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2007/06/09

ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第118号

ウィークリー・ベトナム・ニュース  
■ 平成19年6月09日 土曜日 第118号
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■ こんにちは!!

Vnnationalflag_93いつもお世話になっておりますベトナムから、ニャットアインです。

今日もここ一週間のベトナムの主なニュースをご笑覧下さい。

翻訳は直訳とせず、日本語に馴染む意訳としておりますので、ご注意下さい(笑)また、訳者の独断と偏見を交えた辛口寸評を入れてみました。内容が片寄り、言葉が多少過ぎる箇所も多々あろうかと存じますが、これもベトナムを愛するゆえの諫言とお許し下さい。

誤字・脱字はご愛敬ってことでお願いします<(_ _)>

尚、記事の転送は営利目的以外なら原則自由ですが、自己責任において行い、その中で被った被害・損害に対し筆者は責任を負えませんのでご了解下さい。

ベトナム・ニュース その118 今週のヘッドライン

* 6月04日(月) チェス天才兄弟と家族の支え
* 6月05日(火) ホワイトカラー人材需給バランス
* 6月06日(水) 都市化と公園の意義
* 6月07日(木) 今年5ヶ月間の経済成長率と予想
* 6月08日 (金)   季節外れの鳥インフルを検証せよ
* 6月09日 (土)  米中ホットライン

6月04日(月)  チェス天才兄弟と家族の支え
*今年7歳と10歳を迎えた二人の兄弟はチェスの才能を活かし、6人家族の大黒柱となった。チャン・ミン・タンくんは、自慢のおもちゃ箱の中身を見せるかのようにして、チェスの試合でこれまでに贈られた山ほどのメダルを見せてくれた。「僕は11個のメダルを持っているよ。」とタンくんは箱の中の金・銀・銅の各メダルに目をやり、はにかみながら応える。その一方で兄のチャン・トアン・ミンくんは、これまで国内外のチェス大会で得た数々のメダルの具体的な獲得数は忘れたが、少なくとも30個以上は貰ったと答えた。この兄弟の得たものは、これらメダルのみならず、なんと今ではハノイスポーツ振興局より月額250万ドン(US160$)の給与を得、6人家族をそれで支える迄になったのだ。

「はっきり言って今、私たちは息子たちの収入で暮らしています。故に、彼らの為に最も良い環境を創造し提供しなければならないと考えているのです。」と語るのは兄弟の父親チャン・ヴァン・トオアンさん。トオアンさんとその妻グエン・ティ・スアンさんはハノイ郊外にあるトウリエム区ドンガック村にある彼らの自宅から20キロ離れたチェス教室まで“小さなチェス王”を毎晩送り迎えするために早期退職をしたという。彼らの年金は兄弟の送り迎え費用をカバーする程度にしかならない為、子供たちの収入に因って補っているそうだ。毎週、火・木・土曜日の夜、ミンくん、タンくんの兄弟は、外国人師範の手ほどきを受ける為、チェス教室に通う一方で、水・金曜日は国際的な師範ブイヴィン名人のコーチを受けているのだ。

両親のトオアンさんとスアンさんにとって息子たちが持っている知性と労働観は偉大な誇りだという。「彼らは雨の日でさえも家の中にいることを好みません。兎に角、夜間のチェス教室に出掛けることを望み、私たちを休ませてくれません。」とスアンさんは嬉しそうに語る。毎日、長時間チェスの勉強や試合に臨んでいるにも拘わらず、兄弟のドンガック小学校での成績はとても優秀だという。試合などで兄弟が授業に出られなかった時には、小学校の先生たちが無料で補習事業をしてくれるのだそうだ。

チェスをするための時間が二人の兄弟の時間やエネルギーをほとんどを支配する。しかし、金銭的な心配をする必要はない。彼らの両親に因ると、ミンくんとタンくんは、いつも家族のお金が無くなってしまうのではないかと心配するのだという。「ある試合でミンくんが対戦相手にやり込められそうになる展開に陥りました。その時、コーチが彼に『もしこのゲームに敗れるようなことがあれば、おまえの家族は路頭に迷うことになるぞ!』と脅したことがあるのですが、それでミンは奮起して辛勝したのです。」とトオアンさんは昔の記憶を振り返った。

トオアンさんとスアンさん。そして兄弟は今の生活を何とかやりくりしているレベルにある。彼らの39平米のアパートにはテレビ一台・タンス一棹・電話・二台の扇風機。そしてこの家族の最も高価な資産であり、兄弟がチェス教室に通う足である50ccのバイクを除き、みすぼらしく寂しい有様だ。兄弟たちの不安は他にもある。例えば、2002年にブルネイで開催されたトーナメントに参加する為に両親はコーチから1000万ドン(US625$)を借りなければならなかった。幸運にもミンくんは見事に入賞したため、その賞金で借金を返済が叶った。そんな事があったのだ。故に、チェスは兄弟を老成化させるみたいですと、母親のスアンさんはミンくんの白髪を摘んで見せてくれた。

兄弟たちがチェスを始めたのは早い時期で、ミンくんが4歳の頃、未だ読み書きも定まらなかった幼い頃だった。「ある日、私の次女がミンのチェスの才能に気づき、ミンは彼女を相手に夕食も忘れてチェスに没頭していたのです。」とスアンさん。ミンくんにしろタンくんにしろ自宅で姉たちとチェスの練習が彼ら兄弟の才能を磨き上げていったようだ。兄弟の才能を関知した両親は、彼らをチェス教室に通わせることにした。2002年、チン・ホアイ・ドックスポーツホールで何ヶ月間か腕を磨いたミンくんはそこで初の賞を得た。ベトナム北部の子供たちを対象にしたチェスのオープンゲームでミンくんは、ベトナムチェス連盟から最年少選手で最優秀記録保持者として認められたのだった。

翌年の7月に、彼は7歳児のチェス国家選手権大会で優勝を納め、それから5ヶ月後にはブルネイで開かれた東南アジアチェス大会でミンくんは一歳年上を相手に二つの金メダルを獲得した。以来、彼はインドネシア・シンガポール・タイ各国の試合に臨みこれまでのところ手ぶらで帰国した事がない。兄のミンくんが辿った道をとばかりに弟のタンくんも6歳になったとき、ブルネイ戦の地区選抜大会に参加した。そこでタンくんは彼個人の実力を発揮し、ミンくんの小さな弟というだけでなく金と銀のメダルを獲得する事で見事にチェス能力を証明し周囲にその才能を印象付けたのである。

兄弟のコーチ、ヴィン名人は、この兄弟の実力は将来を嘱望されたものだと太鼓判を押す。「兄弟の戦術は未だプロのレベルではありませんが、彼らの直感的判断力は」天性の素晴らしいものです。
ミンくんやタンくんのチェスのスタイルは世界チャンピオンのアレキサンダー・アレキーネやティグラン・ペトロシアンなどを彷彿させるものです。」と名人。ヴィン名人に因れば、ミンくんは12歳になったら集中的なトレーニングを受けるために数年、ハンガリーで修行する事になるという。ハンガリーはベトナム人チェス選手に取って長年の良い修行の場で、嘗てグエン・ゴック・チュン選手やダオ・ティエン・ハイ選手も彼の国で学んでいる。

彼らの腕を更に磨くため、ミンくんやタンくんは長い間、彼らの技を分析するコンピュータを持つことを夢見て来た。「僕もヴィン名人のようなお金持ちになり、コンピュータを手に入れたいんだ。」とタンくん。
貧しい家計では兄弟は両親に無理強い出来ないことを理解しており、これまでにねだった事もない。「子供たちによると、チェス教室の上級生の多くはコンピュータを導入し、チェスの腕を磨いているのだそうです。コンピュータがない我が家では彼らはコーチに尋ねるしかありません。」と母親のスアンさん。ところが遂に兄弟たちの夢が叶う日がやってきた。この金曜日、彼らはこどもの日の記念にベトナムIT最大手のFPT社からパソコン一式が兄弟に贈られる事になったのである。

同社では12名のベトナム人チェス選手のスポンサープログラムを立ち上げた。これにより、兄弟の両親は子供たちの夢を支援し続けて行く金銭的な心配が解消される事となったのである。

(辛口寸評)
共産諸国では国威昂揚に必要な資金は貧しくともそれが国益に叶うと判断されれば、惜しむことをしない。ここベトナムも同様で、小さい内にある種の才能を個人から見いだすと、国がスポンサーとなって全面的な支援を行うのだ。頭脳明晰ならば、優秀な児童を集めた特別クラスが編成され、一般の子供たちとは違うカリキュラムで学ばせる。スポーツや芸術、或いは今回の主人公のチェスなども同様にバックアップ体勢が整えられるのだ。まさにエリート教育が国によって施されるのである。スポーツの世界であればもはや、アマチュアではなくプロ化の道を歩まされるのと一緒である。そのような中で養成され鍛え上げられたエリートがアマスポーツの祭典オリンピックに参加するなどと云うのは始めからジョークの世界でしかない。我々、日本人から見れば、ジョークにしか映らない実状も、世界の常識に則って云えばこれが“普通”なのである。目くじら立てる方が可笑しいのだ。

最近、日本では高野連が何をトチ狂ったのか、いきなりスポーツ特待生の存在を否定するような発言をし、高校球界に激震と混乱を招いたニュースは記憶に新しいところだが、そもそもスポーツ特待生制度は30年以上も前から一部、私学では当たり前のようにあったし、学校の名を天下に知らしめる為の効果を持つ一方、野球の才能のある学生たちを集め、ノンプロなりプロなりの人材の厚みを増すことに確かに寄与してきたのである。才能のある人間にエリート教育を施すのは、決して恥ずべき事ではない。寧ろ、一般的な世界観からすれば当然の行いであり、そんな彼らがその道その道での真のエリートとして後進を率いる牽引的役割を果たすのだから。話がやたら飛ぶけれど、高野連と朝日新聞、高校球児を枠に填め過ぎだ。自分たちの理想を球児に無軌道に填めようとすればするほど、返ってそれが彼らの足枷となり才能の芽を摘んでしまっている事に早く気付くべきである。

6月05日(火) ホワイトカラー人材需給バランス
*今年第一四半期で求人需要の急激な高まりを見せる一方、求職者の数は伸び悩んでいる。トオイチェ新聞求人サイトで実施した統計調査に因れば、求人広告数は28%増加しているにも拘わらず、求職者の増加は14%に留まっているとの結果が出た。同サイトは需給指数は昨年同時期と比べ高くなっており、求人需要率は今年88%。求職供給率は62%に拡大すると予測している。同じような結果は別の求人サイトwww.kiemviec.com や、www.hrvietnam.com にも現れているという。

両サイト執行役員のポール・グエン・フン氏は、これらの伸びについてベトナムが昨年APEC議長国としての成功を収めた事やWTO加盟決定以来、ビジネス活動先或いは投資先として認知されたからだとの見方を示した。ナヴィゴスグループとVietnamWorks.comの設立者であり代表のジョナ・レヴェイ氏は、経済成長や求人広告の方法が従来の紙面よりオンライン化などの諸要因が拡大に帰依しているのではないかと答えた。昨年15%増加したインターネットユーザー数の伸びも亦、この変化に貢献しており、今後も引き続き伸び続け直ぐに20%を超えると考えられる。レヴェイ氏は、その他の第一四半期の伸びの理由を伝統的なテト(旧正月)明けの時期と重なった事を挙げる。彼は今後、有資格者や熟練工の争奪戦が激しくなり、彼らの平均給与は上昇化して行くと指摘する。

求人の高い需要が予想される業種は、管理・営業・マーケティング・経理・SE・金融・証券投資などで、これらのサイトでは庶務・秘書・会計職を探す求職者の数が増加傾向にあるという。意外にも、技術職を求める人々の数も増えており、各企業経営者にとっては良い兆候となっている。

(辛口寸評)
ここ1年足らずの内に固定費がほぼ倍額になった。その中でも、人件費の占める割合が高く、従来のままの給料では人材確保が難しくなってきているわけだ。ベトナムでは通常、旧正月明けになると7月頃まで転職活動が活発になるのだが、3~4月迄は例年通り求人の動きが盛んだったが、5月に入ってからその勢いが急速に萎えてしまった。特に営業職は、考えられるあらゆる媒体に求人広告を掲載しているが、問い合わせの電話すらない有様なのだ。

WTO加盟後、国内外を問わず様々な企業が設立されており、業種の増加のみならず、新しい職種も加わり同じ営業職でも、従来の個別外交から、グループ訪問、果ては、ホテルに見込み客を招待しレクチャーを開き商品販売を手がけるものとへ進化し始めている。
これまで個人の能力に委ねられていた厳しい個別営業よりも、仲間と共同で行いプレッシャーの分散が可能で楽な営業手法を用いる企業に人が流れてしまうわけなのだ。ここでは営業職について採り上げたが、これは他の職種でも多かれ少なかれ同じような動きが出始めていると思われる。今後 暫くベトナムのホワイトカラー不足は慢性化して行く事になるのだろうか、、、。

6月06日(水) 都市化と公園の意義
*ハノイっ子たちは統一公園をディズニーランドに模した遊園地へと生まれ変わらせる新しいプロジェクトを新聞で知ると一斉に反対の声を挙げた。その記事に因ると、ハノイ市人民委員会が最近、新たなプロジェクトを批准し、VINCOM合資会社とタン・ホアン・ミン投資貿易サービス有限会社に遊園地建設許可を下ろしたというのだ。結局のところそのようなプロジェクトの事実は確認されなかったが、この事によりハノイの人々に近代化と都市化に起因する生活ペースの高速化に対するバランスの取り方について一考を投じることとなった。

「私は都市化について僅かな専門知識しか持ち合わせていないものの、統一公園を遊園地にすることは反対の立場をとります。喧噪な都市において屋外で新鮮な空気を満喫出来る空間の存在は、新しい遊園地よりも重要度が高いです。目の回るような交通事情、都市の人混み、そして喧噪から逃れ疲れ切った身体を休める勤め人に必要なのは、静かな緑多い公園ではないでしょうか?。」と答えてくれたのはハノイ工科大学の学生グエン・ティエン・ズンくん。多くの人々がズンくんの意見に賛同し、公園でのジョギング、仲間とのサッカー、或いは夜の恋人同士のロマンチックな語らいは人生の質を向上させるのに重要な要因だと考えている。

建築関係の技術分析者は屋外の空間と味があり意義深い構造物は人口過剰気味の都市の開発に欠かせぬ鍵となっているという。海外で学び働く建築士のグエン・ハイさんに因れば、ディズニーランドを模したような遊園地は都市の建築スキームの邪魔にしかならず、加えて統一公園のもうひとつの重要性はそれが歴史的意味を持つ場所でもあることなのですと語る。「この公園は人々の記憶の中で、ハノイの闘争や勝利の歴史を反映させ、個人よりも多くの人々の共通無形財産として生き続けてるのです。」とハイさん。勿論、誰もが放課後や仕事の後でくつろげる近代的で愉快な娯楽施設を早急に持つことに否定はしない。

「西湖かゲーム機があるスーパー以外、週末どこへ子供たちを連れていって良いのやら判りません。」と不満を漏らすのは二人の男の子の母親グエン・ゴック・フエンさん。VINCOM合資会社のレ・カック・ヒエップ社長に因ると、彼の会社と他の二つの企業体との合同で行うプロジェクトの目的は、統一公園をレクリエーションにより適した場所として整備する事にあり、新聞紙上で誤って採り上げられたように遊園地に作り替えることではないという。「ハノイ市人民委員会が公共で現行の統一公園の整備向上の為の投資家を募り、そこへ我が社が応募し、採用されただけなのです。仮に我々のプロジェクトが環境基準・建築基準・文化的要求に合致してなければ、市から採用されることはなかったでしょう。それにこのプロジェクトの目的は公園内で現在行われている無秩序なゲームを棲みわけし、緑の空間を拡張させることにあります。」とヒエップ氏。

統一公園を含む全てのハノイの公園は最大限に利用されていない。というのも、それらの多くは清潔感・安全性及びレクリエーション性に欠けるからだ。適切な維持管理をしないと公園は犯罪・騒音・週末の混雑の温床となってしまう。「私は一度、統一公園で彼とデートをしていた時、二人のヘロイン中毒者に襲われました。
彼らは私たちの携帯電話と財布を盗って行きましたが、幸いにも怪我はありませんでした。」と話してくれたのは会社員のレ・トウ・チャンさん。統一公園の修理を掲げたこのようなプロジェクトの計画は、都市居住者がリラックスするために必要であり、新鮮な空気を吸う場所を提供する意味に於いても重要なのです。従って、市当局が公園改善プロジェクトに対するコミュニティの支持を得ることが不可欠なのである。。

(辛口寸評)
筆者も朝の散歩に公園を利用するひとりだが、このところ急速に公園整備が進められ使いやすくなった。歩道には煉瓦が敷き詰められ、緑の部分は芝生が貼られ、木立もバランス良く配置され、手入れの行き届いた植木が目に優しく朝の光に照り映える。
筆写の利用するこの公園。実は3年前までは草が茫々と生え荒れるに任せた状態で長く放置されていた。この区画だけ都市のクーロン城のように一般に人々は昼間でも立ち入る事はなく、興味本位で足を踏み入れれば、薬付けのジャンキーたちの宴の後か、使い終えた注射や注射針などが無造作に異臭を放つゴミと共に至る所に転がり落ちていたものだった。

時折、自殺者が出ると決まって、その公園が舞台となり木々を利用した首吊りだけが、野次馬を惹き付けたものだった。現在は整備も完全に終了し、以前の面影はどこにも見られない。朝のみでなく、一日中(日中の炎天下を除く)公園利用者で絶えない。
忙しさの中でふらっと休み時間に公園のベンチに腰掛ける。何気なく目に映る緑は疲れた心と体を癒してくれるものだ。今日の昼休みには近くの公園へ出掛けてみませんか?

6月07日(木) 今年5ヶ月間の経済成長率と予想
*ベトナム経済成長率は今年1月から5月迄の5ヶ月間で7.5%と試算と政府閣僚の弁。2007年上期5ヶ月間のベトナム経済は引き続き高い数字の伸びを示し、国民総生産は2006年同時期とより増加し約7.9%の過去新記録をうち立てたと、投資計画省ヴォ・ホン・フック大臣は答えた。1月から5月迄の輸出の伸びは18.4%で181億2000万米ドルとなり、産業生産もこの5ヶ月間で16.8%に拡大した。これら発言は、フック大臣よりハノイで開催されたベトナムビジネスフォーラムの席上なされたものだ。新たなプロジェクトと既存プロジェクトの増加資金を含む今年これまでの外国直接投資は対前年比で18.7%の増加で43億7000万米ドルだったとフック大臣。経済成長を促進するために、品質の向上・持続的成長を効果的に行い成長率を8.2?8.5%に高めるて行く事がベトナム政府の目標だという。

この火曜日、世界銀行は今年の国内総生産は8~8.5%になると試算した。昨年度は8.17%。世銀ベトナム執行役員のマーティン・ラマ氏曰く、ベトナムは現在、世界との競争に参入するばかりかWTOで求められた複雑な約定を果たすための行政改革第二章に突入したところにあると述べた。世界で最も経済成長著しいベトナムは、今年1月正式にWTOに加盟した。

(辛口寸評)
まるでベトナムの小姑のようでなんだが、この国は目先の好材料に心を奪われて浮かれていてはいけない。10年先、20年先を見据えた国造りをして行かねば、やがて足場を掬われる事になるだろう。グローバリゼーションは、アングロサクソンのお手盛りの合法的な搾取システムであることを忘れるべきではない。そもそも中世イスパニアやポルトガルが大航海時代を築き、未開の土地を植民地化する前に先ず宣教師を送り込み、住民をキリスト教徒化し、その上で支配権を確立していったように、同様に世銀もWTOも巧妙に作られた他国を経済的に支配する為の現代の大国のエゴをソフトに包み込んだミッショナリーなのだ。

国内総生産年率8%以上と云う数字は事実素晴らしい事で、賞賛に値する。しかし、ベトナムをこよなく愛する筆者の友人にいわせると、今、この国が目を向けなければならないのは、何よりも工業化の基礎作りであり、その為に国が率先し、工業高校や国立高専を配電盤のように国内隅々に設けることが必要なのだと。端的に言うならば旋盤を操れる人材をより多く育成して行くことなのである。確かにベトナムは、現在、外資を導入してのインターナショナルスクールや国際大学の受け入れを計っているものの、国の根幹である産業の拡充を図るのは他国任せでなく自らが陣頭指揮に発つこと。是即ち工業の裾野を広げる事に繋がって行くのだ。複雑な労働は、単純労働の積み重ねがあって初めて実現可能なのである。IT技術者の養成も結構だけど、先ずは工業基盤を教育に因って作り上げること。そうすれば、技術の蓄積が可能となり自ら製品を世に送り出すことに因って、他国の経済的支配下から始めて脱却が可能となるのだ。

6月08日(金) 季節外れの鳥インフルを検証せよ
*国立熱帯病研究所のグエン・ドック・ヒエン所長は、ハノイの堵殺場の従業員を検査したところH5N1ウィルスの陽性反応が現れたと発表した。件の従業員は堵殺場で就業開始12日後に5月26日に同研究所に移送された。ヒエン所長に因ると従業員の様態は現在、安定しており回復に向かっているのだという。ハノイバックマイ病院のチャン・トウイ・ハン医師は、過去二日間で二人の患者から鳥インフルエンザの症状が見られ、内一人は昨日死去し、同病院では彼らの検査を行うと語った。

この月曜日、北部フンエン省の養鶏場で300羽の家禽を処分したが、その検査結果からこれらはH5N1ウィルスに感染していたことが判明している。農務省の報告書に因れば、北部ニンビン省の養鶏場で5月30日に200羽のアヒルを検査したところ陽性反応が現れ、直ぐさま処分したという。ニンビン省では初の鳥インフルエンザ発生となった。先週金曜日に農務省はウィルスが中部クアンナム省を襲い370羽のアヒルを処分した。

5月上旬、鳥インフルエンザはクアンナム省から北へ500キロ離れたゲーアン省でアヒルの感染が中部沿海部で始めて確認された。月曜日フンエンで起きた発生は、感染地域としてベトナムで14番目の自治体となった。カオ・ドック・ファット農相は5月以来、ウィルスの拡散が急激になってきているとし、専門家に因ると通常、鳥インフルエンザは涼しい時期に発生するのに今の時期は異常であるとのこと。先週ベトナムでは1年半ぶり以来のH5N1ウィルス人感染がハノイ近くの自治体で30代の男性より確認された。この男性の状態は現在快復に向かっているという。

2003年後半以来、ベトナムでの鳥インフルエンザに因る犠牲者は42名で、徹底的な家禽類の予防接種を行い管理下に置いている物の、2005年、昨年、そして今年も再発している。世界的には12カ国で309名が鳥インフルエンザに感染し、内187名が命を落としていると国際保健機構。インドネシアでは先週金曜日中部ジャワ島に住む15歳の少女が、鳥インフルエンザ感染により死んだと見られる鶏の調理中に感染し、死亡している。

(辛口寸評)
記事の中でも触れているよう、今年は鳥インフルエンザシーズンには未だ間があるというのに5月から徐々に発生が確認されている。
例年ならば10月以降 雨期から乾期への移行期の中4ヶ月くらいに集中するのだが、どうもおかしい。ベトナム政府の鳥インフルエンザ対策は万全を強いており、遺漏なく進められている筈だが、モグラ叩きが如くの感じで、散発的な発生を見ている。ひょっとすると、素人考えではあるが、このH5N1ウィルスから亜種が生まれ、生物に感染後の潜伏期間が従来より長期間にアップグレード化した可能性も否定できないかも知れない。そうでも考えないとこの時季外れの発生は説明しづらくなる。兎に角、ベトナム政府はこれまでの鳥インフルエンザ管理手法のみならず、あらゆる状況から考えられる仮説を立て、検証し、そして対策を講じ、このウィルスの早期囲い込みを実行するべきであろう。ここで手を抜くと近い将来 サーズの二の前のような取り返しのつかぬ事態に陥る可能性は否定出来ない。

6月09日(土) 米中ホットライン
*中国人民解放軍の章沁生少将は昨年9月訪米時に、中国とアメリカ国防省との間にホットラインを設けることが重要だと述べたという。「我々はホットラインの設置の方向でアメリカ側と最終調整に入っている。」と章沁生少将はシンガポールで開催されているアジア安全保障会議での席上、通訳を通して語った。「今年9月に開催される第9回中米防衛会合で、この案件を纏め上げるつもりでいる。」と、章沁生少将。元米国防相のウィリアム・コーエン氏を含む幾つかの代表団から北京の軍事透明性に於ける質問を受けている章沁生少将は、中国が常に自衛の手段として最低限必要な軍事力を確保する政策を堅持していると主張を繰り返してきた。

北京政府に因ると、今年2007年の軍事費は17.8%増の約450億米ドルとのことだが、ペンタゴン(米国防総省)が同国の諜報機関の報告を引用し伝えたところでは中国の2007年度の軍事費は恐らく、850億米ドルから1250億米ドルの間と試算している。章沁生少将は、中国の軍事費増加は正当化される値のもので、増加のほとんどが人件費の高額化・年金・軍服支給・新たな防衛学校の設立等に費やされると付け加えた。亦、公表されている中国の軍事予算は本当で間違いのないもので、予算増加分のほとんどが小売価格の上昇・軍人の社会保障の向上 或いはより良い後方支援の拡充に因るものであり、もし複数の脅威・地政学的な環境の変化。中国国土のサイズに比較した場合の一人辺りの国防費は低いと見るべきであると章沁生少将は結んだ。

(辛口寸評)
ソビエトとアメリカの冷戦時代、言葉としての“ホットライン”は、当時、小学生でしかなかった筆者ですら、両大国の緊張を解く鍵。そして最終核戦争を避ける最期の希望の架け橋、そんなニュアンスで脳裏に刻まれていたものだ。さて、冷戦より時代が下った今日、没落したソビエト(現ロシア)に代わり台頭してきた中国は、今や日本の外貨準備高を凌ぐ経済力を作り上げ、その上、公表4兆円の他を圧倒する軍事予算は、中国周辺国ばかりか、アメリカへの重大な懸念材料を与えるまでに至っている。中国の2007年度の実質軍事費は公表の4~5倍と見られており、公表分だけでもアメリカに次ぐ世界第二位の予算なのに、年間50兆円の軍事予算を持つアメリカをピタッと捕捉した感は否めない。

今回、中国側からのホットラインの設置の提案は外交を駆使した中国のアメリカ懐柔の為の戦術だと筆者は考える。いずれ米中戦争は避けられないというが筆者の見立てであるが、兎に角、中国が力を付けアメリカとの一戦に持ち込むまでは、若き織田信長が甲斐の信玄に珍しい貢ぎ物を贈り追従し続けたように、中国も同様にホットラインを最大限利用し、アメリカを欺き続けるのだろう。今、中国にとって必要なものは、国力を更に備える為の時間と、そしてアメリカドル支配体制を打ち崩す、包囲網を同時に他国との連携により構築して行くことなのである。日本はその時、どうする積もりなのだろう?
以上

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