、怯えた子供の目は、その親の心理状態を正確に捉えており、故に余計に自分の冒した行動に懺悔する心が住み着くのである。そんなとき筆者はDorothy Law Nolte著の「Children Learn What They Live」を読み返すようにしている。この中には、親の子供に対する11の心構えが網羅されていて、何れもなるほどと感銘を受けると共に、我が子であっても一個の人格であることを再認識させられるのだ。自分の為に以下、書きだしておく。

1, If a child lives with criticism, he learns to condemn.
    批判ばかり受けて育った子は他人を非難する子に育ちます。
2, If a child lives with hostility, he learns to fight.
  敵意に満ちた中で育った子は好戦的になります。
3, If a child lives with ridicule, he learns to be shy.
  ひやかされて育った子は内向的に育ちます。
4, If a child lives with shame, he learns to feel guilty.
  ねたみそねみを受けて育った子はいつも自虐的に自分を追い込みます。
5, If a child lives with tolerance, he learns to be patient.
  寛大な人々の中で育てられた子は、我慢強くなります。
6, If a child lives with encouragement, he learns confidence.
  いつも励ましを受けて育った子は自己に自信を持つようになります。
7, If a child lives with praise, he learns to appreciate.
  誉められて育った子は、いつも他人に感謝する気持ちを知るようになります。
8, If a child lives with fairness, he learns justice.
  公明正大な中で育った子は、正義の心を持ちます。
9, If a child lives with security, he learns to have faith.
  思いやりのある中で育った子は信仰心を持ちます。
10, If a child lives with approval, he learns to like himself.
  人に認めて貰える中で育った子は、自分を大切にするようになります。
11, If a child lives with acceptance and friendship, he learns to find love in the world.
  愛が満ち足りた中で育った子は世界中で愛を見つけ出します。
 
*Dorothy Law Nolte著の「Children Learn What They Live」は次のサイトで購入可能です。http://www.amazon.co.jp/gp/product/0761109196/sr=1-1/qid=1162903621/ref=sr_1_1/250-2486964-9178628?ie=UTF8&s=english-books

11月11日(土) ベトナム 青年の起業!
*ホーチミン市にあるベトナム国際大学を見学した人は誰でも、学内の文房具店を通過した事があるだろう。一年前に設けられたその文房具店は3人の学生Cao Thanh Minhくん、Vo Nguyen Xuan Tungくん、そしてNguyen Thai Hoangくんが共同経営しているもので、しかも彼らは他にもキャンパス内に会社を所有しているのだという。「文房具ショップ経営のアイデアはTungくんのものでした。しかし、ここまで来るのには紆余曲折がありました。」と代表のMinhくん。

3人は起業概念を入念に打ち合わせ、設立資金の出資を両親や友人・知人・親戚などに呼び掛けたという。最終的に1.5bドン(US94000$)を調達して事業を開始した。彼らのインターネットの知識と英会話力を駆使し、彼らのサイト(www.alovanphongpham.com.vn) の運営と需要の高い旅行用品に関する情報ソースを発信することにしたのだ。設立から半年、進捗は微々たるものでHoangくん自身、会社がこの間に揚げた利益を口にするのを憚るが、彼らにとって最も重要なのは、学校で習った学問をここでビジネスの実践として試せることなのだという。

ご近所のTran Thu Haさんは自慢の娘Mai Trangの事を話すといつも幸せになる。Mai Trangはとても良い学生のみならず、ビジネスマインドを持っているという。現在ハノイ国立大学三回生のTrangは最近Nguyen Trai通りに仲の良い友人二人と共にお土産物屋をオープンさせた。資本金は彼女らの両親が負担したという。お店の運営は学校の授業の合間を縫って交代で行うそうだ。「毎月幾ら儲かっているのか気にしていないの。それよりも娘たちがお金を稼ぐ意味を知ってくれさえすればそれで十分なの。卒業前に何らかのビジネス経験を積むのも悪くないし。」とHaさん。

上記のケースは昨今の増え続けるベトナムの若者たちの起業風景の一例だが、Hoangくん、Minhくん、Tungくん、それにTrangさんは彼らの親御さんたちから資金的な支援を受けられ幸運なケースと言えるだろう。しかし、全ての親がこれらのやり方に賛意を示しているわけではない。4人の子供の母親Pham Thu Lanさんは、我が子の事業へお金を投資するなんて考えたこともないと語る。その上で、お金があればそれはより安心できる銀行へ預け老後に備えるに限ると断言し、寧ろいつまでも子供たちが親のお金を頼るような生き方をして欲しくないと話してくれた。事業を始めたいのであれば、自分たちで貯金を蓄え、それから始めれば良いとLanさんは付け加えた。20歳の娘を持つHong Vanさんは、娘から彼女のビジネスに投資をしてくれと頼まれても断るという。理由はリスキーの一言、、、、。Vanさんにとって鯉と鯰の違いも解らないような自分の娘が自力で小さなお店を運営することなど出来るはずが無いと言い切る。

ベトナムは今、WTOに正式に批准された。そしてベトナムの企業は拡大する外国企業との競争にますます晒されることになる。だからこそ、この国の若者がビジネスの主導権を握って行くことは重要なのだ。ベトナムには“痛みを知らずして、得るものなし”という諺があるように子供の事業に資金提供した親御さんたちは子供たちの発展を信じつつも進捗を観察してゆくことが重要になる。「借りに強い意志があり、本当に実行する気があるのなら、若者に企業するチャンスを与えられなければならない。」と青年実業家Minhくんは結んだ。

(辛口寸評)
一時期、日本では起業ブームがひとつの現象として湧き上がったことがある。折りしも情報化社会がキーワードとして脚光を浴びていた当時、起業=IT関連→最先端=「格好好いだろう」なんて風潮至るところに蔓延していた。筆者は自分自身起業した経験を持つのでどこかその風潮に対し違和感を感じていて、本来 ”企業”は少しも格好の良いものでは無く、寧ろバタ臭く、少しでも多くの利益を確保する為 昼夜駈けずり回るものだと信ずるからだ。

ベトナム人はまさにその起業を自ら体現し実践している民族だといえるだろう。一歩表に出れば、天秤棒を担いだおばちゃんたちに出くわすが、売り物といえばほとんど小資本から始められる食べ物だ。おこわあり、うどんあり、毎朝3時頃に起きて仕込みをし、午前4時半になれば天秤棒が街の中を行き交うようになる。一見すると天秤棒のおばちゃんたち、さぞかし貧しいのだろうと勝手に想像するのが人情だけど、確かにベトナムの経済開放までは貧しかったのは事実だ。ところが、雨の日も風の日も嵐の日も一日も休まず天秤棒を担ぎ続けたおばちゃんたち、今はサイゴン市内に家を三軒も所有し、内2軒は他人に貸し、それでも仕事は好きだからと今も天秤棒を下ろさないでいる。これがベトナム起業スタンダードなのだ。ベトナムの若者も親の臑を囓らず、先人を見習って起業して欲しいものである(笑)。

|

« 「米国」と「イスラエル」は、相も変わらずパレスチナ市民の殺戮を継続中! | トップページ | 「米国」と「欧州連合」は、遂に「パレスチナ」の自治権を蹂躙する! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第88号:

« 「米国」と「イスラエル」は、相も変わらずパレスチナ市民の殺戮を継続中! | トップページ | 「米国」と「欧州連合」は、遂に「パレスチナ」の自治権を蹂躙する! »