バーニーズ(BN)買収戦!FR(ユニクロ)は、最初の入札価格が限界だろう!
普通に、流通業の経営を考えるなら、バーニーズ・ニューヨークの文化的経済価値が優れているとしても、現在時点で1200億円以上の価値はない。
ユニクロは、その点を押してまで買収するなら、正当な理由について説明が求められる。
ドバイ政府の流れをくむオイルファンドが、バーニーズ・ニューヨーク(BN)の経営をどのように立て直し有力な収益事業に組み上げることができるか、静かに横で守りたい。
基本的には、近代ニューヨークの消費文化を表徴した店だから、イメージと看板だけはある。しかし、実際の顧客とMD(マーチャンダイジング=商品構成)の関係はどうなのか?
この点の解決方法を見出せなければ、いかに金が有り余り充分な資産を保つアラブの石油資金でも無理だろう。
決して、BNが難しい環境にあると言っているわけではない。
だけど、現実には、BNは決して安逸にやっていける事業ではない。どちらかと言えば、割合リスキーな方のウェイトが高い事業だ。
ユニクロが手中に収めれば、現在のユニクロは、自社の商品構成について強く大きな刺激を受けることができると思うが、それでも、基本は同業種だから、その点では商材開発や顧客開発の面で極めて整理が難しいことになっただろう。
育つ環境が違いすぎるから、経営面での混乱が大きくなったかも知れない。
ユニクロは、自社の店頭展開と商品政策の整合性を考えた方がよい。BNから得ようとしたノウハウというよりハウツーを自社で開発すべきだ!
その意味では、オイルマネーであろうと、そのファンドであろうと、資金だけの収支に目を向ける側は、どこの国のファンドであろうとドライである。
その観点で、落札したBNの経営を、投資ファンド、イスティスマルがどのように扱うか実は興味津々というところだ。
引用開始→ ファストリ、米バーニーズ買収を断念 (日経NET)
ユニクロを傘下に持つファーストリテイリングは9日、米高級衣料品専門店バーニーズ・ニューヨークの買収を断念すると発表した。バーニーズの親会社の米ジョーンズ・アパレル・グループが日本時間で10日朝までに買収価格の再提示を求めていたが、見送ることを決めた。
大型買収をテコにした同社の成長戦略は仕切り直しとなる。これによりバーニーズはファストリと競合していたドバイ政府系投資会社が傘下に収めることになる。
(C) 2007 Nikkei Inc. / Nikkei Digital Media, Inc. All rights reserved. ←引用終わり
引用開始→ ユニクロ、バーニーズ・ニューヨークの買収を断念 (夕刊フジ)
カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング(FR)は9日、米高級百貨店バーニーズ・ニューヨークの買収を断念すると発表した。
バーニーズの親会社、米衣料大手ジョーンズ・アパレル・グループは8日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ政府が出資する投資ファンド、イスティスマルに9億4230万ドル(約1130億円)で売却することで暫定合意していた。
対するFR側は9億5000万ドル(約1140億円)を提示していたが、ジョーンズは、FRの対抗案を受け入れた場合、イスティマル側に違約金3470万ドル(約41億円)を支払う契約がある。このため、FRが買収合戦に勝つには再度買収額を引き上げる必要があり、9日が修正案の提出期限だった。
バーニーズ買収をめぐっては、ジョーンズが6月、イスティスマルに8億2500万ドル(約990億円)で売却することで合意したが、FRが7月に対抗案を提示。双方が買収額を引き上げる争奪戦に発展していた。
ZAKZAK 2007/08/09 ←引用終わり
引用開始→ ファーストリテイリング、バーニーズの買収を断念 (讀賣On line)
カジュアル衣料チェーン「ユニクロ」を経営するファーストリテイリング(FR)は9日、米高級衣料品店バーニーズ・ニューヨークの買収を断念したと発表した。
これにより、アラブ首長国連邦(UAE)の投資会社イスティスマールがバーニーズを買収することが事実上決まった。
FRは7月、バーニーズの親会社である米衣料販売大手ジョーンズ・アパレルに、バーニーズ買収を提案、8月5日に買収額9億5000万ドル(約1140億円)を提示していた。
一方、イスティスマールは8日、買収額を従来の9億ドルから9億4230万ドルに引き上げた。イスティスマール以外に売却する場合、ジョーンズ・アパレルは3470万ドルの違約金を支払う必要があり、価格面でイスティスマールの提案がFRを上回っていた。
買収断念についてFRは、「買収額をこれ以上引き上げると、投資効果に見合わないと判断した」(グループ広報部)と説明している。
ジョーンズはFRに対し、米国時間の9日午後5時までに買収の修正案を提出することを求めていた。
(2007年8月9日20時33分 読売新聞)
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