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2007/05/26

ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第116号

ウィークリー・ベトナム・ニュース  
■ 平成19年5月26日 土曜日 第116号
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■こんにちは!!

Vnnationalflag_91いつもお世話になっておりますベトナムから、ニャットアインです。 

今日もここ一週間のベトナムの主なニュースをご笑覧下さい。

翻訳は直訳とせず、日本語に馴染む意訳としておりますので、ご注意下さい(笑)また、訳者の独断と偏見を交えた辛口寸評を入れてみました。内容が片寄り、言葉が多少過ぎる箇所も多々あろうかと存じますが、これもベトナムを愛するゆえの諫言とお許し下さい。

誤字・脱字はご愛敬ってことでお願いします<(_ _)>

尚、記事の転送は営利目的以外なら原則自由ですが、自己責任において行い、その中で被った被害・損害に対し筆者は責任を負えませんのでご了解下さい。

ベトナム・ニュース その116 今週のヘッドライン

* 5月21日(月) バオヴィエット保険IPO実施へ
* 5月22日(火) ベトナムよ おまえもか!
* 5月23日(水) 喫煙者包囲網が進むベトナム
* 5月24日(木) 国会議員選挙とベトナム人
* 5月25日 (金)   チェット大統領訪中より帰還
* 5月26日 (土)  ベトナム政府とマイクロソフト

5月21日(月)  バオヴィエット保険IPO実施へ

ベトナム最大手のバオヴィエット保険が、この度 来る5月31日にハノイ証券取引所より、5944万株のIPOを実施すると、同社取締役会の席上16日に発表した。初回売値として競売に掛けられる株価は30500ドン(US1.90$)の同社株式は、バオヴィエット保険会社資本金額の全体の8.74%に当たり、内2%に当たる1360万株は外国人投資家に販売されると同社社長グエン・ティ・フック・ラム氏。法人及び個人投資家の競売参加資格は最低応札株数を100株とし、最大前者は340万株。後者が34万株まで許されている。ただ、今回同社株式の売出しは、国内の同業者、その系列企業及び系列ファンドへは行わないとのこと。

IPOが完了した暁には同社資産総額は6兆8000億ドン(4億2370万米ドル)」になり、その内65.4%は国家が、18%は外国戦略投資家へ、7.22%が国内戦略投資家へ、0.7%が社員に因って保有される。競売後、未上場株式については直ぐさまハノイ証券取引所に取引が出来るよう登記する事になるだろうと、同社取締役会長レ・クアン・ビン氏。また、彼は現状、同社株の海外での上場は未定であるとしながらも、それは今後の株主総会の中で決議されて行くであろうと答えた。株式会社化を完了した同社は、それ以前、ベトナム保険会社と呼ばれていた社名をバオヴィエット持ち株会社に変更した。持ち株会社は不動産業・銀行・金融・健康保険など4つの子会社を束ねて行く。

資本金1兆5000億ドン(9300万米ドル)のバオヴィエット銀行は、今年後半にも操業を開始する見込みで、既にベトナム国家中央銀行へ商業銀行設立申請書の提出が完了しているとのこと。同社の経営計画に因ると、バオヴィエットグループ全体の今年末締めでの予想純利益は対前年比で64.3%増の5240億ドン(3250万米ドル)で、年間収益拡大率は15%で、2010年までには12兆9000億ドン(8億400万米ドル)になるだろうと試算している。ベトナムの大手国営企業代表25社のひとつに数えられるバオヴィエットの株式会社化は、同社のみならず国家の国営企業民営化政策や証券市場育成に大きく貢献する大きなイベントになるだろうとラム氏。現在、バオヴィエット社は昨年ベトナムの損保市場において34.94%の市場を形成しており、生命保険分野では41.6%のシェアを持つプルデンシャルに次いで36.5%と業界二位を占めている。

(辛口寸評)
IPOとは、「Initial(最初の)Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、未上場企業が、新規に株式を証券取引所に上場し、投資家に株式を取得させることをいう。株式上場に際し、通常は新たに株式が公募されたり、上場前に株主が保有している株式が売り出される。これら株式を証券会社を通じて投資家へ配分することをIPOという。企業にとっては上場することにより、直接金融市場から広く資金調達することが可能となり、また上場することで知名度が上がり、社会的な信用を高めることができるため、近年株式の新規公開を目指す企業が急増している。

正直なところ、資金に余裕があれば、今回のバオヴィエットのIPOには是非参加したかった。記事の中でも採り上げられているように、ベトナムで今後有望とされる不動産業・銀行・金融・健康保険を傘下に置き初めからコングロマットとして活動を期待された鳴り物入りの登壇である。とは言え、ベトナム自体、先の4つのどの分野もそれぞれが激しい競争に曝される業態であり、今まで国営企業で甘い蜜を吸って来た同社が、民営化したところで、どの程度の実力と競争力を持ち得るかは未定だ。この先、ライバル企業に足下を掬われる可能性は、国営企業の中でも規模が大きいものほど脆弱なのは、ベトナム航空を観てれば判るというものだ。しかし、短期決戦で利益確定を図るつもりのIPOであれば、これほど美味しそうな企業もなかろう。

5月22日(火) ベトナムよ おまえもか!
ハノイの中学校で以前教師をしていたチュ・ティ・ロアン叔母さんは、このところ二ヶ月の間、中学校に通う二人の娘たちとの会話がないと私に愚痴った。「子供は大きくなればなるほど、だんだん親を相手にしなくなるのは反抗期で仕方がないのかも知れないけど、彼女たちの態度は心配だわ。私が話しかけようとすると、彼女たちは学校の宿題や音楽鑑賞・テレビ・映画・ネット・友達との付き合いなどに忙しくそんな時間はとれないと答えるの。」と叔母は悲しげに言った。人は皆誰もが年齢に関係なく他の人との触れ合いを求めるもので、これは人間として基本的な欲求なのだ。

若者たちは彼らの考え方や思いを両親(特に母親)と共有する必要があるものの、しかし現代社会を生き抜く上で、本来、家族はもっと互いに寄り添い助け合い、そして触れ合い事が求められているのに、現状は家族で過ごす時間は年々減少しつつある。精神科医のマック・ヴァン・チャン氏に因れば、親も子もお互いに家族として共に過ごす時間は減りつつあると指摘し、どうやら現代社会とは人々の暮らしのスピードアップを求めるようなものだと語る。親は仕事を保持するために一生懸命働き、将来に備えるのも亦、然り。

その一方で子供たちは将来の労働市場で因りよいポジションを掴む為に、教科書や参考書に埋もれながら良い成績を上げる事のみに奔走する。残された時間も、家族と過ごすのではなく、最新流行の音楽やファッション、或いはインターネットやゲームでストレスを発散するのだ。今日、恐らく人々は有史以来、成功という名の果実を手にする為に未曾有のプレッシャーに日々晒されながら、結果的に精神疾患を患いつつ不幸な人生に自らを落とし込んでいるようなものである。

チャン医師は、以前には存在しなかったコミュニケーションバリアの存在を指摘した上で、親は常に過去の昔話を伝統的価値や物の考え方を保持させる為に利用するのだが、彼らの古い価値観は輝く未来を焦点に当てている若者にとっては時代遅れとしか映らないのだ。加えて、古い世代は、ベトナムが日々、発展しつつあることに幸せを感じる一方、若い世代は常に西側と比較し、我が国の劣った点ばかりに気を取られる。
この違いこそが、古い世代と若い世代の間の考え方・行動様式・お金の使い方・貯蓄方法・交友関係などに決定的な溝を作るのだ。

家族生活へのもうひとつの脅威は、昨今創造されたメール・電話・SNSなどの非人間的形式の通信手段だとチャン医師。特に豊かな都市部での家族の暮らしは向上し、子供たちは自分たちの部屋を持ち、そこで読書やテレビを観たり、秘密の友達を作ったりする事が可能になってきた。最近、警察が行ったハノイのディスコ、ニューセンチェリーナイトクラブの摘発で1100名の客を逮捕した。逮捕者の年齢層は16~24歳で若年だった。全くこの子たちの保護者はどういう積もりなのだろうか、理解に苦しむと現場に立ち会った警官の談。ハノイ教育訓練単科大学心理学研究所は最近、首都の高校生にアンケートを行った。

それに因ると、インタビューを受けた内96%が、微弱ではあるが精神障害を抱えている事が判明したという。調査を指揮したグエン・ティ・ムイ博士曰く、アンケート結果は恐らくベトナム全国的な兆候と観るべきだとし、学生たちは常に健康を阻害する可能性の高いプレッシャーに置かれていることを実証したようなものだと指摘。85%のケースはストレスの原因は親子間のトラブルに帰依しており、内55%は親の子供に対する無理解。その一方で18%が子供は親を尊敬しないとの結果がでた。ムイ博士は、10代は子供が大人へ意識の脱却を図る心理的重要な時期であることを親は覚えておかなければならないという。

「どのようにして目の前の問題を解決しますか?」との学生たちへの設問では、約半数が、黙って座ったままにすると答え、20%が、身近な友達・教師・同級生。保護者などに相談すると答えた一方、約30%が一人で長い散歩に出掛けるとの結果を出した。最近、学生の自殺急増は、学校や自宅での心理的支援の不足に原因があり、一般的に自殺動機は成績不良や友人・保護者・教師との人間関係にあると云われている。二組の息子夫婦と同居する今年64歳になるクワッチ・ティエン・フンさんは毎晩家族と共に夕食を一緒に取ることが大切だと諭す。親子が喜びも悲しみも共有し、家族の原点に立ち返る事が今、問われているのではないかと、フンさんは結んだ。

(辛口寸評)
最近、福島の会津で高校生が母親の頸を斬り警察に自首するという日本中を震撼とさせる事件が起きた。もはや筆者の思考では何故、このような惨劇が親子の間でおきてしまうのか、考える事が出来ない。「どうして!?」それだけが頭の中を幾度もリフレインしている。普通、どんなに親を恨んでいたとしても、高校生にもなれば打算的な考え方が理性となって、尊属殺人を思いとどまるのではないか。ただ、闇雲に誰でも良いから人を殺したかったというのが、今回の高校生の殺人理由だそうだが、ここまで来ると社会的責任を持ち得ない精神異常者と云うしかなかろう。

ベトナムは現在、先進国に追いつこうとこれまでにも増して人々は慌ただしい中で一日を過ごさなければならなくっている。豊になることを目指し、突き進むのは決行であり、誰もそれを止められない。ただ、ひとつの懸念はこの国も、発展と共に人が生きて行く為に必要な交わりを犠牲にしつつあることだ。
筆者が子供の頃、周囲には多くの“鍵っ子”が生み出された。
放課後にそんな友人の誘いでしばしば彼の自宅にお邪魔して一緒に遊んだものだけど、玄関を開けそして家に入る第一歩はそれは寒々としたもので、友人が僕を招くのが子供心に解る気がしていた。本当の豊かさとは人と人との触れ合いと結びつき、そして愛情である。叶うことならベトナムは、物質的な豊かさ以上に、人としての豊かさを追い求めて行って欲しいものだ。

5月23日(水) 喫煙者包囲網が進むベトナム 
この度、グエン・タン・ズン首相は禁煙奨励と役所・会社その他の就業エリア及び学校・病院・公共施設のでタバコ販売を禁止する通達を出した。加えて、タバコメーカーに因る如何なる形の宣伝・販売促進・スポンサー活動。それにインターネット・電話・自動販売機での販売も合わせて通達した。タバコ吸引の害を防ぎ、タバコ管理枠組コンベンションでのベトナムの約定を遂行するため、ズン首相は各自治体当局に対しタバコ被害を民衆に啓蒙し、理解を深め禁煙を促して貰う情報キャンペーンを立ち上げるよう要請した。来年3月よりベトナムのタバコのパッケージに“喫煙は肺ガンの原因になります!”と印刷した警告が載せられるようになるとのこと。

(辛口寸評)
どうやらベトナムも他の国々のように、タバコのパッケージに警告文が載せられるようだ。ことによると、パッケージデザインもタイやシンガポールのそれにような喫煙者の口内や肺などが撮影されたグロテスクな写真が使われるかも知れない。百害在って一利なしと云われる喫煙だが、途上国ながらベトナムのこの取り組みは賞賛に値する。元々、欧米の禁煙指向が高まる中、欧米各タバコメーカーはその新たな市場として有望なアジア諸国(特に5億の市場を有すアセアン域内)に目を付けた。事実、14年前に筆者がベトナムに来た頃は広告というとそのほとんどがあらゆる媒体を通じて555(ベトナム語で、バーソーナム=5が3つ)やマルボロなどのアドやコマーシャルが氾濫していた。(そういえば当時 555専用の喫煙ラウンジがタンソンニャット空港に一時期設けられていたし、確かカンボジアのプノンペン空港の搭乗待合室付近にそのような施設があった事を思い出した。)

話を戻そう。ベトナム政府は禁煙被害が将来、国に如何に甚大な財政負担をもたらすかを冷静に計算したのである。
潤沢な資金力を背景に欧米のタバコメーカーは、当然、ベトナムにも足場を作るため、あらゆる方法(賄賂を含む)で販路拡大を試みたことだろう。が、結局、この点においてベトナムは個人の利益を捨て譲ることなく、あくまでも全体の利益としての国民の健康を優先したというわけなのだ。これは個人(身内)の利益を常に優先するベトナムにあって、非常に希なケースであるといえ、故に敢えて筆者は冒頭で“賞賛に値する”讃辞を送ったのだ。このような政府の地道な活動が効を奏し始めたからかベトナムの喫煙者数も年々減少傾向に向かっているという。筆者も一年前まで一日に40本を吸うヘビースモーカーだったが、風邪をこじらせたのを気にパタリと止めた。お陰で、食事は美味しくなり、小遣いが貯まるようになってきた。さあ愛煙家の皆さん、ご一緒にタバコから自由になってみませんか?

5月24日(木) 国会議員選挙とベトナム人
この日曜日、5000万人のベトナム人投票者たちがベトナムの経済と行政改革を仕切る牽引的な機関である国会代表議員を選ぶための選挙を行った。投票者は総勢875名の立候補者の中から任期5年の500名の代表者を選び、18歳以上の国民は選挙に参加しなければならない。選挙には投票用紙が用いられ、投票終了後、午後7時から人海戦術により集計され、結果は15日以内に再選挙がなければ発表されるとのこと。ほとんどの候補者は、社会組織・企業・中央政府並びに自治体当局により峻別されたが、凡そ30名の自薦が含まれ、立候補者数は2002年の選挙と比べるとその数は倍増し、多くは会社の同僚や近所の人々たちによって承認を受けている。

立候補者数の83%が共産党員で、国会は徐々に政府の政策立案に対する影響力を強めてきていると、ハノイに拠点を置く、国連開発プログラムのチーフエコノミスト、ジョナサン・ピンクス氏は話す。各議員は政府の閣僚たちに果敢に質問を浴びせ、法案について活発に討議を仕掛ける迄に力を有するようになってきた。その一方で国会はベトナムの汚職撲滅を再優先課題と位置づけている。投票者は帰属する選挙区の中で、4~6名の立候補者の中から2~3名の候補者を選ぶのだ。現行、90%以上の議席が共産党員によって占められているものの、行政当局者は今回の選挙で10%以上の非共産党員が議員として選ばれることを希望するとの声明を発表している。

全ての候補者はベトナム祖国戦線他の3つの国家機関の審査を受けなくてはならなかった。その内、238名の自薦者が今回の選挙で戦うことを許されたのだった。再出馬候補者数は146名で、全体の16.7%を占め、718名。82%の候補者は今回初の立候補者。そして290名が女性で33.1%、168名 19.2%が少数民族で固められた。572名、65.3%が学士で、232名、26.5%が修士以上の学位を持つ者だった。

(辛口寸評)
我が家の家人はベトナム人だ。スタッフも総てベトナム人だ。そして20日はベトナムで重要な国勢選挙だったにも拘わらず、選挙に出掛けた者は皆無だった。我が身の回りでベトナム人を推し量るのは早計に過ぎるだろう。それは筆者も痛いほど判っている。しかし、隣近所や親戚にも選挙について尋ねて見たところ、その反応は概ね家人やスタッフと変わらぬ物と知り、ほっと安心したのも束の間、ベトナム人の選挙意識の低さに愕然としたのだった。こんな調子だから投票率はそれほど高くないと思えるのだが、現在、今回の具体的な数字は発表されていないのだが、これが結構高いのだ。

その仕組みは、こうである。ベトナムでは隣組みたいな末端社会組織があり、そこの代表者が、新しい法令の説明や選挙時の世話役となり活動する。時期が来ると触れを出し、人々に召集をかけるのである。選挙用紙をそこで配るのだが、投票人のほとんどは選挙に無関心であることに加え、候補者なんてそれまでの人生で聞いたこともない人ばかりで正直誰を選んで良いのか判らないのが圧倒的なのだ。故に、多くの投票人は、選挙用紙を貰った時点で、世話人に選挙の代行を依頼し、チャンチャンとなる。尤もこれが一般的なベトナム人の選挙に対する意思ならば、皮肉にも国民の意識が最も良く反映された国勢選挙なのかも、、、。

5月25日(金) チェット大統領訪中より帰還
一昨日、グエン・ミン・チェット大統領は越中サミットは双方とも基本的に合意したと述べ中国での公式訪問日程を終え帰還した。両国は協力関係を増大させ、各々共産党建設と社会主義発展に培ってきた経験を共有し、今後 商業・貿易分野でよりいっそうの協力関係強化を図ることに合意したとチェット大統領。ベトナムは中国を常に越中の投資・協力関係の繁栄に於ける牽引的なパートナーとして考えて来たと大統領は語り、北京で行われた中国の温家宝首相との会見では、チェット大統領は2国間のより緊密な商業・貿易関係を加速させて行くことを求める発言をした。

大統領は中国政府に対し、中国企業が水産加工品・野菜・木材加工品などのベトナム産品を輸入出来るよう奨励し、両国に横たわる貿易収支是正に繋なげるよう要請した。温首相は中国政府が中国各省庁・各自治体・各企業に好条件を創造するよう働きかけベトナムとの関経協力を促進を加速させ、ベトナムとの貿易収支の是正に向け善処すると主張した。中国全国人民政治協商会議主席の賈慶林氏との会合では、チェット大統領は全国人民政治協商会議と越中2カ国間の人民の架け橋となってきたベトナム祖国戦線との共通の利益を追う関係発展を目の当たりにすることが出来て嬉しく思うと語った。賈慶林氏は全国人民政治協商会議とその関連団体は常にベトナム祖国戦線との経験の共有・協力促進に邁進して行く用意があると主張した。双方の代表はそれぞれ二国間の二つの共産党・二つの国家・二つの国民が関係発展への喜びを新たにしたと表明。

会合に先駆け、チェット大統領は北京での越中ビジネスフォーラムに出席し、その席上、胡錦涛大統領は中国は互恵関係と相互の利益原則に基づき2010年までにベトナムと150億米ドル以上の貿易売上を計上させる方向で力を入れて行くと主張した。現在、中国はベトナムにおいて総額8億米ドル、400件以上のプロジェクトを行っており、最近の両国間輸出入量は年間20~30%の増加で推移している。

(辛口寸評)
ベトナムは大統領・首相・共産党主席がそれぞれ権力を分散し、何事によらず総て合議制で政治が運営されるシステムになっている。深く掘り下げれば、その出身地も大統領は中部、首相は南部、主席は北部と出身地域迄も不平等にならぬよう分けられている。権力分散のメリットは他にもある。というのもベトナムでは指導者の外交の顔をうまく使い分けているのだ。中国の場合の顔は今日の記事の主人公、チェット大統領がその窓口となり、ズン首相なら日本となっている。アメリカの場合はどうかというと、通常、副首相か外相が露払いとなり、アメリカとの協議を一旦、ベトナムに持ち帰り、政治局員と政府が一体となって対応しているように見られる。

このように対外窓口を分散する事により、外に対し外交上の角が立つことを防ぐことが可能となるのだ。特に中国の場合、中華思想も相まってか対日本より風下に置かれることを極度に嫌う傾向にあるので、儒教圏に属す国家が外交上、この両国に間に立たされるときの悩みの種となっているわけだが、ことベトナムにおいては、面子を重んじる中国には国家元首である大統領をぶつけ、実利を大切にする日本へは首相を充てることでしのぐという具合なのだ。実は昨年、ズン首相が訪日に関し、日本政府の関係者の間では、就任後、直ぐの訪問先が中国になるのではと随分気をもんだようである。というのも、ベトナムが仮に首相を中国に送った場合、経済協力の大部分において中国に頼って行くとの対外的な政治メッセージに成り兼ねなかったからなのだ。

5月26日(土) ベトナム政府とマイクロソフト
ベトナム政府とマイクロソフト社は今週月曜日にハノイを始め各自治体で使用される同社のソフトウェアは全てライセンス取得済みを利用する同意書に調印した。マイクロソフト社執行役員スティーヴ・ボールメア氏とグエン・タン・ズン首相はそれぞれ逓信省の同意事項の調印式の証人として立ち会った。同意事項の下、マイクロソフト・オフィス・システム・ソフトウェアは30万軒の中央・自治体政府利用のデスクトップ及び教育機関で使用されるパソコンにライセンスを下ろすことになったとマイクロソフト広報の弁。「同意書は、ベトナム政府が知的所有権を守る強い意思と約束を反映させたものである。」と調印式直前にズン首相はボールメア氏に語った。

その一方、ボールメア氏は、去る一月に正式加盟したWTO加盟国としてベトナム政府は約束を履行する頼もしいメンバーだと賞賛した。「私はベトナムに輝かしい未来が待ち受けており、常にエコソフトウェアシステムの健全育成を目指し正しい動きを見せる努力を怠らない。」とボールメア氏。今回の同意で、ベトナム政府は知的所有権のルールに関する対応と、情報技術産業を強力に育成するとの声明を両者は発表した。2006年4月、マイクロソフト社は同社のライセンス契約、ベトナムでは財務省と初めて調印を執り行った。その調印はマイクロソフト社創業者兼会長のビル・ゲイツ氏が東南アジア歴訪中に行われた。

アメリカに拠点を置く海賊版行為調査グループのビジネス・ソフト・アライアンス(BSA)の調べに因れば、ベトナムでのソフトウェア海賊版行為の発生率は世界で最も高い部類に入ると考えられる現状約90%であるという。ベトナムでマイクロソフト・ウィンドウズ基本OS海賊版の値段は凡そ50セント(約60円)で販売されている。BSAは今後 ベトナム政府が真摯に知的所有権の保護を進め違法海賊行為を防いで行くためのライセンス契約への調印を歓迎するとの意向を示している。「我々はデスクトップのベトナム政府ライセンス契約が、来年に向けてベトナムでの海賊行為減少の偉大な呼び水となるでしょう。」とBSAアジア大洋州代表ジェフェリー・ハーディー氏はマイクロソフト社の声明の中で語った。

同日午後、ボールメア氏は国営のヴィエトインデ銀行とベトナム随一の規模を誇るITサービス企業FPT社との間で取り交わされたFPT社から同銀行へマイクロソフトの6000件のライセンス供給(取引額300万米ドル)契約の調印式に臨席した。ヴィエトインデ銀行は、ベトナム第二の融資額を誇る銀行で、年内に株式会社化を行い、第四四半期にはIPO実施を予定している。「ベトナム企業のソフトウェアの著作権購入において、今回の契約は最も規模の大きいもので、今回のこの契約で、著作権に関して多くの課題を抱えている国々にとってベトナムが模範的立場を示した。」とFPT社チョン・ザ・ビン社長は語った。ボールメア氏は、彼の一日ハノイ訪問の間にウェブ上の新聞ヴィエトナムネットが主催したオンラインチャットにも参加した。

地元の情報技術開発者は、今回のボールメア氏の訪越が、ベトナムのIT業界にとってビル・ゲイツ氏の訪越と先月南部ベトナムで始まったインテル社の投資額10億米ドルのセミコンダクター工場建設に次ぐブースターの役割を果たすことだろうと述べた。
10年を経て現在8400万人の人口の内1500万人がインターネットユーザーのベトナム。「世界にとってベトナムは情報技術の新たな有望な開発地では無いでしょうか。」とビン氏は結んだ。

(辛口寸評)
マイクロソフトのビル・ゲイツ会長は遅々と進まぬ中国の違法コピー対策に業を煮やし、胡錦涛大統領との会見では片手をパンツのポケットに入れたまま握手を交わしたほどだった。中国に対し大いなる不満を持つゲイツ会長。今後も彼の国でマイクロソフトが大規模な投資を行うことが無いと暗に示唆する象徴的なワンシーンであった。この事をベトナムは実に良く理解しており、中国の失敗からマイクロソフト社との共存共栄を模索し、出来ればベトナムの基幹産業に同社の協力を得て情報通信技術産業を据えて行きたいと考えているのだ。故に、著作権に関するベトナム政府の機会を捉えたパフォーマンスは意識的に対外用アピールの一環として大きく見せる必要が生じるのである。

現実問題として、記事にも少し触れられていたようにベトナム自体、全体で捉えればまだまだ貧しく、この国で利用されているパソコンソフトの9割は海賊版だ。ただ、これを全て値段の高い正規品に切り替えることは不可能なので、こちらの方は徐々に国力を高めて行く中で、対処するとして取り敢えず目立つ今回のような調印式を政治利用するわけなのだ。ただ、知的所有権に関し、ひとつ言えることは、ベトナムは中国と違って口先だけの取り組みでは無いということだ。将来的には違法コピーの一掃を図る腹づもりでいるのは先ず間違い無い。だからこそ、マイクロソフトも好意的な姿勢を見せ、ベトナムの現状を十分理解した上で、アジアでの戦略拠点をインドの他インテルと共に作り上げて行こうとしているのだ。

以上

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