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2007/07/06

ベトナムの司法改革を推進するプロジェクトチームが訪日!

チュォン・ヴィン・チョン副首相を団長とする、ベトナムの司法改革調査団(プロジェクトチーム)が訪日してきた。

ベトナムは、司法行政面の対応力を強化することと、裁判制度の合理性を改革することが急務になっており、これらの点で、日本のシステムを研究しようという狙いが込められている。
従来、ドイモイ政策へ転換してから、ベトナムは民法の改正に全力を尽くした、とりわけ所有権または使用権の概念整理とその確立なくして、外国資本の導入およびその事業展開を支えることができない。また、急激な経済発展の過程で生じる家族間の所有権や相続権を明らかにしておく必要があるからだ。
何もない時代であれば、一族の長が、「誰には相続権があるが、誰々は相続させない」と宣えばそれで解決(そう簡単ではないが)だった。
また、厳格な社会主義政策を敷いている間は、身の回りの簡易な所有物以外は、基本的に全ての財産が国家に帰属し一時使用しているに過ぎないため、複雑な権利関係は生じない。
しかし、経済発展と共に海外から転がり込んだ膨大な資金は、一般的な形で目に見えなくても、しっかり充分な形で個人に蓄積され、いまは大きな財産となっている。
大半の市民には関係のないことだし、農村社会では考えも及ばないが、ホーチミン市やハノイでは逃れることのできない事態を迎えつつある。

そこで「民法」の整理が必要になった。これは、既に「会社法」などと共に、日本の支援でまとめられ施行されている。

今後は、刑法犯の処罰、民事訴訟への対処、行政訴訟(今後発生するであろう)への対処など、司法行政あるいは裁判制度の透明性や客観的合理性を整備する必要に迫られている。
現状の司法制度は、様々な問題を抱えているため、これへの対処は不可避である。

裁判制度といえば聞こえはよいが、例えば刑事事件の裁判を例にとれば、被疑者を確保し現場の警察を預かる司法巡査、被告人を訴追する検察官、被告人を弁護する弁護士、加えて公正な裁判官により形成されるわけで、関わる者は全員が「人」である。
日本でもそうだが、人は完全ではない。誘惑にも負けるし、ともすれば感情的にもなる。それを適切に抑制し自己規制できる人物でなければ、事件も人も裁けない。
現在のベトナムの裁判制度や司法関係者を眺めると「?」という要素を疑いたくなることがある(現在、日本でいえば「有印私文書偽造・同行使、公正証書原本不実記載、事業略取」に伴う重要な民事事件を抱え、略取された友人が民事刑事双方で係争中のため)。

ベトナムは、サイン社会といえども、「コラコラコラム」主宰者の友人(本人)が、米国滞在中(旅券で証明可能)に事業を略取しようとした者があり、事業の登記書類をデッチ上げ友人のサイン偽造した上で、登記局へ持ち込み、事業を横領略取した事件であり、日本でいえば、上記(  )で括った簡単な事件なのだが、ベトナムには、これに対処し罰するため措置する捜査現場の法概念がない。
つまり企業犯罪に対処できないのである。
加えて、公安(警察)へ告発しに行くと、まず堂々と「金品を要求する!」。分かりやすく言えば「金(=買収資金を出す)」がなければ捜査に着手しないというわけだ。考えようでは、「金(=買収資金)」を潤沢に準備すれば、司法巡査たる公安(警察)を買収できるから、そもそも事件にならないのである。これでは法治国家とはいえないわけだ。
また、提訴準備に入ると、弁護士(こちらが傭う)を始め、あらゆる関係者(実際には無関係な人物が多い)から、「アぁだ、こうだ!」と脈絡のない非合理的な話が山のように届けられる。「自分は、裁判官の誰々を知っている。話をつけてやるから『金』を準備しろ」という類である。何よりも大切なことは、弁護士も司法巡査も検察官も、事件の概要が理解できないのである。①サインを偽造することが罪であり、②それを以て公正証書(登記簿)を改竄することは罪であること、③その結果、他人の事業や財産を横領し略取することは重大な犯罪である。このことが概念として整理できず理解できないのだ。
論争は「書類は揃っているし、不備はない」と、司法関係者が口を揃えて主張し裁判にしたくないというのだから、もう、全く話にならない。
これは法運用の問題であり、基本的な理解力と知識の問題である。この基本(知的能力)を欠いている限り、ベトナム政府には悪いが、司法整備はできないと言い切ってもよいと考えている。

企業犯罪を適正に措置できないなら、冤罪を創り出すことなど簡単な事だ、ということになり司法の信頼性が根底から問われる。それは、外国から投資する資本家には、極めて重大なリスクである。従って、リスクを回避するため「投資」を敬遠することになるだろ。否、投資するなら、それ以上の回収と収益を考え、無茶苦茶な展開を考えるだろう。

近代国家としての体面を保ち、法の支配、法による統治を徹底するには、「システムの整備」も去ることながら「司法関係者全員の人材育成」が先決である。

というような理由により、ベトナムから司法関係者が日本の司法制度を調査するために訪日されたということだ。そして、日本政府は「改革支援」を約束したわけだ。

この調査団の訪日にかかる、首都圏以外の訪問先の件では、いくつかの司法関係団体や機関に、懇談のお願いを打診させて頂きました。関係各位に深謝申し上げます。

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Japan promises help to Viet Nam's judicial reform
04/07/2007 -- 9:18 PM

Tokyo (VNA) - Japan has indicated their willingness to aid Viet Nam in building and implementing judicial reforms for the Southeast Asian country.

That was the message delivered to Truong Vinh Trong, Deputy Prime Minister and Vice Head of the Central Steering Board for Judicial Reform, who has been touring Asia's largest economy from June 28 to July 4, in order to study Japan's judicial system.

At a meeting with Japanese Prime Minister Shinzo Abe, Trong was told that Abe and his cabinet back judicial reforms in Viet Nam and are eager to broaden ties so as to eventually become a strategic partner as agreed with the ASEAN member during a visit by Prime Minister Nguyen Tan Dung last October.

PM Abe went on to say that he was delighted with reports of the solid performances of Japanese investors in Viet Nam and informed the Vietnamese senior official that his government is considering three large-scale projects in the country, including the north-south road and railway routes and the Hoa Lac hi-tech park.

Deputy PM Trong relayed his administrations appreciation of Japanese aid that has been doled out for development purposes in his country.

During the tour, the Vietnamese officials also met with Vice President of the House of Councillors Imaizumi Akira and Vice Speaker of the House of Representatives Yokomichi Takahiro, Foreign Minister Taro Aso and Justice Minister Nagase Jinen.-Enditem
Copyright, Vietnam News Agency (VNA)

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