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2007/01/10

「ギャップ」バナナの叩き売りで「バナナ・リパブリック」を事業売却へ!本体もやがて幕か?

ファッション・ビジネスは、もはや「大艦巨砲主義」の時代ではない。

最適労働賃金(技術力があり低賃金国)を世界中に求め、最適販売価格(製造コストを低率にして最高の市場販売価格を得る)で、規格品の大量生産と大量販売を重ねる事で、一介のジーンズ販売店が世界の底辺ファッション・マーケットを圧するまでになったが、「大男、全身に知恵が回りかね」状態に追い込まれ、藻掻き苦しみ続けた「ギャップ」も時代の幕を降ろすところへ来たようだ。

グローバル化した経済をファッション・ビジネスで代表するのが「ギャップ」である。
米国が世界を無理矢理グローバル化したことを利用し、自己の利益とし、発展途上国の労働力を搾り取り続け、アンフェアな貿易の強制を続け、一人勝ち続け、一人で膨大な利益を謳歌してきた。
1990年代から現在まで続いた「勝ち組」の典型だ。
「ギャップの利益」は「発展途上国」が人権を踏みにじられた「発展途上国」の血と汗と涙の結晶だ!
アンフェア貿易の強制は、以前、国際人権団体から吊し上げられた「ナイキ」も同じパターンだ。未だ、完全に修正されていない可能性を残している。「ギャップ」も「ナイキ」もワルの明晰な頭脳を駆使し「アンフェア貿易の強制」については確実に証拠を押さえられないよう巧妙に隠蔽していること、疑惑の点を数多く残しているものの実際には挙証が難しい。しかし、限りなく黒に近い灰色だ。「ギャップ」はグローバリズムという格好いい呼び方をしても、実は「いじめ経済」の鬼っ子だ!

従って、
「ヘッ、ザマー見ろぃ!」というのが正直な感想だ。
世界各地の生産点で、工場の生産者に対する「ギャップの高圧的な言動」を目にし耳にすることが多かった側から見れば、当然の報いだろうと思う。むしろ遅きに失した感を拭いきれない。

巨大店舗を世界の先進ファッション都市で展開し、その最底辺に屯する少しだけオシャレな客(自分はオシャレと自認する)を相手にする、「ギャップ」のビジネスモデルは、所詮、「ストリート系の代物でしかない」わけで、逆立ちしてもファッション・ビジネスの主軸(主流と主軸は根本的に異なりますから、よく言葉の意味を理解下さい)にはなれるわけがない。
それでも一時代は多少でも支持され、消費を席巻できるのがファッション・ビジネスの優しいところだ。

最近の「ギャップ」は、日本国内に止まらず、店舗とマーチャン・ダイジングが全く噛み合わなくなっている。これは、生産と消費が噛み合っていない典型だ。売上高(数字)を伸ばす事だけに拘り、巨大店舗さえ構築すれば売上高(数値)が確保できると空想する、現場を知らないMBAの事業計画が犯しがちな陥穽だ。

ターゲットとする顧客層と店頭で販売する商材が合わなければ、何も分からない客以外に買い求める客は出ないだろう。また、一回買っても引き続きリピーターとして支持し続けてはくれないだろう。それはマーケティングとして完璧に失敗しているし、完全に敗北しているのだ。
それでもMBAはエライ人だから、口で押さえ込んでしまう。加えて組織固めだとか何とか意味不明で非論理的な報復人事を企てたりもするから、現場は沈滞してしまうのだ。
意図どおりに商材が店頭で売れなくなると、生産現場の工場を徹底的に叩くのだ。そして製造価格を際限なく詰めさせる(品質は低下する)。詰まらなければ工場を変える(品質が低下する)。品質が下がると出荷価格(製造価格)の下げを要求する。ますます店頭で売れなくなる。これが今日の「ギャップ」の世界的な状態だろうと経験的に想像する。それでも現場を知らないエライMBAは自分の戦略が正しいと信じているだろうから恐ろしい。

小売り流通事業者が人的組織的能力を超えたチェーン展開をする際、分限を辨えないため、ついつい(頭脳的)能力があると思われるMBAなどの肩書きを持つ人物を採用しがちになる。こいつらは最初から現場の叩き上げより、口も立てば事業計画の立案も早い、加えてマネジメント力は備わっているから、ついつい、多くの関係者が口車に乗せられるというのか、押さえ込まれるというのか、現場の叩き上げの人物から、結果的には主導権を奪ってしまうのだ(実に米国的な風景だ)。

その結果、事業計画、資金計画、出店計画、販売商品と生産計画も、いつの間にか絵空事の数値をエライMBAが構築してしまうのだ。計画数値も絵空事の段階では完璧だから、誰も口出しできないので、自然に承認され事業方針になる。
そして、思いもかけない出来事(例えば気候変動とか)により失敗することになる。一回だけならよいけど、失敗も度重なると取り返しがつかなくなる。
その結果は「大男、全身に知恵が回りかね!」となり、基本的には幕を降ろすのである。
「ギャップ」は一介のジーンズショップだったのだから、原点に戻ればよいのだろうけど、ここまで大きくなってしまったら、そうもいかないだろう。

まずは、自らの事業が証券アナリストや証券市場のためにあるのではなく、自らがドメインとして描く顧客(消費者)のためにあることを何よりも反省し弁知すべきである。朝日が引用したニューヨークタイムズ紙の記事中コメントでも証券アナリストや市場関係者が先に出るのが「米国流」だ。なぜ、顧客(消費者)との販売商材の関係性で「ギャップ」を論じられないのか、本当にマネーゲームしか考えない「米国」のアナリストの知能指数が窺えるから、思わず笑ってしまう。

これから始まる「米国」の凋落を見るようで興味深いなぁ~。天罰か、神の報いか、早いこと「潰れてしまえ!」。

そこで「ギャップ」は、まずは、好調と喧伝できそうな「バナナ・リパブリック」を叩き売るわけだ!これはホントに「ギャップ」という「バナナのたたき売り」になる可能性が極めて高い。

恐竜も大きくなり過ぎて死滅したわけだ。
だからというわけではないが、「ギャップ」も度過ぎた世界規模の事業展開は、もうそろそろ「幕」にした方がいいだろうに。
知能指数が低いマッチョな「米国」の代表チャンプみたいな「ギャップ」は、世界中を占領する意気込みで、「米国」そのものを象徴している。早い事「潰れてしまえ!」

引用開始→ 米衣料ギャップ、身売りやブランド売却検討 米紙報道  (asahi.com)
2007年01月10日20時16分

米衣料品大手ギャップが身売りや一部ブランドの売却を検討していると米紙ニューヨーク・タイムズが9日報じた。

同紙によると、ギャップは日本を含む世界で約3000店舗を運営しているが、販売減が続いているため、全店舗を一括売却する案や、4ブランドのうち「バナナ・リパブリック」など一部ブランドを売却する案を検討している。米証券大手ゴールドマン・サックスから1月末以降に提案を受け、30%超の株式を保有する創業家が最終判断する。

売却額は180億ドル(約2兆1400億円)と衣料品業界で過去最大規模になる可能性もあるという。   asahi.com  ←引用終わり

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