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2007/07/01

ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第121号

ウィークリー・ベトナム・ニュース  
■ 平成19年6月30日 土曜日 第121号
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■ こんにちは!!

Vnnationalflag_96いつもお世話になっておりますベトナムから、ニャットアインです。

今日もここ一週間のベトナムの主なニュースをご笑覧下さい。

翻訳は直訳とせず、日本語に馴染む意訳としておりますので、ご注意下さい(笑)また、訳者の独断と偏見を交えた辛口寸評を入れてみました。内容が片寄り、言葉が多少過ぎる箇所も多々あろうかと存じますが、これもベトナムを愛するゆえの諫言とお許し下さい。

誤字・脱字はご愛敬ってことでお願いします<(_ _)>

尚、記事の転送は営利目的以外なら原則自由ですが、自己責任において行い、その中で被った被害・損害に対し筆者は責任を負えませんのでご了解下さい。

ベトナム・ニュース その121 今週のヘッドライン

* 6月25日(月) もう好い買い まぁだだょ、、。
* 6月26日(火) この頃の越米二国間関係
* 6月27日(水) 原子力発電所建設計画推進
* 6月28日(木) ベトナム航空不正摘発
* 6月29日 (金)   訪米中のチェット大統領と越僑
* 6月30日 (土)  越大統領合衆国大統領と会談

6月25日(月)  もう好い買い まぁだだょ、、、。
*2006年10月から2007年1月まで力強い伸びを示していた、未公開株市場も調整に突入し、多くのそれらの株は現在、停滞した状態に置かれている。これまでのところ、近い将来、未公開株が上昇に転じる見通しは立っていないものの、その一方で株式市場は安定感が見られる。昨年10月から今年1月迄の未公開株価の高騰の後、それらの平均株価は現在、4~5割下回る数字となっている。これは重要産業と目される銀行・保険・石油関連企業の有望株も例外に漏れず同じ状況下に置かれているのだ。多くの株式投資家たちは厳しい局面に置かれており、ポートフォリオを再構築するため売却出来るのなら損切りも甘んじて受ける傾向にある。

未公開株の現行の動きに対する理由はいくつかある。先ず始めに市場が安値先行の周期に突入したことが挙げられる。前年同時期の第二四半期、未公開株の価格はやはり季節的な影響もあって下落傾向にあった事。第一四半期、多くの未公開株企業は年次報告を公開し、株主総会を開催し配当を発表するといった好材料が株価を押し上げるのだが、第二四半期へ移行すると業績不振などの悪材料が増し、それが株安に繋がるというのだ。亦、未公開株は常に株式市場の株価に敏感に影響を受ける、
この為、調整段階の株式市場の株安に流される格好で減速するのだという。

次の理由として急落中の銀行株が挙げられ、それが後の市場に大きな影響を与えているのだ。未公開株取引が好調だった頃、銀行株の売買高は全体の7割を占めていて、それらの下落が市場全体を冷却させたともいえるだろう。以前、銀行株は額面の6~15倍の高値で取引がなされていた。しかし周期的な株価の減速とネガティブな投資家心理を反映したこと、加えて、新たな資金需要創出に対する困難が伴い、これら要因が相まって株価が下落したと考えられる。

銀行株に衝撃を与えているもうひとつの技術的な要因は、株式買受選択権と新しい債券を通して配当を払うことでの複雑な手順である。この事が、かつて配当を熱望していた投資家を失望させるに至った。多くの株式投資家は短期投資筋で、市場増益と損失後の主要投資家たちに流動性を提供したのだった。投資家が中期計画の方へ彼らの戦略を練り直した為、その結果、銀行株は、冷却段階に入っている未公開株とともに3~5割値下がりすることとなったのである。

三つ目の理由として、投資家たちは今後、続々と出てくるであろう銀行・通信会社のIPOを心待ちにしており、この為、既存の未公開株を一部整理し、キャッシュポジションに入ったことが挙げられるだろう。ダム・フー・ミー社とバオヴィエット社のIPO結果は投資家にいくつかの疑問符と心理に衝撃を与えた。その疑問とはズバリ“未公開株は実態以上の価格がついているのでは?”というものだ。昨年10月から今年1月にかけて、多くの未公開株企業は増資を推進し、株主への配当準備に入りったことで大きな利益が見込めると期待感を高めた投資家たちは莫大な資金を未公開株市場に投入したのである。その結果、短期投機目的の投資家たちが未公開株を貪欲に買い続けた為、株価は実態以上に膨れ上がってしまったのだ。

これらの株に手を出した投資家のほとんどはその企業を冷静に評価判断する知識を持たず、付和雷同型であったため、傷口は更に広がる結果となった。現状、投資家たちは不動産に米ドルや金を投入している。ベトコンバンクと闇両替の米ドル対ドンの両替レートは過去数日来、続伸している。ドル高の主な理由は、商業銀行が輸入を行っている企業需要を満たすためにより多くの米ドルの買付を行っているからだ。ベトナム中央銀行に因れば、現在の米ドルレートは1ドル=16110~16115ドンで推移しているという。

最後に、国家証券委員会とベトナム中央銀行、そしてその他の機関などが未公開株取引に関するリスクを警告していることが挙げられる。財務省は、企業の透明性や情報開示を定めたNo.38/2007/TT-BTCを発動した一方で、ホーチミン市証券取引センターは上場初日の初値に関する法令を通している。これら二つの法令はいずれも投資家のリスクを引き下げる為に設けられたものである。反面、これら新たな法令は依然と比べ、投資家たちが莫大な利益を上げることを難しくさせているのも事実である。加えて、ベトナム中央銀行は各商業銀行に対し、5月28日、証券投資融資に掛かる総額の3%にキャップ制限を設けるよう指示通達した。

この決定は、証券投資家への資金的援助を困難にさせる一方で、商業銀行へは法令を遵守した資金回収を促す圧力となっている。資金の返済を行うために、投資家たちは損切りしてでもそうしなければならなくなるのだ。株の供給も需要を上回っており、それが株価の下落に拍車をかけている。店頭市場は9月に入り回復の兆しが見られるようになと予測しているものの、それまでは停滞したままと見込まれる。それまで今は我慢が必要だろう。

(辛口寸評)
つい最近、取引を行っているサイゴン証券本店へ用事があって出向いた。本店が現在のグエンフエ通りに越してから、初めて足を踏み入れた。午前中の取引時間は避けて、午後一番でお邪魔したのだが、以前と比べ倍ほどのスペースを確保し、受付や窓口なども一目で判るよう整然と配置がなされていた。株価を示す掲示板も、38インチほどもある大きめの液晶パネルが4枚、柱にかけられているほか、壁面もプロジェクターで株価が映し出されるよう“見易さ”を念頭においた設計がなされたものだった。ブローカーの女性と今後の市場について意見交換した後で、彼女から某不動産会社のIPOに参加しないかと持ちかけられた。

以前、IPOがあっても情報すら流して来なかったブローカーが、どういう風の吹き回しか一瞬怪訝に思ったが、直ぐに状況が理解できた。要するに記事にもある絶対有望視され、鳴り物入りでIPOを行ったバオヴィエット社の不調が、市場を一気に冷ましたのである。そのことをブローカーに尋ねると、虚をつかれたのか彼女の目が泳いでいたのを僕は見逃さなかった。今後も、株式会社化をする国営企業は続々と現れ、それに伴いIPOの数もうなぎ登りとなり、投資家にとっては益々選択肢が増えるので、今後はこれまでのようにIPOで落札出来れば安泰という時代は終焉を迎えたといえる。ベトナム株投資家は、そろそろ考え方を切り替える時期に来ていると思われる。

6月26日(火) この頃の越米二国間関係
*越米の結びつきは1995年7月12日の国交正常化以降、偉大で多角的な発展をし続けて来ている。越米の間で初歩的な小さなスケールの人道協力からスタートしたものが今日では、政治・経済・教育・健康・科学技術、或いは軍事・麻薬・テロ撲滅に至る広範囲な分野で相互協力を行うまでになっている。二国間の貿易・経済協力についての話題は常に紙面を賑わせ、2000年7月に越米二国間で締結し、2001年12月に発動した貿易通商協定は両国の商業促進お呼び投資協力の重要な枠組みを創造するに至った。2005年の二国間の貿易額は87億米ドルに達し、2001年度の実に5倍に膨れ上がり、更にその一年後には97億米ドルを記録している。アメリカの市場はベトナムの輸出先国として最大規模で、2007年4月末時点では、アメリカのベトナムに対する総投資額は23億米ドルとなり、外国投資として8番目にランクしている。現在は1000社以上の米系企業がベトナムでビジネス活動を行っている。

両国は少しずつ戦後の人道支援を深め、特にベトナムはアメリカと共にベトナム未帰還兵の遺骨収集などで協力の手を差し伸べてきた。両国は89度に及ぶ遺骨収集作業を行い、ベトナムは850を超す遺骨をアメリカへ返還してきたのである。アメリカ側は戦後補償の一環として枯葉剤散布に因る被害者救済の国際会議を組織したり、地雷の撤去や植林などの支援をベトナムに提供。2007年5月25日には米国議会においてベトナムに対する環境保護や健康ケア支援事業に必要な300万米ドルの支援を批准した。2006年11月のブッシュ大統領訪越時に、両国は相互関係が安定させ建設的で、自主平等と相互恩恵に基づいて指揮する努力を主張する旨の共同声明を出している。

(辛口寸評)
間もなくベトナムのチエット大統領がアメリカを訪問する。既に、昨年、ズン首相が訪米し、両国に跨る政治的な地均しは済ませているので、その確認と次のステップとしての米越関係を模索する旅になると思われる。対外的に大統領職は国家元首扱いを受けるため、ひとまずアメリカ国民の目には掛け値無しの米越二国間関係が劇的に進展していることを印象づけるだろうし、それに何よりもアメリカビジネス界においても、これまでの中国投資一極集中からベトナムへのシフトを強力に促して行くことになるだろう。実際のところ大統領訪問と言っても、ベトナム国内においてのそれは主席・首相と権力を分け合っているに過ぎないのだが、力を分流させたベトナムの合議制は、様々な状況の中で対外的に色々な顔を臨機応変に使い分ける誠にベトナムならではの便利な制度なのである。故に、端倪すべからざる民族といえるのかも知れない。

6月27日(水) 原子力発電所建設計画推進
*ベトナム原子力エネルギーコミッションは、火曜日の原子力発電に関する会合でベトナムが2020年までに原子力発電所を稼働させる旨、発表した。科学技術環境相のホアン・ヴァン・フオン氏は原子力エネルギーコミッションと国際原子力エネルギー機関(IAEA)との共催の会合の席上、ベトナムの関係機関は現在力を合わせ原子力発電所建設計画を細部に渡り策定中であると語った。専門家筋の話に因れば、計画中の原子力発電所は最先端の品質と技術力を駆使したものとし、厳しい国際安全基準に則った形になるという。

ベトナムが原子力発電を推進して行くにはそれを稼働させる上に必要な人材を研究機関や大学などを通して育てて行く必要があると指摘するのは、あるIAEAのメンバー。そしてベトナム政府自体、原子力エネルギーに関連する法案の整備が急がれるとも。。。昨年、国連原子力委員会は2007~2008年の間でベトナムにおいて行われる原子力技術の発展の為の6つのプロジェクト(総額150万米ドル)を承認している。

(辛口寸評)
はっきり言ってベトナムに原子力発電は要らないし、作る必要などないと筆者は考えている。起伏に富んだ地形を持ち山間部では水力発電、平野部であれば火力発電、それに次世代のエネルギー確保として風力・メタンハイドレードなど原子力発電開発に投下するお金があるのなら余程、この方面にすべきではないだろうか?原子力発電を推進する勢力は、援助絡みの外国企業集団が一方に存在し、その対極に原子力発電を持つことが国の威信。言葉を言い換えるなら“飾り”と考え見栄と、多少のおこぼれが拾えると考えるこの国の指導者層との利害が一致しているからに過ぎないのだ。今、ヨーロッパでの潮流は原子力発電ではない。既に15年も前から新たな原子力発電所は作られていない。

当初、欧州を始めアメリカ・ソ連などでコストパフォーマンスが高いともてはやされた原子力発電だが、毒性が強く放射性物質である核廃棄物を作り出すだけでなく、火力発電所建設に比べ膨大な建設コストが掛かり、維持費や人材育成並びに放射能漏れを防ぐための費用をも勘案すると結果的に高く付き、業者を喜ばせるだけに留まるのである。事実、2005年6月に特定非営利活動法人原子力資料情報室が発表した試算によれば、運転年数40年の場合、1kWhあたりの発電コストは以下の通りだ。原子力5.73円。LNG火力4.88円。石炭火力4.93円。石油火力8.76円。水力7.20円。故にベトナムには原子力は不要なのだ。

6月28日(木) ベトナム航空不正摘発
*グエン・タン・ズン首相はベトナム航空の執行役員たちに対し、責任感をより一層持ち、最近発覚した職員の不正について強く責任を問い処分するよう申し伝えた。政府の事前調査でベトナム航空職員が犯した12の罪について首相は把握しており、検査官は政府に航空会社幹部職員が不正に海外に住む親類に会社の資金を提供した問題に関し、その損失分約188000$を弁済させるよう求めた。しかし、それ以上の問題は不正経理で購入した設備類の数々で結果的に国庫に重大な損失を与えたことである。

検査官曰く彼らはいくつかの重大な違反の徴候を見つけて、精査するため警察に関係文書を提出したとのこと。亦、ハノイ・ノイバイ空港で格納庫建設費用のスチール鋼材取引において、提出された請求書と実際、購入された鋼材との間に210トンもの水増しがされていた。検査官はこの件についてこの案件に関わったベトナム航空職員に建設業者のゼネコンから約24万米ドルを戻させるよう指導した。二ヶ月前、報道に因れば、検査官がベトナム航空に対しこれまで数々の取引において政府に余計に請求した総額9370万米ドルを返金するよう要請したとのこと。

(辛口寸評)
ベトナム航空は2015年までに東南アジア域内でシンガポール航空に次ぐメジャー航空会社の一角に入り込みたいと考えているらしい。株式会社化も2010年くらいまでにはなされる予定なのだが、表向き機材のデザインも一新し、機内誌やマイレージなどのサービスも充実させてきているが、やはり看板を張り替えただけで中身は上から下まで旧態依然で変わることがない。国からの補助金がなければ経営もおぼつかないのに株式会社化したところで、そんな会社に投資する物好きなベトナム人はいないと断定する。

この会社も縁故採用が激しく、職を得ようと思うと空港内の清掃係りでも、最低2000米ドル近くのお金を納めなければならないし、地上勤いわゆるランドオペレータークラスになると、最低1万ドル。エアホステスで3万ドルと入社するための相場がきっちり決まっている。
入社してからも、給料の一部(10%)を縁故を頼った先輩職員に上納金として納めなければならないし、その先輩も更にその上に一定額の上納金を納めパワートライアングルが明確に機能しているのだ。尤も、これはベトナム航空に限ったことではなく、公務員や有名国営企業に就職しようとする場合、このようなお金は必要になってくる。
因みに我が家の近所の男性が、来月からホーチミン港で沖仲士として就職することが決まったが、約2500米ドルを支払ったと教えてくれた。

話を戻そう。ベトナム航空は独占企業なので航空事業に関わる権益を一手に握っている。もちろん運輸省の指導の下、管理されてはいるものの、具体的な航空事業の運営(特にテクニカルタームなど)は全てベトナム航空に任されているので、そこに不正の温床が発芽するのだ。今回の事件は全て横領絡みのもので、要するに水増し請求である。しかし、これらの事件は職員単独で行ったと考えるのは早計である。大体、この手の横領が行われるときは、社内の上層部や監督官庁の関与が疑われるからだ。横領をする者は、通常“保険”をかける。つまり全て背任行為で得たお金を本人の懐に入れるわけではなく、上層部にも分け前を差し出すからだ。と言うことで、今回も失われたお金が国庫に戻ることはまずなかろう。

6月29日(金) 訪米中のチェット大統領と越僑
* ベトナムのグエン・ミン・チェット大統領は海外在住のベトナム人(越僑)は今年9月1日をもって祖国ベトナムへの入国時にこれまで課してきたビザ取得を廃止すると発表した。「ベトナム共産党と国家は越僑がベトナムを建設してゆく上で、重要な役割を担う人材と考えています。そのため、ベトナムで越僑が不動産取得・ビジネス環境の確立・恒久的に祖国で生活出来るようにしなくてはならないのです。戦後30年を経て、我々は戦争の傷跡から立ち直り、共に協力し力強い祖国を建設し、繁栄に結びつけて行こうではありませんか。」とアメリカ公式訪問中のニューヨークで語った。チェット大統領の訪米目的は、両国間の関係強化と在米越僑の抱負と生活状況を尋ねる為であると本人の弁。
歴史の流れから現在、世界の100を超す国々と領域に300万人の越僑が暮らしており、その内約半数がアメリカに住んでいる。多くが新たな国の一員として活躍しており、ビジネスやアカデミズムの中で成功している者も増えつつあるという。

チェット大統領アメリカ初日は、ニューヨーク証券取引所を訪問し、ここでユーロネクスト・マネージメントグループと会見した。亦、ホーチミン市証券取引センターとニューヨーク証券取引所間の相互協力に関する覚え書き調印式の証人となった。その後、大統領はアメリカ財界のリーダーたちと会見し、ここでは国家証券委員会のヴ・バン委員長が参加者に対し、ベトナム証券市場についての簡単な説明を行った。チェット大統領はベトナム商工会議所・ヴィナキャピタル・在越米商工会議所・米商工会議所の共同開催の米越ビジネスフォーラムに出席した。

又、20社を超す主要衣料輸入各会社の執行役員たちと会見し、その中の大手ターゲット社を訪問した。これより先、大統領はベトナムのフォン・フー衣料繊維グループは、総額1億米ドルの取引をアメリカのパートナーITG社と調印式に出席した。同じ日、チェット大統領はフォード自動車・AIG・ファーストボストン・クレジットスイス・シティーグループの各社代表を迎え入れ、ベトナム各企業とこれら米企業との間で取り交わされる総額20億米ドルの契約調印の証人となってる。
ニューヨークでは国連事務総長の潘基文氏との会見が予定されている。

(辛口寸評)
ベトナムを途上国から先進国に押し上げて行く中で、海外に渡った在外ベトナム人の力をもはや侮ることは出来ない。いや寧ろ、多くの越僑は混乱と貧しさが充ち満ちていた祖国を捨て、先進国に明るい未来を求めた人たちで、言葉も習慣も文化も違い異国に身を置き苦労して移民先の国に同化していった。一世たちは多くの移民一世がそうであるように、這い蹲って泥だらけになって働き、そして二世であるその子らに未来を託し、無理を押してでも高い教育を授ける努力を怠らない。丁度、ベトナム戦争後に海外に逃れた越僑。少し下ってボートピープル(難民)として海外に新天地を求めた越僑一世の子供たちは今、20~35歳くらいで人生で最も輝き脂ののった年回りとなっている。

しかも渡った先の先進国で高等教育を受け、専門的知識を持つ者も多い。加えて、一世ほどに現ベトナム政権に対するわだかまりは多くない。このような人々を呼び込む為にベトナム政府が優遇政策を積極的に打ち立てて行くことが、しいては最も経済的で効果的な国家建設の人材確保となるのである。とはいえ、今回も多くの在米越僑がチェット大統領の訪れる先々で抗議行動を行ったようであり、まだまだ30年と云う年月は双方の気持ちを解きほぐすには余りにも短いのかも知れないと改めて印象づけた。

6月30日(土) 越大統領合衆国大統領と会談
*6月22日現地時間午前11時に訪米中のベトナム社会主義共和国グエン・ミン・チェット大統領が、ワシントン特別市のホワイトハウスにおいて合衆国ジョージ・ブッシュ大統領と会談を行った。この会談には両国の高官も参加した。会談後直ぐに開かれた記者会見の席上、チェット大統領はブッシュ大統領との会談は実り多い話し合いとなったと語った。「越米関係はこれまで双方に得るものが多く、今後、新しい関係発展の段階に入って行くとする共通認識を我々は共有している。」
とチェット大統領の談。又、両国政府は双方が持続的で包括的、そして効果的な態度のもとで建設的で友好的なパートナーシップを組み更なる発展に邁進して行くことになるだろう。」とチェット大統領は付け加えた。

チェット大統領は記者会見で、彼と合衆国大統領は、相互の懸念の問題について情報を交換することに加え、政治・経済学・貿易・科学技術・教育と人道的など多用な分野で相互関係を築き上げるための議論を交わした。今回の訪問中に、越米両国は貿易投資枠組み協定(TIFA)や他の経済問題や契約に調印する。チェット大統領はブッシュ大統領の温かい歓迎とアメリカ国民のもてなしに感謝していると述べた。返礼として、チェット大統領はアメリカ国民に対しベトナム人民からの親しみのある挨拶を送りつつ、ベトナムにはもはや戦争はなく、世界のコミュニティーに新しく参加した活動的で平和を愛する国家であることを強調した。チェット大統領はベトナム人民はアメリカ国民の良き友となり、両国の利益・平和と繁栄の為に世界の中で国際的な協力を行って行くように望んでいると主張した。

(辛口寸評)
記事の内容と関係ない話をする。近頃、新興国としてVISTA(ベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチン)などが新たな投資先として騒がれている。とはいえ、これらの新興国の金融市場が現在 一般的な日本人にもてはやされているほど世界から注目を浴びているかと考えたとき、筆者はいつも懐疑的になるのだ。もちろん、ベトナムひとつ見てみれば世界中から短期資金は集まってきているが、個人投資といった形態では無く寧ろ、欧米なら投資銀行やファンドを介在させた形が多く、ベトナムの証券会社に口座を開設する個人なんてのはどちらかといえば少数派でしかないことを認識すべきだと思う。つまり今話題の新興国騒ぎは日本の場合、誰かの意志に拠って創り出されたものではないかとの立場を取るのだ。

ご存じの通り日本政府は毎年数兆円ものアメリカボンドを買い、アメリカ経済と世界経済を支えてきている。もちろん、日本国民の血税が注入されているわけだが、このお陰でアメリカは、崩壊せずに今もヘゲモニーを謳歌出来ている。小泉前首相以来、竹中平蔵を先兵として日本をアメリカに売り続けてきた人々は、一方でバブル経済以降、銀行支援策の一環として預金者を犠牲にする犯罪的低金利を押しつけ、その一方で、公的資金をつぎ込んだ金融機関を二束三文で外資に売り渡したりしてツケを国民に回してきた。そして郵政民営化を総仕上げとして、日本の資産が国外に出て行きやすいように仕向けていったのだ。

海外に利殖を求めて出て行った日本の資金は、水が高いところから低いところへ流れて行くように目指すは新興国である。一見すると各新興国とアメリカとは何の関係も無いようだが、新興国と呼ばれる為に各国ともアメリカの支援が無ければならない。それは直接アメリカが動く場合もあるが、多くはアメリカの意向を含んだ世界銀行・国際通貨基金、或いは○○開発銀行が間接的にそれら新興国の経済を下支えするものだ。日本から個人の資金が新興国に流れて行く。
そこに待ち受けているのは常にゴールドマンサックスとかリーマンブラザーズなどのアメリカ系の投資銀行で、新興国の経済をカジノ化し、結果的に彼らが日本の資産を吸い取る為に新興国が一種のアメリカの舞台装置になっているのではと思えてならないのだ。トンでも本の読み過ぎか?

以上

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