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2007/04/15

「北朝鮮」は、果たして「国際社会」へ、誠意を見せるか?

対北朝鮮、日・米はお人好しの笑いモノで終わるか?!

世界が注目?というほどではないものの、少なくとも東アジアにおいては、注目の案件であることに間違いはない。
2月に、北京で、極めて北朝鮮優位の「玉虫色の妥協案」が基本合意され、外国為替についての知識が充分でなかった米国代表団は、ブッシュ政権の指示で、簡単に北朝鮮が保有する口座の凍結(金融制裁)は解除できると踏んでいた。
これに、何でも物知り顔をしたがる市井の評論家たちが寄って集り、ある者は「今にも、金融解除ができ、『北朝鮮の核危機』は解消される」と言い、ある者は「この基本合意は、北朝鮮を利するのみ、百害あって一利無し」だと主張する。
脳天気と猜疑心が言論の上で争闘していたけれど、徐々に、口座の凍結(金融資産)解除は技術的にも容易ではないことが判明するに従い、「これは、米国の戦略が上回っているのであり、逆に北朝鮮は追いつめられるだろう」などと、得意気に超楽観的なコメントを流す某国外相が出る始末だった。
しかし、そのいずれもが、自らの希望を述べるに過ぎない思いこみであり、検証や事実認識を伴うものではなかった。

赤恥を描いたのか描かされたのか、その後、饒舌な某国外相の口から、この件についての発言は聞こえなくなった。よほど無定見な発言による恥が堪えたのだろう。

国家主権の侵害と拉致被害家族を抱える本邦と、単に、世界で我が儘を押し通したい米国や中国の立場は、北朝鮮を相手にする場では、基本的に異なるわけで、大局的に見ると覇権国家を目指す米国と中国は、米国と日本の関係以上に基本的な点で合致する要素が多いように見えるから摩訶不思議なことだ。

さて、お人好しの米国は、中国の助言を受け入れ、2月に北朝鮮へ妥協し大幅に譲歩する途を選んだ。その後、根本的な世界観を欠く米国の(上下両院)国会議員が、あの手この手で北朝鮮を訪問し、極めて幼稚で楽観的なコメントを米国向けに強調するようになった。
この時点で、「北朝鮮の核危機」は振り出しに戻ったわけで、軍事的に対処することができない現在の米国は、そのうち、国内世論が「妥協」へ大きく舵を切ることになるだろう。これは、(米国)民主党の大統領候補がヒラリーでもオバマでも変わりなく同じことだろう。
その結果、米国は「北朝鮮」に対し、よりお人好しに徹することで、中国の歓心を買おうとするわけで、極めつきの思考能力減退ぶりを示すことだろう。
やがて、ブッシュ退任後には、中国の覚え目出度く、米中の覇権主義が一時は手を結び、やがて(米国)民主党お得意の人権擁護思想で、中国の内政に口を挟み、衝突するという構図になるのではないか。

(米国)民主党の政治家は、余りにもお人好しで、楽観的な思考論理で固まっているように見える。
とりわけ、現状分析などの論理展開は、現在時点の思考だけで、将来に対してかなり危険なように見受けられる。

本邦政府が、唯一のパートナーとして、全てを投げうち尽くしてきた側が、砂を掴むような議論で右に左に振れ続けるわけである。

国家主権の侵害による拉致被害家族を抱える国の政府として、極めてセンシティブな論理展開と核(兵器)開発阻止に向けた大胆な戦略展開に基づく論理が求められる。

まぁ、いろいろ生じたけれど、米国は超法規的な措置を繰り出し、北朝鮮の金融資産の凍結解除を期限内に行った。(世界の物笑いの種でが仕方がないとしよう)

対する北朝鮮は、お得意のダンマリを決め込み知らぬ顔を決め込むようだ。

北京でいう2~3日見守るは、2~3週間見守ると読み替えるべきだろうが、果たして、これまで嘘で塗り固め、国際社会に虚言を述べ立て続けた北朝鮮が、本当に、人としての誠意を示すだろうか。

もし、北朝鮮が合意遵守を為されなければ、他の5カ国は、国際社会に対しどのような責任をとるつもりなのか。
中国の無知と無原則、米国の無定見は国際社会で重大な非難を浴びることになるだろう。
そして、全てを投げ捨て「米中」に追随しただけの本邦政府の責任は重大である。

引用開始→ 北朝鮮に「初期措置」履行の動きなく 米中が対応を協議  (産経WEB)

【北京=福島香織】6カ国協議で合意された「初期段階の措置」履行の期限日である14日、米首席代表のヒル国務次官補は訪問中の北京で、6カ国協議の議長を務める中国首席代表、武大偉外務次官と今後の対応について協議し、「忍耐強く数日の間、様子をみる」ことで一致。北朝鮮に対し、「その間に行動を起こすことを期待する」と述べた。

次官補は協議に先立ち、「勢いが失われているのは確かだ」と述べ、期限内の履行が困難になったことを確認した。

ヒル次官補によると、協議で武次官は、マカオの金融機関バンコ・デルタ・アジア(BDA)の北朝鮮資金凍結解除を決めた米国に対する支持を表明。ヒル次官補は60日の期限が守れなかったことについて「心配と懸念」を示したが、武次官は「もう少し忍耐強さを示すべきだ」と述べた。

一方、ヒル次官補は休会中の6カ国協議について「4月中にも再開したい」と語り、武次官との協議を踏まえ、日本首席代表の佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長らとも連絡をとる考えを示した。

北朝鮮外務省は13日に、BDA内の資金凍結が「解除されたことを確認できしだい行動をとる」と表明したが、タイムリミットとされていた14日になっても北朝鮮関係者が預金引き出しに訪れるなどの目立った動きは確認されなかった。

この日、北朝鮮首席代表の金桂寛外務次官が北京入りし、ヒル次官補と協議するとの観測も流れていたが、金次官は訪中しなかった。
(2007/04/14 23:15)
Copyright © 2007 SANKEI DIGITAL INC. All rights reserved.  ←引用終わり

引用開始→ 北の核放棄「初期措置」期限切れ…米中は数日出方見守る  (讀賣On Line)

【北京=五十嵐文】北朝鮮の核問題をめぐる2月の6か国協議で合意された北朝鮮の核放棄に向けた「初期段階の措置」は14日、進展のないまま「60日間」の履行期限を迎えた。

合意の最初の目標が期限内に達成できなかったことで、朝鮮半島の非核化に向けた今後の日程全体がずれ込む可能性が出てきた。

6か国協議の米首席代表、クリストファー・ヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は14日、訪問先の北京で6か国協議の議長を務める中国の武大偉外務次官と会談し、今後数日間は北朝鮮の出方を見守り、新たな期限は直ちに設定しないことで一致した。ヒル次官補によると、武次官は「あと2、3日間は忍耐強さを示すべきだ」と指摘、中国が北朝鮮と協議していることも明らかにした。

ヒル次官補は会談後、記者団に対し、米国が北朝鮮の求めに応じ、マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」の北朝鮮関連資金2500万ドルの「全面凍結解除」を認めたことを指摘した上で、「ボールは北朝鮮側にある」と強調。北朝鮮が早期に寧辺の核施設の停止・封印や、監視・検証にあたる国際原子力機関(IAEA)査察官の復帰という「初期段階の措置」に着手するよう促した。また、4月中にも6か国協議を再開し、協議を加速させる必要性も強調した。
(2007年4月14日23時8分  読売新聞)
Copyright © The Yomiuri Shimbun.    ←引用終わり

引用開始→ 北朝鮮の核施設停止期限、米中が数日様子見で一致  (日経NET)

【北京=尾崎実】核関連施設の停止・封印など北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議が2月、60日以内の実施で合意した核放棄の「初期段階の措置」は14日、履行期限を迎えた。北京滞在中の6カ国協議の米首席代表、ヒル国務次官補は同日、協議議長の武大偉・中国外務次官と今後の対応を協議。日韓など他の関係国とも連携し、北朝鮮に早期の初期措置履行を迫りながら数日間、様子を見る方針で一致した。

会談後、ヒル次官補は記者団に「(現状を)懸念し、心配している」と指摘。武次官との会談の結論について「数日間様子を見る。その間に北朝鮮が行動を起こすことを期待する」と説明した。当面は新たな期限を設けず、核施設停止を監視する国際原子力機関(IAEA)の査察官受け入れを北朝鮮に促して初期措置のプロセスを始動させたい意向を示唆したものだ。(23:29)
(C) 2007 Nikkei Inc. / Nikkei Digital Media, Inc. All rights reserved.  ←引用終わり

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