三菱電機も、「携帯電話」製造から撤退!実に見事な経営判断だ!
熱心な支持者としては、極めて残念な気持ちも残るが、そこはビジネス。
赤字を長期にわたり垂れ流すのは受け入れがたい。
何がダメだったのか?ドコモの販売機種の中では基本性能は優れているし、品質も良好だし、使い勝手もよい機種を製造供給(販売)してきたが、いつの頃からか、小学生相手(とまで言えば失礼か)みたいな、キャラクターを埋め込むようになった。
基本的には若年者(女子高校生)を念頭においた製品ラインにしたことが、決定的な敗因になったとDシリーズの愛用者としては考えている。
提供された中身は、女子高校生が評価するほどのセンスはないし、第一、3ヶ月もしたら飽きられる代物を追いかけ(ようとし)た事がマーケティング上の間違いだろう。
ガキに媚びへつらった結果、ビジネスユースで使用してきた側からそっぽを向かれた。
だって、恥ずかしくって持てる代物じゃないから。知能指数を疑われかねない状況もあった。しかし、提供しようとした機能や性能は、ハッキリいってビジネスユースだった。
なんたる違和感!?
これが三菱電機の携帯電話のセンスなのだろう。
それと、携帯電話の組み立ては、開発した回路設計に基づきセットアップされた部品を組み込むだけの単純労働である。
三菱電機の携帯電話事業は、この点でどのような(ビジネス)プロセスモデルを組んでいたのか分からないが、通常の電気製品と同様に生産ラインを扱っていたとすれば、生産工学的にはよいかも知れないが、生産と経営という観点では大きな間違いがあったのかも知れない。
一定程度普及してしまった市場もあり赤字を脱却できなかった理由は、想定した付加価値を、市場で展開しきれなかった事、そして消費者から支持を得る事ができなかった事、様々な要因の中で、この2点が一番大きい事だろう。
ならば、生産ラインを考え直す以外に途はないのだが、そこまでして維持するほどの事業でもないのが、現在の携帯電話生産ラインである。
やがて、中国が携帯電話生産と供給の多くを占める事になるだろう。
PC生産が採算割れするのと同じ構造である。
別に三菱電機が、子供のオモチャ程度の機器を生産し続ける事もない。
事業を選別し集中する方が理に適っている。
Dシリーズの熱烈愛用者としては残念な気持ちも残るが、経営判断としては「実に正鵠を射ている」と申し上げておこう。
引用開始→ 三菱電、携帯から撤退・国内電機、事業選別を加速 (日経NET)
(2008/03/03.)三菱電機は携帯電話機事業から撤退する。新規開発を中止し、今春に予定していたNTTドコモ向けの携帯電話機の発売も取りやめることを決めた。国内電機大手では三洋電機が携帯電話機事業を京セラに売却することを決めたほか、日立製作所はパソコンの生産から撤退。各社の事業選択の動きが加速し始めた。
三菱電機は3日にも撤退を発表する。同社の携帯電話機事業の売上高は年千数百億円規模だが、赤字が続き、現在はドコモ向けの供給のみに絞っている。今年度も期初に320万台の出荷を計画していたが、販売不振で2月初旬に計画を210万台に下方修正し、苦戦を強いられていた。(07:00)
Copyright 2008 Nikkei Inc. / Nikkei Digital Media, Inc. All rights reserved. ←引用終わり
引用開始→ 三菱電機、携帯撤退を発表・損失170億円計上 (日経NET)
(2008/03/03.)三菱電機は3日、携帯電話機事業から撤退すると正式発表した。これに伴い、2008年3月期に約170億円の損失を計上する。新規開発を中止し、5月にも予定したNTTドコモ向けの携帯電話機の発売も取りやめ、現行機種で販売を終了する。今後は同事業で培った技術を生かし、次世代ネットワーク(NGN)などに経営資源を集中させる。
国内の携帯電話市場は、市場が頭打ちとなる中、10社以上がひしめく状況で、各社とも利益を出すのに苦戦していた。三洋電機が携帯電話機事業を京セラに売却することを決めるなど再編の動きもでていた。
同社の携帯電話機事業の年間売上高は1000億円(2007年度見込み)。赤字続きで、現在はドコモ向けの供給のみに絞っていた。今年度は期初に320万台の出荷を計画していたが、販売不振で2月初旬に210万台に下方修正。07年4―9月期の国内出荷台数シェアも3%程度と、市場における順位は10位にとどまった。(16:01)
Copyright 2008 Nikkei Inc. / Nikkei Digital Media, Inc. All rights reserved. ←引用終わり
引用開始→ 三菱電機が携帯事業から撤退…競争激化で収益性低下 (夕刊フジ)
国内シェア6%、シャープなどに後れ三菱電機が携帯電話端末事業から撤退することが3日、分かった。国内市場の競争激化で収益性が低くなっている同事業に見切りをつけ、海外市場でも拡大が見込める空調、自動車機器などに経営資源を振り向ける。携帯電話メーカーでは三洋電機が1月、同事業を京セラに売却しており、再編が加速している。
三菱電機は現在、NTTドコモ向けのみに携帯電話を製造しており、2006年度の国内出荷台数は約300万台。国内出荷台数シェアは6%程度で、約20%程度を握るシャープや、パナソニックモバイル、東芝、NECなどの上位グループに後れを取っていた。
ただ、同事業から撤退するものの、これまで開発してきた技術をカーナビゲーションシステムなどに活用するため、他社への事業売却は行わない方針。
携帯電話端末の国内市場は、約5000万台の年間出荷台数に対して、10社以上のメーカーがひしめく過当競争状態。携帯電話端末は地上波デジタルテレビ放送「ワンセグ」の視聴や、音楽、ゲーム、GPSなどの高機能化が進んでいるため、開発には巨額の資金がかかり、「販売台数の少ないメーカーは利益を確保しにくい」(証券アナリスト)環境にある。
また、ソフトバンクモバイルやNTTドコモが昨年から、携帯電話端末の料金を割賦払いにし、月々の通話料金に上乗せする料金体系を導入したことや、携帯電話の高機能化が十分に進んでいることから、業界で「利用者が端末を買い替えるまでの期間は長くなる」とみられている。
民間調査会社のMM総研(東京都港区)によると、携帯電話端末の出荷台数は2010年度には4200万台まで減少する見通し。メーカー間の販売競争はさらに厳しくなるとみられ、三菱電機や三洋電機以外にも事業の再編統合や撤退を迫られるケースが出てきそうだ。
ZAKZAK 2008/03/03 ←引用終わり
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コメント
何ゲなく見つけました。
三菱電機が携帯電話事業から撤退した時は名残り惜しむ書き込みをいくつかみました。
後ろ髪惹かれるけど仕方がない等々。
見事な決断だ!!と賞賛のお言葉を、携帯電話事業から撤退の発表の段階でスッパリ書いた書き込みはここが初めてです。
発表のその段階でここまでスッパリ書けるとらえもん & まるでのうそまろさんは
結構鋭い眼力を持つ経営者なのではなどと思ってしまいます。
あれから4年半が過ぎ撤退の判断は正解だったのは誰の目にも自明です。
世の中の情勢もいろいろありますが、内実もあまり褒められる状況ではなかった様ですが。
三菱携帯電話クラブ…その後
http://8724.teacup.com/realnext2/bbs
三菱携帯電話クラブ
http://8721.teacup.com/realnext/bbs
三菱電機のひとりごと
http://8104.teacup.com/mitsubishi/bbs
投稿: お雛様 | 2012/12/13 20:49