ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第110号
ウィークリー・ベトナム・ニュース
■ 平成19年4月14日 土曜日 第110号
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■ こんにちは!!
いつもお世話になっておりますベトナムから、ニャットアインです。
今日もここ一週間のベトナムの主なニュースをご笑覧下さい。
翻訳は直訳とせず、日本語に馴染む意訳としておりますので、ご注意下さい(笑)また、訳者の独断と偏見を交えた辛口寸評を入れてみました。内容が片寄り、言葉が多少過ぎる箇所も多々あろうかと存じますが、これもベトナムを愛するゆえの諫言とお許し下さい。
誤字・脱字はご愛敬ってことでお願いします<(_ _)>
尚、記事の転送は営利目的以外なら原則自由ですが、自己責任において行い、その中で被った被害・損害に対し筆者は責任を負えませんのでご了解下さい。
ベトナム・ニュース その110 今週のヘッドライン
* 4月09日(月) 新インターナショナルスクール開校
* 4月10日(火) 深刻な電力供給不足
* 4月11日(水) ベトナム多党制への序曲
* 4月12日(木) 中国雲南省と北越国境地帯との連携
* 4月13日 (金) 上場企業にとっての情報開示
* 4月14日 (土) ATMカード利用本格化?!
4月09日(月) 新インターンナショナルスクール開校
* グエン・トウイ・クイン氏と彼のパートナータたちは、ベトナムのWTO加盟により多くの入学希望者が集まることを予測し、新たなインターナショナル・スクールを開校を目指して現在、計画中だという。今年8月開校予定の新しい学校の敷地面積は1ヘクタールで、開発目覚しいホーチミン市7区にキャンパスを持つことになる。
WTO効果で、今後、ベトナムは他国との多くのビジネスチャンスに恵まれるのみならず、これからの若い世代は、外国人たちと渡り合うための知識と資格が求められるようになるため、我々はそのような若者たちに早い時期から教育と訓練を施し、エリートに養成して行かねばならないとカイサン合資会社副代表のクイン氏は力説する。クイン氏たちの設立する、ルネッサンス・インターナショナルスクール・サイゴンは、国際規格の教育を提供して行くとのことだ。
現状、ベトナムでは自称“インターナショナルスクール”を含めると45校存在するものの、実質的なイギリスやアメリカのカリキュラムに基づき、インターナショナル・バカロレアを英語のネイティブスピーカーの教師陣を揃えているのはブリテッシュ・インタナショナルスクール(BIS)、ホーチミン市インターナショナルスクール(ISH)、サイゴンサウス・インターナショナルスクール(SSI)、エービーシー・インターナショナル(ABC)の僅かしかない。この中でも、BISの人気は最も高く、現在1200名の児童・生徒を擁し、他は平均500名前後を擁している。BIS小学課程は既に満員状態、SSIとABCについても残り僅かしか受容れできない状況で、しかも特定の国籍及び学年に限定されるとのことだ。国籍限定措置に関しては、特定の国籍者に児童・生徒が偏らないようにするためという。
駐在員子弟への質の高い教育は高い需要に支えられており、現在の高品質なインターナショナルスクール不足は、この先、問題化してくるでしょうと、前出のクイン氏はいう。彼の運営する学校には最新式の設備を備えた350名収容可能な講堂が設けられ、各教室ではインターネット無線ランで結ばれたパソコンが完備されるそうで、同校では国際規格の小学校用カリキュラムで優秀な教師陣たちによって授業が進められてゆくことになるとのことだ。「今では多くの外国人が、ベトナムを良いビジネスの漁場として理解しているだけでなく、東南アジアの旅行ハブの機能が期待されているのです。」とクイン氏。
また、クイン氏のインターナショナルスクールの開校目的はニーズに迫られたからだけでなく、彼のベトナム人としての名誉にかけての事業だという。ベトナムにあるほとんどの有名インターナショナルスクールは外国人によって設立・運営されており、ベトナム人がこの分野に投資しない法はないと駐在員子弟の為のみならず、ベトナム人子弟の為に設立・運営をしてゆきますとクイン氏は期待を滲ませて語ってくれた。
(辛口寸評)
記事の中で、国籍を限定する旨が書かれていたが、今日はそれを採り上げてみる。ホーチミン市で暮らす、韓国人は現在3万人とも4万人とも云われており、そのほとんどの子弟は、市内7区にある韓国学校に通っている。裕福な韓国人駐在員の多くはその子弟を有名インターナショナルスクールに通わせる傾向にあり、どこのインターヘ行っても韓国人国籍生徒が最大閥を構成してきた。一時期、ISHなどでは6割の生徒が韓国人で占められた為に、校内では英語よりハングルが幅を利かせていたほどで、他国の親たちから白眼視されてきたのである。
ところが、ここ4~5年でベトナムが再度、ビジネスロケーションとして脚光を浴び始めると世界各国から大勢のビジネスマンたちが家族を引き連れやって来るようになり、それまで学校運営上、やむおえず韓国人生徒をとってきたインターだったが、一斉に韓国人子弟の受け入れを拒否するようになったのだ。(全てではなく外交官や一流企業或いは強力なコネのある保護者の子女を選別)行き場を失った韓国人子弟は、韓国人学校へ転入する事になったわけだが、冒頭でも記したように同校は既に1500人余の児童・生徒を擁し唯でさえ受容れ数の限界に達しているのを更に無理をし、暫くは受入れを続けたものの、最終的に制限を設けることになったという。
現在、ホーチミン市在住の韓国人子弟の相当数が、学校へ入れずにやむなく子供だけが本国に残り勉強を続けたり、亦は空きが出るまでベトナム・ローカルスクールに籍を置いたり、ニートを余儀なくされているのだよと韓国人の友人が語ってくれた。さて、ホーチミン市には、7区にホーチミン日本人学校がある。規模は韓国人学校に比べれば全校生徒数でこの4月から166名になったという。前年比で4割近く増加し、やはりここもWTO効果の影響を強く受けている事が解かる。この秋に同校は、クラスを増設するための工事に入り、敷地もこれまでの5000平米から、その倍の10000平米に拡張されるそうだ。駐在員子弟の増加は当然としても忘れてならないのは、筆者のようなベトナム人配偶者との間に産まれた子供たちも、これから同校の規模を高める大きな主要構成員の位置を占めて行くことになるのだろう。
4月10日(火) 深刻な電力供給不足
* ベトナム政府のより多くの発電所建設にも拘わらず、ベトナムは電力不足に悩まされており、この状態は少なくとも4月中旬迄続くことになると、ベトナム電力公社はいう。ハノイ市ハイバーチュン区にあるクイン・マイ住宅街の住民代表グエン・ティ・アンさんは、しょっちゅう停電が起き、このため住民の多くがプライベート発電機の使用による騒音に悩まされているのだと苦情を訴えている。騒音だけならまだしも、ディーゼルエンジン型の発電機は有害な排気ガスを生み出すので、環境汚染に繋がるのだと彼女は顔をしかめる。この問題はアンさんの居住区域だけでなく、市内の他の多くの地域でも問題が顕在化してきているのだという。
「発電機で起きる騒音は至る所から聞こえてくるわ!」と語るのは市内ドンダ区カウザイ坊に住む、ホアン・トウ・トウイさん。また、中部高原のタイグエン省ダクラック在住のゴ・ミン・コイさん曰く、地元自治体の公務員は一旦停電が起きると電気が回復するまで外で待機しているそうだ。通常、気温が高くなりがちの都市部、ホーチミン市の場合、状況はそれより悪く、毎週水曜日になると市内のフエン・マン・ダット小学校やチュオン・ヅン小学校の数千人にも及ぶ児童たちは停電の為、自宅待機をしなければならないのだ。通勤ラッシュ時のホーチミン市内のカク・マン・タン・タム通り、ヴォ・ヴァン・タン通り、チャン・フン・ダオ通り、グエン・タイ・ホック通りなどの状態は更に酷い。
その一方で、中部ダナン市などの企業や病院は深刻な電力不足に苛まされているという。「我々は節電を求められており、今年は30億ドン(約2200万円)が節約目標です。市内にある半数近くの街路灯や公園の灯りは切らなくてなりません。現在、市内の各世帯で使用される電力は全体の39.2%に上ります。」とダナン市公共電燈管理会社社長ファム・タイ氏はいう。ベトナムは、今年長かったエルニ~ニョ現象のせいで厳しい電力不足に見舞われますとベトナム電力公社の上級職員は見ている。北部の貯水池の水位は昨年同期で比較すると2メートルも低くなり、その結果、600万キロワットの電力が賄えなくなるとのこと。
他方、電力需要は過去3ヶ月急激な高まりを見せており、産業需要では対昨年同期で23.9%も上昇している。ベトナム電力公社では、2007年度の節約分を8240万キロワットに設定し、今月から節電キャンペーンを立ち上げている。電力不足の主な理由はフーミー水力発電所が毎日午前9時から午後10時まで行うメンテナンス作業にある。「我々は4月10日までに400メガワット節電しなければなりません。」と公社スタッフ。他の理由を挙げるのなら、各世帯の電力需要が生活の向上と共に多くの家電品を採り入れ電力消費が予想より激しく伸びたことも見過ごせない。政府の節電に対する呼びかけは今のところ人々から無視されている。
例えば、ハノイのトンニャット公園にあるムアスアン・クラブのトレーニングルームでは、僅か二名の利用者の為に部屋に20本ある灯りを総て燈しているといった有様なのだ。「ハノイ市当局は、公共の灯りの50%を節電の対象としているが、夜間外出時の暗い夜道を僅かな街灯を頼りに歩くのは難しいものだ。事故に遭う可能性だって高くなる!」と夜勤にしばしば出掛けるハイバーチュン区に住むグエン・ヴァン・フーさん。カンホア省を含む中部地域の多くの省の工業団地の従業員は、しばしば自宅待機を命じられている。電力不足を善処する為、産業省は各自治体に生産性を落とさない程度に節電を推し進めるよう要請したという。
(辛口寸評)
昔と違って最近は、停電の回数も月に一度か二度程度に落ち着いて来た。以前、筆者がこの国へ来た頃と云えば、一日の内に何度か停電が起こり、その度毎に作成途中のドキュメントが失い何度か苛立たしく、悔しい思いをしたものだった。当時、充電バッテリー付きのノートパソコンもない時代で、デスクトップが主流だったので、いつ停電してもよいようにバックアップ用充電器を接続していたのも今となっては心に残る思い出のひとつになっている。
とは言え、電力不足の主な原因をエルニ~ニョと家庭での電力消費の増加とベトナム電力公社は言ってはいるが、ドイモイ以降に建設計画が立てられた多くの発電所は、政治家や役人の私的思惑目当て(収賄)、或いは公的な政治判断などで余分なコストを払わされているものがあり、特に政治判断に頼ったものが、数々の無駄を生み出すことになり、その皺寄せが今日に至っていると見るべきなのだ。詳細はここでは省くものの、興味のある方は、黒木亮氏の経済小説「アジアの隼」の一読をお奨めする。
4月11日(水) ベトナム多党制への序曲
* 次期第12回下院議員選挙への1322名の仮候補名簿が、第二回諮問会議で発表された。ベトナム祖国戦線中央委員会の報告書によれば、当選者確立は2.64倍で、女性候補は全体の33.6%、少数民族が19%、非共産党員が32.2%、推薦候補が7%、自薦が20.6%に及ぶ。同委員会によると、これまでの候補者の違いは自薦が前回の3.7倍に増え、その数が238名に及んだことだという。既に各自治体では有権者から全候補者についての意見やコメントを集め終わり、その集計期間中 12ヶ所の自治体で47名の候補者が選挙名簿から外された。その内、23名はホーチミン市、7名がハノイ、2名が北部カオバン省、2名が中部ハアティン省、2名が南部カンホア省が含まれる。第三回諮問会議で公式な選挙人名簿に関して4月15日以前に協議されることになっている。
(辛口寸評)
これまで共産党員で独占してきた政治の一党支配をベトナムは徐々に共産党主導の多党制に切り替えようとしている。社会主義自体をこの国が捨て去ることはないにしても、聞いたところに拠れば、ベルリンの壁崩壊、ルーマニアのチャウセスク大統領は失脚し公開処刑され、駄目押しは中国の天安門事件を目の当りにしたベトナム共産党は一党独裁が遠からず機能しなくなることを危ぶみ将来に向けた多党制の在り方を勉強しだしたという。驚くべきことにその勉強に当り参考としたのは日本の自民党55年体制の派閥政治であり、それを来たるべき日に備えたソフトランディング用の方法と位置付けたのである。ベトナムは今でも、出身地や所属官庁毎の派閥が強いのだが、今後、55年体制をベースにした共産党主導の多党制に組入れることに拠って、更にこれまでの政治形態が巧妙化させ国民を先導して行くのであろうか。
4月12日(木) 中国雲南省と北越国境地帯との連携
* 北部ベトナムと中国雲南省とを結ぶ経済回廊開発計画と両地域の関係を強化させる方法が、グエン・タン・ズン首相と雲南省知事クイン・グアンロン氏の間で話し合われた。ハノイで開催されたクイン・グアンロン知事との会談で、ズン首相は両当事者が中国昆明とベトナムのラオカイ、ハノイ、そしてハイフォンを結ぶ二回廊一経済ベルトの経済回廊建設に焦点を当てることが大切だと語った。首相は雲南省行政当局者とベトナム側の4つの中国国境と隣接する自治体行政当局者たちに協力強化に向けた事務レベル協議委員会を設置するよう要請した。
ズン首相は、雲南省がベトナムに寄贈した50台のタンクローリー車への謝意を会見の席上表し、クイン・グアンロン知事は両地域の関係強化を促すため、インフラ・輸送・逓信・金融・観光事業などの提案書を提出した。その上で知事は、両地域が昆明・ハノイ間の経済回廊建設プロジェクトを強固に推し進め加速化する様に求めた。また、クイン・グアンロン知事は副首相兼外相のファム・ザ・キエム氏とも会見した。キエム氏は知事に対し、ここ数年で越中関係発展があらゆる分野で偉大な進捗を見せるようになってきており、今後、更なる発展の可能性は非常に高いと述べた。そして両地域が国境地域でそれぞれに市場形成を促べきだと付け加えた。
クイン・グアンロン知事の滞越期間中、知事はベトナムの投資計画省・ハノイ及びクアンニン人民委員会らと事務レベル協議を開催する予定になっており、併せてこの機会を活かし、ベトナム企業に対する雲南省の投資・貿易の説明会を催すとのことだ。
(辛口寸評)
雲南省の省都、昆明まで、ハノイから空路で僅か一時間、鉄道を利用しても国境での出入国審査の時間を含めても凡そ16時間もあれば訪れることができる。北京から遠く離れた雲南にしてみれば、遠くの親戚より近くの他人であるベトナムとの経済関係強化は、実利を伴うメリットが高い。また何よりも、同じ国境線を持つ国にミャンマーがあるものの、こと力強い経済発展から将来アセアンの盟主の座を占めるであろう、高いポテンシャルを持つベトナムをパートナーと位置づけ、そこを足掛かりとしたアセアンへのアクセスに向かう積もりなのだ。他方、ベトナムも亦、中国南部経済圏に触手拡大を狙っており、ここに両者の利益が合致するわけである。ある意味、雲南省は省としての自活の足場を独自にベトナムと組んで築こうとしているように思えてならない。
4月13日(金) 上場企業にとっての情報開示
* 株価の強化と消費者の信頼を得るため上場企業各社は、公共の対し企業情報の会計監査に則ったディスクロージャーが求められていますと語るのは、国家証券委員会副委員長のヴ・ティ・キム・リエン女史。ハノイ証券取引センター(HASTC)に拠れば、上場企業の多くは残念ながら、タイムリーな企業情報の開示がうまく機能していないという。HASTCは、各上場企業の情報開示の姿勢を評価する方法として四半期毎の報告書の作成・特別事項の公表、それに要求に拠る情報提示の3つのレベルに分けて推し量ることにしている。が、しかしHASTC全上場企業86社の内、2割が四半期毎の報告書の提出を怠っており、提出した企業でも計算内容に間違いがある事が非常に高いという。
株価などを含む特別事項の公表については、しばしば法令に則した運営をなされていない。いくつかのケースに拠ると、上場企業のインサイダー取引などはそれが行われて相当数経過した後になり初めてHASTCに報告がなされることがままあるという。
亦、株主総会の結果は終了後24時間以内に公表しなければならないのに、多くの場合、遅れが生じている。ベトナムにおいて企業の情報を管理する者は、しばし企業のトップであるために情報が開示されるまでにラグタイムが発生し易く、しかも具体的な数字は掴み難いのである。「我々は各上場企業に対し、彼らの企業活動の透明性を高める為の投資を行うべく要請し、各企業の情報開示に責任を持つ人は経理部長か、トップ以外の役員でも投資家や株主の皆さんにそれをスムーズに伝えられるようにすべきなのだ。」と、ハノイ証券取引センターのヴ・クアン・チュン副センター長の談。ハノイ証券取引センターでは、上場企業の情報開示責任者に対し、法令に沿った最新の情報を提供するよう強く働きかけているところだという。
(辛口寸評)
言っちゃあ何だが、元々、ベトナム人気質として身内以外の他人を信用せず、大切な情報は家族や仲間内以外には漏らさないという不文律がある。これは、同じ釜の飯を共にする人びとが集まる企業内でも同様だ。故に、上場企業といえども都合の悪い情報はなかなか出してこないのである。結果的に透明性が薄れるわけだ。また、嘘のような本当の話をさせてもらうと、上場企業の中には株式発行数が、500万株以下で しかも社員での株主構成比が高いような企業は要注意だ。株価吊り上げを操作する為に、企業と社員がぐるになっている場合もあるという。この情報は人伝に入手したものなので、実態は今も霧に包まれているものの、ベトナムに長きに渡り暮らしてきた者としては、十分、考えられると思っている。ベトナム株関連書籍の中には、ディスクロージャーが、比較的進んでいるなどと書かれたものもあるのだが、果たしてそれが投資家や株主にとって本当に必要な物なのか否かを別途精査すべきなのである。
4月14日(土) ATMカード利用本格化?!
* 国家金融送金合資会社(BankNet)は、公式に顧客の利便性を高めるための他行間での電子支払いやその他の取引が可能になるATMオンラインを立ち上げたと、同社のダン・マン・フォー社長が、発表した。このシステムの稼動により、Incombank・BIDV銀行・サイゴン銀行のATM利用者は、三行間でのお金の出し入れができるようになったのだ。同社の技術部門は昨年10月に完成しており、それまでの間、三行間の本社でテストを重ねてきたという。それが漸く、実施に漕ぎ着けられるようになったわけだ。今後、BankNet社は年内中にもAgribank・ACB銀行・Sacombank、それに東アジア銀行等、4行をオンラインで結ぶ予定だそうだ。
加えて、BankNet社は東アジア銀行・ACB銀行・サイゴン銀行・Sacombankの四行で構成するVNBCカードアライアンスの仲間入りを果たす可能性が高いという。また、同社は中国のカード発行会社と提携し、ネットワークでの支払いシステムの合意書に調印する計画だ。そして9月には中国側パートナーが発行するカードをシステムに組み込むことになるとの事。BankNet社では、このシステム利用料を現金引落としで3000ドン(約22円)に設定しており、サービスの初期段階では無料で拡大に努めるという。
いずれにせよ、利用料については顧客が納得できる範囲での設定とするというのはBIDVカードセンター副長のレ・ティ・キム・トウ女史で、顧客も利便性が高まれば僅かな支払いは気にしないだろうと付け加えた。
BankNet社は近い将来、資本金額を新株発行により二倍にする事を目指している。同社は、2004年に資本金約600万米ドルで国内ATM網構築の為に設立された。Agribankは現在600台のATMと100万人のカード利用者を有しており、BIDV銀行が400台のATMと100万枚のカードがこれに続き、Incombankも400台の機械に80万枚のカードが利用されている。
(辛口寸評)
ここへきて、ATMの利用者が急激に増えだしている。例えば、カードを普及させるために現在どんなことが行われているかというと、形の大中小を問わず銀行が融資している企業に対し、半強制的にカードを作らせるわけだ。先ずは従業員を獲得し、その次はその家族へと矛先を向ける。
本来、ATMカード発行は有償で、最近の物は3年間有効で、発行手数料は9万ドン(約660円)が必要になるのだが何分、各銀行間でカードホルダー獲得のしのぎを削っているため、無料のインセンティブがつく。一般的にベトナム人は、新しい物好きに加え、見栄っぱりなところがあるので、ATMカードを持てることをひとつのステータスといて捉えている。従って、ホワイトカラーもブルーカラーも喜んでカード作製手続きに同意してくれる。
しかし、ATMが何なのか理解していない人も多く、このカードがあれば好きな時に好きなだけのお金が下ろせるのかと真顔で尋ねてきた社員が弊社に3人居たのには暫し焦った。先ずは銀行に口座を作りそこへお金を入金しないとカードは使えない事から説明した次第である。
以上
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