シャープ、選択と集中で強気の市場攻勢へ、そのターゲットを中国へ!
薄型テレビを巡る「液晶パネル」の国内生産体制は、シャープと松下電器産業(Panasonic)に集約された。
世界の販売市場でも、この半年で自然に合従連携が進み、生産力の集約は一気に進んだ。日系各社も、この世界の趨勢に適応すべく前述の体制に至ったワケだ。
各社は、それぞれの思いで、生産撤退を決断し、あるいは、生産集約を引き受けることで、各社の事業の中でより高度に集積され強い競争力を保つ事業部門への、事業集積を進めるワケである。
競走は構わないが、無秩序な競走を繰り広げる事で「膨大な損失を生む」のは、あらゆる分野で「資源」の無駄を産み続けるのだから、地球環境の保全の上からも止めた方がよい。
さて、生産の集中と選択を進めたシャープは、「液晶パネル」での攻勢を強めている。
韓国LG電子はシャープから供給を受ける旨を表明している。
ソニーもシャープとの関係構築を表明している。
ソニーは、「サムソン(三星)」との以前からの関係を維持しながらシャープとの取引を開始するようだ。
これらの結果、シャープの液晶パネルはシェアを高める事を確定させたワケである。
そのシャープは、日系携帯電話各社の撤退が相次ぐ中国市場へ「AQUOS」を掲げ富裕層へ狙いを定め新規参入するという。事業者としては賢明な選択ともいえる。
④と⑤引用で掲出
①引用開始→ 韓国LG電子、シャープから液晶パネル調達 (日経NET)
(2008/03/13)【ソウル=鈴木壮太郎】韓国LG電子は12日、シャープから液晶パネルを調達する方針を明らかにした。LGグループは傘下に液晶パネル専業のLGディスプレー(旧LGフィリップスLCD)を持つが、薄型テレビ需要の拡大に液晶パネルの供給が追いつかないため、シャープから供給を受ける。シャープは東芝、ソニーとパネルでの提携を決めており、韓国メーカーへも外販することでパネル事業を強化する。
LGは薄型テレビの売れ筋サイズである32型のパネルをまず調達。続いて52型を調達する方針。時期や調達量は明らかにしていないが、32型の調達量は200万枚と見られ、52型は未定という。LG電子は今年、液晶テレビの販売を前年比2倍以上の1400万台に増やす計画。シャープからの調達でパネル不足を解消する。 (08:34)
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②引用開始→ フィリップス、TV用液晶パネルから撤退――LG合弁株、大半を売却へ (日経NET)
(2008/01/23)【アムステルダム=清水泰雅】欧州家電最大手のフィリップス(オランダ)はテレビ用の液晶パネルから撤退する。韓国LG電子とパネルを合弁生産しているが、合弁会社の株式のほぼすべてを年内にも売却する。投資負担が重い液晶パネルを巡っては、松下電器産業―日立製作所―キヤノンとシャープ―東芝がそれぞれ提携したばかり。再編・淘汰の動きが海外にも波及する。
フィリップスのジェラルド・クライスターリー社長が日本経済新聞記者と会い、「今は株式市場の状況が悪いが、回復したらすぐにでも(保有株を)売却する。パネル事業はもはや中核事業ではない」と早期撤退を明言した。
[2008年1月23日/日本経済新聞 朝刊]
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③引用開始→ ソニーとサムスン、液晶パネルに追加投資・2000億円 (日経NET)
(2008/03/04)【ソウル=鈴木壮太郎】ソニーと韓国サムスン電子は韓国の液晶パネル合弁工場に追加投資し、薄型テレビ向け大型パネルを効率生産できる生産ラインを増強することで大筋合意した。投資額は2000億円前後とみられ、両社が折半する。液晶テレビ世界2位のソニーはシャープと最先端のパネルを共同生産することを決めているが、同時にサムスンとの関係も強化。競争力のカギとなる液晶パネルで2社から安定調達する体制を固める。
韓国忠清南道牙山市にあるソニーとサムスンの合弁会社「S―LCD」に月産能力5万―6万枚(ガラス基板換算)の工場を増設。2009年上半期に量産を始める。S―LCDは昨夏、32型に適した「第八世代」と呼ばれるパネルで月産5万枚の工場を稼働させており、今回の投資で第八世代パネルの生産能力は大幅に増える。
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④引用開始→ シャープ、中国で携帯参入――片山社長「新興国市場で成長」 (日経NET)
シャープの片山幹雄社長は13日、インタビューに応じ、携帯電話機事業で中国市場に参入する方針を明らかにした。同社は携帯電話機の国内首位で、今後は海外市場の開拓を積極的に進める。液晶テレビ用パネルについては「(堺市の新工場がフル稼働する)2010―11年に世界シェア30%を目指す」と表明。ソニーや東芝との提携を通じて事業を拡大、韓国サムスン電子などに対抗し世界シェア首位を視野に入れる。
携帯電話機事業について片山社長は「中国に進出して海外市場で成長する」と言明。北京五輪商戦前の6月にも販売を始めるとみられる。「中国では液晶テレビAQUOS(アクオス)のブランド力が向上しており携帯電話機との相乗効果が見込める」と判断した。
[2008年3月14日/日本経済新聞 朝刊]
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⑤引用開始→ シャープ、アクオスケータイを中国に投入 夏までに (asahi.com)
2008年03月14日06時05分シャープの片山幹雄社長は13日、朝日新聞のインタビューに応じ、主力の携帯電話「アクオスケータイ」の販売を中国で今夏までに始める考えを明らかにした。経済成長が続く中国は携帯電話でも世界有数の市場だが、低価格機種が主流で、日本メーカーは採算があわず全社が撤退。事実上の「空白地帯」となっていた。シャープは北京五輪をにらんで、高精細液晶を売りに日本勢として「再参入」を目指す。
シャープが中国で携帯電話を本格的に販売するのは初めて。6月ごろまでに出荷できるよう調整している。現地では液晶テレビのアクオスの販売が好調なため、携帯電話も参入することにした。中国でも日本のワンセグのような携帯電話など向けのデジタルテレビ放送が一部で試験的に始まっており、将来はテレビ機能つきの機種の販売も検討する。
中国の携帯電話の規格は日本と異なり、欧米などで使われている、通信容量の少ない「GSM方式」が主流。ただ中国政府の方針で、動画など多くの情報量を通信できる日本と同様の方式が近く始まるとみられている。
中国の携帯電話の販売台数は08年度は2億1200万台と予想されており、ノキアやサムスンなどのメーカーがシェアを争っている。日本メーカーでは最後まで残っていた京セラが今年1月、撤退を発表していた。
アクオスケータイはワンセグ開始に合わせ06年春に発売された。調査会社IDCジャパンによると、シャープは国内携帯出荷台数で昨年12月まで7四半期連続で首位。
(WEB朝日新聞社asahi.com) ←引用終わり
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