ナマのベトナムが分かる、週刊ベトナムニュース第122号
ウィークリー・ベトナム・ニュース
■ 平成19年7月07日 土曜日 第122号
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■ こんにちは!!
いつもお世話になっておりますベトナムから、ニャットアインです。
今日もここ一週間のベトナムの主なニュースをご笑覧下さい。
翻訳は直訳とせず、日本語に馴染む意訳としておりますので、ご注意下さい(笑)また、訳者の独断と偏見を交えた辛口寸評を入れてみました。内容が片寄り、言葉が多少過ぎる箇所も多々あろうかと存じますが、これもベトナムを愛するゆえの諫言とお許し下さい。
誤字・脱字はご愛敬ってことでお願いします<(_ _)>
尚、記事の転送は営利目的以外なら原則自由ですが、自己責任において行い、その中で被った被害・損害に対し筆者は責任を負えませんのでご了解下さい。
ベトナム・ニュース その122 今週のヘッドライン
* 7月02日(月) 2007年上半期GDP試算発表
* 7月03日(火) 経済ゾーンに進出人気加速
* 7月04日(水) 越中小企業経済動向とアジア諸国
* 7月05日(木) ビジネスクラス客に無料で保険を
* 7月06日 (金) 喧々囂々学生の芸術活動の場
* 7月07日 (土) ドメステック・バイオレンス
7月02日(月) 2007年上半期のGDP試算発表
*2007年も中盤を迎えようとする今、ベトナムのGDPは2002年の記録開始以来最高の7.9%と試算されると昨日、政府高官から発表がなされた。とは言え、この数字は今年国家目標として設定した8.2~8.5%を遙かに下回っており、ベトナムは今後とも目標に近づけるべく努力をしてゆかねばならないと投資計画大臣のヴォ・ホン・フック氏はタインフォア省で開催された会議の席上、語った。フック大臣は過去5ヶ月間で干魃・鳥インフルエンザ・口蹄疫などの発生が農業分野の数字の足を引っ張ったと述べた。亦、輸入が輸出を17%も上回った。特に部品・機械・生産資材の輸入額が大きかったという。
その上、国家予算を使う建設案件の信用及び政府国債の発行が遅れたことも成長を一部阻害したといえる。フック大臣はこれらの遅れはセメントや鋼材の価格の上昇がその原因にあるとする。国家目標の8.2~8.5%を達成する為には、次の半年間で経済を9%に押し上げなければならないとし、政府は生産性向上と輸出増大に向けた法令整備を進めてゆくことが肝要。そして、第二次と第三次産業の発展を促し、損害を出した第一次産業の穴の埋め合わせが必要不可欠であるとフック大臣。大臣は、行政関係当局に対し国家資金の支払いの迅速化を求める一方、国内生産を保護し、インフレ率を安定させることが最優先課題であると述べ、今後の台風シーズンに備え、全国的に各自治体が予防体制をとるよう要請した。
(辛口寸評)
ここ数年著しい経済成長を遂げているベトナム。昨年の今頃も2006年度のGDPは8%前半を維持するのではと噂されていたが、年を終えて見ると7.8%と期待した8%台に載せることは出来なかった。そして今年も鼻息荒く昨年同様の目標値を設定したわけだが、折り返し地点に来てみると、7.9%とイマイチ振るわない。尤も、残りの半年の頑張り次第で、達成出来ない数字では無いという、政府高官の発破かけ的なこの時期の発表なのだろうが、、、。ところで、ベトナムが有望な投資先国と言うのは間違っていないのだが、製造業においてこの国は矛盾を抱えていることをご存じだろうか?
要するにこの国で製造業の基盤が揃っていない為、自国で原料を賄うことが難しく、それらは全て輸入に頼らなくてはならないのだ。結果的に、常に輸入が輸出を上回る状況が出来てしまい、それが巡り巡ってGDPの足枷になっているというわけなのだ。兎に角、短期的に捉えるのではなく、先ずは工業化の為の教育施設の拡充 そしてこの国の人々は口を開ければハイテク産業とお題目を唱えるが、それはそれとしておいて、もっとローテクの中小企業が世界中からこの国へやってこれるようにするべきなのだ。そうすることに拠って製造業の厚みが増し、産業の裾野が広がり安定した重工業国家に生まれ変わることが出来るのだから。
7月03日(火) 経済ゾーンに進出人気加速
* 計画投資省の報告書に拠ると、これまでに約860万米ドルの資金がベトナム経済ゾーン(EZs)に投下されたという。同省の試算では今年年末から来年初めにかけ、多くの主要案件の許認可や投資手続きが始まり国内のEZsには新たに25~30億米ドルが投入されることになるだろうとする。ズン・クワット経済ゾーンでは、石油精製・造船・製鉄・重工業など総額38億米ドル。70件の投資案件に対し投資認可を下ろした。チャンマイ・ランコ経済ゾーンには造船・港湾開発・観光など50件を超す総投資額10億米ドルの投資案件が集まり、別のチュライ経済ゾーンは投資総額4億8千万米ドルで自動車組立や自動車用ガラス生産工場などの43件の投資を集めた。
カンホア省のヴァンフォン経済ゾーンは日本の住友グループから特別な注意を向けられており、2億5千万米ドルの費用をかけたコンテナポートの計画が推進されている。又、同グループは35億米ドルを投下し、同経済ゾーン内に火力発電所建設も計画しており、これら二つの案件は現在、地元当局の投資認可審査にかけられているところだ。ヴンアング経済ゾーンではベトナム機械設置会社所有の12億5千万米ドルを費やした火力発電所建設を含む大規模国内投資を集めているとのこと。
(辛口寸評)
古い資料しか持ち合わせていないので恐縮だが、手元のそれに拠れば2004年3月末時点で、ベトナム国内で稼働中のEZsは全国68カ所。認可待ちが32カ所。併せて100カ所となっている。資料当時から既に3年が経過しているので恐らく、総数は認可待ちを加えると全国で130数カ所に及ぶだろう。特にここ二年ほどの間に、多くの外資系企業のベトナム進出に拍車が掛かり、会社登記から操業許可等の各種ライセンス取得や優遇措置が盛り込まれた経済ゾーンに人気が集中。先に入居した企業なども収益を度稼ぎ出すようになり業務拡張などでゾーン内の土地需要が増し、それと相まって経済ゾーンは整備する先から埋まってゆくという案配を続けている。ただ、新たに作られる経済ゾーンのインセンティブは依然と比べると、余程地方へ行かない限り大都市近郊では優遇されないようになってきているようだ。優遇措置以前に、余りにも需要が高いため、先ずは用地確保が先に来るからだろう。
やはりハノイやホーチミン近郊の進出需要は利便性から見て、人気が高いのは判らぬでも無いが、今後、ベトナムに進出を考えるのであれば、地方に目をやることも必要だ。確かにインフラ整備は遅れており、安定した操業という点において都市に遅れを取るのはやむを得ないが、それでも各自治体は中央が出す優遇税制以外に自治体政府独自の優遇措置を盛り込むことが多い。本来、これは違法なのだが、さりとて中央政府が全面的にバックアップしてくれるものでも無いため、結果的に法律の中に別の解釈を自治体が盛り込み機能させるので、中央が決めるインセンティブより進出企業に取って有利な条件を提示されることが多いのだ。これからはベトナムの地方にも目を向けましょう!
7月04日(水) 越中小企業経済動向とアジア諸国
*上海香港銀行ベトナム店が行ったアンケート調査に拠れば、ベトナムの中小企業は来る半年間の経済の伸びは前向きであると考えているという。第一四半期にアコム・マーケッティング・リサーチ・コンサルティング事務所が実施した上海香港銀行中小企業自信調査で、ハノイとホーチミン市にある501の中小企業に質問をする形で行われた。調査の目的は地元のビジネスの動向について、経済繁栄のレベルを読み取る為のものである。質問の中身は、中小企業が考える景気動向で特に投資の実施や人材採用などを中心に据え、他に対中貿易・対アジア域内貿易・対世界貿易などについて尋ねたという。76%の回答者は、ベトナムの今年の経済成長率は8%を超えると見ている。又、調査を受けた凡そ74%の中小企業は、次の6ヵ月にわたってビジネス拡大に投資する旨の彼らの計画を明らかにした。
調査を受けた中小企業の中で事業のスケールダウンや廃業を検討しているところは一軒もなかった。実際、ベトナムの中小企業の70%は、今年 事業拡大を目論んでいるという。今年後半から対アジア及び世界にかけてのビジネスボリュームを増やそうと考えており、その中でも特に対中国境貿易に力を傾注してゆく意向を持っているとのこと。調査ではホーチミン市の中小企業はハノイのそれよりも経済成長についての自信をより逞しくしているとの結果が出た。香港上海銀行ベトナム店の執行役員トーマス・トビン氏曰く、調査結果から回答者のほとんどが経済成長に対する前向きな自信を蓄えており、ビジネスのボリュームが増加すると見込んでいて、その流れからより多くの投資と雇用が必要となると思われるとのこと。いずれにしてもベトナム企業の9割が中小企業で構成されており、これらが経済発展のドライビングフォースとなるのであるとトビン氏は付け加えた。調査結果から同行自身今後も力強い躍動感を持つ、ベトナムの中小企業と密接な繋がりを維持して行く旨の意向を示した。
この手の調査で最も規模の大きなニールセン社が行った香港上海銀行アジア大洋州中小企業会議の調査では香港・中国・台湾・シンガポール・インド・韓国・マレーシア・インドネシア・オーストラリアを含む域内9つの国と地域で1800社の中小企業を対象に行った結果を見ると、アジア大洋州で最も楽観視しているのはインド・シンガポール・中国・インドネシアだった。香港の中小企業は一般的に前向きの見方をしている。インドネシアの中小企業はその中でも群を抜いており、事業拡大の為の投資を積極果敢に行うとしている。
インドネシアの後には、中国・オーストラリア・シンガポールが続く。香港の中小企業の63%までは今年の投資計画が無く、27%は事業縮小或いは投資の減少を示唆している。雇用の拡大に関しては、中国の中小企業が最も前向きであり、インドネシア・インド・シンガポールがこれに続く。香港は73%までが雇用数に変化なしとしている。
インドの中小企業はアジア太平洋地域の取引を開始することに関して最も楽観的に考えており、19%の香港のそれは対中及び対アジアとの穏やかな取引に拠る成長を予想しているとのこと。
(辛口寸評)
こうした記事を読むたび、アジア諸国の頑張りを認識させられる思いだ。翻って日本はどうかというと、景気は全体的に上向いて来ているものの大企業だけが潤い、中小企業はその陰に隠れて相変わらず厳しい搾取を強いられた経営の舵取りを迫られている。筆者もベトナムで従業員60人程度の小さなメーカーを営んでいるのだが、他の中小企業同様、積極的な設備投資を展開させて貰っている。お陰様で業績は好調で上半期だけでも対前年比で二桁の伸びを維持しており、このまま推移すれば年間の売上高は昨対で160~180%の確保が可能と見ている。WTOにベトナムが加盟してからというもの、目に見えて外国からの帳合いが増えてきている。うちの会社は元々、98%が国内向けの商品として市場に投入されてきたのだが、この一年で輸出の割合が全体の2割を占めるまでになってきている。特に対アメリカ向けが拡大しつつあり、その次がハノイを経由した対中貿易で、この割合は今後とも新商品の投下と相まって増加の一途を辿ることだろうと密かに目論んでいるところだ。
ところで、最近、うちの工場があるビンジュン省の雇用に大きな変化が生まれつつあるので報告したい。というのも、これまでワーカーといえば、ビンジュン省地元出身者の新規雇用が断トツだったのだが、ここ一年余りでそれが大きな様変わりを見せ始めている。
正直、ビンジュン省の中でも特に弊社工場のある付近のタンウエン村辺りは、昔から自作農が多いこともあり、家族で力を合わせて働けば余り無理しなくてもそこそこ食べてゆけるだけの経済的背景があるため、ワーカーとして雇用しても、遅刻・早退・無断欠席は当たり前。おまけに地の利の強みを頼みとし他からやってきたワーカーを煽動して仕事を意図的に遅らせる等の妨害など目に余る行為をちょくちょくされた。当初、これはうちの工場だけかと思っていたが、多くの外資系進出企業は同じような問題を抱えていることを知る。
苦肉の策として気心の知れた近所の工場とは、工場内で問題を起こし解雇したワーカーの情報を共有し、水際で進入を防ぐことなどもした。
三年前から急速な勢いでこの地に企業が進出してくると共に、多くの労働者が他の省庁から仕事を求めビンジュン省に移動してくるようになってきた。その割合は年ごとの増え、それと共に地元出身ワーカーは着実に工場から減ってゆき今では5名ほどしか残っていない。全体から見れば12分の1の比率だ。地元ワーカーが減ったことで、これまで工場内での規律の乱れは大きく改善されることになったのは言うまでもない。ただ、ここへ進出してきた企工場の多くも弊社と同様で地元従業員は減少の一途を辿っているという。これまで欲しいままに進出企業で問題を起こして来た地元民の一部は企業間の人事の連携で、企業が多く来ても就職の場がないという状況に置かれているらしい。身から出たサビとは云え、何とも皮肉な話ではある。
7月05日(木) ビジネスクラス客に無料で保険を
*アメリカ系国際的保険会社グループとベトナム航空は今週の月曜日、同航空会社のビジネスクラス利用するレギュラー客に対する販促活動の一環として無料の旅行保険を提供すると発表した。
ビジネスクラス客を対象とするAIGグローバル保険ベトナム社の保険は14日間有効で、世界中での治療コスト・国際SOS24時間支援・事故・損失・荷物の到着遅れや損害を保障。加えて、テロや自然災害・伝染病についても保障範囲に入っているとのこと。支払い最高額は1万米ドルだが、この保険料の発表は件の保険会社よりなされなかった。この保険の適用は今年7月1日から来年3月31日までの間となる。
同保険会社では別の販促の一環としてビジネスクラス客が自分自身や同伴者の保険を購入する際に20%の割引並びに自分用や会社スタッフのAIG法人支援保険10%割引、同様にAIG学生保険なども10%の割引を適応するとのこと。現在、ベトナム航空のビジネスクラスクラブ会員は500名を超えている。同保険会社はこれまでにも同様の旅行保険をサイゴンツーリスト社と今年3月に提携に署名し、一年間、同社利用のベトナムからの出国者に対し提供して来ている。
世界130カ所以上の国と地域で保険と金融サービスを提供しているAIGグループ傘下のAIGベトナム社は一年前に損害保険でベトナム市場に参入を果たし、売上は500万米ドルを誇り、今年の売上目標を1000~1300万米ドルを目標としている。同社のポートフォリオには証券投資家への金融保険や旅行傷害保険など30品目に渡る商材を用意している。
(辛口寸評)
当て推量になるけれど、出すものなら舌も出したくないベトナム航空のことである。今回はAIGベトナム社がベトナム後発の損保会社として足場を築く為に、かなり大胆な持ち出しの販促に入ったと見るのが妥当だと思う。ベトナム航空にとってほとんど無血に近い状態で、保険会社の提案に乗ればキャリアのイメージアップにも繋がるし、これでビジネスクラス客集客の一助にでもなれば名前貸しだけで効果は絶大だろう。このところのベトナム航空、確かにハード面だけ見れば以前と比べ機材も新しいのを揃え、Cクラスの機内食も他社と比較して遜色がなく、機内誌のデザインも凝った作りをするようになり、マイレージなどの特典サービスも充実してきたといえる。
が、しかしだ、ハード面は良くなっても、相変わらずエアーホステスの態度はブーイングもので、特にエコノミー席に座ると途端に二階からものを話してくるわ。客の見えるところで、つまみ食いはするわ。
私語が多いわで、全くなっていない!こんななっていないのを見せられるだけで辟易とするので、本来、ベトナム航空なんぞ使いたくないのだが、国内移動はやむを得ず使っている。そういえば、この間、ベトナム航空の不正の記事を書いた二日後に、同航空会社のパイロットとエアーホステス10数名が、“密輸”で税関に摘発されたそうだ。ハード面の充実も結構だが、先ずはこっちを何とかしてくれとベトナム航空に申し上げたい!!
7月06日(金) 喧々囂々学生の芸術活動の場
* 文化情報省芸術振興課は、芸術文化を専攻する学生たちのバー・ディスコ・カラオケ、その他の所謂社会悪を助長する施設でのパフォーマンスを禁じることにした。同課課長ファム・ディン・タン氏曰く、彼の配下の検査官が近頃、フィールド調査を試みたところ多くの芸術文化専攻学生が、これらの場所で活動していたとのこと。「このような場所での活動は多くの学生が社会悪に陥りやすいのです。」とタン氏。今回の決定は、去る4月にハノイのシックなクラブと知られる新世紀ダンスホールへの警察の摘発が元で進められたもので、そこで多くの芸術文化専攻学生たちが補導されたのだった。また、この決定は芸術文化を専攻する学生たち及び保護者たちから幅広い意見が寄せられている。
ホーチミン市音楽コンサバトリー代表のヴァン・ティ・ミン・フオン女史は、今回のこの決定に賛同する立場を取るという。今回の決定が下される前まで、我々は自衛措置として学生たちにこれらの場所で活動することを自重するよう求めて来ましたと女史。しかしその一方でハノイ市音楽コンサバトリーの学生ルオン・チュン・ザンさんは今回の決定に強く反対する姿勢を取っている。彼女に拠れば、この決定は全くナンセンスで、活動場所の提供をこれらから受けるからこそ、音楽の腕を磨き同時にお金を得られるのですという。ハノイでアラジンバーを営む人民芸術家のタン・フォアさんもこの決定には不服である。「バーや小さなステージは学生たちにとって大切な練習の場であり、これらから多くの才能が開花して行くのです。今回の決定は間違っています。」とフォアさん。
ハノイ市音楽コンサバトリー声楽科教授で人民芸術家のクアン・トーさんも、公共での演奏活動は重要であると指摘する。「我々の生徒は、演奏活動前に許可を科から取得しなければならず、許可を受けた場所以外では演奏出来ないようになっています。彼らの演奏は結果的に彼ら学生の才能に磨きをかけているのですから、禁止するまでは必要ないと思うのです。大切なのは我々が学生の演奏活動をしっかりと管理することなのです。」とトーさん。
とは言え、多くの他の人々はこの禁止措置を支持しているのが実情のようだ。ベトナムダンス単科大学学生カオ・ホアン・ヴァンの母親ホアン・ティ・タンさんもそのひとり。「学生たちは未だ若く、その多くは地方からやってきます。拠って社会悪に感化され易いのです。私の主人と私は娘の学業の為に寸暇を惜しまず働く覚悟でいますが、娘には不健康な場所での演奏活動をして欲しくありません。」とタンさん。ハノイ市音楽コンサバトリーの学生ファム・カン・トアンの母親ファム・フオン・バックさんもタンさんと同じ意見を持つ。「確かに芸術文化を専攻する学生に技術を発表する場が必要と云う意見は判りますが、全ての場所が理想的だとも言えません。ディスコやバーでの学生たちの演奏活動は、その場の悪い雰囲気に影響されやすいため避けるべきなのです。」とバックさん。
人民芸術家のチュン・ドックさんは学校などが積極的に企業や国家のお祭りや会議での演奏が出来るよう学生たちの為に環境を整えてはどうかと提案する。「学校側は劇場や劇団と組んで学生たちの活躍の場所を儲けるべきです。」とドックさん。文化情報省青年同盟副書記長のチン・ゴック・チュンさんは、学生たちが健康的な場で演奏が出来るようにすることが肝心だと語る。「我々が芸術文化を専攻する学生や俳優たちをボランティアとして募り、僻地や離れ小島・国境地帯の人々や兵士を慰問する為に機動し公演させてはどうか。加えて、公演活動の中で貧しい子供たちや傷痍軍人とその家族にプレゼントをあげたりするのも良いだろう。」とチュン副書記長。青年同盟は、今後、文化情報省に積極的に働きかけ若い芸術家たちの為の基金を設け、若い才能を伸ばすお手伝いをして行くと副書記長は語った。
実際問題として関連する学校のほとんどは放課後の学生に活動を把握できないものだ。様々な意見はあるが、最も重要な点は若い芸術家たちが健康的な場所で演奏することが可能で、プレイボーイでは無く社会の労働者に奉仕するために活動をしなければならないということでは無かろうか。
(辛口寸評)
サイゴンが暮れなずむ頃、家路を急ぐバイクの洪水の中に、ギターケースや電子オルガンを背にした若者たちが市内中心部に向かい進んで行く。いずれの顔も未だあどけなさを残し、一目で学生であることが知れる。彼らの行き先は、バーでありディスコであり、レストランで目的はバイトである。公共の人々の前で演奏することが才能の開花に繋がるのは多少、事実だと思うが、ことベトナムに関して云えばそれが全てでは無いだろう。ベトナム人は割と他人が出す音や騒音に対して寛容な国民性を持ち、これが日本なら大問題に発展するような事象も、ここでは日常茶飯事だからだ。何を言いたいかと云えば、要するにこれらパフォーマンスの練習なら、別にバーやクラブへ行かなくても、隣近所の迷惑を顧みず幾らでも音を立てることが出来る。これに対し、文句を言うのは僕を含めた外国人で周囲のベトナム人は、「まあお互い様ですから、、、。」程度にしか思っていないのである。
故に今回、文化情報省が決めた学生の飲み屋での演奏禁止は不良化を防ぐ胃意味では十分、理に叶っているし、そもそもこのような場所で演奏する学生の目的は一に銭儲けであり、公共での練習で才能を磨くなどというのは取ってつけた理由でしかないのだ。尤も、上に政策あれば下に対策ありのお国柄なので、禁止したとしてもこれからも活動が減ることはなく、寧ろ経済の発展と共に海外から流れ込んでくる資金のお陰で、人が集まり、人の集まるところ娯楽が熟成されるので、今のベトナムの勢いからすれば増えて行くことは必定だろう。バーが駄目ならライブに店の呼び方を変えれば幾らでも言い訳が立つと考えるフレキシブルな人々、それがベトナム人なのだから。
7月07日(土) ドメステック・バイオレンス
*幸福な家庭を築く事は誰にとっても素敵な夢ですと語るのはベトナム婦人連合のグエン・ティ・バン・タムさん。幸せな家族とは女性たちや子供たちにとって安産な場所を意味しており、今日、家庭内暴力(DV)との戦いは世界の多くの国々やベトナムにとって早急に解決をなされなければならない問題となりつつあるとタムさん。家庭内問題は婦人連合や他の機関にとって対峙しなければならない鍵となるものとの認識を持つのは婦人連合のグエン・ティ・タン・ホア副会長。国連人口基金、ドイツ開発サービス、フォード財団、婦女子発展センターなどは共同でベトナム初のシェルターを設けDVに悩む婦女子並びに人買いの被害者の救済措置に乗り出した。
尤も重要な鍵は女性たちがDVの被害を受け続ければ加害者の夫と離婚することが出来る事を知らしめる事にあると、婦女子センター職員ブイ・キムさん。暴力はいつも弱者の女性に向けられるもので、特に亭主に反抗しなかったり自分の意志を主張しない妻たちが標的にされされるとキムさんはいう。30年間夫の暴力を受け続けた今年53歳になる婦人は、これまでに離婚を考えたこともないそうだ。彼女はほとんど毎日亭主の暴力にさらされてきたが、彼女の三人の姉妹が既にそれぞれ離婚をしていたために、彼女自身、四番目の離婚経験者になることを恐れひたすら耐えてきたのだという。
多くの他の婦人たちも、DVが理由で離婚を世間に知られることを潔しとせず、離婚に踏み切れないでいるのが実情で、同センターを訪れるのは被害者のほんの一握りにしか過ぎないとのことだ。性別応用化学学習センターに拠ると、1988~1997年の間に、7500人以上のDV被害が発覚し、シェルターでは保護をした。因みに同センタでは現在、350名に及ぶベトナム国内のDV被害者を保護している。しかし、このシェルターにやってくる多くの人々は自分たちがDV被害者の認識は薄く、それ以上に彼女たちは配偶者との関係悪化により連れてこられたと考えているのだという。性別応用化学学習センターのグエン・ヴァン・アインさん曰く、彼女のシェルターが被害者女性の自立に一役買っており、被害者やその子供たちの問題解決や状況判断、或いは力を取り戻す為のネットワーク支援を行い少しずつ状況は良い方向に向かっているとする。
一般的なベトナム社会において、亭主のDVに対し妻が批判的な態度を取ることははしたないと考えられており、家庭内の個々の問題として他人の介入を良しとしない傾向にある。このような世間の見方が結果的にDVの増加に繋がる為、社会を啓蒙し考え方を変えてゆくようなキャンペーンを張ることが必要なのだとヴァン・アインさん。人々がDVに対する理解力を深める事により、彼らがDVを放置せず証人となってゆくのですとヴァン・アインさんは続ける。イェン・バイ省ワイタン村村長のグエン・ティ・アンさん(ここの村民の95%は少数民族のヤオ族)は、警察と地域自治体が被害者を救済する身近で重要な存在なのだと訴える。「DVを割って止める他者への亭主の暴力を押さえる為に、警察の介入は必要となります。そして法律によって加害者である亭主を厳しく押さえつける事により服従させなければなりません。」とアン村長。
ハノイ市トウオイ地区とゴックハ地区の地元自治体と警察は共同でDVに関する4日間の訓練と講習を受け、また二つの地区では被害者の為のシェルターも設立されたという。
(辛口寸評)
ベトナムは社会主義国家である国是として男女平等が組み込まれている。従って女性の社会進出度も高く、有能な多くの女性が政治・経済の舞台で活躍している。とは言え、地方に一歩入れば、そこはやはり家族主義を頂点にした保守的な環境がそれぞれの家庭を支配している。
特に農業を中心とした世帯に於いてこのような傾向が強く、女性は常に男性の所有物であり、周囲も同様の考え方を共有するため、DVと言っても亭主に拠る女房の教育の一環程度にしか見ず、そこへ他人が介入する余地は無いのである。また、被害を受けている女性自身、家庭内の問題を世間に知られることを恥じと考える為、記事にも書かれていたように余程の事が無い限り表に出てくることも無い。
さて、我が家の場合、DVも何も全てベトナム人のかみさんが握っている為、手も足もぐうの音も出ないのである。口論はしょっちゅうで、口で亭主の僕が打ち負かすと、かみさんはひとり寝室に消えて行く。そのまま放って於けば、彼女は三日でも四日でも、一週間でも平気でピケを張り、一歩も出てこようとしない。そのくせ、同居している義妹に毎日三回の食事は携帯メッセージで運ばせ、きれいに平らげて食べ終えた食器類がいつの間にか寝室のドアの前に戻されている。なんだかんだといっても、彼女が書類上の社長なので、彼女が天の岩戸に隠れると、その途端に請求書の発行はもちろん、会社の業務が滞ることになる。結局、僕はいつも悪くはないのに「俺が悪かった!」と彼女に頭を下げて幕を引くことに相成る。どうも納得がいかないが、これって逆DVだったりして、、、(笑う)
以上
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