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2007/05/05

「アジア通貨危機」再発防止に向け、改めて強い取り組みが始まる!

1997年は、順調な経済成長を重ねてきた東南アジア各国にとり悪魔の年だった。

甘い言葉に乗せられて、大した知識も対応能力も持たないのに、目の前に転がるその場限りの金ほしさから、アジア通貨危機に見舞われた国々は、大胆にも「金融の自由化」を推進した。
国内へ流入する資金の貸し手が、どのような連中か、ほとんど吟味もしないで、国内の資金を手当てするより、外国資金を手当てした方が利息が少々高くても借りやすいという点のみを捉え、深く考えず借り入れを増やし続けたわけだ。

しかしながら、世の中は、借り手の都合どおり「経済が伸び続ける」とは限らない。
国際経済は、それぞれの国を取りまく競争環境により左右される。
度を超えた資金の借り手は、周辺国との競争環境や条件が変化していることに目をやることはなかった。
過剰なまでに、流入した資金は、流入した各国の国内消費に火をつけた。
これまで手に入らなかった商財を、一度でも、いとも簡単に入手できるようになると、もう後戻りはできないのが人間の浅はかな点だ。
流入する外資の要求に応えるため、ハイテク・オフィスビル、高級アパートメント、そして高級ホテルが「金融自由化」を進めた各国の首都に林立するようになった。

東南アジア(ASEAN各国)は、主として日本、米国、欧州各国へ、先進市場が求める工業製品を生産し輸出することで、工業化を推進し経済成長を遂げる目標を描き、国家基盤の整備を急いでいた。
ところが、資金の流入により(急に金持ち感に漬ると)国内消費もそれなりに盛んになってくる。

輸出指向型工業製品は、地域の隣人「中国」の急速な工業化の進展により、国際市場で急速に競争力を低下させ始めていた。
そうなると、輸出は量と金額の両面で低迷を始める。貿易により得ていた(支払いのための)外貨準備高は急激に低下する様相を見せ始める。
すると、どこの国から投資されていたのか分からない、ヘッジファンドを中心とした「外国資金」は「貸した国の経済が潰れると元も子もないから」一斉に引き上げにかかる。

何よりも、調達した外国資金のほとんどが「短期借入資金」で、国内への貸出しは「長期貸出資金」というのだから開いた口が塞がらない。外国の貸手が、「どうも先行き不安のようだから、貸付金は期日と同時に引き上げる」と迫るわけで、長期に貸出した資金を回収(貸し剥がし)しない限り「短期資金」の返済は不可能だ。外資から資金を手当てした金融機関が潰れてしまう。金融の基本が分かっていない悲劇ともいえる。普通は、「長期で安く借り、短期で高く貸す」だろうけれど、無知とは真に恐ろしいものだ。

当初から、基本的に豊かでない(外貨準備高のない)ASEAN各国で、脆弱な資本市場の国は、いきなりの外貨引き上げを受け、「支払い不能」となり、経済は大混乱に陥った。
とりわけ、タイとインドネシアは悲惨だった。

マレイシアも悲惨な目に遭わされる寸前、マハティール前首相は、自国通貨(リンギット)を国際市場(変動相場制)から離脱させ固定レートへ転換、同時に様々な規制を課すという大博打に打って出た。国際社会から強い非難を浴びたが馬耳東風と気に留めず、タイやインドネシアが陥った混乱はなんとか回避できた。
しかも、マハティールは言った「発展途上国が、爪に火を灯すようにして、稼ぎ積み上げた(資金)繁栄を、ヘッジファンドは一夜にして奪い去った。ヘッジファンドこそ諸悪の根源である」と、国際社会から浴びせられる非難に対し、一歩も退かず、反批判を徹底して貫いた。

それすらできなかった、インドネシアは、開発独裁体制を敷き、一族だけで美味しい利権を分捕りあってきたスハルト一族は、様々な不正が暴かれ断罪され追放された。
タイも、王室は追放されなかったが、政権は断罪され、「貧困」に洗われるという悪夢は再び現実のものとなった。

同様に、中国が英国から施政権を奪還した、香港へも、通貨危機の波は押し寄せ、中国返還に伴う混乱に拍車をかけ猛威を振るった。
高みの見物を装うとした韓国には、さらに大きな津波のように押し寄せ、借金漬けの韓国企業を一気呵成に破壊し尽くした。大財閥と称して、誇り高く、踏ん反り返っていた有名財閥の多くが解体され藻くずと消えた。

日本は、アジア各国が、再び欧米の植民地として組み敷かれるのではないかと考え、ときの大蔵大臣宮沢喜一は、間一髪、緊急資金供与を宣言した。
同時に、アジア通貨基金(AMF)の創出を各国に呼びかけたが、米国とIMF(国際通貨基金)から強烈な恫喝を受け、瞬時に提案を引き下げるという、おバカさんぶりを露呈してしまった。

米国の財務長官だったサマーズなんぞは、口を極めて日本を罵り日本の金融制度を徹底的に批判するという常軌を逸したのではないかと思える言動に出て、日本潰しを画策した。この事件は、日本で金融に携わる官僚を始めとする関係者へ、「米国の尻尾を踏むとどういうことになるか?」と震撼させるに充分な恫喝となり、大きなトラウマになった。

とはいえ、アジア各国は、瞬間でも、日本の経済力の巨大さに改めて驚いたし、緊急資金の供与に感謝した。しかしIMFを主導する米国は、この機会を捉え、日本の出鼻を挫くと、目にも止まらぬ早業で不良債権国の経済運営(政策)に嘴を入れ、旧来の体制を平和理に破壊し、米国主導のグローバルスタンダードで支配し組み敷いてしまった。

3年後の2000年。ASEAN諸国は、日本、韓国、中国を加え、いずれかの国が同様の危機に陥った場合、緊急に資金貸し出しを行うこと「チェンマイ・イニシアティブ」を締約する。最後の貸し手を各国が担うことを約束したわけだ。そのために、各国がそれぞれ、「緊急に貸し出せる資金を準備」することになった。

今回は、1997年の「アジア通貨危機」から10年、対応策をまとめた「チェンマイ・イニシアティブ」の合意から7年が経過した。幸いにして、この間、東アジアで通貨危機は発生しなかった。しかし、実際には、世界各国で余剰した無国籍の資金が大量に、「東アジア」へ流入している。
次の買い手が充分(吟味しているわけ)でもないのに、中国も、ベトナムも「証券取引」は過熱気味に推移し、株式市場についての知恵も分析力もない人たちの間で盛んだ。
相当、危険な状況を迎えつつあるように見える。

引用開始→ 日中韓財務相 連携強化で一致  (NHK On Line)

京都の国立京都国際会館で開かれた日中韓の財務相会議には、日本から尾身財務大臣が出席し、中国の金人慶財政相、韓国のクォン・オギュ財政経済相と会談しました。この中では、最近のアジアの経済情勢や政策について議論が交わされ、中国が年10%を超える経済成長を遂げるなど、3か国を含むアジア経済全体が順調に拡大していることを確認しました。そのうえで、原油価格の高騰など潜在的な不安要素への対応について日中韓が情報交換を積極的に行うなど緊密に協力していくことで一致しました。会議のあとの記者会見で、尾身財務大臣は「アジアを含め世界全体として経済は順調だが、アメリカの住宅市場の減速の問題とか石油の価格の動向とか留意すべき点はある。今後とも情報交換をしながらやっていきたい」と述べました。5日は、ASEAN=東南アジア諸国連合と日中韓3か国による財務相会議が開かれ、10年前のアジア通貨危機の再発防止に向けた新たな協力の枠組み作りについて合意する見通しです。
(NHK NEWS  5月4日 18時50分) ←引用終わり

引用開始→ 通貨危機の再発防止で合意へ  (NHK On Line)

一連の国際会議初日の4日は、尾身財務大臣と中国の金人慶財政相、韓国のクォン・オギュ財政経済相による財務相会議が開かれ、東アジアが安定した成長を続けるために緊密に協力していくことを確認することにしています。さらに5日は、ASEAN・東南アジア諸国連合と日中韓3か国による財務相会議が開かれ、10年前のアジア通貨危機の再発を防ぐため、各国があらかじめ資金を供給しあって危機に備える新たな協力の枠組み作りについて合意する見通しです。また、6日から始まるアジア開発銀行の総会で、尾身財務大臣は、アジア各国に環境汚染の防止や省エネルギーの取り組みを促すため、アジア開発銀行に新たに設けられる基金に日本として120億円規模の資金の拠出を表明する考えです。
(NHK NEWS 5月4日 5時43分) ←引用終わり

引用開始→ 通貨危機防止 枠組み作り合意  (NHK On Line)

20070504000002002nhk_1今回の会議で各国は、資金が急激に流出して、自国の通貨が暴落する危機のおそれが出た国に対し、必要な外貨の提供を日本や中国など参加国が一体となって行う新たな枠組みを作ることで合意しました。10年前、タイや韓国などで相次いだ通貨危機は、ヘッジファンドなどが資金を急速に引き上げたことが引き金になりました。その後、各国とも危機を克服しましたが、欧米のファンドや原油高を背景にしたオイルマネーなどの資金は、今も大量にアジアに流れ込んでおり、各国の市場が混乱する懸念が依然残っています。このため各国は、金融面での協力体制を強化することにしたもので、この枠組みが機能するかどうかが、アジアが今後、金融市場の混乱を回避し、成長を続けていくための重要な鍵となります。
(NHK NEWS 5月5日 18時37分)  ←引用終わり

引用開始→  “アジア貧困層半減に協力”  (NHK On Line)

セミナーには、尾身財務大臣やアジア開発銀行の黒田総裁などが出席し、アジア地域の貧困の削減や金融市場の育成などについて意見を交わしました。この中で、尾身財務大臣は演説を行い、現在、アジア地域に1日1ドル以下で暮らす貧困層が7億人いるといわれている問題について、「成長に伴い格差の拡大が生じていることには注意が必要だ。アジア域内の安定的な経済発展の実現のためには、国と国の格差だけでなく、国内の格差是正にも真剣に取り組み、すべての人に役立つ発展を実現することが必要だ」と述べました。そして、2020年までにこの貧困層を半減させるため、日本としても、アジア開発銀行を通じて発展途上国の電気やガスなどのインフラ整備を支援するほか、新たな産業育成のためにファンドを通じた資金援助するなどして経済の活性化を支援していく考えを強調しました。尾身財務大臣はこのあと、アセアン・東南アジア諸国連合と、日本、中国、韓国の3か国の財務相会議に出席し、アジアの通貨危機の再発防止策で合意する見通しです。
(NHK NEWS 5月5日 12時7分) ←引用終わり

引用開始→ 通貨危機に備え外貨管理、買い支えの資金提供…財務相会議  (讀賣On Line)

東南アジア諸国連合・日中韓(ASEANプラス3)の財務相会議が5日、京都市内で開かれ、通貨危機に備えて外貨を拠出し合う新たな多国間体制の構築を盛り込んだ共同声明を採択した。

新体制は、参加国が外貨準備の一部を拠出し合い、一元的に管理するプール制の形をとる。通貨危機に見舞われた国は、このプールから提供された外貨を売って自国通貨を買い支える。アジア版の国際通貨基金(IMF)としての役割を担う可能性がある。

1997年のアジア通貨危機は、タイ・バーツの暴落をきっかけに各国通貨が急落し経済に打撃を与えた。ASEANプラス3はその後、2国間で危機発生時に通貨を融通し合う協定を張り巡らせる防衛策をとっている。

今回合意した新体制は、この通貨交換協定網(チェンマイ・イニシアチブ)を発展させるもので、より大きな資金を迅速に融通することで、通貨の異常な急落を食い止める効果があると期待されている。

今後、拠出の総額や参加国の拠出割合、借入限度額、発動方法などについての協議を進める。

一方、共同声明は、経済発展に必要な資金を域内で調達するため債券市場を活性化させる「アジア債券市場育成イニシアチブ」を進める方針で一致した。アジア各国は貯蓄率が比較的高く、これを発電所建設など経済基盤の整備に有効活用しようとするものだ。
(2007年5月5日23時55分  読売新聞)
Copyright © The Yomiuri Shimbun.    ←引用終わり

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