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2007/06/23

ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第120号

ウィークリー・ベトナム・ニュース  
■ 平成19年6月23日 土曜日 第120号
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■ こんにちは!!

Vnnationalflag_95いつもお世話になっておりますベトナムから、ニャットアインです。

今日もここ一週間のベトナムの主なニュースをご笑覧下さい。

翻訳は直訳とせず、日本語に馴染む意訳としておりますので、ご注意下さい(笑)また、訳者の独断と偏見を交えた辛口寸評を入れてみました。内容が片寄り、言葉が多少過ぎる箇所も多々あろうかと存じますが、これもベトナムを愛するゆえの諫言とお許し下さい。

誤字・脱字はご愛敬ってことでお願いします<(_ _)>

尚、記事の転送は営利目的以外なら原則自由ですが、自己責任において行い、その中で被った被害・損害に対し筆者は責任を負えませんのでご了解下さい。

ベトナム・ニュース その120 今週のヘッドライン

* 6月18日(月) 有資格者と証券委員会の旨味
* 6月19日(火) ベトナム・キャンペーンガール
* 6月20日(水) ベトナムの韓国系企業
* 6月21日(木) アセアン新旧メンバーの格差是正
* 6月22日 (金)   賃貸オフィス・バブルの塔?!
* 6月23日 (土)  ハノイのふれあいペンギン村

* 読者からの第119号に対する見方と解説

6月18日(月)  有資格者と証券委員会の旨味
* ベトナム国内各証券会社では有資格管理職・仲介者・トレーダー・アナリストなどの深刻な人材不足に陥っている。この問題は今後も上場企業が増えるごとに悪化すると考えられている。2006年始め、国内の証券会社数は僅か14社だったものが、現在は65社に膨れ上がり、未だ残り30社が国家証券委員会からの承認待ちの状態に置かれている。年末までには、100社を超える証券会社がベトナム証券市場に出揃うことになるだろう。可能性の高い利益を求め、多くの金融関係企業は証券会社設立に血道を上げていますというのは、国家証券委員会南部駐在事務所のブイ・グエン・ホアンさんで、この傾向は消費者にとって歓迎すべきものだとの立場をとる。全体の口座数については昨年対比で10倍に膨れ上がり、ビジネスチャンスの拡大に繋がる一方で、専門的知識を有す証券会社スタッフの需要が伸びてゆくことを意味している。

4月24日に、財務省は人材と株主基準。そして資本金要求事項に関する証券会社設立の規約No27/2007/QD-BTCを発動した。この規約の下、証券会社の設立を希望する企業は、それぞれの業務に最低3名の職員を配置し、それぞれの職員は国家証券委員会の有資格者でなければならないとしている。役員については代表者は少なくとも学士号を持ち、最低3年間、証券会社、銀行、その他の金融関係での業務経験とプラスその分野で最低3年間役職者にあったものでなければならないとする。タイビンズオン証券代表チャン・ズン・ティエン氏は4月の規約の中で技術的条件や資本金要求が問題化することはないものの、適材に配置する有資格者の確保はとても頭の痛い問題だと語る。「今後、多くの証券会社が業界に参入してくればスタッフの争奪戦は日を見るより明らかですし、既存の会社の多くも業務の拡大を狙って来ているので、暫くは人材難に晒されることでしょう。それにスタッフ保持の為に経費を掛けたしっかりしたトレーニングも欠かせないでしょう。」とティエン氏。

証券会社の人材不足については最近5月末に開催されたベトナムビジネスフォーラムでも話題となった。フォーラムの中である専門家は国家証券会社だけがこの業界で唯一の資格認証機関であることがネックになっていると主張した。ベトナム金融投資家協会総書記グエン・ホアン・ハイ氏曰く、国家証券委員会にとって唯一の認証機関であることが長く特権とされてきたが、一方でそれが腐敗の温床となっていると指摘した。

(辛口寸評)
一連の証券会社の人材不足は、どちらかといえば人災のようである。片方で、新しい証券会社を次々と認可させ設立させる一方、もう片方では国家証券委員会が唯一の資格認証機関であるために有資格者の供給が需要に追いつかないのである。実は、ベトナム証券界設立黎明期には証券に関する全ての権力を手中に収めていたのがこの国家証券委員会だった。何事においてこの機関の意向に外れたことは許されず絶大な力を誇って来たのである。しかし、昨年、APEC国際会議後に、その権力をかなり大胆にホーチミン証券センター(現取引所)とハノイ証券センター(現証券所)に移行した経緯がある。当時は、サイゴン株小僧たちの間では、「国家証券委員会が、あれだけの権力を移譲するなんて必ず裏があるに違いない!」なんて論評が巷を騒がしていたものだがやはり、ただでは起きぬベトナム気質!手放す代わりの見返りの行方に興味は集まっていた。

結局、蓋を開ければ唯一の資格認証機関の特権はこの上もなく美味しい収入源となった。財務省で資格を法制化させ、それに呼応するように新規の証券会社にライセンスを与える。当然、需給バランスは大きく崩れることになる。何分、この資格は会計士や弁護士のような個人的なそれとは異なり、個人の前にその個人が社員として所属する証券会社自体が是が非でも社員にとらせなければ円滑な業務運営が回せない類のものだから、証券会社は多少の無理をしても、社員に資格を取らせようと躍起になる一方で、ここに証券委員会にとっての旨味になるのである。既に、認証機関を他にも殖やすような意見も出ているようで、実際、大学などの教育機関に認証代行をさせるのも物理的には可能だが、1+1が必ずしも2とならないお国柄である。当面、この問題は是正されることはないと思われる。

6月19日(火) ベトナム・キャンペーンガール
*市場調査専門家の調査結果に因れば、ベトナムでは美女を使ったプロモーションが宣最も宣伝効果が高いという。結果的に、飲料などのキャンペーンガールはスポンサー企業のロゴ入りにカラフルな衣装を身にまといレストランやバーなどで消費者に商材を奨めそしてコミッションを受け取るのが常套手段になっている。飲料会社は、このような宣伝方法をセールス話術に長けた化粧品業界からヒントを得たという。「この仕事は若くて美しく礼儀正しい所作が出来れば簡単なものです。」と語るのはハノイにあるいくつかの化粧品会社を販促要員として渡り歩いたことのあるチャン・タン・フオンさん。女性に10歳若く見える化粧品を奨めるよりも、ビールのキャンペーンガールたちは、絶えず客の横に付きビールの注文を客に成り代わってとったり、飲みかけのグラスにビールをついだりして、更にビールを勧めるのである。

これらの販促経験者に因れば、この宣伝方法は商品の如何を問わず首尾一貫して有効であるという。短い時間で直ぐにお金になる。この為、販促に従事するのは専ら女子大生なのだ。
高い収入を得る一方で、キャンペーンガールたちは客のセクハラを受けたり、外からの顰蹙を買ったりする。キャンペーンガールのデップさんは、客と一緒に飲んで話したりすることは販促の基本業務で、こうすることが売上に繋がるのだという。しかし、その一方で客のセクハラにある程度、一定の我慢する必要があると話す。デップさんの経験に因れば、もしキャンペーンガールが客と共に飲まなければ、特に夜間には酔客から暴言を投げかけられることさえあるという。意外と思われるかも知れないが多くのキャンペールガールたちは就業時間以降に客とつきあうことを望んでいないのだ。カルツバーグで働くそんなひとりチン・フオン・ミンさん曰く、彼女やその同僚はしばしば客から勤務時間後につきあうよう申し出を受けることがあるものの、ほとんどのケース拒否するのだと話してくれた。

「私たちの仕事はビールをついたり、氷をグラスに入れて上げたり、タバコに火を付けたり、店員を客の注文の為に呼んで上げたりすること。そしてビールの売上に貢献することなのです。それ以外は何も売りません。」とミンさん。しかしながら、ミンさんはいう。今のところ彼女の家族も婚約者も彼女の仕事に理解を示してくれないのだ。なぜなら、この仕事に対する多くの人々の偏見がそうさせるわけだが、ミンさんは結婚費用を貯めるまでの一時的な仕事と考えているとのこと。「職業訓練センターを卒業して数年、無職だったものだから少しでもと思い、この仕事についたの。」とデップさん。
実際、多くのキャンペーンガール応募者は高給に釣られてやってくる。「仕事のモチベーションはなんと入ってもコミッション。もし、ビールの売上目標が達成出来たらお給料とは別にカウントされるのよ!」とデップさん。

「少しでも多くのビールを売るためにボスや同僚たちから来るプレッシャーは、また激しい競争心理を生み出すものです。」というのはチャンドウイフン通りにあるクアンカレストランでビールキャンペーンガールとして働くグエン・チャン・ニュンさん。目標値を達成する為に、同僚同士で激しく販売のしのぎを削る他、これらプレッシャーと競争がキャンペーンガールたちをアグレッシブにさせ客にとって鬱陶しい存在になることもしばしばなのですと、このレストランの常連客グエン・ホア・ビンさんはいう。「この間も席に着くやいなや、複数のキャンペーンガールたちが徒党を組んで目の前に現れてそれぞれのビールを勧めていました。本当にうんざりしました。」販売競争と売上を上げる為のプレッシャーの狭間で、多くのキャンペーンガールたちは売上さえ上げれば必要以上に客のところに留まる気持ちはないのだ。「ほとんど立ちっぱなしの仕事なので、足を休める為に客と飲み食いすることもありますが、でもキャンペーンガールは本来 私のするべき仕事ではないと思っています。」とミンさんは結んだ。

(辛口寸評)
ベトナムにも各種レストランを始め、カラオケ・ラウンジ・バーと様々な飲み屋が揃っている。そこへ入ると、ちょっと色っぽい水着系の衣装を纏った見目麗しいお嬢さんが、肩からスポンサーメーカー名の入ったサッシュを下げ、ご自慢の商品の売り込みにやってくるのはお馴染みの光景だ。筆者も好みのタイプが目の前に現れると、その商品の好き嫌いに関係なく、ついつい鼻の下を伸ばして大盤振る舞いをしてしまうので、他人をとやかく言えないが、この方法は確かに最も効果的で効率の良いプロモーション方法だろう。お客に飲み物を勧めるのみならず、横に座ってお酌をし杯を進めさせるなんてのは、飲み物メーカーにとってはスポンサー冥利に尽きるというものだろう。ここまで書いて、昔、某私鉄系旅行代理店に務めていた頃のことを想い出した。

当時は営業所に属し企業や組織などの団体旅行を主に営業回りをしており、受注を貰ったお客さんの添乗を時折していた。
団体の数が多いときには先輩や同僚の仕事のアシスト添乗にヘルプで呼ばれることがあり、その日も、保険会社の優秀社員慰労旅行でバス5台で、南紀勝浦へ一泊二日の温泉旅行に出掛けたのだった。夜になり200名が一同に介し大宴会が開かれた。先輩に女中さんに混じって、お客様のお酌をしろと命じられ、男芸者宜しくそれを注いで回った。飲み物代もホテルからマージンのキックバックの対象になるからだ。宴会が一段落し、全てのお客様を送り出し、宴の終わったその場に忘れ物がないか見回っていると先輩が隅で、ビールの詮を次々と開けては自分で矢継ぎ早に飲んでいた。目を丸くして、それを見ていると筆者に気付いたその先輩は「おまえも飲め!」と言って来た。一瞬、絶句して、それでも声を振り絞るようにして理由を尋ねると先輩は「社収向上の為だ」と断定した。今から思うと、この先輩の一言が、筆者のその後の進路を決めたような気がする(笑)

6月20日(水) ベトナムの韓国系企業
* ベトナムで操業をしている多くの韓国系企業は、現在のベトナムの生産的な投資環境と比較的安価な賃金に満足しているとの調査結果を発表した。韓国投資貿易促進機構(ジェトロの韓国版)コトラはベトナムに投資した217社の韓国企業に実体調査を行ったところ、その内93%の企業が当地での操業に満足しているとのことだった。回答を寄越した約70社の企業は、ベトナムを有望な新興国として他の韓国企業に投資をするよう奨めると答えたという。
特に調査からクローズアップされたのはベトナムの魅力的な賃金の安さが彼らを惹き付けていることが判明した。他の好条件として指摘されたのは、15%が高い生産性を上げ、6%が政府の優遇税制を上げたという。

ベトナムへの投資に前向きな将来性を感じる回答者は多く、全体の71%がこの国の将来に期待していると考えており、この数字は昨年中国の韓国系企業に対し行われた調査結果の二倍を示していることからもその期待の深さが伺えよう。ベトナムの企業運営管理能力を予想した約40%の回答者が、この国が今年始めにWTO加盟を果たしたことでそれの向上に貢献するとの見方を示している。そして3分の1の回答者はベトナム国内経済の明るい未来を予測したものであった。ベトナムの韓国企業にとって操業から利益を生み出すまで平均3年を要しているものの、今回アンケートに参加した企業や投資家は可能性のある投資家たちの為のリスク評価を策定する必要があると考えているという。

韓国人投資家たちはベトナムに対する知識不足、言葉の問題の他、ベトナム政府の外資系企業への政策が彼らの新興市場経済国家での操業を幾分難しくしているという。この国で企業の創業期には困難が伴い、それから逃れることは不可能だ。文化的背景や外国投資への不案内であることも困難に起因するだろう。ベトナムでの韓国企業の投資は今月末に発動する韓越自由貿易協定に因っても増加すると見込まれているばかりか年内中に韓国企業のベトナム投資額は15億米ドルになるとコトラの試算。昨年、韓国はベトナムに総額27億8000万米ドルの投資を行っており、その他の国々を圧倒するものだった。韓国投資総額は昨年末で総額78億米ドルに達し、ベトナムへの外国投資全体の18.5%を占めている。

(辛口寸評)
韓国は過去日本がそうであったように護送船団方式宜しく官民が一体となり、世界規模でオペレーションを繰り広げている。中央アジアの国々・南アメリカの国々・東欧諸国。そしてベトナムで、お馴染みの韓国企業の看板広告や企業名の入った大型スクリーンなどを至るところで目にすることが出来るのみならず、リトル・ソウルが生まれハングルが飛び交う有様なのだ。兎に角、その勢いと来たら研究開発費などは日本の企業と桁違いの数字で、しかもその研究所自体が国の研究機関と民間のそれが一体となっているほどで、国の利益と民間の利益のベクトルが完全に一致し、そしてひとまとめになって海外に撃って出ているといっても言い過ぎには当たらない。

韓国系企業の海外での強引な手法はしばしば、周囲から顰蹙を買う事態に陥りやすいのも事実である。しかし、彼らのアグレッシブな動きを時に参考にするのも必要ではなかろうか?振り返れば我が祖国、ニッポンが護送船団方式を捨て、プラザ合意以降、日本の経済。そして世界に対する日本の威信が徐々に損なわれて行ったような気がしてならない。日本は表向き多少、身だしなみが好くなり小利口(スマートとも)になったのかも知れないが、その分、牙を抜かれたオオカミのようで残念である。韓国ほどの火病になる必要はないものの、「粗にして野だが卑ではない」そんな気概を旨に、世界と対峙していく姿勢が今のジャパニーズ・ビジネスマンに求められているような気がしてならない。もっとばた臭くていいから、、、、。

6月21日(木) アセアン新旧メンバーの格差是正
*アセアンの代表団が一昨日、ハノイに一同に会し新旧メンバー間の発展ギャップを狭める為の討論を行った。ファム・ザー・キエム副首相兼外相は、2000年に立ち上げられたアセアン統合イニシアティブ(IAI)の実行は近年大きな進歩を遂げているとし、IAIはアセアン全体並びに新規加盟4カ国のメンバー国家(CLMV)「ベトナム・ラオス・ミャンマー・カンボジア」に人材育成と地域統合発展の点において利益をもたらしていると述べた。その一方で、アセアン域内の発展ギャップは今も引き続き開いており、アセアン全体としてこの差を埋めるべく今後多くの努力が効果的になされ、アセアン全体の発展に繋げて行くことが必要だとキエム氏は訴えた。

「仮に2015年になっても発展ギャップの差が存在するような事態になれば、アセアンコミュニティー設立を我々がゴールとする社会文化・経済・安全保障の3つの目標が達せられないことを意味する。
故に、発展ギャップの格差是正は引き続きアセアン全体にとっての最重要課題なのである。」と副首相は付け加えた。ラオスのロンロン・シソリス副首相兼外相は、IAIの採択は東南アジア域内の恒久平和と安定、そして繁栄をもたらすものだと強調した。今回の会議ではまた、二日間に渡るIAI開発協力フォーラム(IDCF)は、“アセアン域内格差是正新戦略の開発に向けて”と題した会合が開かれた。

他の熱い議題として、域内小区域の枠組み作り・アセアンの実体支援と民間部門を支える役割などについて話し合った。キエム氏は、アセアン内に於けるハードとソフト面のインフラに関しどの部分が深く広いのかいくつかの点を指摘した。それによると、IAI案件はCLMVが緊急に必要とするものに焦点を当てソフト面でのインフラの向上を図り、その一方で、アセアン事務局はそれら案件のコーディネイトや監督に重要な役割を果たすべきだとする。また、各案件に対する資金提供も十分に安定されなければならないとキエム氏。アセアン事務局長のオン・ケン・ヨン氏は各メンバー国に対し、案件の実行についての民間部門を含む協力やインフラ案件に対する注意をより払うよう求めた。

(辛口寸評)
1995年にベトナムがアセアンに加盟し、今年で既に12年。それから遅れること2年後、ラオス・ミャンマー・カンボジアの三カ国がアセアンに加盟した。この三カ国は全てベトナムが強力なリーダーシップをとり、タイなどはもう暫く経済的に実力をつけるまで加盟を先に延ばすべきとの意見もあったのだが、結局、なしくずし的に半ば強引にアセアンへ引き込んだという経緯がある。ベトナムにとって子飼いともいえるこの三カ国のアセアンへの加盟は当然、ベトナム自体、アセアンの新参者でありながらも内部での発言力を自然に増す効果を与え、その見返りとしてベトナムは三カ国の意見集約窓口として先輩アセアン加盟国と渡りを付ける機能を期待されているわけなのだ。

今回の会合では新旧加盟国の発展ギャップが議題となったそうだが、元々ベトナムの肝煎りで格差承知で加盟した三カ国。ベトナムの発展に比べて経済的に今三つほどぱっとしないのだが、それでも既にアセアンの仲間入りを果たし10年を迎えた。ベトナムの後押しもさることながら、格差是正の為に単にオールドメンバーに助けを仰ぐだけでなく、それぞれが主権国家として何ができ何を成して行くべきなのか、一アセアンメンバーとして如何に足を引っ張らずアセアン全体を盛り立てて行くかを一緒に考えて行く時期に来ているのではなかろうか。

6月22日(金) 賃貸オフィス・バブルの塔!?
* ホーチミン市のオフィスビル賃貸料率は需要に対する供給が追いつかず世界で最も高額な部類に入ると、今週火曜日、外資系不動産デベロッパーはいう。アメリカに拠点を置くデベロッパーCB Richard Ellis Vietnam社(CBRE)が行ったアンケート調査に因ると、サザンメトロ(ドンコイ通りとグエンジュ通り角で、大聖堂の対面のビル)の家賃が世界高額賃料50傑のうち45位にランクインした。現在、市内レンタルオフィス賃料は一平米辺り平均US43.98$で、これはリバプールやアムステルダム、そして上海を凌ぐという。またホーチミン市の急激な家賃の上昇率では世界50位中14位となった。

今後、多くの企業が世界中からベトナムに流入してくることを考慮すると、レンタルオフィスの供給不足は2008年まで続くと見込まれている。CBRE社に因ると、不十分な供給が賃料をこれからも上昇させて行くとし、事実、市内の主要レンタルオフィスビルは既に塞がっているばかりか、現在建設中の建物ですら借り手が決まっているという状況とのこと。加えて、中心部を外れた場所のレンタルオフィスビルですら、高い稼働率を誇っているという。CBRE社は2009年末には需給バランスの均衡が生まれ、家賃も安定してくるのではと予測している。

(辛口寸評)
市内のオフィスレンタルスペースは供給不足から日毎に状況が悪化しているようで、家賃も軒並み上昇している。ビルのオーナー側も、その辺りは十分に織り込み済みで、値上げした家賃に対し文句でも付けようものなら“借り手は幾らでもいるから、出ていって貰って構わないよ”と高飛車な姿勢を崩そうとしないそうだ。この問題はオフィスに限らず、外国人用アパート。更には高級ホテルなどにも波及しており、軒並み家賃・部屋代が異常なほど上昇中なのだ。兎に角、これを抑えるには速やかな物件の供給しかあるまい。ベトナムの将来は確かに明るいし、経済的な成長も見込めると思う。しかし、それはあくまでも可能性が高いということにしか過ぎない。実体はインフラが立ち遅れ、基幹産業も未整備な途上国であることを忘れてはならない。不動産・株式投資、今、ベトナムではカジノ経済とバブルが進行しつつあるようだ。

6月23日(土) ハノイのふれあいペンギン村
* 人と人との付き合いが希薄になりがちなこの忙しい現代社会において、ハノイには52世帯の人々が親しく寄り添い、助け合いながら暮らしている“村”がある。つい最近、パッカードさん一家がアメリカからタイホ区クワンアン坊チュア村にやってきたとき、村の規則に従わなくてはならなかった。それというのも、一家はその歓迎会に出席し、正式な“村人”として仲間たちから認められなければならなかったのである。歓迎会には50数名の人々が出席し、テーブルの上にはベトナム・フランス・スイス・ドイツ・オランダ料理が所狭しと並べられていた。色々な国々からやってきた子供たちは、様々な言葉でそれぞれおしゃべりをしている。

この“村”に住み始め一年を迎えるエクアドル出身のコンスエロ夫妻には子供がおらず、時折、寂しい思いをしていたが、沢山の村のパーティーで今では多くの友人を得てとても嬉しいと話す。ここはフレンドリーな雰囲気に包まれていて、現代社会でこのような場所を見つけるのは容易ではないと、コンスエロ夫人は付け加えた。仮に暫くの間、新しい居住者が来ない場合は、村人が持ち回りで毎月第一週の金曜日にパーティーを主催することになっているそうだ。

この“村人”同士の集いを二年前最初に提案したのはスウエーデン人金融専門家のブルーノ・モーサーさんだった。アメリカ人の妻を持つブルーノさん曰く、ここで暮らす人々は、母国を遠く離れ、しかも愛する人々を祖国に残し駐在しており、そんな人々の触れ合いが出来る場を想像したかったと。一番最初に開いたパーティーには約30名の人々が集まり、それ以来、参加者は増え続けて行った。新しく“村人”となったベトナム人のファム・チ・ランさんは昨年暮れにパーティーを主催し、それに凡そ80名が参加してくれたと自慢する。「村人は皆、フレンドリーで、親しみ合い、伝統的なベトナム人スタイルのような暮らしを求めているのです。これって本当に生きる上で大切なことだと私は思います。」とランさん。

ブルーノさんは村人全てのメールアドレス・電話番号・住所を保管しており、“村”に関わる事案について発表する責任を有している。
ある意味、ここに暮らす人々は大家族のようなものと云えるだろう。
ある日、自転車が何者かに因って盗まれたことがある、直ぐに全ての住民たちに告知をした。また、住人が引っ越して行くときは新しい所在地を置いてゆくので、村人たちがそこへ訪れ行き来することもしばしばある。また、住人の誰かが病気になったとき、村人の代表が彼・彼女を見まい、必要に応じて金銭的な支援もするという。或いは村人の誰かが一時帰国する際は必ず村人にお土産を持ち帰り分け合うことになっているそうだ。

(辛口寸評)
記事の内容とは外れた話題を書きます。つい最近 インターに通う娘の10歳の誕生日を行った。今年は5名のクラスメイトが娘の為にプレゼントを持ち寄り、親御さんに連れられやってきた。中国人・オーストリア人・ベトナム人・シンガポール人・アメリカ人。こんな機会じゃあないと、なかなか娘の友達の親と話をする機会もないので、送ってきたところを親御さんをお茶でも誘い挨拶をしようかと待ちかまえていたのだが、5人が5人とも自動車で運転手に連れられて来た為に結局、保護者とは会えず仕舞だった。

子供たちはというと、狭い我が家を縦横無尽の遊び場としてゲームをしたりおしゃべりをして楽しく過ごしていた。もちろん言語は英語だ。もはやネイティブで遠慮会釈無しで彼女らが話す英会話にはついて行けないのに今更ならが気づかされた。かみさんも久しぶりによりをかけて作った日本食もどきもなんとか及第点を得た。土曜の午後から日曜の午前中にかけて泊まりがけの誕生日は無事終わった。迎えはそれぞれ親御さんがやってきて簡単に挨拶をした。有り難いのは娘のお友達たちがそれぞれ、親に向かって楽しく過ごし、未だ自宅に帰りたくないとアピールしてくれたことで、娘の為とは言え、準備した甲斐が我々もあったな~とほっと一息した次第である。

読者からの第119号に対する見方と解説

ベトナム政府の友人さんから、前号に対する見方とその解説を頂戴しましたので、以下 ご本人の許可を得て転載致します。

* 書記長の中南米訪問について
間もなく、チェット主席が米国を公式訪問します。その前に、政権党の最高責任者が、従前から長い友情と厚い信頼を寄せてくれた各国へ足を運び、米国との間で解決されるべき諸問題について、ベトナムの側が抱える問題を説明した上で、ベトナムは米国とも友好関係を結ぶが、従来、熱い支持を与えてくれた中南米諸国の友情を裏切るモノではない、この点の説明が必要なのです。これが、外交というモノの基本です。それには、政府を指導する政権党の最高責任者が、関係国の首脳を直接訪問し、自らの言葉で説明したわけです。
ベトナム外交が幅の厚さを見せているわけです。もちろん、米国も十二分に承知しています。

* 証券取引融資にかかるキャップ制限について
これは、本来、産業の基盤投資に必要な資金が、浮利を追う展開に費消されたのでは、第二のタイ(アジア通貨危機)を招き寄せる事になりますから、それへの牽制とお考え下さい。何よりも、ベトコムバンクは、膨大な不良債権を抱えています。この処理を、一つ間違えば、ベトナム経済が吹き飛ぶ可能性を秘めています。株式市況を、いきなり冷やせば、これまた大変な問題を抱え込みます。従って、現状の推移を見守りながら、柔軟に、国際金融情勢との綱引きをせざるを得ないのです。

*  地球温暖化への策
温暖化の主たる原因となっている排出ガス規制は、京都議定書に示されたように、それぞれの締約国が遵守する以外に方法はありません。しかしながら、既に日本の省エネ技術は世界で最も進化しており、これ以上、どうするのだ?というところにあります。一方、エネルギー事情では日本に比べ豊富な背景を保つ、中国と米国は自由気ままに、エネルギー消費量を増やし、温暖化ガスを放出し続けて平気です。尤も、中国の場合は気が付いていても、技術がないのだから仕方がありませんが、米国の場合は、分かりながら、しかも技術を保持しているわけですから始末に負えません。

地球の北側に位置する先進諸国の理屈で、温暖化が進行すれば、一番最初に被害を受けるのは、常に発展途上国と相場が決まっています。ベトナムも、このサーキュレーションから逃れる事はできません。
さりとて、日本人が、直接的に見えないエネルギー消費を切り詰めて生活するとも考えられません。日本の削減率は限界ですから。
すると、「排出権取引」でクリーンエネルギーを手当てし、目標を達成する以外に途はないと思います。そこで例えば、ベトナムが工業発展をする過程で不可欠な「電力」需要を賄うために、「化石燃料」による発電プラントではなく、「軽水炉原発」の開発を支援し、できればこれへの置き換えを図り、この分で余剰となる排出権を日本が確保することで凌ぐという遣り方程度しか残されていません。
すると今度は、日本の無知な勢力から、ベトナムへ「軽水炉原発」を輸出するのか?と
囂々たる非難が巻き起こります。

その人たちは、自国のエネルギーにより利便で安楽な生活を確保した上で批判を展開するわけです。あるいは、ベトナムは工業化せず、農業主体でよいではないかとも、批判を加えます。常に、日本が高い位置にあり、その上に自らの生活基盤を置いた議論です。温暖化による気温上昇の影響を受け、最初に水没するのは、常に貧しい地域です。それへの配慮を欠いた議論が進行してしまいます。
今年の雨季ですが、極端に雨が少ないとお考えになりませんか?先般の短い滞在期間の間でも、私は、それを感じました。この時期のベトナムの雨が、私の躰には焼き付いていますから、そのように思うのですが。
オーストラリアを始め、世界の主要穀倉地帯で、異例なまでに小雨になっています。温暖化によるモノと思い致しますが、実に困った現象です。

以上

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